ハイフ(HIFU)は、皮膚を切らずにたるみをリフトアップできる人気の治療法。しかし、ネットの口コミでは、「ハイフはやめたほうがいい」「効果がなかった」……そんなネガティブな意見もあるようです。
本記事では、「ハイフはやめたほうがいい」口コミがある理由や、ハイフの失敗事例、ハイフが向いていない方・向いている方の特徴について解説します。
この記事の執筆者
石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
「ハイフはやめたほうがいい」口コミがある理由と原因
まずは、なぜ「ハイフはやめたほうがいい」という口コミがあるのか、その理由と原因について見ていきましょう。
- ハイフの効果が出にくい方もいる
- 副作用やリスクがある
- 老けて見える場合がある
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 施術中に痛みを伴う
- エステのハイフはトラブルも多い
ハイフの効果が出にくい方もいる
まだ肌がほとんどたるんでいない10代〜20代前半の方は、基本的にはハイフは必要ありません。
若いうちからたるみを予防したい方も多いですが、元のたるみが少なければ、リフトアップ効果はあまり期待できないでしょう。
また、逆にたるみが進行しすぎてしまっている場合も、ハイフの効果は現れにくいと言われています。
たるみの状態や脂肪のつき方にもよりますが、30代〜40代後半の方により適した治療法です。
副作用やリスクがある
ダウンタイムが少なく気軽に受けられるのが魅力ですが、施術後に赤みや腫れ・乾燥・むくみなどの副作用が出る場合があります。
また、間違った照射方法による失敗のリスクもゼロではありません。このようなデメリットの存在も、「ハイフはやめたほうがいい」口コミがある理由のひとつです。
老けて見える場合がある
ハイフは筋膜や脂肪に働きかけて、若々しい印象に導いたり、小顔に見せたりする効果があります。
しかし、元々顔に脂肪が少ない方がハイフを頻繁に受けると、逆に老けて見えるおそれも。若くハリのある肌を保つためには、ある程度の脂肪は必要だと理解しておきましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
ハイフの効果が現れるまでの期間は人によって違います。
施術直後からリフトアップ効果を実感できる方もいますが、照射後1ヶ月〜3ヶ月かけてコラーゲンが増生されるので、1ヶ月ほど経ってから効果が出る方も多いです。
また、人によっては、1回の施術では劇的な効果を感じられず、継続して施術を受ける必要があります。
施術中に痛みを伴う
ハイフは、皮膚の土台となるSMAS筋膜に高出力の熱エネルギーを照射するため、チクチクする痛み・骨に響くような痛みを感じやすいです。
脂肪が少ない部位や、骨に近い部分ほど痛みは大きくなるでしょう。
特に、ウルセラなど従来からあるハイフ機器は高いリフトアップ効果が期待できる反面、強い痛みを伴うため、施術の継続が難しいケースも多く見られました。
エステのハイフはトラブルも多い
エステサロンのハイフは、医療ハイフと比べて出力が弱く、劇的な効果は期待できません。また、十分な医療知識がないエステで施術を受け、肌トラブルが起きたケースも過去にあります。
そのため「効果がなかった」「やめたほうがいい」口コミがされやすいです。
エステは安価で通いやすいのがメリットですが、医療ハイフとは効果も安全性も異なりますので、両者の違いをよく理解しておきましょう。
ハイフの失敗事例~起こり得る副作用・リスク
次に、実際にあったハイフの失敗事例と、起こり得る副作用について解説します。
ハイフの失敗事例
ハイフの失敗事例のなかで最も多いのが火傷です。
間違った角度から照射したり、骨に近い部分に当てたりするとリスクが高まります。
軽度であれば、数日間赤みや軽い腫れが出る程度で治癒しますが、ひどい火傷の場合、数日後に水ぶくれができ、傷あとや色素沈着が残ってしまいます。
施術直後ではダメージの深さはわかりにくいですが、水ぶくれができた場合はできるだけ早い受診が大切です。
照射部位や出力の調整を誤ると、神経損傷を起こしてしまう危険性があります。
ハイフは皮膚の奥深くにある筋肉や神経まで作用するのが特徴です。
実際に、ハイフによって頬の神経が傷つき、しびれが発生したケースも報告されています。最悪の場合、しびれが治らず後遺症として残ってしまうおそれもあるでしょう。
これらの失敗事例は、施術者の技術・知識不足が大きな原因と言われています。
