医療脱毛の効果は何回で出る?必要な回数の平均を解説

短期間でムダ毛を脱毛したい方に選ばれている、医療脱毛。実際のところ、何回で効果が出るのでしょうか。

医療脱毛の主流は5回コースですが、最近では3回・4回コースと少ない回数プランを打ち出すクリニックもあり、契約回数を迷ってしまう方はとても多いですよね。

ここでは、医療脱毛の回数ごとに効果の実感度を掲載しているので、自分が目指す効果に合った回数の目安がわかります。

また、部位ごとに最適な照射回数の目安や、効果が出ないと感じたときの原因蓄熱式脱毛の効果エステから医療に乗り換えたときの契約回数など、よくある質問への回答も掲載しました。

医療脱毛を検討している方はもちろんですが、医療脱毛を開始したけれど効果が感じられなくて不安になってしまった方も、ぜひ参考にしてください。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

医療脱毛の効果を実感できる回数を調べるうえで、最低限知っておいてほしいこと

Dr.石川

5回コースで、全身すべての毛がきれいになくなるわけではありません。

「〇回の施術をすれば脱毛が完了します!」と断言できれば一番良いのですが、人によって毛の量や毛質、肌質がちがうので、医療脱毛の効果の現れ方はどうしても個人差が出ます。

ただし、医療脱毛に使用するレーザーが成長期の毛(全体の約15~20%)に反応する特徴をふまえると、15~20%を5回繰り返すと100%に近づきますので、理論的には5回が平均的な回数となります。

これを聞いて、「じゃあ5回コースで問題ないな!」と思った方は、ちょっと立ち止まってみてください。医療脱毛の効果を実感できる回数を調べるうえで、最低限知っておいてほしいポイントが2つあります。

①理論的には5回、とはいえ、実際には毛周期が部位ごとにちがったり、照射間隔と毛周期が合っていなかったりする個々の条件がついてくるものだという点。

(自分の毛周期を、すべての部位において正確に判断しそれに合わせて全身脱毛を、というのはほぼ不可能です。)

また、②5回コースですべてのムダ毛が全くなくなるという認識は間違いだという点です。

医療脱毛の効果実感の目安まとめ

Dr.石川

医療脱毛で効果が実感できる回数は個人差がありますが、「お手入れがラクになる:5回」「部位によってはお手入れがほぼいらなくなる:8回」が目安です。

5回コースは、お手入れがラクになる程度まで脱毛効果が実感できる。8回では、部位によってはお手入れがほぼ必要なくなる。

10回も照射すれば、VIOや顔もおおむね満足できるレベルの効果実感が得られる。

それでも残る毛はやはりあるので、全くの無毛状態(つるつる)を目指すのであれば、部位ごとに照射を重ねていく必要がある。

5回で完了、最短で卒業といった表記が脱毛の広告にはありますから、ついつい5回ですべての毛がなくなると思ってしまいがちです。

しかし、少なくともVIO部位や顔や背中などのうぶ毛は、5回照射では医療脱毛レーザーで照射したとしても全く生えなくなるとは考えられません。

(毛量が減ったり、部分的には生えなくなったりとお手入れがラクになる実感は得られます。)

通ってから「効果がなかった」「5回では終わらない」という口コミが多く見受けられるのは、脱毛を始める前の認識がクリニック側と脱毛を受ける側とですれちがっているのです。

