倒産トラブル急増中!医療脱毛は「前払い保証金制度」で選ぶ時代

近年、医療脱毛クリニックの突然の閉院や返金トラブルが相次いでいます。
中には「大手」と呼ばれていたクリニックや病院までもが経営破綻に追い込まれるケースも見られ、業界全体で不安の声が高まっています。

その背景には、競争の激化による価格破壊や、需要と供給のバランスの崩れがあります。
いわば、患者様の“取り合い”が起きているのです。

そもそも医療脱毛は、医師の管理下で行う医療行為です。
そのため、施術を行うためには医師が必要不可欠であり、医師の年収はおおよそ1,000万〜3,000万円と言われています。

医師が関わる以上、施術費用が高額になるのは当然のこと。
とはいえ、クリニック間の競争が激しくなる中で、**「少しでも安く契約したい」**という利用者心理が働き、
セット契約や一括前払いで高額なプランを申し込む方も少なくありません。

こうした背景の中で、いま業界で注目を集めているのが、
**「前払い保証金制度」**です。

これは、契約時に支払った料金を第三者機関が保全する仕組み。
万が一クリニックが倒産した場合でも、未施術分の料金が返金されるという安心の制度です。

今回はこの「前払い保証金制度」の話を中心に、進めてまいります。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

前払い保証金制度とは?

「前払い保証金制度」とは、
医療脱毛などの契約時に支払う前払い料金(コース代・プラン料金)を、第三者機関が保全する仕組みです。

通常、契約金はクリニックの口座に直接入りますが、
この制度では、支払ったお金がすぐにクリニックの運転資金として使われることはありません。

代わりに、提携する保証会社や信託機関が一時的に預かり
契約どおりに施術が提供されることを確認しながら、クリニックに順次支払われます。

患者さん

先生、この前ニュースで「脱毛クリニックが倒産して返金されなかった」って見たんですけど……。
前払いで払ってるから、ちょっと不安で。

Dr.石川

そうですね。最近は、突然閉院してしまうクリニックも増えています。
そうしたトラブルから患者様を守るために導入されているのが、「前払い保証金制度」です。

患者さん

前払い保証金制度……?どういう仕組みなんですか?

Dr.石川

簡単に言うと、患者様が支払ったお金をクリニックではなく、第三者の保証機関が一時的に預かる制度です。
すぐにクリニックの口座に入るわけではないので、仮にクリニックが倒産しても安心なんです。

患者さん

へぇ、じゃあクリニックが使っちゃうことはないんですね。

Dr.石川

その通りです。
保証機関は、実際に施術が行われたことを確認しながら、施術分だけ順次クリニックに支払うんです。
もし途中で通えなくなったり、万が一クリニックが閉院しても、受けていない分のお金は保証機関から返金されます。

患者さん

なるほど、そういう仕組みなら安心して契約できますね。

Dr.石川

はい。前払い保証金制度は、患者様の「支払いの安全」を守るための仕組みなんです。
価格の安さだけでなく、お金を守る仕組みがあるかどうかをチェックすることが、これからの医療脱毛選びではとても大切です。

万が一のときに「返金される」安心設計

最大の特徴は、
クリニックが倒産しても、未施術分の料金が返金されるという点です。

たとえば、30万円のコースのうち10万円分しか施術を受けていなかった場合、
残りの20万円が保証機関から返金される仕組みになっています。

これにより、突然の閉院や倒産といったトラブルに巻き込まれても、
「支払ったお金が戻らない」という最悪の事態を防ぐことができます。

患者さん

もし、途中でクリニックが倒産したら……?
もう払ったお金は戻ってこないんですよね?

Dr.石川

いいえ、前払い保証金制度があれば未施術分の料金は返金されます。

患者さん

返金されるんですか? どうやって?

