美白効果が期待できるシナール錠は妊娠中でも服用できる?

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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多くの女性が理想とする「美白」。

美白を目指す方法には、クリニックでの施術や自宅でのスキンケアなどさまざまな選択肢がありますが、今回はその中でも美白効果が期待される内服薬「シナール」に焦点を当ててご紹介します。

一方で、「シナールを使用すると白髪が増える」という噂を聞いたことがある方もいるかもしれません。この噂が気になって、不安に感じている方もいるでしょう。

この記事では、シナールで白髪が増える可能性やその副作用について、詳しく解説していきます。

目次

シナール錠とは?

シナール錠は、主に美白や肌の健康維持を目的として使用される内服薬で、ビタミンC(アスコルビン酸)とパントテン酸カルシウムを主成分としています。
これにより、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑え、肌のトーンを整える効果が期待されます。
また、ビタミンCは抗酸化作用もあるため、肌の老化を防ぐサポートもします。

Dr.石川

通常、シナール錠は皮膚科などで処方されますが、ドラッグストアなどで類似のビタミンCサプリメントも手に入れることができます。

シナール錠に副作用はある?

シナール錠はビタミンCやパントテン酸を主成分とする比較的安全な薬ですが、体質や過剰摂取などによって、副作用が現れることもあります。
以下が代表的な副作用です。

  1. 胃腸の不調
    ビタミンCが高濃度で含まれているため、摂取量が多いと、胃痛、下痢、吐き気などの消化器症状が現れることがあります。
  2. 腎臓結石のリスク
    長期間にわたり高用量のビタミンCを摂取すると、代謝の過程で尿酸やシュウ酸が増加し、腎臓結石を引き起こす可能性があります。
  3. 白髪が増える噂
    シナール錠使用後に白髪が増えたという声もありますが、これは科学的に裏付けられた副作用ではありません。
    白髪の増加には遺伝や加齢、ストレスなども影響するため、因果関係は不明です。
Dr.石川

シナール錠は比較的副作用が少ないとされていますが、長期間の服用や高用量の摂取は避け、医師や薬剤師に相談しながら使用するのが望ましいです。

シナール錠の効果

シナール錠は、主にビタミンC(アスコルビン酸)とパントテン酸を成分とする薬で、以下のような効果が期待されます。

  1. 美白効果
    シナール錠はメラニンの生成を抑える働きがあり、シミやそばかすを防ぎ、肌のトーンを整える効果が期待されます。ビタミンCはメラニンを薄くするため、既にあるシミの改善にも役立ちます。
  2. 抗酸化作用
    ビタミンCは抗酸化作用があり、体内の活性酸素を抑え、細胞の酸化ダメージを軽減するため、肌の老化を防ぐのに役立ちます。このため、シナール錠はエイジングケア目的でも使用されます。
  3. コラーゲン生成のサポート
    ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、肌の弾力やハリを保つのに役立ちます。コラーゲン生成のサポートによって、シワの予防や肌のハリを保つ効果が期待されます。
  4. 疲労回復・免疫力の向上
    ビタミンCは免疫力の向上や疲労回復にも効果があり、風邪などの予防や回復のサポートにも使われます。
Dr.石川

シナール錠は、皮膚科や内科で処方されることが多く、肌の悩みの改善や健康維持のために利用されることが一般的です。

シナール錠の市販薬と処方薬の違いはある?

シナール錠には市販薬と処方薬があり、主成分がビタミンCである点は共通していますが、以下のような違いがあります。

  1. 成分量と配合
    • 処方薬のシナール錠は、医師の指示のもとで使用されるため、ビタミンCの含有量が多めで、肌の美白やシミ改善、ニキビ治療などの目的に応じた配合がされています。
    • 市販薬のビタミンCサプリメントや類似薬は、成分量が低めに設定されていることが多く、誰でも気軽に利用できるようになっています。また、市販薬ではビタミンC単体に限らず、他の栄養素を加えた製品もあります。
  2. 使用目的と効果の期待度
    • 処方薬のシナール錠は、特定の肌悩み(シミ、くすみ、ニキビ)に対して医師の判断で処方されるため、効果が期待される目的に合わせて調整されています。
    • 市販薬は肌のトーンを整えたり健康維持のために使用できるものが多く、美白効果を期待して摂取することも可能ですが、医師の管理下で使用する処方薬に比べて効果が緩やかな傾向があります。
  3. 購入方法と服用管理
    • 処方薬は医師の診察が必要で、服用量や期間が医師の指導で管理されます。
    • 市販薬はドラッグストアやオンラインで手軽に購入でき、自己管理で服用することになります。長期間服用する場合には、過剰摂取に注意が必要です。
Dr.石川