医療脱毛の効果実感の目安を回数ごとに解説

Dr.石川

医療脱毛を1回・2回・・・と進めていったときの効果の出方の目安をみていきましょう。

脱毛したいと考えたとき、あなたが目指す仕上がりの状態をまず考えてみましょう。

  • 月に数回お手入れすれば良くなればいい。
  • ムダ毛ケアがほぼ必要なくなるのが理想。
  • うぶ毛までムダ毛を完全になくし、できる限りツルツルにしたい。

このように、それぞれに目指す仕上がりレベルがあると思います。

ここでは、医療脱毛を1回、2回と照射を続けていったときの効果実感の目安を、回数ごとにひとつずつ解説していきます。

医療脱毛では、1回ずつ照射を重ねるよりも、コース契約の方が支払うお金が最終的に安くなります

Dr.石川

あくまで目安ではありますが、目指す仕上がり状態をイメージしたうえで初回の契約回数を決めていきましょう。

1回目

医療脱毛 照射1回目の仕上がりイメージ
※画像はイメージです

あまり変化を感じられない

1回目の施術後1~4週間ほど(毛が脱落するまでの期間は使用したレーザー機器により異なります)で、レーザーに反応した毛がいちど抜け落ちます。

しばらくするとまた以前と同じくらいの毛が生えてくるので、これといった大きな変化はまだ見られません。

2回目

医療脱毛 照射2回目の仕上がりイメージ
※画像はイメージです

ほとんどの場合でまだ効果を実感できない

1度目と同じように、照射後1~4週間ほど(毛が脱落するまでの期間は使用したレーザー機器により異なります)で、レーザーに反応した毛がいちど抜け落ちます。

しばらくするとまた毛が生え揃いますが、このとき早い方では、「毛量が減った感じ」「毛が細くなった」のような効果を感じられる方もいます。

ただし、まだ脱毛の効果が大きく出てくる段階ではありません。ほとんどの場合で、毛が生え揃ったあとは今までどおり自己処理が必要な段階です。

3回目

医療脱毛 照射3回目の仕上がりイメージ
※画像はイメージです

全体的に毛の量が少なくなる

照射後に脱落した毛が生え揃うペースがやや遅くなるため、自己処理の回数が減り、脱毛効果をだんだん実感し始められるころです。

自己処理がラクになるまではあと少しですが、全体的に毛の量が少なくなったと実感できる時期です。

Dr.石川

3回ではまだ脱毛効果がわからないという方ももちろんいます。

4~5回目

医療脱毛 照射4~5回目の仕上がりイメージ
※画像はイメージです

自己処理がラクになるころ

レーザー照射後に抜け落ちた毛がふたたび生え揃うまで、3カ月くらいかかるようになる頃です。

生え揃ったあともポツポツと毛が生える程度で自己処理はかなりラクになり、ここで仕上がりに満足されて脱毛を終了される方も多くなります。

手触りもチクチク・ジョリジョリとした感覚からは卒業できますし、「全体的に、自己処理がラクになる程度で良い」(月に1.2度ポツポツと生えてくる毛を処理すれば良い。)と考える方は、5回コースで十分でしょう。

ただし、繰り返しになりますが、一人ひとり毛量や毛質、肌色がちがうため、医療脱毛の効果には個人差があります。

また、5回の照射で「脱毛が終わらなかった」と感じる部位はほぼ必ずでてきます。とはいえ、生えてきても数本ですし、お手入れは相当ラクに感じられるようになります。

まだ全体的に生え揃ってくる部位や、照射が足りないと感じる部位では、さらに回数を重ねることで仕上がり満足度を高めていきます。

Dr.石川

4~5回の照射後、まだまだしぶとく生え揃ってくる部位は「VIO」「手や指の毛」「鼻下」「膝小僧」「背中や顔、うなじなどのうぶ毛」が上げられます。

8回目

医療脱毛 照射8回目の仕上がりイメージ
※画像はイメージです

全体的に、仕上がり満足度はかなり高くなります。

8回も照射すれば、身体の多くの部位で脱毛効果を実感できるようになり、ワキや足、腕といった「見えるところ」の仕上がり満足度は高くなります。

また、毛が脱落したあとに次の毛が生え揃うまでの期間が4カ月~4カ月半くらいまで伸びて、毛が生え揃うスピードが分かりやすく遅くなります。

ふたたび生えてきた毛も、よくよく調べないと見つけられなかったり、「気付いたら1カ月以上ムダ毛処理をしていない」なんてことも実感できたりと、8回コースでは仕上がりにはかなり満足できる方が多くなるでしょう。