Dr.石川

たとえば、30万円のコースを契約して、そのうち10万円分の施術を受けたとします。
その後にクリニックが閉院してしまっても、残りの20万円は保証機関から返金される仕組みになっているんです。

患者さん

それは安心ですね……!
倒産しても、お金が戻ってくるなら怖くないです。

Dr.石川

そうですね。
これまでは、突然の閉院で「支払ったのに返金されない」というケースが多く見られましたが、
この制度があれば、最悪の事態を防ぐことができるんです。

患者さん

なるほど。じゃあ「前払い保証金制度があるかどうか」を確認するのはすごく大事ですね。

Dr.石川

その通りです。
安さだけでなく、お金を安全に守る仕組みがあるかどうかが、今の時代の新しい基準になっています。

前払い保証金制度はなぜ広がらないのか?

前払い保証金制度は、患者様の支払いを第三者機関が保全することで、
万が一クリニックが倒産しても未施術分の料金が返金されるという、非常に安心度の高い仕組みです。

それにもかかわらず、導入している医療脱毛クリニックはまだごく一部にとどまっています。
では、なぜこの制度はなかなか広がらないのでしょうか。

① 導入コストと手続きのハードル

最も大きな理由は、導入の手間とコストの問題です。
前払い保証金制度を利用するには、クリニックが保証機関や信託機関と契約を結ぶ必要があります。

その際、機関側による財務審査経営の安定性チェックが行われ、
クリニックの資金繰りや運営実績が一定水準を満たしていなければ、制度を導入できません。

さらに、制度の利用には保証料や信託手数料といった費用が発生します。
患者様を守るための仕組みであっても、クリニック側にとっては経営コストの増加を意味するため、
導入をためらうクリニックも少なくないのが現実です。

Dr.石川

実は、前払い保証金制度を導入するには、クリニック側にそれなりのコストと手続きが必要なんです。

患者さん

コスト? 保証の仕組みを作るだけじゃないんですか?

Dr.石川

ええ。保証機関と契約するには、クリニックの財務状況の審査運営実績の確認があります。
さらに、保証料や信託手数料といった費用負担も発生します。
経営的に余裕がないクリニックほど、この導入をためらう傾向があるんです。

② 経営体力を“見せる覚悟”が必要

もう一つの理由は、制度を導入することが経営の透明性を示す行為になるという点です。
つまり、導入できるクリニック=審査に通る健全な経営基盤があるクリニックです。

裏を返せば、導入していないクリニックの中には、
「制度を導入したくても通らない」「財務的に余裕がない」といったケースも存在します。

そのため、この制度は単なる“保証”ではなく、
クリニックの信頼度を可視化する指標にもなっているのです。

患者さん

でも、それって逆に信頼できるクリニックの証ですよね?

Dr.石川

その通りです。
制度を導入できるということは、それだけ経営が健全で、透明性を示せるということなんです。
だからこそ、“本当に信頼できるクリニックかどうか”を見分けるフィルターにもなっています。

患者さん

じゃあ、導入していないクリニックは……?

Dr.石川

必ずしも悪いわけではありませんが、
“導入できない理由”がある可能性もゼロではありませんね。
資金繰りが厳しい、短期的な運営をしているなど、経営リスクを見抜く材料になるのは確かです。

③ 業界に根付いた「前払い文化」

医療脱毛業界では、もともと**コース料金を先に受け取る“前払い文化”**が根付いています。
この仕組みは、開業したばかりのクリニックでも資金繰りを安定させやすいという利点があり、
経営側にとっては長年“当然”の形として定着してきました。

しかしその一方で、倒産や経営難が起きた際には、
患者様が支払った前払い金が返ってこないリスクを抱えてしまうという問題もあります。

この「従来の慣習を変える」というのは簡単なことではなく、
業界全体の意識改革と仕組みの整備が求められています。

Dr.石川

もう一つ、業界全体の“慣習”も関係しています。
これまで、医療脱毛では“前払いが当たり前”という商習慣が長く続いてきました。
つまり、“お金を先に受け取ってから運営する”ことでビジネスが成り立っていたんです。

患者さん

なるほど…。
だから、その仕組みを変えるのは簡単じゃないんですね。

Dr.石川

そうなんです。
でも近年はトラブルが増え、消費者の意識も変わってきています。
“安さより安心”を求める声が高まる中で、前払い保証金制度の導入が今後のスタンダードになる可能性があります。