処方薬は医師の診断に基づいて適切に使用できるため、特に肌悩みや特定の症状に合わせて効果的に利用したい場合には、処方薬のシナール錠が選ばれることが多いです。
一方、市販薬は健康維持や予防目的に適しています。

シナール錠の服用方法

シナール錠の服用方法は、医師の指示に基づきますが、一般的な服用方法は以下の通りです。

  1. 服用量
    通常、シナール錠は1回1~2錠を1日3回、食後に服用します。服用量は肌の状態やビタミンCの必要量によって調整されるため、処方された量を守りましょう。
  2. 服用タイミング
    食後に服用するのが一般的です。食後に飲むことで胃への負担を軽減し、栄養の吸収も助けます。
  3. 服用期間
    効果を実感するまでに一定期間がかかることが多く、通常は数週間から数か月程度の継続が推奨されますが、長期間の使用は医師と相談しながら行うと良いでしょう。
  4. 注意点
    • ビタミンCの過剰摂取を避けるため、処方された用量を守ることが大切です。
    • 空腹時に服用すると、胃が荒れることがあるため、基本的に食後に飲むようにします。
    • 他のビタミン剤やサプリメントと併用する場合は、ビタミンCの過剰摂取に注意してください。
Dr.石川

シナール錠は肌の美白や健康維持のためのサポートとして、医師の指導に従って正しい服用を心がけると効果的です。

シナールを服用することで白髪が増えるという噂は本当?

「シナールを服用すると白髪が増える」という噂がありますが、現時点でビタミンCやパントテン酸(シナールの主成分)が白髪を増やすという科学的な根拠はありません。
白髪は主に遺伝や加齢、ストレス、栄養不足などが原因で発生するもので、特定のビタミンやサプリメントが直接影響を与える可能性は低いと考えられています。

噂が広がった背景として、シナールを使用するタイミングで白髪が増えたと感じる方がいることが考えられますが、これは偶然である可能性が高いでしょう。
ビタミンCやパントテン酸はむしろ、体全体の健康維持や抗酸化の役割を担っているため、髪の健康をサポートする作用も期待されます。

Dr.石川

何らかの不安がある場合や、白髪が気になる場合は、医師や薬剤師に相談して適切に使用するのが安心です。

シナール錠を妊娠中に服用する時に注意点はある?

妊娠中にシナール錠を服用する場合には、いくつかの注意点があります。
シナール錠の主成分であるビタミンCやパントテン酸は比較的安全な成分ですが、妊娠中の服用は医師の指導に従うことが重要です。

注意点

  1. 服用量を守る
    妊娠中にビタミンCを適切に摂取することは重要ですが、過剰摂取は避けましょう。
    ビタミンCの過剰摂取は、消化器系の不調を引き起こす可能性があり、腎臓にも負担をかける場合があります。
  2. 医師に相談する
    妊娠中はホルモンバランスが変化し、体が敏感になるため、服用前に必ず産婦人科医や主治医に相談しましょう。
    シナール錠の使用が妊娠に適しているかを確認してから服用することが大切です。
  3. 他のサプリメントとの併用に注意
    妊娠中は鉄分や葉酸など、他の栄養素も積極的に摂取するため、他のサプリメントと併用する場合はビタミンCの総量に気をつけましょう。
    葉酸や鉄と組み合わせたサプリメントも多いため、ビタミンCの過剰摂取に注意が必要です。
  4. 副作用のチェック
    まれに消化器の不調(胃のむかつきや下痢)が起こる場合があります。
    体調の変化を感じた場合は服用を中止し、医師に相談してください。
Dr.石川

ビタミンCは免疫力維持や栄養吸収のサポートに役立つ成分ですが、妊娠中の体にとって安全かつ効果的に使用するためには、適切な量と服用タイミングを守ることが大切です。

シナールとハイチオールは併用できる?

シナールとハイチオールは併用できますが、併用する際には注意が必要です。

併用時のポイント

  1. 成分の役割と効果
    • シナール:主成分はビタミンCとパントテン酸で、メラニン生成を抑え、美白効果や抗酸化作用、コラーゲン生成のサポートに役立ちます。
    • ハイチオール:主成分はL-システインとビタミンB群で、肌のターンオーバーを促進し、シミやくすみ改善に役立ちます。また、肝機能のサポート効果もあります。
  2. 相乗効果
    シナールとハイチオールを併用することで、メラニン生成抑制と肌の代謝促進を同時に行うため、美白効果が高まる可能性があります。また、抗酸化作用も強化されるため、肌の健康維持に有効です。
  3. 過剰摂取に注意
    両方の製品にはビタミンCやビタミンB群が含まれているため、併用するとこれらのビタミンが過剰になることがあります。特に、ビタミンCの過剰摂取は胃腸の不調や腎臓への負担を引き起こす可能性があるため、用量を確認し、過剰摂取を避けましょう。
  4. 医師や薬剤師への相談
    併用による効果や副作用について不安がある場合は、医師や薬剤師に相談するのが安全です。特に長期間の併用を考えている場合は、アドバイスを受けて適切な用量で服用することが大切です。
Dr.石川

シナールとハイチオールはそれぞれの成分が異なるため併用が可能ですが、過剰摂取を避け、体調を見ながら服用するようにしましょう。

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シナール錠の内服以外にシミ治療はどんなものがありますか?