一方で、顔や背中などのうぶ毛・VIOラインや手足の指毛はまだまだしぶとくまだ生え揃ってきます。特に多いのは、まばらになって生えてきたり、残りの数本がしつこく生えてくるケースです。

Dr.石川

完全にツルツル肌にしたい方にとっては「まだ回数が足りない」と感じる方もいますので、8回目を終えてもまだ足りないようであれば追加照射を重ねていくことになります。

10回以上

ほとんどの部位で脱毛を完了できる

効果に満足できるまでに回数がかかりやすい「顔脱毛」「VIO脱毛」でも、10回照射をすれば多くの方が「もう終わりで良い」と満足できる状態になっていきます。

医療脱毛 照射10回目の仕上がりイメージ
※画像はイメージです

ただし、「完全に1本も毛が全く生えてこないようにしたい」と求める仕上がりレベルが相当に高い場合は、さらに回数を重ねる必要があります。(特にVIO、うぶ毛)

Dr.石川

完全に全ての毛を1本も生えなくしたい、と目標を設定してしまうと、終わりが見えず費用もどんどんかさんでしまいますので、どこかで見切りをつけるのもひとつの選択肢です。

【部位別】医療脱毛の効果が実感できる平均回数・目安

先に解説した「回数ごとの効果の目安」を見て、部位によって効果の差が大きいと気付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、脱毛を行う部位ごとに、効果が実感できる平均回数の目安をまとめました。

部位ごとの平均目安

Dr.石川

ワキやうで・あしは効果実感が早い部位です。一方、顔や背中などのうぶ毛、VIOラインは、お手入れがほぼ必要なくなるまでに回数が多くかかりやすい部位となります。

部位お手入れがラクになるお手入れがほぼ必要なくなる
ワキ4~5回6~8回
7~8回8~10回
うなじ6~7回8~10回
うで・あし4~5回6~8回
背中・胸・お腹7~8回9~10回
VIO5~8回9~10回

※上記の表はあくまでも平均目安です。一人ひとり毛量や毛質・肌質や肌色が異なるため、医療脱毛の効果が実感できる回数は個人差が大きくなります。

「五回コースでは終わらない」ってホント?

Dr.石川

五回コースで目指せる仕上がりレベルは、「お手入れがラクになる程度」です。全身の毛が一本も生えてこなくなるわけではありません。

多くのクリニックの医療脱毛では五回コースがあり、”人気プラン” や “おすすめのコース” となっていますので、「医療脱毛は五回で終わる」とついつい思ってしまいます。

ところが実際は「五回で終わらなかった!」「五回では足りない!」との声が多くあり、実際には何回コースを契約すべきなのか、費用が大きく変わるためとても悩んでしまいがちですよね。

もちろん、5回コースよりも始めから8回、10回といったプランで契約したほうが総額が安くなりますので、ここで改めて、五回では満足できない可能性のあるパターンをまとめてみます。

(5回で足りないと感じる方の特徴はたったの2つですので、わかりやすいと思います。)

5回コースで終わらないと感じる方の特徴

  1. 全身脱毛だけでなく「顔脱毛」「VIO脱毛」を同時に行っている。
  2. うぶ毛まで全くないつるつるの状態を目指している。

顔・VIOを除く全身脱毛を検討している方の場合は、5回コースで満足できる方が多くなります。一方、顔脱毛やVIO脱毛もセットで契約した方は、5回ではやはり満足しづらいです。

また、脱毛は人によって目指す仕上がりが全くちがってきます。たとえば、

  • お手入れがラクになる程度で良い。
  • ほとんどお手入れがいらなくなる程度にしたい。
  • うぶ毛も全くないつるつるの状態まで目指したい。
  • 毛の量だけ減らしたい(VIOの場合)。

