最近、「マンジャロ」という注射薬がダイエット効果があるとして注目を集めています。
特に、血糖値のコントロールや食欲を抑制する作用が話題になり、多くの方がその効果を期待して使用しています。
しかし、実際にどのように痩せるのか、リバウンドのリスクはないのか、使用する上での注意点は何かといった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンジャロで痩せる理由やリバウンドするケース、そして使用上の注意点について、分かりやすく解説します。
マンジャロで痩せる理由
マンジャロがダイエットに効果がある理由は、いくつかの作用が組み合わさっているからです。
それぞれの効果を詳しく見ていきましょう。
血糖値の上昇を抑える作用

マンジャロは、GIPおよびGLP-1といったインクレチンという消化管ホルモンに作用し、血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。
普段、食事をすると血糖値が上がりますが、特に甘いものを食べた後などに急激に上がることがあります。
血糖値が急に上がると、体はそれを元に戻すためにインスリンというホルモンをたくさん分泌します。
しかし、マンジャロは血糖値が急に上がるのを防ぎ、インスリンが過剰に分泌されるのを抑えてくれます。
これによって、余分な脂肪が体に溜まりにくくなり、結果として体重の減少に繋がります。
脂肪の分解を促進する作用
マンジャロには、体内で脂肪を分解しやすくする作用があります。食事で摂ったエネルギー(カロリー)が足りなくなると、体は蓄えた脂肪をエネルギーとして使おうとします。
このとき、脂肪を分解してエネルギーに変えるのが脂肪分解のプロセスです。
マンジャロは、この脂肪分解をサポートして、体が脂肪を燃焼しやすくなるように助けてくれます。
結果として、体に余分な脂肪がたまりにくくなり、自然に体脂肪が減少します。
これによって、体重が減るだけでなく、お腹周りや太ももなど、見た目が引き締まってスリムに見えるようになります。
食欲を抑制する効果
マンジャロには、食欲を抑える効果があります。
例えば、食事をした後にお腹がいっぱいでも、すぐにまたお腹が空いてきて、つい間食をしてしまうことってありますよね。
マンジャロは、食べ物が胃の中に長く留まるのを助けるため、満腹感を感じやすくなります。
これにより、食後にすぐにお腹が空くことが減り、無駄に間食をしたり、食べ過ぎたりすることが少なくなります。
また、食事の量が減ることで、1日に摂取するカロリーが自然に減り、体重管理がしやすくなります。
マンジャロのダイエット効果
マンジャロを使うことで、どれくらい体重が減るのか、またどれくらいの期間で効果が現れるのか、気になる方も多いと思います。
ここでは、その効果について詳しく説明します。
どれくらい痩せる?
マンジャロを使ったダイエットの効果は人それぞれ異なりますが、ある研究1)では、チルゼパチド(マンジャロ)を週1回使い始めてから72週で体重が以下のように減少したという結果が出ています。
- 5mg投与群: -15.0%の体重減少
- 10mg投与群: -19.5%の体重減少
- 15mg投与群: -20.9%の体重減少
- プラセボ群: -3.1%の体重減少
これが目安となりますが、食べる量や運動の習慣によっても変わるので、必ずしも全員が同じように減るわけではありません。
例えば、毎日の食事でお菓子を控えめにしたり、軽いウォーキングを取り入れたりすることで、効果がより実感しやすくなります。無理なく、自分のペースで続けることが大切です。
効果が出るまでの期間
マンジャロを使い始めてから、効果が感じられるまでには通常2〜4週間ほどかかることが多いです。最初はすぐに体重が減るわけではなく、少し時間がかかることもあります。
でも、焦らず続けていくと、食べ過ぎを抑えられるようになったり、少しずつ体重が減ってきたりするのを感じられるようになります。
例えば、最初の2週間では大きな変化を感じないかもしれませんが、その後食欲が落ち着いてきたり、食事量が減ったりすることが多いです。焦らずに、毎日少しずつ続けていくことが、ダイエット成功の秘訣です。
マンジャロでリバウンドするケース
マンジャロを使って痩せた後にリバウンドしてしまうケースもあります。リバウンドが起こる原因は、主に以下のようなことが考えられます。
- 使用を急に中止したり、減量した場合
例えば、マンジャロを使って体重が減った後、急に使用をやめてしまうと、体が元の状態に戻ろうとすることがあります。
急に食べ過ぎたり、普段よりも多く食事を取ったりすると、体はそのカロリーを蓄積しやすくなり、体重が元に戻ることがあります。
例えば、食事量が急に増えてしまうと、体がそのカロリーを脂肪として蓄えようとするため、リバウンドが起きる可能性があります。
- 生活習慣の改善が不十分な場合