④ 「導入している=信頼できる」の時代へ

こうした理由から、前払い保証金制度の普及はまだ途上にあります。
しかし、近年の倒産トラブル増加を受けて、
徐々にこの制度を導入するクリニックが増え始めています。

導入しているということは、
・経営が健全である
・患者様の立場を第一に考えている

という信頼の証でもあります。

これからの医療脱毛選びは、
「どこが安いか」よりも「どこが安心か」。
制度の有無そのものが、クリニック選びの新しい基準になっていくでしょう。

患者さん

先生、この「前払い保証金制度」って、導入しているクリニックは少ないって聞きました。
それって、導入していなくても悪いクリニックってわけじゃないんですよね?

Dr.石川

もちろん、“導入していない=悪い”ということではありません。
ただ、導入できるということ自体が、そのクリニックの信頼性を示すサインなんです。

患者さん

信頼性のサイン、ですか?

Dr.石川

はい。
この制度を導入するには、保証機関から厳しい審査を受ける必要があります。
「きちんと経営しているか」「財務状況は健全か」「患者対応は誠実か」——
そうした項目をクリアして、ようやく制度を使えるんです。

患者さん

なるほど。つまり、導入しているクリニックはちゃんと審査を通っている=信頼できる、ということですね。

Dr.石川

その通りです。
制度を導入できるということは、患者さんのお金を守る体制が整っているということ。
もしものときに返金対応ができる、健全な運営をしている証拠でもあります。

患者さん

たしかに、そういうクリニックなら安心して通えますね。
“安さ”よりも、“信頼できるかどうか”で選ぶほうが良さそう。

Dr.石川

まさに今、医療脱毛の世界はそこにシフトしています。
これまでは「料金が安い」「予約が取りやすい」などが選ぶ基準でしたが、
これからは——
「このクリニックはお金を安全に預けられるか」が、新しい基準になっていくでしょう。

患者さん

たしかに、安心できる仕組みがあると、最後まで気持ちよく通えそうです。

Dr.石川

ええ。
“導入している=信頼できる”という時代は、すでに始まっています。
お金の安全を守るという視点で選ぶことが、本当に安心できる医療脱毛への第一歩なんです。

そんな“安心を選ぶ時代”にいち早く対応しているのが、レジーナです。

前払い保証金制度があるクリニックをご存知ですか?
倒産リスクから支払ったお金を守る、安心の仕組みです。
安心して医療脱毛を始める第一歩として、今回は前払い保証金制度を導入している「レジーナ」をご紹介いたします。

信託保全とは違う? どう違うの?

よく似た言葉に「信託保全」がありますが、
前払い保証金制度は、より患者側に立った仕組みといえます。

  • 信託保全:企業が自社の資金を信託口座に預ける形式。企業主体。
  • 前払い保証金制度:患者の支払金を直接第三者が保全。消費者主体。

つまり、前払い保証金制度は**「患者のお金を守るための保険」**のような役割を果たします。

患者さん

先生、「前払い保証金制度」って、よく似た言葉で「信託保全」っていうのも聞いたことあるんですけど……。
同じような仕組みなんですか?

Dr.石川

いい質問ですね。
たしかに名前は似ていますが、実は守る対象がまったく違うんです。

患者さん

守る対象……ですか?

Dr.石川

はい。
「信託保全」は、主に企業が自分の資金を守るための仕組みなんです。
たとえばクリニックが、「万が一のときに事業資金がなくならないように」と、
自社のお金を信託口座に預けておく——これが信託保全です。

患者さん

なるほど。じゃあ、それはクリニックを守るための仕組みなんですね。

Dr.石川

そうなんです。
一方で、「前払い保証金制度」は患者さんのための仕組み。
あなたが支払った前払い金を、クリニックではなく第三者の保証会社や信託機関が直接預かります

患者さん

ということは、クリニックが倒産しても、そのお金は安全なんですね?

