脱毛中はNGとされている日焼け。
基本的にどんなクリニック・サロンに通っても「脱毛中は日焼けをしないように」と説明がありますが、どの程度の日焼けまでなら問題なく脱毛照射ができるのか、疑問に感じる方もいらっしゃいますよね。
このページでは、脱毛と日焼けについて下記のような疑問にお答えしています。
脱毛中の日焼けについての疑問
- 「日焼けすると本当に脱毛できないの?」
- 「どのくらいの日焼けレベルなら脱毛できる?」
- 「すでに日焼け肌だけれど、脱毛に通える?」
- 「脱毛した翌日に、海やプールに行っても良い?」
脱毛前後に日焼けをしてしまうと、照射がスムーズに受けられない可能性もあります。
当ページでは、脱毛中に日焼けがダメな理由やどのくらいの日焼けなら照射できるのかをわかりやすく解説しています。
脱毛後の日焼けをはじめ、脱毛と日焼けに関する疑問にお答えしていますので、ぜひ参考にしてください!
この記事の執筆者
石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
日焼けしてしまったときは脱毛できない
日焼けがひどい部位は、やけどのリスクを軽減するために脱毛照射をお断りする場合があります。
実際の日焼けの程度によりますが、施術者が照射できないレベルの日焼けと判断した場合は脱毛照射ができません。
日焼けしている部位が肩だけ、腕だけなど限定されている場合はその部位は避けての照射となり、日焼け範囲が広い場合にはその日の照射をお断りするケースもあります。
当日に脱毛ができない場合はキャンセル料が発生したり、直前やその場のお断りの場合はコース1回分が消化になることがほとんど。
1回分の照射ができない=脱毛効果が実感できるまでの時間が長くなってしまい、お金もムダになってしまいます。
断られたときは日焼けが落ち着くまでは脱毛できない
脱毛を断られたレベルの日焼けの場合、日焼けが落ち着くまでは脱毛に通えません。
日焼け肌でも照射できる蓄熱式(SHR方式)やヤグレーザーを扱うクリニック・脱毛サロンに切り替える方法も考えられますが、どのような脱毛機を使用したとしても、日焼け直後の赤くなった肌には照射できません。
脱毛中の日焼けがダメな理由
脱毛中の日焼けはなぜダメなのか、具体的な理由は以下の3点です。
- 色素沈着した肌への照射は、やけど・肌トラブルの危険性がある
- 出力を下げて照射するため脱毛の効果が落ちる
- ダメージを受けた肌への脱毛は痛みを強く感じる
色素沈着した肌への照射は、やけど・肌トラブルの危険性がある
クリニックやサロンで使用する脱毛機は、黒いメラニン色素に反応して脱毛・減毛・抑毛を目指す仕組みです。
メラニンが多い日焼け肌はレーザーや光にとても反応しやすく、皮膚が熱を持ちすぎてしまい、赤み・肌荒れを引き起こすだけでなくやけどや色素沈着の原因となることも。
強い熱が発生しやすく肌トラブルが起きる危険性があるため、日焼け肌には脱毛ができないのです。
日焼けした肌が黒くなるのは、メラニンを含む肌細胞によるもの。機械がメラニンを含んだ肌に反応してしまうと、肌トラブルにつながります。
出力を下げて照射するため脱毛の効果が落ちる
色素沈着した肌への脱毛にはやけどや肌トラブルの危険性があるため、脱毛照射ができたとしても出力を下げる場合があります。
結果、照射エネルギーが小さくなり適切な脱毛効果が得られません。