といったように、それぞれの方に目指す脱毛後のイメージがありますよね。

医療脱毛の5回コースでは多くの部位で目立つ毛はほとんど処理できますが、終了後も数本程度はまたちらほらと生えてきますし、VIOラインやうぶ毛、指毛や鼻下の毛といったしぶとい部位はまだまだ生え揃ってきます。

「ほとんどお手入れがいらなくなる程度にしたい」「うぶ毛まで全くない状態にしたい」と仕上がりレベルの高さを求める方は、5回コースでは脱毛が終わらないと考えておきましょう。

下記に5回コースでは終わらない部位をまとめておきましたので、契約する回数を選択するうえでの参考にしていただければと思います。

五回コースでは終わらない部位

顔・背中・うなじメラニン色素が薄く、レーザーに反応しにくい毛・うぶ毛の生えている部位。効果を実感できるまでに多くの施術回数が必要となり、五回では満足できる仕上がりにはなりにくい。
VIO毛量が多く、太い毛が生えていてメラニン量が多いのでレーザーが反応しやすいが、毛周期が長い・痛みを感じやすい・色素沈着があるため出力を下げるケースも多いため脱毛完了までに時間がかかる。
手指・足指の毛脱毛をしてもしつこく毛が生えてくる部位。毛抜きでのお手入れを繰り返していた方も多く、毛周期が乱れて脱毛回数が多く必要になるケースが多い。
Dr.石川

全身脱毛(顔・VIOなし)の方で、自己処理がラクになる程度で良い方は5回コース。顔脱毛やVIO脱毛をする方や、仕上がりレベルをより高めたい方は、8回以上のコースがおすすめです。

満足度を上げるには、毛周期に合わせた通院が大切

毛には、毛の生え変わる周期=「毛周期(ヘアサイクル)」があり、脱毛効果と深く関係しています。

毛周期の解説図

毛周期

  • 成長期:毛が成長する期間。脱毛レーザーに適した期間です。
  • 退行期:毛の生産をやめて、休止期に向かう時期。レーザーには反応しません。
  • 休止期:毛を生産せず、お休みしている時期。退行期と同様に脱毛に向かない時期です。

私たちに生えている毛は、すべての毛穴から常に生えっぱなしなのではなく、成長とお休みをそれぞれに繰り返しています。

その生え変わりの周期のことを「毛周期(もうしゅうき)」と言い、部位ごとに毛周期がちがいます。

Dr.石川

医療脱毛のレーザーに反応する毛(成長期の毛)は、約20%ほど。休止期が長い毛は反応する毛が少ないので、脱毛完了までには回数がかかりやすいです。

部位毛周期退行期休止期
ワキ5カ月2~3週3週
あし11~12カ月3~6週24週
うで10カ月2~3週16週
VIO8カ月2~3週3カ月
参考:Hair Loss, Hair Removal – Temporary and Permanent, Hair Retention 2017.

毛周期に合わせて(たとえばVIOであれば、休止期だった毛が成長期に入ったタイミングの3カ月で)照射をすれば効率的に脱毛できると考えられていますが、特に「全身脱毛」の場合、すべての部位の毛周期に合わせて照射するのが難しくなります。

また、毛周期に合わせた脱毛が効率的、というのは「原理的に言えば」の話で、実際には毛周期にも個人差があったり、実際に照射を行う脱毛機器の波長・脱毛方式の違いにより変わってきます。