Dr.石川

その通り。
保証機関が施術の進行状況を確認しながら、
「施術が行われた分だけ」クリニックに支払うんです。
だから、もし途中でクリニックが閉院しても、残りの金額は保証機関から返金されるというわけです。

患者さん

それは安心ですね。
信託保全が“企業を守る”のに対して、
前払い保証金制度は“患者を守る”ためのものなんですね。

Dr.石川

まさにその通りです。
言い換えれば、前払い保証金制度は**「患者さんのお金の保険」**のような存在。
医療脱毛を安心して受けるための、新しいスタンダードになりつつあります。

導入クリニックが少ない理由

現状、この制度を導入している医療脱毛クリニックはまだ多くありません。
なぜなら、保証会社や信託機関と提携するには、
クリニック側に一定の財務健全性や運営実績が求められるためです。

つまり、制度を導入できている時点で、
そのクリニックは経営体質が健全で信頼性が高いことの証でもあります。

患者さん

先生、前払い保証金制度って便利そうなのに、導入しているクリニックって少ないんですよね?
なんであまり広まっていないんですか?

Dr.石川

いい質問です。
制度を導入するには、クリニック側にも条件があります。
たとえば、保証会社や信託機関と提携するための財務健全性や運営実績が必要なんです。

患者さん

つまり、経営がちゃんとしていないと導入できないってことですか?

Dr.石川

その通りです。
だから、導入できているクリニックは、経営体質がしっかりしていて、信頼性が高いことの証明になるんですよ。

患者さん

なるほど。制度を導入しているかどうかを見るだけで、クリニックの信用度がわかるんですね。

Dr.石川

ええ。
最近はトラブルが増えているので、患者さんの立場から見ても、「この制度を導入しているか」が安心の目安になる時代になってきています。

「安さ」より「安心」で選ぶ時代へ

医療脱毛を検討する際、
「価格」だけで比較してしまいがちですが、
これからは**“お金を守る仕組みがあるかどうか”**が新しい基準です。

大切なのは、倒産リスクをゼロにすることではなく、
リスクが起きたときに守られる体制を選ぶこと。

それが、今の時代に医療脱毛を選ぶ上で、
最も賢い選択といえるでしょう。

患者さん

先生、医療脱毛ってどうしても価格ばかり気になっちゃうんですよね。
安いところを探してしまうというか……。

Dr.石川

それは多くの方がそう思います。
でも、これからは“お金を守る仕組みがあるかどうか”を基準にすることが、もっと大切なんです。

患者さん

お金を守る仕組み……ですか?

Dr.石川

はい。たとえば前払い保証金制度のように、
万が一クリニックが倒産しても、未施術分のお金が返ってくる体制が整っているかどうかですね。

患者さん

なるほど。倒産リスクをゼロにするのではなく、
もしものときに守られる体制があるかどうかを見る、ということですね。

Dr.石川

その通りです。
安さだけで選ぶと、最悪の場合、支払ったお金が戻ってこないリスクを抱えてしまいます。
だからこそ、安心できる体制が整っているクリニックを選ぶことが、今の時代の賢い選び方なんです。

患者さん

確かに、それなら安心して通えますね。
安さよりも、安心が一番大事なんですね。

Dr.石川

ええ。
医療脱毛は医療行為です。
施術の安全性だけでなく、お金の安全まで考えて選ぶことが、最も賢い選択といえるでしょう。

まとめ

医療脱毛は、今や多くの女性にとって美容ケアの一つとして定着しています。しかし近年、突然閉院して返金が受けられないといったトラブルが相次いでいることをご存知でしょうか。大手といわれるクリニックであっても例外ではなく、ニュースや口コミを見れば、倒産による被害の報告が少なくないことがわかります。こうした状況の背景には、業界の競争激化による価格破壊や、需要と供給のバランスの不均衡、いわゆる患者の取り合いが起きていることがあります。医療脱毛は医療行為であるため、医師がいなければ施術できず、施術費用が高額になるのもやむを得ない側面があります。その一方で、少しでも費用を抑えようと、セットプランで申し込む方も多く、より高額な契約が一般化している傾向もあります。こうした状況の中で、注目されるのが「前払い保証金制度」です。