マンジャロはあくまでダイエットをサポートするものです。もし食事や運動がほとんど変わらなければ、体重減少が一時的にしか続かないことがあります。
例えば、マンジャロを使って一時的に体重が減っても、その後も食べ過ぎや運動不足のままでは、ダイエット効果が長続きしません。これからも健康的な食事や運動を心がけることが大切です。
リバウンドを防ぐためには、マンジャロを使いながら、生活習慣の改善を続けることがとても重要です。
マンジャロの使用上の注意点
マンジャロを使用する際には、いくつかの注意点があります。安全に使用するために、以下のポイントを理解しておきましょう。
副作用がある
マンジャロにはいくつかの副作用が報告されていますが、それらは多くの場合、最初のうちは一時的なもので、薬に体が慣れていくことで軽減されます。
ここでは、どのような症状が副作用として現れるのか、またそれがどの程度まで続いた場合に注意が必要か、具体的な例を挙げて説明します。
マンジャロを使用し始めたときに、吐き気を感じることがあります。
例えば、朝食後に軽いムカムカを感じたり、食後に胃が不快に感じることがあるかもしれません。これは体が薬に慣れていないことが原因で、最初の数日〜1週間程度で症状が軽くなります。
このような症状が続く場合、特に食後に頻繁に吐き気が起きることがあります。しかし、通常は時間とともに症状が軽くなることが多いです。
また、消化不良や胃もたれも副作用として現れることがあります。食事後に胃が重く感じたり、胸焼けがすることがあります。これは、薬の影響で消化器系が一時的に乱れることが原因です。
このような場合でも、薬に慣れると症状が改善されることが多いです。ただし、症状が続く場合は注意が必要です。
下痢もよく報告される副作用のひとつです。マンジャロを使用すると、胃腸が敏感になり、消化がうまくいかずに下痢を起こすことがあります。特に食事と一緒に摂取すると、腸の働きが一時的に変わることがあります。
最初の数日間にお腹の調子が崩れることがあるかもしれませんが、時間が経つと次第に落ち着くことが多いです。
ただし、これらの症状がひどくなる場合や、1週間以上続く場合は、マンジャロを使い続けることが体に負担をかける可能性があります。
特に以下のような場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談することが大切です。
- 吐き気が続いて食事ができない場合
もし吐き気がひどくなり、食事を取ることができなくなった場合は、体が十分に栄養を摂取できなくなります。これが続くと体調を崩す原因になりますので、すぐに医師に相談してください。 - 下痢が続き、水分補給ができなくなった場合
下痢がひどくて水分を摂ることができなくなった場合、脱水症状を引き起こす可能性があります。下痢が1日中続き、特に水分が取れない場合は、すぐに医師に相談し、適切な対処を受けることが必要です。
マンジャロを使い始めたばかりの頃に吐き気や消化不良、下痢といった症状が現れることは一般的ですが、多くの場合、体が薬に慣れることで軽減されます。
しかし、症状がひどくなる、もしくは1週間以上続く場合は、無理に使い続けず、医師に相談することが重要です。
適切なサポートを受けながら、無理なくダイエットを続けていきましょう。
急にやめてはいけない
マンジャロを急にやめるのは避けるべきです。急に注射をやめてしまうと、せっかく減った体重が元に戻ってしまうことがあるからです。
例えば、マンジャロを使って体重が5kg減ったとします。でも、注射を急にやめてしまうと、体が急に食べ物を欲しがりやすくなって、以前よりもたくさん食べてしまうことがあります。そうすると、せっかく減った体重が元に戻ったり、また増えてしまったりすることがあるんです。
だから、注射をやめるときは、急にやめるのではなく、必ず医師に相談して、少しずつ注射の量を減らしていくことが大切です。例えば、最初は注射の量を半分にして、徐々に減らしていくと、体が慣れていきやすくなります。
また、注射をやめた後も、健康的な食事と運動を続けることがとても大事です。注射をやめたからといって、食べ過ぎたり運動をサボったりしてしまうと、また体重が増えてしまうかもしれません。
例えば、マンジャロで体重が減った後も、毎日軽い運動をしたり、野菜を多く食べるようにしたりすることで、減った体重を維持しやすくなります。無理なく続けることが、体重をしっかりキープするコツです。
要するに、マンジャロをやめるときは急にやめず、医師の指導を受けながら少しずつ量を減らし、食事と運動を続けることで、リバウンドを防ぎやすくなります。
マンジャロに関するよくある質問
参考文献
1)肥満治療のための週1回のチルゼパチド、The New England Journal of Medicine、(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2206038)、(2024/2/26)