ピーリングのデメリット・メリット 足、鼻など部位別に注意点を解説

ピーリング

古くなった角質や、毛穴の奥に溜まった汚れを取り除き、なめらかでハリのある肌へと導くピーリング。

一口にピーリングといっても、さまざまなタイプがあるのをご存じでしょうか?

ピーリングの種類によって効果やメリット・デメリットが異なるため、正しく理解して自分の肌に合うピーリング法を選びましょう。

今回は、ピーリングの種類と効果・注意点などについて詳しく解説

また、「自宅で行うピーリング」「皮膚科で行うピーリング治療」「エステで行うピーリング」の3つに分け、それぞれのメリットとデメリットをまとめましたので、施術を検討している方はぜひ参考にしてください。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

ピーリングとは?種類と効果

ピーリングは、毛穴の汚れや古い角質を取り除いて肌質改善を目指す美容施術です。毛穴の引き締めやニキビの緩和・シミやしわの改善など、さまざまな効果が期待できます。

ピーリングには、市販のものや、エステ・皮膚科で受けられるものなどさまざまな種類がありますが、大きく以下の3種類に分けられます。

  • ケミカルピーリング
  • 浸透型ピーリング
  • マシンを使うピーリング

それぞれのピーリングの特徴や効果について見ていきましょう。

ケミカルピーリング

肌に薬剤を塗布して古い角質や表皮を剥がし、肌のターンオーバーを促す方法。

ニキビやニキビ跡・毛穴の黒ずみ・シミ・しわなどさまざまな肌の悩みにアプローチして、肌の生まれ変わりをサポートします。

ケミカルピーリングは、使用する薬剤によって以下のような種類に分けられます。

サリチル酸マクロゴールピーリング強力な角質軟化・融解作用を持つサリチル酸をマクロゴールという基材に溶かし、肌の角層のみに反応させる
グリコール酸(AHA)ピーリング角質を除去する効果のあるグリコール酸を肌に塗布して、ターンオーバーを促進させる
ミルクピールサリチル酸・グリコール酸・乳酸の3種類の酸を使用した医療機関専用のピーリング法。蓄積した角質や汚れを取り除き、ターンオーバーを整える

薬剤を用いるため、皮膚科で施術を受けるのが一般的ですが、ピーリング剤によってはエステや自宅でも行えます。

ただし、医療用に比べて濃度が低いピーリング剤しか使用できません。濃度が低いほど肌への負担は軽減されますが、その分効果も穏やかです。

皮膚科のピーリングが「角質を除去する治療」であるのに対して、エステや自宅で行うピーリングはあくまで「角質をためにくくするためのケア」といえるでしょう。

浸透型ピーリング

ケミカルピーリングのように角質を剥がすのではなく、浸透力の高いトリクロロ酢酸(TCA)を主成分とした薬剤を肌に塗布して有効成分を届けるタイプのピーリング。

コラーゲンやエラスチンの生成を促進して、ハリやシワ・たるみ・シミなどを改善し、肌をなめらかに整える効果が期待できます。

代表的な浸透型ピーリングの種類は以下の通りです。

マッサージピール(コラーゲンピール)「PRX-T33(トリクロロ酢酸・過酸化水素・コウジ酸を配合した薬剤)」をマッサージしながら肌に浸透させる
リバースピールマッサージピールに、肝斑治療に効く成分を配合した治療法。3段階に分けて薬剤を浸透させる
ミラノリピール高濃度のトリクロロ酢酸を含む5種類の酸を配合した薬剤を使用。ボディのピーリングにも多く用いられる

これらのピーリングに用いられる薬剤は、基本的に医療用のため、皮膚科や美容外科で治療として行われます

皮膚の剥脱を起こさないほか、痛みや施術後の副作用も非常に少ない点が特長です。

マシンを使うピーリング

美容機器を使用したピーリングも多くあり、毛穴汚れや古い角質を取り除いて、肌のキメを整える効果が期待できます。

ピーリング

とくに毛穴ケアを重点的に行いたい場合におすすめです。

マシンピーリングの主な種類として、以下が挙げられます。

ハイドラフェイシャル水流を利用して余分な皮脂や角質を除去し、毛穴の奥を洗浄。美容成分の導入も同時に行えるため、保湿効果も期待できる
レーザーピーリングレーザー熱で肌の真皮層にあるコラーゲンを活性化して、古くなった角質を取り除き、肌質改善に導く
クリスタルピーリング機械を使用して酸化アルミニウムの微粒子を肌に吹きかけ、不要な角質を除去する
ウォーターピーリング水と超音波振動で毛穴にアプローチする。家庭用美顔器での施術が主流

