医療脱毛は平均すると20代から始める方が多いのですが、最近は低年齢化が進み、小学生や中学生のお子様に医療脱毛を受けさせようかとお悩みの親御さんも少なくありません。
小中学生でも医療脱毛を受けられますが、まずはご両親が正しい知識を身に付けることが重要です。
このページでは、医療脱毛を開始できる年齢をはじめ、子供が医療脱毛を受けるデメリットや危険性、通院時の注意点を解説しています。
小中学生が通える医療脱毛クリニックも紹介していますので、お子様の「ムダ毛の悩みを何とかしてあげたい」とお考えの方は、ぜひ当ページを参考にしていただけると幸いです。
この記事の執筆者
石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
医療脱毛を開始できる年齢は何歳?
医療脱毛には法律上の年齢制限はありませんが、体毛に悩み始めるのは小学校高学年ごろが最も多い時期かと思います。
脱毛を検討される方もこの頃から増えはじめますが、小学生や中学生の場合、どのクリニックに行っても医療脱毛が行えるわけではありません。
医療脱毛ができる年齢はクリニックによる
「医療脱毛は何歳から通えますか?」といった質問を受けることがありますが、ハッキリ「〇歳から」と断言できないのが現状です。
年齢制限を設けているクリニックが多いので、条件に当てはまらなければ断られてしまう場合があります。
多くのクリニック場合、16歳になると多くのクリニックで脱毛がスタートできます。
16歳頃には生理周期が安定するようになり毛質や肌質もほとんど大人と同じになるので、問題が起こりにくいとされています。
そのため、16歳(高校生相当)からの医療脱毛をするクリニックが多い傾向があります。
子供脱毛ありのクリニックでもVIOに対応していない場合がある
小学校高学年ごろからVIOラインの毛が生え始める子もいますが、自己処理をすると肌荒れしてしまったり、シェービングしても毛穴に黒いポツポツが残ってしまってストレスを感じがちです。
そのためVIO脱毛を希望する小中学生もいますが、子どもの脱毛ができるクリニックであってもVIOには対応していないケースが少なくありません。
これは、小中学生はホルモンバランスが安定していないため、脱毛しても再び毛が生えてくる可能性が高いためです。
VIOの医療脱毛を検討している方は、各クリニックの対応部位を確認しておきましょう。
生理周期が安定してからのスタートがおすすめ
ムダ毛に悩んでいても、月経がまだきていない年齢から脱毛を始めるのはあまりおすすめできません。
生理が毎月決まった周期でくるようになれば、ホルモンバランスも安定してきます。
医療脱毛を開始する時期としては、「生理周期が安定してから」をひとつの目安としてください。
子供が医療脱毛をするデメリットや危険性は?
小学生・中学生で医療脱毛を受ける場合には、デメリットや危険性もあります。
子供が通える医療脱毛クリニックは増えてきている
最近では、子供が通える医療脱毛クリニックが増えてきているのは確かです。
医療技術の進歩や需要の増加により、小学生や中学生向けの脱毛サービスを提供するクリニックが登場してきています。特に、ムダ毛に悩む思春期の子供にとって、安心して通える環境や、子供専用の施術メニューを設けるクリニックが増加しています。
ただし、子供の肌は大人よりも敏感であるため、使用する脱毛機器や施術方法には特別な配慮が必要です。
親の同意が必要なケースや、施術前にカウンセリングを行うクリニックも一般的です。
施術後のケアやリスクについてもしっかりと説明を受け、適切な判断をすることが重要です。
成長するとまた生えてくる可能性がある
VIOや脇の毛などが本格的に生えてくる前にムダ毛を一掃して今後生えてこないようにできたら、お子様のコンプレックスやストレスを一気に解消できるので嬉しいですよね。
しかし小中学生は身体が大人へと変化している最中ですので、一度脱毛が完了してもまた毛が生えてくる可能性があります。
言い換えると「まだ生えていない毛は脱毛できない」ということです。
医療脱毛では、黒い色素(メラニン)にレーザーを反応させて発毛組織である毛乳頭・毛母細胞・バルジ領域を破壊します。
黒い色素=毛なので、毛が生えていない部分に照射しても発毛組織は破壊できません。脱毛するためには、毛が生えてからの照射が必須です。
16歳頃には身体が完成してきますので、医療脱毛を受けたあとの再発毛の可能性はグッと低くなります。
大人よりも肌ダメージを受けやすい
大人の肌に比べて、子どもの肌はレーザーの刺激でダメージを受けやすいです。
子どもの皮膚は大人よりも薄くデリケートですので、レーザーの刺激に反応しやすい傾向があり、炎症してしまったり乾燥してしまったりする可能性が高くなります。
「蓄熱式脱毛」は、医療脱毛のなかでも肌への刺激が少ない脱毛方式です。
蓄熱式脱毛とは?