一般的な効率の良い脱毛周期は以下のとおりです。

適切な医療脱毛の照射タイミング・間隔

  • 1~3回目:2~3カ月間隔
  • 4~5回目:3カ月~3カ月半間隔
  • 6~8回目:4カ月間隔
  • 9回目以上:4カ月~4カ月半間隔
Dr.石川

基本的には「前回の照射後、毛が脱落したあとに、次の毛が生え揃ったタイミングで照射する」のがベストタイミングです。

最適な通う間隔を詳しく見る

毛周期を詳しく見る

医療脱毛で効果がないと感じたとき、考えられる原因

せっかく時間を割き費用をかけて始めた医療脱毛で、効果が感じられないとガッカリしてしまいますよね。

医療脱毛の施術を受けたのに「効果がない」と感じたときの原因を探ってみましょう。

効果がないと感じたとき、考えられる原因
  • 肌の乾燥・日焼け
  • 自己処理に毛抜きを使用している
  • 照射漏れ(打ち漏れ)がある
  • 効果を焦り過ぎている可能性も

肌の乾燥・日焼け

Dr.石川

日焼けや乾燥は脱毛の大敵です。より効率的に脱毛をすすめるためにも、日ごろから「日焼け対策」「肌の保湿」をしましょう。

日焼け

日焼けした肌はレーザーに強く反応し「やけど」のリスクがあるため、基本的には照射できません。脱毛をしている期間は、紫外線ケアをして日焼けしないように心がけてください。

日焼けしてしまった肌には、やけどのリスクを軽減するためにその部位だけ照射を避ける場合が多く、せっかく脱毛に行っても照射ができずに回数だけが消化されてしまいます。

特に肩、背中は紫外線ケアを忘れがちな部位です。多少の日焼けであれば照射できるレーザー機器もあるのですが、出力を下げざるを得ず、全く日焼けをしていない肌にくらべると脱毛効果を実感しにくくなってしまいます。

また、乾燥している肌も脱毛には向いていません。日焼け肌と同じく、乾燥がひどい肌にも医療レーザーは照射できません。

今まで日焼け対策や保湿を行ってこなかった方でも、医療脱毛を始めたら日頃から紫外線対策をし、入浴後は肌の保湿を行ってください

自己処理に毛抜きを使用している

Dr.石川

毛抜きを使った自己処理は毛周期の乱れにつながり、脱毛効果が得られなくなりますので、毛抜きの使用は禁物です。

毛抜き

脱毛のレーザーは黒い色素に反応するため、毛抜きで毛を引き抜いてしまうと毛根部分の毛もなくなり、レーザーを当てても効果がなくなってしまいます。

さらに毛を抜くことにより毛周期が乱れてしまい、脱毛に最適な成長期の毛が来院時には少なく、最適な効果が実感できなくなってしまいます。

当院でも、脱毛を始めたら毛抜きによる自己処理をしないように説明しております。

脱毛を検討されたその日から、施術前はもちろん次の施術までの間も、毛抜きを使用したムダ毛の自己処理は避けてください

照射漏れ(打ち漏れ)がある

Dr.石川

どのクリニックでも照射漏れのないよう技術力を高めていますが、人の手で照射していくため、照射漏れは全く起こり得ないことではありません。

照射漏れが疑われるようなパターンとしては、施術後毛が抜け落ちる際に「一部分だけまとまって毛が残っている」「列で毛が残っている」現象が当てはまります。

脱毛後は照射漏れがあったかどうか判断するためにも、できる限り脱毛照射を受けた部位の自己処理を避け、自然に抜け落ちるのを待ってみましょう

特に最近主流となってきている「蓄熱式脱毛」方式による医療脱毛では、すべらせるように何度も同じ部位を照射していく特徴から、施術者の技術力によって効果の現れ方が変わってくる可能性があります。

※照射漏れというよりも、その部位に照射すべき回数が足りていない、それにより適切な熱を与えられていないため毛が抜けないパターンです。

クリニックで「照射漏れ」だと医師が判断すれば、無料で再照射が受けられるところがほとんどです。

脱毛後は照射を受けた部位で毛の抜け感をチェックして、明らかに照射漏れが疑われる場合は、契約しているクリニックに相談するようにしましょう。

Dr.石川

照射漏れの場合の再照射ができる期間はクリニックにより異なり、4週間を過ぎると認定が受けられないケースが多いです。事前にそのクリニックの照射漏れ対応期限を確認しておきましょう。

