自分では見えない・手が届きにくい背中のムダ毛。自信を持って背中を出せるようになりたい!と考える方に人気なのが、背中脱毛です。
背中脱毛をして後で後悔しない?
背中脱毛はなかなか終わらない、お金がかかるってホント?
逆に毛が濃くなるって聞いて不安…
この記事では、背中脱毛で後悔した人の理由、背中脱毛の硬毛化リスクや効果が実感できるまでの期間を解説しています。
背中の脱毛をしたいと思っているけれど、後々後悔したくない!本当に見えない背中まで脱毛する意味があるのかな?と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の執筆者
石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
背中脱毛で後悔した人の理由
背中脱毛は、自己処理がラクになる、背中の開いた服もきれいに着こなせる、背中ニキビの改善が期待できるなど、メリットのある美容のお手入れです。
とはいっても良いことばかりではなく、なかには背中脱毛で後悔した方も。その理由をまとめると、下記の5つがあげられます。
背中脱毛で後悔した人の理由
- 施術中に恥ずかしい
- なかなか脱毛が終わらない
- 部位脱毛だと境目が目立つ
- ニキビが増えた
- 汗の量が多くなった気がする
施術中に恥ずかしい
- 背中をほかの人に見られるのに抵抗がある
- 背中ニキビがあって恥ずかしい
- 毛深いから恥ずかしい
脱毛スタッフはさまざまな毛質・肌質の方を見慣れているため安心して背中脱毛を任せられる存在ですが、背中にコンプレックスがあると見せるのは嫌だなあと思ってしまいますよね。
実際、背中脱毛をしたいと思っても、人に背中を見せるのに抵抗がある方は少なくありません。
実際のところは、施術中は照射しない部分を極力隠しながら脱毛を行いますので、ずっと背中を見られっぱなしというわけではありません。
また、脱毛照射はシェービング後に行うものなので、背中の毛量が気になる方は、その場で剃ってもらうのではなく、手の届く範囲を自分でシェービングしてから来院するのもおすすめです。
そのほか、ニキビなどの肌荒れがある場合はケア方法のアドバイスをもらえることもあります。
「自信を持って背中を見せられる脱毛後の姿を思い浮かべると乗り切れた」「背中を見せるのに抵抗がある、と先に伝えておいた」という声もありますので、脱毛を受ける際にはぜひ実践してみてくださいね。
なかなか脱毛が終わらない
背中脱毛を受けた方の中には、「5回コースだと足りなかった」「いつになれば終わるのか」と後悔するケースがあります。
背中に生えているのは産毛や細い毛です。太い毛よりもすぐに脱毛が終わる気もしますが、実は産毛は脱毛機に反応しにくい毛。5回コースでは目指す仕上がりによっては満足できません。
お手入れがほとんど必要のないツルツル肌を目指すには、8回~10回程度の回数を見ておくと安心です。
エステサロンでの光脱毛であれば、これよりももっと多く(おおよそ16回以上が目安)の回数がかかります。
■ | 医療脱毛:お手入れがラクになる5回~6回程度 |
■ | 医療脱毛:お手入れがほとんど必要ない8~10回程度 |
■エステサロン脱毛:効果実感までに | おおよそ16回以上 |
とくに、5回で満足できる方が多い脇やヒザ下など効果を実感しやすい部位を脱毛したことのある方、全身脱毛として同時に脱毛している方は、背中脱毛が完了するまでの期間や回数との差を感じやすいです。
背中脱毛は最短でも1年ほどの期間がかかりますので、終わらせたい時期がある場合は逆算して計画的に脱毛をスタートさせる必要があると知っておきましょう。
ブライダル脱毛で背中をキレイにしたいと考える場合は、挙式に間に合うように脱毛のスケジュールを決める必要があります。
短い期間で脱毛を終わらせたい場合は、エステサロンではなく、クリニックでの医療脱毛がおすすめです。
部位脱毛だと境目が目立つ
背中のみ脱毛をした場合、脱毛していない部分との境目が目立つ可能性があります。
とくにうなじとの境目が分かりやすく、背中が脱毛でツルツルになった分うなじの毛が悪目立ちしてしまうことも。