蓄熱式脱毛は、比較的新しいレーザー脱毛の技術で、肌にやさしく、痛みが少ないとされる方法です。従来の「熱破壊式脱毛」とは異なるメカニズムを用いて、毛根にダメージを与えることで脱毛効果を得ます。以下にその特徴と仕組みを説明します。
仕組み
蓄熱式脱毛では、レーザーを低出力で連続的に照射し、毛根の「バルジ領域」と呼ばれる部分に働きかけます。このバルジ領域は、毛の成長に重要な役割を果たす細胞が集まる場所で、ここをターゲットにすることで脱毛効果を得ます。従来の熱破壊式が毛根そのものに強いエネルギーを与えるのに対し、蓄熱式は徐々に熱を溜め込んでバルジ領域にダメージを与えるため、肌への負担が少なくなります。
特徴
- 痛みが少ない: 蓄熱式は低出力で照射されるため、痛みを感じにくいのが特徴です。これにより、痛みに敏感な方や子供にも適した脱毛法となります。
- 敏感肌にも対応: 肌へのダメージが少ないため、敏感肌の方や肌トラブルが心配な方でも安心して施術を受けることができます。
- 日焼け肌や色素沈着に対応: 蓄熱式はメラニンへの影響が少ないため、日焼けした肌や色素沈着がある肌にも適しています。
- 短い施術時間: 連続的にレーザーを照射できるため、施術時間が短縮されることが多いです。
蓄熱式脱毛の注意点
- 効果が現れるまで時間がかかることがある: 徐々に効果が現れるため、即効性を期待する方には不向きかもしれません。
- 産毛や薄い毛に有効: 太くて濃い毛にも効果がありますが、特に産毛や薄い毛に対して有効性が高いとされています。
蓄熱式脱毛は、痛みが少なく、肌に優しいため、多くの人に人気がありますが、効果を感じるまでに数回の施術が必要なこともあるため、続けて施術を受けることが推奨されます。
医療レーザー脱毛はある程度の痛みを伴う
医療脱毛は、レーザーを肌にあててメラニンに反応させて熱を出すため、ある程度の痛みを伴います。
とくに子どもの場合は皮膚が薄く、ホルモンバランスが変化している時期であり肌がデリケートなので、痛みを感じやすいケースも多いです。
医療脱毛の痛みは、麻酔を使用する、痛みを感じにくい蓄熱式脱毛機を選ぶ、日頃から保湿ケアをする、日焼けしない、といった方法で対処できます。
中学生だと部活によって日焼けしがちなお子様もいますが、脱毛中は面倒でも紫外線対策が必要です。
副作用やリスクも
医療脱毛の副作用やリスクとなる項目は大人も子どもも同じですが、子どもは大人よりも肌が敏感なので「大人よりもリスクが高い」と考えておきましょう。
医療脱毛で考えられる副作用やリスク
- 赤み、腫れ
- やけど
- 毛嚢炎
- 色素沈着
- 硬毛化
医療脱毛では、レーザーを肌に当ててメラニンに反応した熱で発毛組織を破壊します。
肌、そして肌の奥に刺激を与えることになりますので、赤み・腫れなどのトラブルが起こる場合も。通常の場合は1〜3日ほどで解消します。
また、やけどや毛嚢炎(ニキビのようなプツプツ)が伴う場合もありますが、こちらもしっかりケアすれば1週間ほどで良くなります。
色素沈着はやけどにかかわるものが多く、少し時間がかかりますが肌の生まれ変わりと同時に、徐々に薄くなっていきます。
ホルモンバランスが大きく変わる思春期は、肌の調子が乱れやすいので肌荒れを起こしやすいです。
脱毛のリスク・副作用で心配なのは「硬毛化」と呼ばれるもので、毛が太く硬くなって生えてきてしまう現象を指します(発生率は0.1%以下と言われます)。
発生確率は極めて低いですが、脱毛を始める前に硬毛化が起きる可能性について、お子さんと一緒に理解しておくと良いでしょう。
小中学生が通える医療脱毛クリニック
ここでは、子どもが通える医療脱毛クリニックを「小学生から」と「中学生から」に分けて紹介しています。
中学生の場合は、小学生から通えるクリニックでも医療脱毛ができますので、選べるクリニックの幅が広がります。
小学生から通える医療脱毛クリニック
東京で小学生から通える医療脱毛クリニックの例を5つ挙げると、以下のようなクリニックがあります。
クリニック名 | 住所 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|---|
