そばかすは、鼻のまわりや頬を中心に、細かく広がるシミの一種です。
気になってはいるものの、子どもの頃からあるからと治療を諦めてはいませんか？
遺伝が大きく関係するそばかすですが、美容皮膚科で適切な治療を行えば、改善する可能性は十分にあります。
なかでもIPL美肌治療は、肌に負担をかけずにそばかすの改善が期待できる人気の治療法です。
毛穴の開きや小じわ・くすみ・赤ら顔など、そばかす以外のさまざまな肌トラブルにも同時にアプローチできます。
今回は、IPLのそばかすに対する効果について詳しくまとめました。
「遺伝的なそばかすは消えないのでは？」と疑問を持つ方は、ぜひ本記事を参考にして、治療を検討してみてください。
この記事の執筆者
石川 聡司
（新さっぽろウィメンズ ヘルス＆ビューティークリニック 院長）
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
IPLでそばかすは消えない？その効果とは
そばかすは、頬や鼻のまわりに散らばるように現れる茶色の斑点です。正式には「雀卵斑（じゃくらんはん）」と呼ばれています。
遺伝的な要因が大きく影響しており、幼少期に発生しやすく、思春期にもっとも目立つのが特徴です。
先天的なそばかすは、ほとんどの場合、成長するにつれて自然に消えていきます。しかし、紫外線を吸収しやすいため、悪化させないためには治療を受けるのが効果的です。
また、加齢や紫外線ダメージ・生活習慣の乱れなどが原因で、大人になってから現れる後天性のそばかすもあります。
後天性のそばかすは自然に消失しないため、早期改善を目指すのであれば、美容皮膚科での治療が欠かせません。
そばかすを構成しているのはメラニン色素です。
肌が何らかのダメージを受けると、体内の細胞を酸化させて老化を招く「活性酸素」が大量に発生し、そばかすを作り出してしまいます。
IPLは特殊な光によってメラニン色素にダメージを与え、体外に排出する作用があるため、そばかすの改善効果が期待できるでしょう。
多くの場合、IPLを照射したあとは細かいかさぶたができ、皮膚のターンオーバーによって自然に剥がれ落ちてそばかすが薄くなります。
1回の施術でもある程度の効果を実感できる可能性はありますが、完全に除去して再発を防ぐためには、複数回の治療が必要です。
IPLでそばかすが消えない原因は？
そばかす改善に高い効果が期待できるIPLですが、なかには「効果がなかった」と感じる方もいるようです。
IPLでそばかすが消えない原因としては、主に以下の4つが考えられます。
- 回数が少ない
- 出力が弱い
- 色素が薄すぎる
- そばかすではない
それぞれ詳しく解説していきます。
回数が少ない
IPLは1回だけではなく、複数回の治療を定期的に受けるのが基本です。十分な効果が出てないのに途中で治療をやめてしまえば、改善は難しいでしょう。
治療を繰り返すほど、メラニン色素に適切なアプローチができ、そばかすの改善と予防につながります。1回受けて効果を感じられなくても、諦めずに治療を続けていくことが大切です。
出力が弱い
そばかすの改善に適した出力で照射できていないと、回数を重ねても十分な効果は期待できません。
IPLは症状に合わせて幅広い波長と出力を調整できるメリットがある一方で、技術と知識がある施術者でなければ、効果を最大限に発揮させるのは困難です。
失敗しないためにも、実績が豊富で、丁寧なカウンセリングを行ってもらえるクリニックにお任せしましょう。
色素が薄すぎる
IPLはマイルドな出力で肌全体に照射して、徐々に肌トラブルを改善していく治療法です。
レーザーのようにピンポイントで肌の真皮層までアプローチするのではなく、均一のエネルギーを皮膚の浅い部分に届けます。
そばかすやシミの多くは、濃いものほどメラニン色素が肌の浅い部分に存在。
つまり、濃く目立つそばかすほど照射したときの反応がよく、高い効果が期待できるのです。
一方で、メラニン色素が肌の深くにある薄いそばかすへの反応は乏しいため、なかなか消えないと感じることもあるでしょう。
