ケミカルピーリングの毛穴への効果　黒ずみや開き毛穴にアプローチ　悪化する可能性もあるって本当？

毛穴の開きや黒ずみが気になっているけれど、自宅でのケアではなかなか改善できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが、美容皮膚科などでのケミカルピーリングです。医療用のピーリング剤を用いて、さまざまな毛穴トラブルの解消を目指します。

今回は、ケミカルピーリングの毛穴への効果について詳しくまとめました。

必要な施術回数や注意点についても解説していきますので、毛穴の悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。

ケミカルピーリングの毛穴への効果

ケミカルピーリングでは、主に次のような効果が期待できます。

• ターンオーバーの促進
• 古い角質の除去
• コラーゲンやエラスチンの活性化
• メラニン色素の排出
• 皮脂分泌の抑制

肌のターンオーバーが促進されて古い角質がなくなるため、さまざまな肌トラブルへのアプローチが可能です。施術を続けることで、徐々に毛穴も目立たなくなるでしょう。

ただし、一口に毛穴といっても、角栓の詰まりや酸化による黒ずみなど、原因によっていくつかのタイプに分けられます。

ここからは、ケミカルピーリングが有効とされる6つの毛穴タイプについて確認しましょう。

ケミカルピーリングは毛穴トラブル全般に対して効果が見込めますが、自分の毛穴タイプを見極めることで、より最適な治療法が見つかります。

開き毛穴

Tゾーンや頬に生じやすい「開き毛穴」は、毛穴が丸形に広がった状態です。ホルモンバランスや生活習慣の乱れ・肌の乾燥などにより、 皮脂が過剰分泌するために起こります。

また、間違った毛穴ケアや、角栓を除去したあとの保湿不足も、開き毛穴を発生させる原因です。何もケアをしないと、毛穴が塞がらず、ますます広がってしまうおそれがあります。

脂性肌の方や男性に多く見られるほか、10代の若いころから目立ち始める方もいます。

ケミカルピーリングは、肌のターンオーバーを整え、細胞の生まれ変わりを促す治療法です。ハリや弾力がアップして毛穴が引き締まり、開き毛穴の改善と予防につながるでしょう。

＜開き毛穴の特徴＞

• 毛穴が丸形に広がった状態
• 小鼻や頬にできやすい
• 過剰な皮脂分泌が主な原因
• 皮脂分泌の多い脂性肌や男性に多い

詰まり毛穴

古い角質や皮脂が毛穴に詰まり、角栓となった状態が「詰まり毛穴」です。白いポツポツが目立ち、触るとザラつきがあります。とくに皮脂詰まりが起こりやすい小鼻に多く見られます。

皮脂の過剰分泌のほか、間違った洗顔やクレンジングも原因のひとつです。メイク汚れや皮脂が肌に蓄積すると、角栓が詰まりやすくなります。

皮脂の分泌が盛んな脂性肌の方だけではなく、肌の水分量が少ない乾燥肌の方も注意しなければなりません。

乾燥が進んでターンオーバーが乱れると、本来剥がれるはずの古い角質が肌に残り、毛穴詰まりを起こすおそれがあります。

ケミカルピーリングによって古い角質や汚れを取くとともに、ターンオーバーを整えて毛穴の詰まりにくい肌を目指しましょう。

＜詰まり毛穴の特徴＞

• 白いポツポツが毛穴に詰まった状態
• 触るとザラつきがある
• 過剰な皮脂分泌や洗顔不足が原因
• 脂性肌だけではなく乾燥肌にもよく見られる

黒ずみ毛穴

詰まり毛穴を放置してしまうと、角栓の表面が酸化して黒く変化し、「黒ずみ毛穴」を引き起こします。

洗顔やクレンジング時の洗い残しやスキンケア不足・過剰な皮脂分泌によって起こりやす症状です。

触るとザラザラとしていて膨らみがあり、鼻の頭にできやすいのが特徴です。とくに毛穴がいちごの種のように目立つ「いちご鼻」に悩む方は多いでしょう。

ただし、無理に角栓を押し出そうとすると、肌を傷つけるほか、毛穴が余計に広がってしまうおそれがあります。

肌に負担をかけずに、黒ずんでしまった古い角栓を取り除くにはケミカルピーリングが効果的です。

＜黒ずみ毛穴の特徴＞

• 毛穴に詰まった白い角栓が酸化した状態
• 鼻の頭にできやすい
• 洗顔やクレンジング不足、過剰な皮脂分泌が原因
• 重症化するとセルフケアでは改善が難しい

メラニン毛穴

「メラニン毛穴」は、黒ずみ毛穴と同様に毛穴が黒く見えるタイプですが、原因がまったく異なります。メラニン毛穴の主な原因は、紫外線や間違ったスキンケアによるメラニン色素の沈着です。