マシンでのピーリングは、これまでケミカルピーリングによる乾燥や肌荒れが心配だった方にもおすすめです。

施術ごとに特徴は異なりますが、比較的刺激が少なく、アレルギーや副作用も出にくいといわれています。

自宅で行うピーリングのメリット・デメリット

自宅でできるピーリングは「ホームピーリング」とも呼ばれており、さまざまなタイプに分けられます。

  • AHAタイプ(グリコール酸)
  • 酵素タイプ
  • スクラブタイプ(ゴマージュ)
  • 美顔器タイプ(ウォーターピーリング)

それぞれ使用感や効果は異なりますが、ホームピーリングには主に次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

自宅で手軽にできる・値段が安い・肌への負担が少ない

ドラッグストアや通販で簡単に低価格で購入でき、いつでも好きなときに行えるのが最大の魅力。

ピーリング剤の種類にもよりますが、基本的には2,000円〜5,000円で購入できます。

ピーリング

また、最近ではエステのような超音波ケアが自宅でできる家庭用のウォーターピーリング美顔器も多く販売されています。

機械の購入に5,000円〜20,000円程度かかりますが、一度購入すれば長く使用できるため、コストパフォーマンスが高いです。

自宅用のピーリング剤や美顔器は、安全面に配慮してつくられていますので、赤みやヒリヒリ感・皮むけなどが起こるリスクが少なく、肌トラブルが心配な方でも使いやすい仕様になっています。

デメリット

十分な効果を得られない・肌トラブルはすべて自己責任

肌への刺激が少ない分、効果が穏やかで、満足のいく美肌効果を得られない可能性があります。

エステや皮膚科でのピーリングに比べて即効性も劣るため、効果を実感するまでに時間を要するでしょう。

また、肌荒れのリスクは低いものの、絶対にトラブルが起こらない保証はありません。ピーリング剤の使用方法や季節・体調によっては、赤みやかゆみなどが起こるおそれも。

万が一肌トラブルが生じた場合には自己責任で対処する必要があります。

美容皮膚科で行うピーリング治療のメリット・デメリット

美容皮膚科などでは、ケミカルピーリング・浸透型ピーリング・マシンを使ったピーリングのすべてを受けられますが、クリニックによって取り扱っているピーリングの種類は異なります。

美容皮膚科で行うピーリング治療のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

即効性と高い効果が期待できる・安全性が高い・肌トラブルが生じた場合も安心

皮膚科で行うピーリングは薬剤の濃度が高いため、より高い美肌効果が期待できます。

たとえば、自宅用のグリコール酸ピーリングの濃度が2〜8%であるのに対して、皮膚科で用いるグリコール酸ピーリングの濃度は20%〜40%です。

また、医師がカウンセリングで肌の状態を確認したうえで最適なピーリング方法を選択するため、安心して施術を受けられる点もメリット。

万が一肌トラブルが生じた際にも、施術を行った皮膚科ですぐに診てもらえるため安心感があります。

デメリット

肌への刺激が強く副作用のリスクがある・値段が高額

高い効果と即効性が魅力ですが、肌への負担がかかりやすく、赤みやかゆみ・乾燥などの副作用が出るおそれがあります。

とく強力な角質軟化効果があるとされているサリチル酸は、人によっては皮むけやかさぶた・痛みなどの症状が現れます。

最近では多くのクリニックで、肌への刺激を抑えたピーリング施術も導入されているため、敏感肌でトラブルが心配な方は医師に相談するとよいでしょう。

そのほかのデメリットは、皮膚科でのピーリングは高額な費用がかかる点です。

クリニックによって若干異なりますが、以下で代表的なピーリング治療の相場を紹介します。

サリチル酸マクロゴールピーリング8,000円〜14,000円(顔全体)
マッサージピール12,000円〜20,000円(顔全体)
ハイドラフェイシャル15,000円〜20,000円(顔全体)