効果を焦り過ぎている可能性も

Dr.石川

医療脱毛は1回目や2回目では効果を感じられません。最初の数回はグッと我慢、焦らず回数を重ねるのが、脱毛完了までの道のりです。

脱毛を始めたら、照射後の毛の抜け方やその後の生え揃い方など、毛の状態をよく観察することが大切になります。

しっかり観察をすればするほど効果の実感を焦ってしまうものですが、3回目くらいまでは「あまり効果がないな」と思うのは一般的なことです。

ただし、4~5回照射を繰り返しても「毛がまったく減っていない」と感じるのであれば何らかの原因がありますから、その場合は遠慮せずにクリニックですぐに相談してください。

医療脱毛の効果に関するよくある質問Q&A

Dr.石川

さいごに、医療脱毛の効果に関するよくある質問をまとめました。

蓄熱式脱毛は効果がないという声は事実ですか。

効果を実感するまでに時間がかかるので、効果がないと思われる方もいます。

医療脱毛で扱われるレーザー機器の方式には、「蓄熱式脱毛」と「熱破壊式脱毛(ショット式)」の2種類あります。

共に正しく照射すれば効果が実感できる脱毛方式ですが、それぞれで照射後に毛が抜け落ちるまでの期間が違うため、蓄熱式脱毛は照射後に「効果がない」との声が上がりがちです。

毛が抜け落ちるまでの期間

蓄熱式3~4週
熱破壊式1~2週

従来から使用されてきた熱破壊式(ショット式)脱毛では、照射後にポップアップ現象というものが起こります。

基本的には照射後1~2週間かけて毛が脱落していきますが、ポップアップ現象のように照射してすぐ抜ける毛もあるので、効果が実感しやすい傾向があります。

ポップアップ現象
レーザーを当てた瞬間に毛が毛根から飛び出してくる現象。毛幹が急に熱せられたことによって周囲の水分が蒸発・膨張。その圧で毛が飛び出してくる。

対して、蓄熱式脱毛はポップアップ現象がありません。

さらに、照射後の毛が脱落するまでに3~4週かかるのが、熱破壊式にくらべて効果がないと思われやすい原因です。

また、蓄熱式脱毛では「バルジに反応するから毛は抜けずに徐々に細く、生えにくくなる」と言われることもありますが、それは誤りです。

蓄熱式脱毛もメラニンに反応して熱を出しますので、3~4週間で効果のあった毛は脱落します

Dr.石川

蓄熱式脱毛でも正しい照射回数で適切な熱の量を与えられているのであれば、最終的な脱毛効果にちがいはありません。

エステ脱毛後に医療脱毛をするときの契約回数は何回が良いですか。

未経験者と同じく、5回コース以上がおすすめです。

安くて始めやすいエステサロンの脱毛は、痛みも少なく、これまでとても人気がありました。医療脱毛をしたいと考える方の中には、エステでの「光脱毛」経験があるという方は非常に多いです。

エステ脱毛経験者の方が新たに医療脱毛を始めようと思ったとき、「経験者だから契約回数が少なくても済むのではないか」と考えがちなのですが、基本的には未経験者と同じ5回コース以上をおすすめしています

エステで受けられる「光脱毛」で使用される機器は、医療レーザー機器と比べて出力が弱く、目的は「減毛・抑毛」にとどまります。

発毛組織の破壊は医療機関でのみ出来ることですから、エステでの脱毛経験が数回あるからといって、医療脱毛を受ける回数が少なくても効果が実感できるわけではありません。

ただし、エステでの光脱毛を12回以上繰り返している方の場合、通常よりも発毛組織にダメージが与えられている可能性が高く、回数が少なくて済む場合もあります。

少ない回数で済むケース光脱毛により毛根が弱っている状態だと発毛細胞を破壊しやすいため、少ない回数で済む
回数が多くかかるケース光脱毛により毛が薄く・細くなっている状態だとメラニン量が少なく、レーザーが反応しにくいため回数がかかる