前払い保証金制度とは、契約時に支払う前払い料金を、クリニックではなく第三者機関が保全する仕組みです。通常、契約金はクリニックの口座に直接入りますが、制度を利用すれば、支払ったお金がすぐに運転資金として使われることはありません。代わりに、提携する保証会社や信託機関が一時的に預かり、契約どおりに施術が行われたことを確認しながらクリニックに順次支払われます。この仕組みによって、万が一クリニックが倒産した場合でも、未施術分の料金が保証機関から返金されるため、支払ったお金が戻らないという最悪の事態を防ぐことができます。例えば、30万円のコースのうち10万円分しか施術を受けていなかった場合、残りの20万円は返金される仕組みになっており、患者の立場から見て非常に安心できる制度です。

しばしば混同されがちな「信託保全」との違いも理解しておくことが重要です。信託保全は企業が自社の資金を信託口座に預ける形式で、あくまで企業主体の仕組みです。一方、前払い保証金制度は患者の支払金を直接第三者が保全する消費者主体の仕組みであり、いわば患者のお金を守るための保険のような役割を果たします。制度が導入されているかどうかは、単なるサービスの選択肢ではなく、クリニックの信頼性や経営体質を見極める一つの目安にもなります。導入しているクリニックは、保証会社や信託機関の審査を通過していることを意味しており、経営基盤が健全で、患者の安全を重視していることの証でもあります。

とはいえ、この制度がまだ広がらない理由も明確です。導入には審査や手続き、保証料や信託手数料などのコストがかかることから、資金に余裕がないクリニックは導入を躊躇することがあります。また、医療脱毛業界には長年続く前払い文化があり、開業初期のクリニックにとっては前払い金を運転資金として回すことが経営の安定に直結してきました。このような慣習や構造的な背景も、導入が進まない要因の一つです。しかし、制度を導入できるクリニックは、そのハードルをクリアしていること自体が、経営体質の健全さや信頼性を示しており、患者にとっては大きな安心材料となります。

このように考えると、医療脱毛を選ぶ基準は従来の「価格」や「施術回数」だけでは不十分です。安さを重視するあまり、倒産リスクや返金リスクを見落としてしまうと、せっかくの施術体験が不安やトラブルにつながる可能性があります。大切なのは、倒産リスクを完全になくすことではなく、万が一の事態に備えてお金が守られる体制が整っているクリニックを選ぶことです。前払い保証金制度は、その体制の有無を一目で確認できる手段であり、安心して契約できるかどうかを判断するための重要な指標です。

医療脱毛は医療行為であり、施術の安全性はもちろんのこと、契約時の安心も同じくらい重要です。価格だけに目を奪われず、支払ったお金が安全に保全されるかどうかを選ぶ基準に加えることで、万が一のリスクに備えつつ、安心して施術を受けることができます。現代は、まさに「安さより安心」を重視する時代です。制度を導入しているクリニックを選ぶことで、支払った金額や施術の安全性に加え、経営の健全性や患者に対する配慮まで含めた総合的な安心を手に入れることができるでしょう。

最終的に、医療脱毛を選ぶ上での賢い選択とは、価格だけでなくお金の安全性を確認することです。前払い保証金制度はその選択を後押しする制度であり、導入しているクリニックは、患者の立場を第一に考えた経営を行っている証でもあります。倒産トラブルが増える今だからこそ、この制度の有無を基準に安心して通えるクリニックを選ぶことが、これからの医療脱毛における新しいスタンダードであるといえるでしょう。

患者さん

先生、医療脱毛ってどうしても価格ばかり気になっちゃうんですよね。
安いところを探してしまうというか……。

Dr.石川

それは多くの方が同じですよ。でも、最近はそれだけでは安心できない時代になってきています。実は大手とされるクリニックであっても、突然閉院して返金が受けられないといったトラブルが増えているんです。

