ケミカルピーリングとは – 失敗例やダウンタイム・経過を解説。デメリットはある?

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、肌に薬剤を塗布して古い角質を取り除くとともに、肌のターンオーバーを促す美容施術です。

毛穴の引き締めやニキビの改善、シミやくすみの緩和など、さまざまな美肌効果が期待できます。

今回は、ケミカルピーリングの種類やメリット・デメリット、値段やダウンタイムなどをまとめました

施術を受ける前にチェックして、肌の悩みや症状に適したピーリング方法を選択しましょう。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

医師略歴・プロフィール
運営者情報
お問い合わせ

目次

ケミカルピーリングとは?種類と違い

ケミカルピーリングは、肌に薬剤を塗布して肌トラブルの改善を図る治療法です。

代表的なケミカルピーリングの種類として、以下の4つが挙げられます。

  • サリチル酸マクロゴールピーリング
  • グリコール酸ピーリング
  • 乳酸ピーリング
  • PRX-T33(マッサージピール・コラーゲンピール)

それぞれの特徴や効果について詳しく見ていきましょう。

サリチル酸マクロゴールピーリング

強力な角質軟化・融解作用のあるサリチル酸(BHA)を、マクロゴールと呼ばれる基剤に溶かした薬剤を用いるピーリング方法です。

従来のサリチル酸ピーリングのように皮膚の深くまで浸透せず、角質層のみに反応するため、赤みや痛みなどの副作用はほとんどありません。

肌への負担を抑えながら、古い角質を取り除いたり、ターンオーバーを促したりする効果が期待できます。

グリコール酸ピーリング

グリコール酸(AHA)はフルーツ酸の一種で、ピーリング剤のほか市販の化粧品にもよく使われる薬剤です。

表皮の基底層に働きかけて毛穴に詰まった角質や汚れを溶かし、肌質改善へと導きます。

グリコール酸は粒子が小さく、角質層への浸透力が高いのが特徴です。

コラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌のハリ・弾力を向上させる効果も見込めます。

乳酸ピーリング

天然乳酸を主成分とした薬剤を用いるピーリング方法です。粒子が比較的大きく、皮膚の浅い部分に反応するため、肌への刺激をより抑えられます。

ほかのピーリング剤が合わなかった敏感肌の方にも適しているでしょう。

PRX-T33(マッサージピール・コラーゲンピール)

マッサージピール・コラーゲンピールは、上記で紹介した3つのピーリングとは作用が異なります。

医療機関専用のピーリング剤「PRX-T33」を、マッサージしながら肌に浸透させる施術です。

ケミカルピーリング

PRX-T33には、TCA(トリクロロ酢酸)・低濃度過酸化水素水・コウジ酸が配合されています。

皮膚の剥脱を起こさずに、コラーゲンの増生をさせる点が特徴で、施術直後から肌質改善やハリ感の向上を実感しやすいと言われています。ただ、効果が強いためか、場合により皮膚の剥奪(皮むけ)を起こすことはあります。