信頼できる医療機関であれば失敗するケースは非常に稀ですが、少なからず人体へのリスクがあることを十分理解しておかなければいけません。
ハイフの副作用
体質や肌の状態・ハイフ機器などによっては、施術後に以下のような副作用が生じる場合があります。
- 赤みが続く
- 腫れが起こる
- むくみがでる
- 肌が乾燥する
- 紫外線ダメージを受けやすくなる
通常、これらの副作用は数日〜数週間で自然になくなるので心配はありませんが、症状が長引く場合は医師の診察を受けましょう。
また、保湿や紫外線ケアなどによって副作用を防げる可能性もありますので、施術後のセルフケア・注意点をしっかりと守ってください。
ハイフをやめたほうがいい方とおすすめできる方
前述した通り、ハイフはすべての方が効果を実感できるわけではありません。ハイフをやめたほうがいい方とおすすめできる方の特徴をご紹介します。
やめた方がいい方
- 皮膚があまりたるんでいない
- 顔の脂肪が少ない
- フェイスラインがシャープ
- タルミが進行し過ぎている
さらに、以下の症状がある方は、基本的にハイフの施術を受けられないので注意しましょう。
- 妊娠中や授乳中の方
- アトピー性皮膚炎やヘルペス・ケロイドのある方
- 過度の日焼けや日焼けサロン後
- 照射部位に金属を入れている方
- 肝臓や腎臓を患っている方
- ペースメーカーを利用している方
おすすめの方
ハイフ治療が特に向いているのは主に次のような方です。
- フェイスラインのタルミを改善したい
- 小じわやほうれい線を目立たなくしたい
- 肌質を改善したい
- 二重あごが気になる
- 小顔になりたい
- 身体の部分痩せがしたい
- できるだけダウンタイムなく施術を受けたい
- メスを入れる美容整形手術は怖い
年齢による肌のたるみやほうれい線などが気になり始める30代以降の方に、特におすすめです。
また、ハイフはリフトアップ以外に、毛穴の引き締めやハリ・弾力アップなどの美肌効果、皮下脂肪を除去する効果も期待できます。
よくある質問Q&A
ハイフ治療に関して、よくあるご質問と回答をまとめました。
- ハイフを受けると将来老けるって本当ですか
- 効果がある人ない人がいるのでしょうか
- 痛みが苦手なのですがやめた方がいいでしょうか
- 何度も受けなければいけないのでしょうか
- ダウンタイムはありますか
ハイフを受けると将来老けるって本当ですか
ハイフによって肌の老化が進んだり、将来たるみがひどくなったりすることはありません。
ただし、元々たるみや脂肪が少ない部位に照射すると、顔がこけてしまい、逆に老けて見えるおそれがあります。
特にこめかみや頬は、多少の膨らみがあったほうが若々しく見えるものです。小顔になりたいからといって、こけて見えるほどやりすぎないよう注意しましょう。
効果がある人ない人がいるのでしょうか
ハイフの効果は、たるみや脂肪の状態によって異なります。
- たるみがほとんどない10代〜20代
- 顔の脂肪が少ない
- すでに皮膚がたるみ過ぎている
このような方は、効果を実感しにくい傾向にあります。クリニックのカウンセリングでは、たるみの度合いや脂肪量に合わせて最適な施術を提案してもらえます。
自分がハイフに向いているかわからない場合は、まず相談してみてください。
痛みが苦手なのですがやめたほうがいいでしょうか
ハイフ治療はある程度の痛みを伴いますが、最近では従来と比べて痛みを大幅に軽減できるハイフ機器も多く、痛みが苦手な方でも安心して施術を受けられます。
- 痛みの少ないハイフ機器を選ぶ
- 出力を下げる
- 麻酔クリームを使用する
このような方法で痛みに配慮してもらえるクリニックもありますので、どうしても心配な方は事前に問い合わせてみるのがおすすめです。
何度も受けなければいけないのでしょうか
1回の施術でも十分なリフトアップ効果は得られますが、効果の持続期間は6ヶ月〜1年程度です。
そのため、効果を維持させたいのであれば、約半年に1回のペースで施術を受けるとよいでしょう。
ダウンタイムはありますか
ハイフは皮膚表面へのダメージを最小限に抑えられるので、ダウンタイムはほとんどありません。
まれに赤みや腫れ・むくみなどの副作用が生じますが、日常生活には支障がない場合がほとんどです。メイクも施術直後から可能です。
施術の主な副作用・リスク:施術中に軽い痛みを感じる場合があります。脂肪が薄い部分など部位によって痛みが出やすいこともあります。施術後に、照射した部分が少し赤くなることがあります。日焼けをしている方は、施術が受けられない場合があります。施術後に照射した部分が日焼けすると、色素沈着が起こる場合があります。