とくにそばかすは数が多く、濃いものや薄いものが混ざって広がるケースがほとんどです。すべてのそばかすをきれいに消すのは時間がかかるかもしれません。
回数を重ねてもなかなか完治せず、ピンポイントで残ってしまった場合には、レーザーでの治療も検討するとよいでしょう。
そばかすではない
そばかすはシミの一種ですが、シミにはほかにも老人性色素班や肝斑・色素沈着などさまざまな種類があります。
それぞれ原因や症状は異なりますが、見分けが難しいケースも多いため注意が必要です。
何度IPL美肌治療を受けてもそばかすが改善しない場合、そばかすではなく肝斑の可能性があります。
肝斑は、頬の高い位置や目の下に、左右対称に生じる薄い褐色の斑点です。
そばかすと症状は似ているものの、まったく違うものであり、主にホルモンバランスの乱れが原因で発生します。
肝斑にIPLを当てても、改善は期待できません。それどころか、刺激に弱いため悪化してしまう危険性もあります。
症状に適した治療を受けるためにも、医師とのカウンセリングで肌の状態をしっかりと確認しましょう。
IPLでそばかすが濃くなる可能性はある？
IPLの施術後にそばかすが濃くなるケースはあります。
ただし、これは一時的な症状で、IPLの効果が現れている証拠であるため心配する必要はないでしょう。
IPLを照射すると、破壊されたメラニン色素が肌の表面に浮き出てきます。
そのため、照射前よりも濃くなったり、増えたりしたと感じるかもしれませんが、肌のターンオーバーとともに1〜2週間で薄く。
紫外線や乾燥には十分に注意して、肌に刺激を与えないように過ごしましょう。
IPL後の肌はデリケートな状態となるため、ダメージを受けると症状が悪化してしまう危険性があります。
効果的なIPLの通院回数と経過
そばかすの改善に効果的な通院回数と、IPL後の経過について解説します。
必要な通院回数
通院する回数は、肌質や症状によって個人差はありますが、一般的には5〜6回が理想といわれています。
また、定期的な間隔で通うと、より高い効果が期待できます。3〜4週間に一度のペースで治療を受けるとよいでしょう。
治療を重ねるごとにそばかすが目立たなくなるとともに、メラニン色素が生成されにくくなり、新たなそばかすやシミの発生を抑えられます。
IPL後のそばかすの経過
IPL照射後は、以下のような過程でそばかすが改善していきます。効果の現れ方は人によって異なりますが、おおよそ1週間で効果を実感できるでしょう。
肌全体に赤みやほてり感が生じる場合があります。
そばかす部分に細かいかさぶたができたり、浮き出てきたりします。
かさぶたが剥がれ落ち、徐々にそばかすが薄くなります。
施術直後は肌がデリケートで刺激を受けやすい状態であるため、紫外線や摩擦・乾燥などの外部刺激には十分に注意してください。
2～3日経つと、多くの場合、マイクロクラストと呼ばれる細かいかさぶたができます。約1週間～10日で自然と剥がれ落ちていくため、無理に剥がさないようにしましょう。
シミが浮き出てきた場合にも、1～2週間で徐々に薄くなっていきます。気になることがあれば、医師に相談してください。
そばかすが再発することはある？
しかし、IPLではメラニン色素をつくる細胞であるメラノサイトは破壊できません。
そのため、紫外線や摩擦などのダメージによってメラニン色素が生成されれば、新たなそばかすが発生する可能性があります。
また、加齢やホルモンバランスの崩れが原因で、数年後にそばかすが再発するケースも。
できるだけ再発を防ぐためにも、以下のような対策でメラニンの生成を抑え、よい状態の肌を維持しましょう。
- 紫外線対策
- 保湿、美白ケア
- 生活習慣の見直し
- 食生活の改善
これらの対策は、肌の老化防止にも役立ちます。そばかすが再発してからではなく、日常生活で予防することが大切です。
また、新たなそばかすが気になってきたら、再度IPL治療も検討しましょう。
施術の主な副作用・リスク
・弱いかゆみを感じることがあります
・施術後一次的な反応として赤みがでることがあります
・肌質、日焼けの具合などによっては、火傷状態になることがあります