ケミカルピーリングのメリット

ケミカルピーリングの主なメリットは以下の通りです。

  • 肌のターンオーバーが整う
  • 肌への負担が少ない
  • 他の施術との併用が可能

肌のターンオーバーが整う

ケミカルピーリングは肌の新陳代謝を促進させ、古い角質を取り除くため、総合的な美肌効果が期待できます。

具体的には、以下のような肌トラブルの改善に有効です。

  • 毛穴の黒ずみ、開き
  • ニキビ、ニキビ跡
  • シミ
  • くすみ
  • しわ、たるみ

肌への負担が少ない

施術中の痛みが少なく、炎症を起こすリスクは少ないと言えます。手軽に施術を受けられ、ダウンタイムが心配な方にもおすすめです。

他の施術との併用が可能

ケミカルピーリングはイオン導入やレーザーなど、ほかの美容施術との併用が可能です。

肌質や悩みに合わせた併用治療により、さらに高い美肌効果が期待できます。

ケミカルピーリングのデメリット

一方で、ケミカルピーリングには以下のようなデメリットがある点に注意しましょう。

  • 肌がデリケートになりやすい
  • 薬剤が合わないと失敗するおそれがある
  • 定期的に通う必要がある

肌がデリケートになりやすい

ピーリングによって古い角質が剥がれると、肌のバリア機能が一時的に低下し、外部刺激を受けやすい状態になります。

そのため、保湿ケアや紫外線対策をしっかりと行い、肌をダメージから守りましょう。

薬剤が合わないと失敗するおそれがある

数ある美容治療のなかでも肌への負担が少ないケミカルピーリングですが、赤みや腫れが生じたり、シミや色素沈着が残ったりする例も存在します。

とくに高濃度の薬剤は刺激が強いです。

トラブルをできるだけ避けるためには、信頼できるクリニックできちんと肌の状態を診てもらったうえで、最適なピーリング方法を選ぶ必要があります。

定期的に通う必要がある

一度の施術でも古い角質がなくなり、肌質の変化を感じられる可能性はありますが、十分な効果を得るためには施術を繰り返し受けなければなりません。

肌の状態にあわせて、2週間〜1ヶ月に一度のペースで、5〜10回程度は通う必要があります。

施術回数が多いほど費用がかさむほか、定期的に通わなければならず、人によっては負担が大きく感じるでしょう。

ケミカルピーリングの値段相場

1回5,000円〜12,000円が相場で、十分な効果を得るには5回以上の施術を受ける必要があることを踏まえると、25,000円〜60,000円程度はかかります。

ケミカルピーリングの値段は、クリニックや施術の種類によって違いますが、1回5,000円〜12,000円が相場です。

十分な効果を得るには5回以上の施術を受ける必要があることを踏まえて、25,000円〜60,000円程度はかかると考えておきましょう。

なかには5回コースや10回コースなど、1回あたりの料金が安くなるセットプランを設けているクリニックもあります。

施術の流れと経過

皮膚科でのケミカルピーリングは、一般的に以下の流れで施術が行われます。

  1. 診察
  2. クレンジング・洗顔
  3. 薬剤の塗布
  4. 拭き取り

ピーリング剤を塗布する前には、メイクや汚れを落とす必要があります。ほとんどのクリニックではメイク落としや洗顔料が用意されていますが、持参してもかまいません。

準備ができたら薬剤を肌に塗布し、5〜10分程度時間をおいて、古い角質や皮脂を浮き上がらせます。

その後ピーリング剤を丁寧に拭き取り終了です。施術直後から、メイクをして帰宅。

診察や洗顔・メイク直しの所要時間にもよりますが、おおよそ40分〜1時間ほどですべての施術が終わるでしょう。

ケミカルピーリングのダウンタイム

ケミカルピーリングは痛みや副作用が少ない治療法で、ダウンタイムはほぼなしと言えるでしょう。

ただし、施術直後に若干の赤みや刺激感が生じる場合があります。

何日程度症状が続くかは個人差があるものの、1〜3日程度で落ち着いてくる方が多く、日常生活に支障をきたすことはほとんどありません

施術後の肌は非常にデリケートな状態のため、刺激を与えないように注意する必要があります。

洗顔やメイクの際は摩擦に気を付けるとともに、普段よりも念入りな保湿ケアを心がけましょう。

また、過度な紫外線を浴びると、乾燥や肌荒れにつながるおそれがあるため、UVケアも徹底してください。

効果実感までの回数

5回〜10回程度の施術が推奨。

効果実感までの回数は肌の状態によるため一概には言えませんが、初回の施術でも毛穴のザラつきや黒ずみの改善・ハリ感アップなどは実感できる方が多いです。

しかし、ニキビやニキビ跡・しみの改善が目的の場合は、肌の新陳代謝を促して徐々に治療していく必要があり、5回〜10回程度の施術が推奨されます。

医師の診察を受け、肌の状態を確認したうえで治療を進めていきましょう。

よくある質問Q&A

最後に、ケミカルピーリングについてよくある質問をまとめました。

  • 保険適用になりますか。
  • 副作用はありますか。
  • 頻度・間隔はどのくらいが良いですか。
  • やりすぎは良くないのでしょうか。
  • ケミカルピーリングは痛いですか。
  • シミが濃くなるという声は本当でしょうか。

保険適用になりますか。

基本的には、ケミカルピーリングはどの施術方法でも自由診療となり、保険は適用されません

副作用はありますか。

ケミカルピーリングは副作用が非常に少ない治療法です。

施術後はわずかに赤みやかゆみ・ピリピリ感が生じるケースがありますが、数日で自然に治まります

とくに敏感肌の方は、乾燥による肌荒れや皮むけが起こるおそれがあるため、施術後の保湿ケアや紫外線対策をしっかりと行いましょう。

いつまで副作用が続くかは個人差がありますが、あまり長引く場合には医師の診断を受けてください。

また、ニキビ治療が目的の場合、ケミカルピーリング後に一時的にニキビが悪化する可能性があります。

これは、肌の細胞が生まれ変わろうと活性化するために生じる「好転反応」です。多くの場合は、治療を繰り返すことで改善していくため心配はありません。ただし、好転反応なのかどうかは自己判断せず、医師の診断を受けてください。

頻度・間隔はどのくらいが良いですか。

目安としては、2週間〜1ヶ月に一度のペースで5回以上受けると効果的です。

ケミカルピーリングの種類や肌の状態によっても、最適な頻度は異なりますので、詳しくはカウンセリングの際に確認してください。

やりすぎは良くないのでしょうか。

ケミカルピーリングをすると、肌が紫外線や摩擦によるダメージを受けやすくなります。そのため、やりすぎは肌トラブルにつながる危険性があります。

必要以上に施術を行っても高い効果が得られるわけではないため、必ず適切な頻度を守りましょう。

ケミカルピーリングは痛いですか。

施術中は多少ピリピリとした刺激を感じる場合がありますが、激しい痛みはなく、通常は我慢できる程度です。

また、薬剤を拭き取った後は肌を冷やして鎮静させるため、治療後の痛みもほとんどありません。

シミが濃くなるという声は本当でしょうか。

ケミカルピーリング後に炎症を起こしてしまった場合、炎症性色素沈着となってしまうことがあります。その場合、一時的にシミが目立つ可能性があります。

その場合、中止した方が良いこともありますので、医師とよく相談してください。

ただし、ピーリング後は肌がデリケートで刺激に弱い状態のため、紫外線や摩擦によってシミが悪化するおそれがあります。

普段より念入りにケアを行い、刺激を与えないように注意してください。

施術の主な副作用・リスク

・施術中、お肌の状態によってピリピリ感やヒリヒリ感などの刺激を感じることがあります。

・ダウンタイムはほとんどありませんが、赤みがでる方もいらっしゃいます。

・赤みは数時間で消失する場合が多いですが、肌が敏感な方は数日間残る場合もあります。

目次