シナール錠のような内服薬以外にも、シミ治療にはさまざまな方法があります。
以下は主なシミ治療の種類です。

レーザー治療

  • ピコレーザーQスイッチレーザーなど、シミに直接アプローチするレーザー治療は、メラニン色素を破壊してシミを薄くするのに効果的です。
  • 特にピコレーザーは短時間でメラニンを破壊できるため、従来のレーザーよりもダウンタイムが短いのが特徴です。

光治療(IPL)

  • IPL(Intense Pulsed Light)治療は、シミやくすみのある部分に広範囲の光を当てて、メラニンを分解する方法です。
  • 肌の色むらやくすみ、シミの軽減に効果があり、肌全体のトーンを均一にする作用も期待できます。

ケミカルピーリング

  • グリコール酸やサリチル酸などの薬剤を使用して、古い角質を除去する治療法です。
    ターンオーバーを促進することでシミの色を薄くし、肌の明るさを改善します。
  • 他の治療と組み合わせて行うことが多く、シミだけでなくニキビ跡や毛穴改善にも役立ちます。

外用薬(ハイドロキノン、トレチノイン)

  • ハイドロキノンはメラニンの生成を抑え、シミを薄くする効果が期待される美白成分です。
    トレチノインと併用することで、より効果的にシミの改善をサポートします。
  • 外用薬は内服薬と併用することが多く、軽度のシミに対して有効です。

高周波(RF)治療

  • 高周波のエネルギーを使って肌の奥深くに熱を加え、コラーゲンの生成を促進し、シミやくすみを改善する治療です。
    ダウンタイムが少なく、肌の引き締め効果も期待されます。

スキンケア(ビタミンC、ナイアシンアミドなど)

  • ビタミンC配合の美容液やナイアシンアミドなどの成分を含むスキンケアアイテムを使用することで、メラニンの生成を抑え、シミの予防や改善をサポートできます。
Dr.石川

シミ治療はシミの種類や肌質、予算に応じて選ぶことが大切です。
また、治療後の紫外線対策や保湿ケアも、シミ再発防止に重要な役割を果たします。

まとめ

シナール錠について

  • 効果
    • 美白効果、抗酸化作用、コラーゲン生成のサポート、疲労回復や免疫力の向上。
  • 成分
    • 主成分はビタミンC(アスコルビン酸)とパントテン酸。
  • 副作用
    • 主に消化器系の不調(胃のむかつきや下痢)が報告されることがあるが、ビタミンCの過剰摂取による影響も考慮が必要。

妊娠中の服用

  • 妊娠中でもシナール錠を服用することは可能だが、医師の指導に従うことが重要。
  • 注意点
    • 過剰摂取を避ける、他のサプリメントとの併用に注意する、体調の変化があった場合は服用を中止し医師に相談すること。

ハイチオールとの併用

  • シナールとハイチオールは併用可能だが、ビタミンCやビタミンB群の過剰摂取に注意すること。
  • 両者の成分が相互に効果を高める可能性があるが、医師や薬剤師に相談するのが安全。
Dr.石川

シナール錠の効果や副作用、妊娠中の服用についての理解が深まりました。
妊娠中は特に体が敏感になっているため、医師の指導を受けながら安全にサプリメントを使用することが重要です。
また、ハイチオールとの併用についても、成分の相互作用を考慮しながら適切な用量で使用することで、より効果的なスキンケアが期待できると思います。
シミやくすみが気になる方は、自分に合った治療法を選び、無理のない範囲で取り入れていきたいですね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

参考文献

製品情報

医学書・論文

  • 小林正美, 松村弘, 辻井基紀. 「ビタミンCの皮膚に対する効果」. 日本皮膚科学会雑誌, 2015年.
  • 田中哲郎. 「妊婦におけるビタミンCの役割」. 日本産科婦人科学会雑誌, 2017年.

皮膚科・美容に関する書籍

  • 高橋博, 清水宏子. 『皮膚科専門医が教える美肌メソッド』. 東京医学社, 2020年.
  • 中村綾子. 『美白スキンケアのすべて』. たにぐち書店, 2019年.

医療機関・専門家の情報

その他のリソース

  • 健康な妊娠を支えるための情報:厚生労働省「妊婦のための栄養」
  • 医療脱毛やシミ治療に関する口コミや評価サイト(例:医療脱毛比較サイト)
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