また、肌にメラニン色素が多いとレーザーや光のエネルギーが広い範囲に分散するため、同じ出力であっても日焼け肌への照射は思うような効果が期待できなくなってしまいます。
ダメージを受けた肌への脱毛は痛みを強く感じる
触れると痛みを感じるほど日に焼けてしまった経験がある方もいらっしゃるかと思いますが、日焼けがたとえ軽くても、肌は炎症を起こしていたり、軽いやけどを負ったような状態です。
これまでは痛みを感じにくかった方でも、いつもより痛みに敏感になっているために、同じ脱毛機を使用しているのにヒリヒリと熱さや痛みを感じることもあります。
さらに、日焼けした肌は乾燥しやすくなっている状態です(皮がめくれるほどの日焼けでなくても、肌は乾燥しています)。
そのような状態で脱毛をすると、痛みが強くなるだけでなく肌には大きな負担がかかります。
肌トラブルにつながる・効果が落ちる・痛みを感じやすくなる…と、良いことはありません。脱毛中の日焼けは厳禁です。
日焼け後に脱毛照射できるようになるまでの期間
日に焼けて濃くなってしまった肌が元の色に戻る期間にはターンオーバー(細胞の生まれ変わり周期)が関係していて、この周期は1カ月ほど。
ただし、日焼けの程度によって色の戻りには差があります。
日焼け後に脱毛できるようになるまでの期間は、紫外線を浴びた直後に少し赤くなり、すぐに戻る程度の日焼けなら2週間ほど期間を空ければ良いでしょう。
一方、肌の色が変わってしまうほどの日焼けであれば、1カ月以上あけないと安全に脱毛照射できません。
あまりに日焼けがひどく、全体的にしっかりと日焼けしてしまった場合は、脱毛照射OKとなるまで3カ月程度かかる場合もあります。
なるべく早く脱毛できるようにするための対策
- 日焼け直後の肌をしっかり冷やす
- 保湿をする
- ビタミンCをとる
日焼けした肌を冷やして保湿すると、肌の回復が早まります。
さらに、メラニンを抑制する働きのあるビタミンCを摂取するのも有効。ビタミンCはフルーツやサプリメントなどでもとれますので、照射できるようになるまで積極的な摂取がおすすめです。
どのくらいの程度の日焼け肌なら照射できる?
「日焼け肌は脱毛できない」とはいうものの、どのレベルの日焼けであれば問題がないのか、少し曖昧で分かりづらいかと思います。
基本的に、日焼け肌への照射可否は施術者が目視によって確認してから判断しますが、実際にどのレベルの日焼けであれば照射できるのかはクリニックやサロンにより意見が分かれるのが実状です。
各クリニック・サロンによって対応が異なるのは、使用する脱毛機がちがうため。ある程度の日焼けまで対応できる機械を扱うところは、許容の日焼けレベルは上がります。
とはいえ、目安は「海やプールなどレジャーのがっつり日焼けはNG」「日頃の買い物程度ならOK」この認識でいると良いでしょう。
脱毛できる日焼け、できない日焼けの目安
直後は赤くなり数日後に戻った | 脱毛照射OK |
よく見ると日焼けしていない部位との差が分かる | 脱毛照射OK |
明らかに日焼けしていない部位との差が分かる | 脱毛照射NG |
日焼けをすると赤くなったり黒くなったり、元々の肌の色や体質によって個人差がありますが、どの程度の日焼けで照射可能かを調べる方法として、日焼けしていない部位との肌の色を比べると分かりやすいです。
日焼けしていない部位と色の差があるのがパッと見て分かるかどうか、が脱毛可否判断の一つの目安です。
脱毛後の日焼けは何日後からOK?