患者さん

えっ、そんなことがあるんですか?
大手なら安心だと思っていました。

Dr.石川

残念ながら、倒産や閉院は大手・中小に関係なく起きています。背景には、業界の競争激化や価格破壊、需要と供給のバランスの偏りなどがあります。つまり、患者の取り合いが起きているんですね。さらに、医療脱毛は医療行為であるため、医師がいなければ施術ができません。そのため施術費用は高額になりがちです。

患者さん

なるほど。だから少しでも安く受けようと、セットプランを契約する人が多いんですね。

Dr.石川

そうです。でも、安さだけを重視して契約すると、倒産や閉院のリスクに備えられないことがあります。そこで注目されるのが「前払い保証金制度」です。

患者さん

前払い保証金制度って、具体的にはどういうものなんですか?

Dr.石川

簡単にいうと、契約時に支払う前払い料金を、クリニックではなく第三者が保全してくれる仕組みです。通常、支払ったお金はすぐクリニックの口座に入り、運転資金として使われます。でもこの制度では、保証会社や信託機関が一時的にお金を預かり、施術が進んだ分だけ順次クリニックに支払う形になっています。

患者さん

ということは、クリニックが倒産しても、未施術分のお金は返ってくるんですね?

Dr.石川

その通りです。たとえば30万円のコースで10万円分しか施術を受けていなかった場合、残りの20万円は保証機関から返金されます。突然の閉院や倒産といったトラブルに巻き込まれても、支払ったお金が戻らない最悪の事態を避けられるんです。

患者さん

安心ですね。じゃあ、信託保全と前払い保証金制度って、どう違うんですか?
聞いたことがあるんですけど。

Dr.石川

よく似ているので混同されがちですが、守る対象が違います。信託保全は企業が自社のお金を守る仕組みで、あくまで企業主体です。一方で前払い保証金制度は患者のお金を直接第三者が保全する仕組みです。言い換えれば、患者の立場に立った“お金の保険”のようなものです。

患者さん

なるほど。前払い保証金制度があれば、万が一のときにお金が守られるんですね。

Dr.石川

そうです。そして、この制度を導入しているクリニックはまだ多くありません。なぜなら、保証会社や信託機関と提携するには、クリニック側にも一定の財務健全性や運営実績が求められるからです。つまり、導入できている時点で、そのクリニックは経営体質が健全で、信頼性が高いという証でもあるんです。

患者さん

そうか、導入している=信頼できる、ってことなんですね。

Dr.石川

まさにその通りです。制度を導入できるかどうかが、患者にとって安心して契約できるかの目安になります。経営体質が健全なクリニックなら、倒産や閉院のリスクも比較的低く、支払ったお金が安全に保全されているわけです。

患者さん

でも、どうしてまだ広まっていないんですか?
せっかく安心できる制度なのに。

Dr.石川

導入のハードルが高いからです。審査や手続き、保証料などのコストがかかることもあり、資金に余裕がないクリニックは導入しづらいんですね。また、医療脱毛業界には長年の前払い文化があり、開業初期のクリニックは前払い金で資金を回すことが経営の安定につながるため、制度を導入する余裕がない場合もあります。

患者さん

なるほど……でも逆に言えば、導入しているクリニックは本当に信用できるということですね。

Dr.石川

そうです。患者の立場から見ても、安心して契約できる指標になるのが、この制度の大きな魅力です。だから、これからは価格だけでなく、「お金が守られる体制があるかどうか」を選ぶ基準にすることが大切です。

患者さん

倒産リスクをゼロにすることはできなくても、守られる体制があるかどうかで安心感が全然違うんですね。

Dr.石川

その通りです。医療脱毛を受ける際には、施術の安全性だけでなく、お金の安全も考えることが今後の新しいスタンダードになります。安さだけに目を奪われず、支払ったお金が保全されるかどうかを確認することが、最も賢い選択です。

患者さん

なるほど……これからは「安さより安心」で選ぶ時代なんですね。

Dr.石川

ええ。安心できる体制を整えているクリニックを選ぶことで、施術も契約も心から満足できるものになります。前払い保証金制度は、その安心を確保するための最も確実な仕組みと言えるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

参考文献

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