1回で効果を実感できる方も多いですが、効果を維持するためには、複数回の施術が必要となり、さらに費用がかかることを理解しておきましょう。

エステで行うピーリングのメリット・デメリット

エステにも、AHAやBHAなどの薬剤を用いたピーリングや、美容機器によるレーザーピーリング・ウォーターピーリングなど、幅広いピーリング施術が用意されています。

最近では、植物由来や海藻由来の天然成分を用いた「ハーブピーリング」も人気。お店によって導入しているピーリングの種類が異なるため、事前に確認しておきましょう。

エステで行うピーリングのメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

自宅用よりも高い効果が期待できる・プロのセラピストによる施術が受けられる

多くのエステサロンでは、最新のピーリング剤や美容機器を導入しています。そのため、自宅でピーリングを行うよりも高い効果が期待できるでしょう。

また、専門知識を持つセラピストが施術を行うため安全性が高い点もメリットです。

自宅でピーリングを行う場合、正しい方法で行わないと肌トラブルにつながるおそれがありますが、エステでは肌質を見極めたうえで適正な施術を行ってもらえます。

施術後の注意点やアフターケアについてのアドバイスも受けられるでしょう。ピーリング後のスキンケアに効果的な化粧品を販売しているサロンも多いです。

デメリット

皮膚科のピーリングに比べて効果が低い・定期的に通う必要がある

ピーリング剤の濃度が抑えられているため、皮膚科のピーリング治療ほどの効果は期待できません

たとえば、重度のニキビやニキビ跡は、エステのピーリングでは改善が難しいと言われています。

エステでのピーリングの目的は、あくまで肌トラブルの予防。治療目的の場合は、皮膚科でのピーリングを検討しましょう。

また、十分な効果を得るためには、定期的に施術を受けなければなりません。

肌の状態にもよりますが、一般的には2〜3週間に一度のペースで、5〜10回の施術が必要と言われています。

そのため、忙しくて時間がとれない方にとっては、負担が大きいかもしれません。一回の料金は皮膚科よりも安いものの、施術回数によっては費用が膨れ上がるおそれもあります。

【部位別】気をつけたいピーリングの際の注意点

ピーリングは顔に行う場合が多いですが、基本的には全身の部位に対応しています。ただし、部位によって注意すべき点が異なるため、事前に把握しておきましょう。

ここでは、ピーリングの際の注意点を部位別で解説します。

ピーリングの種類によっても注意点は変わってくるため、詳しくは施術を受ける皮膚科やエステ・製品の取扱説明書などで確認してください。

頬のピーリングの注意点

ピーリングの前日は、顔の剃毛やスクラブ・パックなどの使用は避けましょう。施術前の肌ダメージが大きいと、赤みやかゆみ・かさぶたなどができやすくなってしまいます。

そして、ピーリング後は肌が乾燥しやすくなるため、十分な保湿ケアが必要です。頬の乾燥は、しわやたるみを引き起こす原因となります。

施術後は化粧水や乳液・クリームなどを使用して、普段より念入りなお手入れを心がけましょう。

そのほか、洗顔やクレンジングの際に肌を擦ったり、強い力でマッサージしたりすることは、肌に刺激を与えるおそれがたるため避けてください。

鼻・額のピーリングの注意点

皮脂が多く、毛穴の開き・黒ずみが目立つ鼻や額は、ピーリングの効果を実感しやすい部分です。

しかし、顔のなかでも紫外線が当たりやすいため、施術後の日焼けには十分に注意しなければなりません。

ピーリング後は、肌が刺激を受けやすい敏感な状態です。

過剰に紫外線を受けると、乾燥や皮むけが生じて毛穴の開きが悪化するほか、シミの発生につながるリスクもあります。

とくにピーリング後1〜2週間は、日焼け止めや帽子・日傘などで徹底した紫外線対策を行いましょう。

背中のピーリングの注意点

ニキビやニキビ跡・毛穴の開きが気になりやすい背中も、ピーリング施術で人気の部位。

露出が多くなる夏や、ウェディングに向けて、エステや皮膚科に通う方も多く見受けられます。

施術前後の注意点は基本的に顔と同様ですが、背中は手が届きにくく、自分ではケアが難しい部分のため、乾燥や摩擦・紫外線による刺激を受けないよう十分に気をつける必要があります。

スプレータイプの化粧水や日焼け止めを取り入れたり、家族に塗ってもらったりなど工夫しながら、保湿ケア・UVケアを行いましょう。

腕・足のピーリングの注意点

二の腕のザラつきや、肘・膝の黒ずみなどにもピーリングは有効です。

ただし、腕や足のムダ毛処理は、ピーリング前後には控えてください。とくに肌への負担が大きい、カミソリや脱毛器の使用は厳禁です。

また顔と同様に、外出するときはしっかりと紫外線対策を行いましょう。

脇のピーリングの注意点

脇のピーリングを行う際も、前日の剃毛処理やスクラブなどは避けるべきです。

また、ほかの部位でも言えることですが、ピーリング前にレーザー脱毛や光脱毛を受けている場合、肌の状態によっては施術できないケースもあります。

できるだけ肌にダメージが残っていない状態でピーリング施術が受けられるよう、タイミングを調整するとよいでしょう。

施術の主な副作用・リスク

・施術中、お肌の状態によってピリピリ感やヒリヒリ感などの刺激を感じることがあります。

・ダウンタイムはほとんどありませんが、赤みがでる方もいらっしゃいます。

・赤みは数時間で消失する場合が多いですが、肌が敏感な方は数日間残る場合もあります。

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