また、加齢やストレス・ホルモンバランスの乱れによって肌のターンオーバーが乱れると、毛穴まわりにメラニンが蓄積しやすくなり、黒ずみにつながります。

角栓の詰まりはないため、詰まり毛穴や黒ずみ毛穴のようにザラザラとした感触はありません。通常の毛穴ケアでは改善は難しく、日々の紫外線対策が重要です。

ケミカルピーリングにはメラニンの排出を促す作用もあるため、施術を繰り返すことで毛穴まわりの色素沈着を薄くする効果が期待できます。

＜メラニン毛穴の特徴＞

• 毛穴まわりが黒ずんで見える
• 紫外線によるメラニンの蓄積が主な原因
• ザラつきは少なく、触るとツルツルしている
• 通常の毛穴ケアでは改善しにくい

クレーター毛穴

ニキビによる炎症が原因でニキビ跡が残り、毛穴が凹んでしまった状態を「クレーター毛穴」といいます。

毛穴や毛穴まわりの皮膚が傷ついて組織が破壊されたあと、過剰なコラーゲン修復が起こるためにボコボコとした毛穴に変形します。

一度クレーターになってしまうと、セルフケアで元に戻すのは非常に困難です。症状が非常に軽ければ、ケミカルピーリングによって改善が期待できることもあります。

ニキビの炎症が皮膚の奥深くまで進行し、大きなダメージが残っている場合は、レーザーや光治療との併用が推奨されます。

＜クレーター毛穴の特徴＞

• ニキビの炎症後に毛穴が凹んでクレーターとなった状態
• 過剰なコラーゲン修復によって起こる
• 軽度であればケミカルピーリングでの改善が期待できる

たるみ毛穴

加齢によって肌の弾力が失われると、重力に負けて毛穴が下に伸び、しずく型に目立つ「たるみ毛穴」になります。年齢を重ねるにつれてあらわれやすく、頬に多く見られます。

たるみ毛穴を改善するには、コラーゲンの生成を促して肌の保水力や弾力性を向上させるのが効果的です。

ケミカルピーリングやマッサージピーリングで肌の内側からハリや弾力アップを促して、徐々に改善しましょう。

また、たるみ毛穴のほか、シミや小じわ・くすみなどの加齢にともなう肌トラブル改善にも効果を発揮します。

＜たるみ毛穴の特徴＞

• 開き毛穴が下に伸びて、縦長のしずく型に変化した状態
• 加齢による肌のたるみが主な原因
• 年齢を重ねた30代～40代以降にあらわれやすい

毛穴に効果が出るまで回数は何回必要？

ケミカルピーリングは1回だけではなく、複数回の施術を受けるとより高い効果が期待できます。

ここでは、毛穴トラブルに最適な回数と頻度について解説します。

必要な回数は個人差がある

定期的なペースで5回〜10回の施術が推奨。

効果を実感できるまでの回数は、毛穴のタイプや重症度によってさまざま。また、ピーリング剤の濃度や種類により、効果のあらわれ方が変わってきます。

まずは医師の診察を受け、肌の状態を確認しながら治療を進めていきましょう。

1回の施術でも、毛穴がすっきりとして肌質の変化を感じられる方は多いです。しかし、よい状態をキープするには、定期的なペースで5回〜10回の施術が推奨されています。

治療を始めたばかりの頃はあまり効果を実感できなくても、回数を重ねれば徐々に改善する可能性があるため、根気よく続けていくことが大切です。

効果的な頻度は？

施術を受ける頻度は、2週間〜4週間に一度が理想。

毛穴の開きや詰まりを一刻も早く改善したいからといって、必要以上に行うとトラブルの原因となるおそれがあります。

最低でも2週間以上は間隔を空け、肌の状態を見ながら調整していきましょう。

ケミカルピーリングの値段はどのくらいかかる？

ケミカルピーリングの値段相場は1回5,000円〜10,000円。十分な効果を得るには5回〜10回の施術が必要となるため、合計で25,000円〜100,000円程度。

基本的に保険適用はないため、各クリニックで値段が異なり、また、使用するピーリング剤や濃度によっても変わってきます。

十分な効果を得るには5回〜10回の施術が必要なので、合計で25,000円〜100,000円程度はかかると考えておきましょう。

多くのクリニックでは、3回・5回・10回などのお得なコースが用意されています。肌の状態や予算に合わせて、最適なコースを選択してください。

ケミカルピーリングで毛穴が広がる・悪化する可能性は？

ケミカルピーリングを受けた後、「逆に毛穴が広がった」「目立ちやすくなった」との声を聞くことがあります。

実は、施術後に毛穴が悪化するケースはゼロではありません。主な原因としては、以下が考えられます。

• 好転反応
• 施術のやりすぎ
• アフターケア不足

それぞれ詳しく解説していきます。

好転反応

好転反応とは、治療の過程で一時的にさまざまな肌トラブルが起こる症状です。

ケミカルピーリングによって代謝が促進すると、毛穴に詰まっていた角質や皮脂が押し出され、施術前よりも毛穴が目立ったり、ザラつきがでたりする場合があります。

これらは肌がよい状態に向かっている証拠のため心配はいりません。無理に角栓を取ろうとせず、正しいスキンケアを行って症状が自然に改善するのを待ちましょう。

施術のやりすぎ

ケミカルピーリング後の肌は、古い角質が剥がれ、一時的にデリケートな状態となります。

そのため、施術をやりすぎてしまうと肌に大きな負担がかかり、逆に肌トラブルを引き起こすおそれが。

医師に肌の状態や毛穴タイプを見てもらったうえで、適切な施術頻度と回数をきちんと守ってください。

アフターケア不足

施術後は肌が乾燥するため、念入りな保湿が欠かせません。

ケアを怠ると、十分な効果が得られないだけではなく、肌がさらに乾燥して毛穴の開きや黒ずみを進行させてしまいます。

また、紫外線も毛穴トラブルを悪化させる原因のひとつです。施術後1週間は直射日光を避け、日焼け止めや日傘などでUV対策を徹底しましょう。