エステ脱毛経験があると3~4回コースのような少ない回数プランをつい選びたくなりますが、上記のとおり、毛が反応しにくい状況ですと余計に回数がかかる可能性もあります。

あとから追加するよりも最初から5回コースを選んだほうが最終的な総額が安くなりますので、現在の毛の発毛状態をカウンセリングで医師と共有し、最適な契約回数を決めていきましょう。

Dr.石川

エステでの光脱毛は、発毛組織を破壊できません。エステ⇒医療脱毛に乗り換えたときでも、5回以上のコース契約をした方が後悔のない脱毛につながります。

無制限プランの医療脱毛クリニックはあるのでしょうか。

エステ脱毛と違い、完全な回数無制限プランがあるクリニックは非常に少数です。

医療脱毛では多くても十数回の照射で仕上がりに満足できるため、エステ脱毛のような回数無制限・通い放題プランのあるクリニックは少数です。

実際の照射間隔は2~3カ月の間隔をあける必要があるので、実質の施術回数は限られます。

とはいえ、回数の読めない「全身+VIO脱毛」コースの無制限プランはなかなか行っているところがありません。

費用は50万円以上と高額になりますが、うぶ毛までなくしたいイメージで脱毛を始められる方に向いています

VIOは照射回数が多く必要だというのは本当ですか。

無毛状態(ハイジニーナ)にしたい場合は、およそ10回以上の回数がかかります。

VIOラインは、メラニン量が多く皮毛角(毛の生えている角度)も小さいので、レーザーに反応しやすく脱毛が簡単な部位ではあります。

ただ、VIOの毛は太く深い毛である毛周期が長い色素沈着があるため出力が上げにくい、といった特徴から照射回数も必然的に多くなりがちです。

一般的な医療脱毛5回コースでのVIO脱毛の仕上がりは、あくまでお手入れがラクになる程度。5回照射で全く毛が生えなくなる方はまれで、時間がたつとふたたび全体的に生え揃ってきます。

VIO部位では毛量を少なくしたい方は5回コースがちょうど良く、お手入れがラクになるには8回程度、お手入れがほぼ必要なくなるまでには9~10回、ハイジニーナを目指す場合はそれ以上の照射回数が必要になります。

Dr.石川

全体の毛量を薄くする程度であれば少ない回数で完了しますが、VIO部位をつるつるの状態(ハイジニーナ)にしたい場合は、より多くの照射回数が必要となります。

毛が濃いとそれだけ脱毛回数が多くかかりますか。

毛の濃さだけで、照射回数が増えるわけではありません。

脱毛を検討されている方の中には、「私は毛が濃いから、他の人よりも多く照射回数が必要になるのではないか」と心配になる方も多くいらっしゃいます。

たしかに、毛が濃いとそれだけ脱毛に時間がかかるイメージがありますよね。

ところが実際は、脱毛に必要な回数は使用するレーザー機器・照射出力・毛周期・皮毛角・肌色・毛質・体質‥といったさまざまな要素によって変化するので、毛が濃いからといって一概に「回数がかかる」とはいえません

むしろ、毛が濃い・太い方の場合はレーザーが反応しやすいので、原理的にいえば、毛が濃い方は脱毛の効果を実感しやすいのです。

Dr.石川

毛が濃いからといって、必要以上に多い回数を契約する必要はありません。「お手入れがラクになる:5回」「お手入れがほぼ必要なくなる:8回」を目安にしてくださいね。

医療レーザー脱毛のリスク・副作用

医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。

レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。

  • 赤み、腫れ
  • やけど
  • 毛嚢炎
  • 硬毛化、増毛化
  • 埋没毛(埋もれ毛)
  • 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
  • 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
  • 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
  • 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。
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