ほとんどのクリニック・サロンではうなじは背中脱毛の範囲に含まれませんので、うなじまで脱毛してほしい方は、背中+うなじのコースを選択すると安心です。
背中脱毛のあと他の部位も脱毛したい方は、最初から全身コースを選ぶと総額が安くなります。
ニキビが増えた
まれに「背中脱毛をしたらニキビが増えた」と後悔する方もいます。
背中脱毛ではレーザーや光を肌に当てますので、照射後の肌は多少なりともダメージを負った状態に。
ふだんはニキビができにくい方でも脱毛直後は肌荒れしやすいので、ていねいなケアが必要です。
背中脱毛をした直後のニキビは、毛嚢炎の可能性があります。
毛嚢炎には赤くプツプツとした腫れや膿が発生するものがあり、ニキビと見分けがつかないのが特徴です。
背中脱毛後にニキビや毛嚢炎が増えてしまっても、保湿ケアをしながら照射を重ねていくと毛穴が小さくなり雑菌が繁殖しにくくなり、ニキビが減る効果が期待できます。
脱毛後はご自身に合った保湿剤を使用して、肌を乾燥させないように心がけましょう。
照射後にニキビや毛嚢炎が増えた場合は、脱毛を受けたクリニック・サロンに相談するようにしてくださいね。
もともとニキビができやすい方や背中の肌荒れが気になる方は、医師が在籍し診察や治療も行える医療脱毛を選ぶと良いでしょう。
汗の量が多くなった気がする
背中脱毛後に「汗の量が増えた気がする」という声も。ただ、脱毛は汗腺に影響しないので、汗の量が増えたり減ったりはしません。
ではなぜ汗の量が多くなったと感じるのかというと、今まで産毛が背中の汗をとどめていたのが、毛がなくなり流れ落ちやすくなったためです。
目には見えませんが、毛穴のなかにある毛も汗を溜めやすくしています。毛がなくなると毛穴が引き締まるので、毛穴のなかに汗がとどまらず外に出やすい状態に。
実際に汗の量は増えていなくても、多くなったような気がしてしまうことがあるのです。
背中脱毛の硬毛化リスク
「背中脱毛をすると逆に毛が濃くなる」こんな話を聞いたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
脱毛後に毛が濃くなる現象を、「硬毛化(こうもうか)」といいます。
硬毛化とは毛が濃くなる現象
硬毛化は、脱毛の照射後に毛が抜けるのではなく、逆に太く硬い毛が生えてくる現象です。
硬毛化の可能性については、さまざまなレーザー脱毛機の基本的注意事項として「照射部位および照射周囲部の多毛化や硬毛化を含む有害事象が発生する可能性がある」と明記されています。※1
硬毛化は医療レーザー脱毛だけではなく、出力がレーザーに比べてマイルドな光脱毛(エステサロンの脱毛方式)でも起こります。※2
クリニックであってもサロンであっても、カウンセリングの際に硬毛化リスクについての説明があるはずです。
脇やVIOなどの太い毛が生えている部位では硬毛化が起こりにくく、背中や顔などの産毛が生えている部位で硬毛化が起こりやすいとされています。
※脇やVIOが硬毛化しないのではなく、硬毛化してももともとの毛と見分けがつかないため
現段階で硬毛化の原因は明確に分かっていません。
レーザーや光の刺激により、逆に毛根が活性化して太く硬い毛が生えてくるのではないか、と考えられています。
ダメージを受けた発毛組織が「負けないぞ!」と強くなって復活するイメージが分かりやすいでしょう。
お休み状態だった発毛組織がレーザーの刺激によって活性化したために太い毛が生えてきたのではないか、とされる論文も発表されています。※3
硬毛化にはどんな人であっても恐怖心を抱いてしまうかと思いますが、発生確率はとても低く0.1%以下ともいわれています。※4
照射を続ければ脱毛できる
ムダ毛を処理しようと脱毛しているのに、逆に硬毛化してしまったら精神的なダメージが大きいかと思いますが、正しい出力で脱毛の照射を続ければ、硬毛化した毛も脱毛できます。
ほどんどのクリニックでは硬毛化に対する保証がありますが、サロンの場合はないところも。そのような場合は、硬毛化に対してクリニックでのレーザー照射に切り替えると良いでしょう。
背中脱毛の効果が出るまでの期間は?