恵比寿ブライトスキンクリニック | 渋谷区恵比寿4-4-15 Barbizon105 5F | 小学生対応の脱毛を提供、痛みが少ない「ソプラノチタニウム」を使用 | 保護者同伴可能、全室個室でプライバシー配慮【40】 |
巣鴨千石皮ふ科 | 文京区千石4-45-7 | 小学生から脱毛可能、蓄熱式レーザーで痛みが少ない | 2~3ヶ月に1回、5~8回で脱毛完了【42】 |
ラミュー・中央クリニック | 新宿区西新宿1-19-5 | 子ども向け医療脱毛、痛みへの配慮 | 全国展開、再発のリスクにも対応【41】 |
湘南美容クリニック | 新宿区西新宿6-5-1 | 小学校3年生が終わる春休みからの医療脱毛に対応、複数のレーザー機器を使用 | 痛みを軽減するための麻酔オプションあり |
TCB東京中央美容外科 | 渋谷区道玄坂2-10-12 | キッズ脱毛対応、最新レーザーを使用 | アフターケアにも注力 |
これらのクリニックは、痛みや肌への負担を抑えた脱毛機器を使用しており、保護者の同意や同伴が必要な場合も多いです。
中学生から通える医療脱毛クリニック
東京で中学生から通える医療脱毛クリニックの例を5つ挙げると、以下のようなクリニックがあります。
クリニック名 | 所在地 | 対象年齢 | 特徴 | 料金例(全身脱毛) |
---|---|---|---|---|
リゼクリニック | 東京都新宿区 | 中学生以上(保護者の同意が必要) | 全国展開、豊富なプラン、医師による施術、最新機器、アフターケア充実 | 約2万円〜10万円(6回コース) |
TBCグループ | 東京都渋谷区 | 中学生以上(保護者の同意が必要) | 脱毛専門、多数の店舗、経験豊富なスタッフ、リーズナブルな価格 | 約4万円〜20万円(12回コース) |
エミナルクリニック | 東京都港区 | 中学生以上(保護者の同意が必要) | 最新機器導入、痛み軽減に配慮、低価格プラン、アフターケアも充実 | 約2万円〜10万円(5回コース) |
湘南美容クリニック | 東京都新宿区 | 中学生以上(保護者の同意が必要) | 全国展開、割引キャンペーンが豊富、医師による施術、幅広いプラン | 約2万円〜10万円万円(6回コース) |
アリシアクリニック | 東京都渋谷区 | 中学生以上(保護者の同意が必要) | 女性専用、安心の料金体系、最新機器使用、スタッフの対応が丁寧 | 約2万円〜10万円(5回コース) |
料金はコース内容や施術範囲、キャンペーンなどによって異なるため、詳細は各クリニックで確認することをおすすめします。
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子供・未成年が医療脱毛に通う場合の注意点
さいごに、子ども・未成年が医療脱毛に通う場合の注意点をまとめました。
- 医療脱毛とサロン脱毛はちがう
- 親権者の承諾が必要
- 大人よりも費用・期間を多めに考える
- 麻酔を使用できるクリニックを選ぶ
- テスト照射をしてみる
- 親が施術室に同伴できるかをチェック
- 親子共にしっかりと納得してから始める
医療脱毛とサロン脱毛はちがう
「医療脱毛をしても、どうせまた生えてくる可能性があるならなら高校生まではサロン脱毛に通おう」
「まずは痛みが少ないと言われているサロン脱毛から試しに通わせてみよう」
「費用対効果を考えて、安いサロン脱毛を選ぼう」
こんな方もいらっしゃるかと思いますが、子どもの脱毛をする際にサロン脱毛はおすすめできません。
医療脱毛は発毛にかかわる組織を破壊して永久脱毛を目指すのに対し、サロン脱毛は一時的な抑毛や減毛にとどまります。
効果の面で大きく異なるにもかかわらず、最近は料金の差があまりありません。
さらに、万が一の赤みや腫れ、やけどや毛嚢炎といった肌トラブルに対応できるのは医療機関のみです。
お子様の脱毛だからこそ、医師が常駐している医療脱毛を推奨しています。
親権者の承諾が必要
未成年の場合、親権者の承諾が必要です。
また、小中学生の場合、カウンセリング時に親御さんの同伴が必要なクリニックがほとんどとなっています。