脱毛後の日焼けは、脱毛した次の日はもちろん、最低でも2週間ほどは日焼けを避けましょう。脱毛後は肌に熱がこもりやすいため、日焼けをしてしまうと肌トラブルが起こる危険性が増します。
もともと脱毛後は肌に熱がこもりやすくなっているためクーリングが有効ですが、紫外線を浴びてしまうのは逆効果。
脱毛によるダメージに、さらに紫外線によるダメージを積み重ねることになり、肌への負担が増してしまいます。
赤み・乾燥・痛みが発生する危険性があり、いつもは焼けない程度の短時間でもしっかりと日焼けしてしまったり、シミになってしまう可能性があります。
さらに最悪の場合、水ぶくれ(水疱)ができてしまうことも考えられます。
不要な肌トラブルを避けるため、翌日~2週間を目安に日焼けしないように注意が必要です。
2週間をすぎても、脱毛期間中は基本的に日焼けをしないのが原則。脱毛が完了するまでは、紫外線対策を怠らないようにしましょう。
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脱毛中に行いたい日焼け対策
脱毛中は避けたい日焼け。海やプールなどの日焼けしやすい場所に行かないのが一番ですが、他にも脱毛中に気をつけると良い日焼け対策をご紹介します。
日焼け対策をすると、乾燥も避けられ適切な脱毛効果を得られる結果にもつながります。ぜひ脱毛中は心掛けてみてください。
- 日焼け止めをこまめに塗る
- 日傘・帽子などのグッズを利用する
- 紫外線が強い時間帯の外出を避ける
- 運転中の日焼けにも注意
紫外線のピークは7~8月ごろですが、実は、寒い時期であっても中程度の紫外線量が地上に降り注いでいます1)。
脱毛期間中はしっかりと日焼け対策を行い、脱毛の効果を最大限に引き出しましょう。
日焼け止めをこまめに塗る
紫外線対策を一番カンタンに行うには、日焼け止めが最適です。
クリームやスプレーなど、さまざまなタイプの日焼け止めがありますが、ご自身に合ったものを使うと良いでしょう。
日焼け止めの効果は長時間持続しないため、塗り直しの頻度は2~3時間ごとが理想。
ウォータープルーフであっても、SPF効果が高くても、こまめな塗り直しは必須。面倒に感じるかもしれませんが、2~3時間ごとの塗り直しがおすすめです。
飲む日焼け止めも市販されていますが、塗る日焼け止めの代わりにはなりませんので、単体で使うのではなく塗る日焼け止めの併用を検討しましょう。
日傘・帽子などのグッズを利用する
日焼け止めと併用して利用したいのが、日傘や帽子などの紫外線対策グッズです。
物理的に紫外線を遮ることで、肌を日焼けから守る方法も有効です。
日傘・帽子・サングラス以外にも、UVカットの服を着用するのも一つの手です。ただ、意外と知られていないのは、UVカットの服には寿命がある点です。永久的に効果が持続するわけではないため、注意が必要です。
UVカット加工製品 | 表面にUVカット効果のある薬品を塗ったもの。洗濯・使用で薬品が剥がれ落ちるため、効果が薄れていきます。効果がワンシーズンもたないケースも。 |
UVカット素材製品 | 繊維のなかにUVかっと効果のある物質を練り込んだもの。洗濯・使用で効果が落ちる心配はありませんが、値段が高めなのがデメリットです。 |
日傘や帽子の場合はアスファルトからの照り返しなども予想されますので、サブ的な紫外線対策と考え、日焼け止めとの併用がおすすめです。
紫外線が強い時間帯の外出を避ける
日焼け対策として、紫外線が強い時間帯の外出を避ける方法もおすすめです。
1日のなかで、紫外線が強い時間帯は10時~14時です2)。
夏の良く晴れた日に太陽光を浴びて「ジリジリと熱い・痛い」と感じるのも、この時間帯が多いです。
外出する際はこの時間帯を避けると、必要以上に紫外線にさらされずに済みます。
とはいえ、紫外線は屋内にも届くもの。日焼けに関してあまり神経質になる必要はありませんが、屋内にも紫外線が届くのを覚えておくと良いでしょう。
運転中の日焼けにも注意
見落としがちですが、運転中の日焼けにも注意が必要です。
とくに運転中に日焼けしやすいのが右腕、助手席であれば左腕です。
ドライブなどのあまり外に出ないお出かけだと、紫外線対策をせずに車に乗ってしまうこともあるかと思います。
また、UVカットガラスの搭載された車も多いですが、すべての紫外線がカットできるわけではありません。
そのような場合にあると便利なのが、UVカット効果のあるアームカバーです。日焼け止めを忘れたときにでもサッとつけられるので、車のなかに常備しておくと安心です。
基本的な紫外線対策は日焼け止めで行い、UVカットグッズを併用するようにしましょう。
医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。
レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。
- 赤み、腫れ
- やけど
- 毛嚢炎
- 硬毛化、増毛化
- 埋没毛(埋もれ毛)
- 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
- 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
- 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
- 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。
参考文献