なかなか終わらないと言われる背中脱毛。完了までには1~3年ほどの期間がかかります。
期間の幅は毛量や肌質などの個人差もありますが、医療脱毛クリニックで脱毛を受けたのか、脱毛サロンで脱毛を受けたのか、脱毛する場所によっても変わります。
また、脱毛に使用した機械がどんなものだったのかによっても、完了までの期間が変わることがあります。
医療脱毛では1~2年が目安
クリニックでの医療脱毛では、扱っている機械によって脱毛方式が変わり、「熱破壊式」「蓄熱式」2つの種類があります。
背中脱毛を受けたあとは熱破壊式脱毛機で1~2週間後、蓄熱式脱毛機では3~4週間経つと、効果のあった毛は自然に抜け落ちます。
1回目の照射後は以前と変わらないくらいの毛が生えてきますが、3回ほど照射すると毛量が減ったのを徐々に実感できるようになっていきます。
さらに照射を重ねていき、1年ほど(おおよそ5回程度)でお手入れがラクになる程度の効果を実感できるのが目安です。
ほとんどお手入れが必要ない程度の仕上がりを目指す場合は、8回以上の通院が目安となります。2年程度の期間を見ておくと良いでしょう。
脱毛サロンでは2~3年が目安
お肌への負担が少ない脱毛サロンでは、医療脱毛に通うよりも短い間隔で照射が受けられるケースがあります。
2週間~1カ月ごと、2~3カ月ごとなど間隔はサロンにより異なりますので、ご自身の通うサロンの間隔をチェックしておきましょう。
1~1年半ほど照射を続けると毛量が少なくなったのを実感できるようになります。
お手入れがラクになる程度の仕上がりを目指して2カ月ごとに16回通ったとして2年半ほど、20回では3年ほどでお手入れがほぼいらないくらいの効果を得られます。
ただし、脱毛サロンでは永久脱毛はできません。永久脱毛が行えるのはクリニックで行う医療脱毛のみとなりますので、通い続けるのに抵抗がある方は医療脱毛を選択しましょう。
なかなか効果が実感できない時の対処法
日焼けをしていると照射する際に出力を上げられないため、正しい脱毛効果が得られない可能性が考えられます。
脱毛期間中は紫外線対策をしっかりと行い、日焼けをしないよう心がけましょう。
そのほか、効果が実感できない時の対処法を以下に解説します。
毛周期に合わせて脱毛に通う
「脱毛は毛周期に合わせて通う」が基本です。
わたしたちの身体に生えている毛は「成長期→退行期→休止期」と毛周期(ヘアサイクル)を繰り返しています。
脱毛のレーザーや光が反応するのは、このうちの「成長期」のみ。成長期の毛が生えそろった時期を狙って照射することで、正しい脱毛効果が得られます。
背中のベストな照射間隔は3~4カ月ですが、これよりも極端に早すぎると正しい効果が得られず、時間もお金もムダにしてしまう可能性が高くなります。
背中の毛は自分でチェックしにくいのが難点ではありますが、毛周期に合わせて毛が生えそろったタイミングで通いましょう。
脱毛中は保湿をていねいに行う
背中脱毛の効果を最大限に引き出せるように、ていねいな保湿をしましょう。
脱毛後の保湿が重要な理由
- 照射後の肌を回復させる
- 肌トラブルを防ぐ
- 肌が潤っていると出力を上げられる
- 照射後の毛の抜けが良くなる
背中は手が届きにくいので保湿するのも一苦労だとは思いますが、保湿を怠って肌が乾燥している状態では照射出力を上げられません(=正しい脱毛効果が得られない)。
また、脱毛後の毛の抜けも悪くなるので、なかなか効果を実感できない結果に繋がってしまいます。
さらに乾燥があまりにひどいと、脱毛を受けられない場合もあります。
脱毛を受けた日から次の脱毛照射までは期間が開き、保湿が疎かになりがちですが、正しく脱毛効果を得られるようにていねいな保湿を心がけましょう。
使用している脱毛機をチェック
産毛の脱毛は、蓄熱式(SHR)の機械が向いているとされています。
医療脱毛、脱毛サロン、と大きく分類していても、使用している脱毛機はさまざまです。
脱毛機によって得意な毛とそうでない毛がありますので、背中の産毛に合った脱毛機を使用するのが効率良く脱毛を行うポイントです。
産毛や細い毛に向いているのは医療脱毛でいえば「蓄熱式」、脱毛サロンでいえば「SHR・THR・s.s.c」の脱毛機です。
ほかにも、医療脱毛では熱破壊式、脱毛サロンではIPLがありますが、これらは太い毛や剛毛を得意とする脱毛機。
背中に適していない脱毛機を使用していたとすると、脱毛機の種類が原因で効果を実感できていないことが考えられます。
脱毛サロンから医療脱毛に乗り換える方法も
脱毛サロンで効果を実感できず、医療脱毛へ乗り換える方が増えています。
脱毛サロンで行う光脱毛は照射できる出力の違いから、どうしても医療脱毛より効果が実感しにくくなります。
脱毛サロンと医療脱毛の効果の違い
医療脱毛では強いエネルギーを照射して発毛にかかわる毛乳頭・毛母細胞・バルジ領域を破壊するため、早く効果を実感できます。
脱毛サロンの契約書や会員証を提示すると料金が割引になる「乗り換え割」を設けているクリニックもあります。
乗り換え割は全身脱毛コースにしか適用されない場合も多いので注意が必要ですが、脱毛サロンから医療脱毛に切り替える際には割引をうまく利用するとコストを抑えられますよ。
ポイントを押さえれば、背中脱毛での後悔リスクは減らせます。産毛脱毛には回数が多くかかる点や、保湿をしっかりすることを心がけ、ぜひ検討してみてくださいね。
参考文献
※1 サンドロデュアル/医薬品医療機器総合機構
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/
フォーマ・アルファ/医薬品医療機器総合機構
※2 Paradoxical hypertrichosis and terminal hair change after intense pulsed light hair removal therapy
※3 Paradoxical effects of hair removal systems
※4 文光堂:葛西健一郎『基礎から学ぼう医療レーザー脱毛入門』pp.122
医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。
レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。
- 赤み、腫れ
- やけど
- 毛嚢炎
- 硬毛化、増毛化
- 埋没毛(埋もれ毛)
- 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
- 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
- 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
- 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。