IPLの効果 – 何日後に効果が出るのかや回数・経過を解説

エイジングケアや肌質改善を目的とする皮膚科でのIPL。肌へのダメージを最小限に抑えながら、さまざまな肌トラブルにアプローチできるのが魅力です。

IPL美肌治療は1回でも肌の変化を感じられますが、シミやニキビなどの肌トラブルを改善し、再発を防ぐためには、複数回の治療が推奨されます。

ここでは、IPLはどれくらいで効果がでるのか、何回受けるのが理想的なのかを詳しく解説します。

治療の経過や効果的な回数を把握して、明るく若々しい肌をキープしましょう。

IPLの効果

まずは、IPLの仕組みと対応できる症状について解説していきます。

IPL美肌治療とは

IPLとは、特殊な光であるIPLインテンス・パルス・ライトを肌全体に照射して、さまざまな肌トラブルの改善を目指す美容施術です。

IPLの光エネルギーは、肌表面だけではなく、肌の奥深くにある真皮層にも届き、表皮のメラニン色素を分解するとともに、肌内部に存在するメラニンを刺激して生成を抑えます。

また、真皮層にあるコラーゲンを活性化させる作用があるため、内側から美肌に導く効果も期待できるでしょう。

IPLの機器によっては、波長の異なる複数のフィルターが搭載されているものもあります。肌の悩みや症状に合わせて使用するフィルターを変えることで、総合的なフェイシャルケアが可能です。

また、IPLはレーザーに比べると皮膚への負担は少ないため、痛みや肌へのダメージが少ない点も特長です。施術後のダウンタイムはほとんどありません。

IPLの5つの効果

IPLは、主に以下のような肌トラブルを改善する効果が期待できます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

シミ・そばかす

IPLの光は、シミやそばかす・色素沈着をつくる原因となるメラニン色素を分解する作用を持ちます。

過剰につくられたメラニン色素を無色化して、徐々にシミを薄くします。また、メラニン色素の生成を抑える効果もあるため、新たなシミやそばかすの発生を防げる可能性もあるでしょう。

毛穴の開き・詰まり

IPLによって皮脂の過剰分泌が抑えられ、毛穴の開きが目立ちにくくなります。

また、真皮層にある線維芽細胞に働きかけてコラーゲンを活性化することで、毛穴が引き締まり、キメのある肌へ。年齢とともに生じやすい「たるみ毛穴」の予防にも効果的です。

さらに、IPLには軽い脱毛作用もあるため、産毛が徐々に減って毛穴が目立たなくなる効果も見込めます。

ただし、毛穴に対する効果だけをみれば、ダーマペンやCO2フラクショナルレーザーなどの方がより効果的とは言えます。

小じわ・たるみ

IPLは、小じわやたるみといった加齢に伴う肌トラブルにも対応可能です。コラーゲンの生成を促して、肌の内側からハリや弾力を向上させます。

とくに、目元や口元の浅く細かいしわには、高い効果を発揮すると言われています。

将来のしわやたるみを予防する効果も期待できるため、若い年代の方にもおすすめです。

ニキビ・ニキビ跡

殺菌効果により、アクネ菌を減少させてニキビの炎症を鎮静します。炎症性ニキビの改善だけではなく、皮脂分泌の抑制作用が新たなニキビの発生も予防することも期待できます。

また、過剰なメラニン生成や、毛細血管の拡張が原因で生じるニキビ跡の赤み・色素沈着にも有効です。

赤ら顔

赤ら顔は、皮膚の下にある毛細血管が拡張して、透けて見えている状態です。

IPLには、血管内のヘモグロビンにダメージを与えて毛細血管の拡張を抑える働きがあるため、赤ら顔の改善が期待できます。

肝斑にも効果はある？

結論からお話しすると、肝斑はより悪化してしまう可能性があります。

肝斑とは、主に頬の高い位置に、左右対称にできるシミの一種で、一般的なシミ（老人性色素斑）と違って、輪郭がはっきりしない、もやっとした形状です。

妊娠・出産や、40代以降の更年期など、ホルモンバランスの変化が起こる時期に発生しやすいといわれています。

肝斑は刺激に弱く、IPLを照射すると逆に濃くなってしまうおそれがあるため注意しなければなりません。

肝斑がある場合はIPLはなく、外用薬や内服薬による治療を勧められるケースが多いです。

ただし、肝斑の状態や使用する機器によっては、肝斑が薄くなる可能性もあります。まずは皮膚科で診察を受け、どの治療法が適しているかを相談しましょう。

効果が実感できるのは何日後？治療の経過を解説

効果が実感できるのは、1週間〜10日ほど経過してから

IPLを受けたあと、何日ほどで効果があらわれるかには個人差があります。

以下は、一般的な治療後の経過です。

肌質の変化は施術直後から実感できる方も多いですが、シミやニキビ・小じわなどの肌トラブルに対する効果は、ある程度日にちが経ってからです。

施術後2〜3日で細かいかさぶたができ、1週間〜10日ほどで自然に剥がれ落ちます。かさぶたができると、肌トラブルが悪化したように見えてしまいますが、無理に剥がすのは厳禁です。

かさぶたが剥がれ落ちたあとは、肌が再生してきれいな状態へと改善します。肌の状態によってはかさぶたが生じないケースもありますが、効果は変わらないため心配はありません。

ただし、施術後の肌は乾燥しやすくデリケートなため、念入りな保湿ケアと紫外線対策を行いましょう。

IPLの効果実感までの回数

3〜4週間に一度のペースで、5〜6回の治療を受けるのが理想

IPLは、1回の治療では劇的な変化は見られません。十分な効果を得るためには、3〜4週間に一度のペースで、5〜6回の治療を受けるのが理想です。

ハリ感の向上や、薄いシミ・そばかすの改善は、少ない回数でも効果を実感できる可能性が高いですが、濃いシミや重度のニキビ跡などの治療には、多くの回数が必要となるでしょう。

施術を重ねるごとに肌トラブルが改善していくため、1回目で変化が見られなくても諦めずに、医師と相談しながら治療を継続してください。

IPLの効果はいつまでもつ？

6ヶ月〜1年程度は美肌効果が持続

IPLを照射すると、肌内部のコラーゲンが徐々に増加していきます。

個人差はあるものの、一般的には6ヶ月〜1年程度は美肌効果が持続すると言われています。定期的なペースで回数を重ねることで、よい状態を長く保てるでしょう。

また、肌トラブルに応じて外用薬や内服薬・ピーリングなどの治療を組み合わせると、より高い効果が期待できます。

エステとの効果の違い

エステサロンでも、「光フェイシャル」や「フォト美顔」などの名称で、IPLを用いた美容施術が提供されています。

IPLと同様の効果をうたっているサロンも多いですが、医療機関とエステでは使用する機器が異なるため、美肌効果は大きく違います。

エステで扱っているのは、医療用のIPLではなく、出力が抑えられた美容機器です。そのため、効果を感じにくく、多くの回数が必要となるデメリットがあります。

肌トラブルの治療が目的の場合は、大きな効果は得られないでしょう。

エステでは医師の指導のもとに施術を行っていない点にも注意が必要です。

出力が低い分、やけどのような失敗のリスクは少ないものの、肌の状態をしっかりと見極めていないと、シミや肝斑などの症状が濃くなるおそれがあります。

専門知識を持つ医療従事者が診察・施術を行うIPLのほうが、副作用のリスクが少なく、万が一肌トラブルが発生した場合にもすぐに相談できて安心です。