親権者同意書の内容(例)
- 契約書(未成年者)の氏名・生年月日・年齢・住所・電話番号
- 施術内容(施術名)
- 親権者の氏名・続柄・生年月日・年齢・住所・電話番号・捺印
公式ページから親権者同意書の書式をダウンロードできるクリニックもありますので、カウンセリング前にチェックしておきましょう。
大人よりも回数・費用を多めに考える
子どものうちに医療脱毛を行っても、発毛組織を破壊できなかった毛はまた生えてきます。
よりきれいな仕上がりを目指す場合、必要回数・費用を少し多めに見積もっておくと良いでしょう。
全身脱毛の回数・費用(成人の場合)
お手入れがラクになる | ほとんどお手入れがいらない | |
---|---|---|
回数 | 5回程度 | 8回程度 |
価格帯 | 17~23万円 | 30~35万円 |
全身脱毛の場合は3~4カ月間隔で通うため、5回コースで1年半ほどの期間がかかります。
時間がかかり費用も高額になりますから、個人的には、小中学生のうちは脇脱毛だけにしておいても良いのではないかなと感じます。
脇脱毛の場合は1万円以下で脱毛が完了するクリニックもありますし、高くとも2万円程度見ておけばきれいな仕上がりを目指せます。
テスト照射をしてみる
「テスト照射」といって、カウンセリングのときに手の甲や腕など小範囲の肌へ試し打ちができるクリニックが多くあります。
テスト照射でチェックしたいポイント
- 赤みや腫れなどの肌トラブルは起きないか
- 痛みはどの程度か
- 照射後1~4週間ほどで毛が抜けるか
初めての脱毛は、大人であっても緊張してしまうもの。お子さんの緊張を和らげるためにも、テスト照射をしておくと施術イメージが掴めます。
テスト照射は予約が必要なクリニックがほとんどですので、カウンセリング予約の際に「テスト照射希望」と伝えておくと良いでしょう。
テスト照射のあとは肌の様子をよく観察し、肌トラブルが起きないか、通院を続けられる痛みかどうかなどをお子さんと相談してみましょう。
親が施術室に同伴できるかをチェック
子どもの脱毛を行うクリニックのなかには、脱毛を受ける施術室への入室はお子さんのみとなり、親御さんの同伴ができないところもあります。
「施術中は一人でも大丈夫」といったお子様でしたら問題ありませんが、脱毛のレーザー照射に不安を抱く子も多いです。
お子さんが親御さんの同伴を希望されている場合は、可能かどうか事前に確認しておきましょう。
親子共にしっかりと納得してから始める
親御さんの「ムダ毛の悩みから子供を解放してあげたい」といった思いや、お子様の「ムダ毛をなくしたいけど医療脱毛は少し怖い」といった思いなど、それぞれの気持ちがあるかと思います。
これまでご説明してきたとおり、子どもの医療脱毛は、痛みや副作用などのリスクがあるほか、またムダ毛が生えてきてしまう可能性がある施術です。
納得できるまでカウンセリングを受ける、親子で脱毛のリスクについて話し合う機会を作るなど、不安をきっちりと解消してから契約するようにしましょう。
契約前のカウンセリングは複数のクリニックで受け、契約は即決せずに持ち帰ってお子さんと比較するのも良いでしょう。
ぜひ親子でしっかりと話し合い、焦らずに医療脱毛を受けるかどうか、慎重に検討してくださいね。
医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。
レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。
- 赤み、腫れ
- やけど
- 毛嚢炎
- 硬毛化、増毛化
- 埋没毛(埋もれ毛)
- 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
- 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
- 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
- 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!