新しいLEP製剤「マルシロン」登場|マーベロンとの違いや期待されるメリットを解説

新しいLEP製剤「マルシロン」が日本で承認され、月経困難症に対する治療の新たな選択肢として注目を集めています。

「マーベロンと何が違うの?」「副作用は少なくなるの?」「避妊目的でも使えるの?」など、気になっている方も多いのではないでしょうか。

マルシロンは、デソゲストレル150μgとエチニルエストラジオール20μgを配合したLEP(Low dose Estrogen Progestin)製剤です。黄体ホルモンはマーベロンと同じデソゲストレルを採用しながら、エストロゲン量を20μgに抑えたことが大きな特徴です。そのため、月経困難症の症状改善に加え、エストロゲンに関連する副作用の軽減が期待されています。

一方で、「副作用がなくなる」「誰にでもマーベロンより優れている」というわけではありません。治療目的や体質、既往歴などによって適した薬は異なるため、それぞれの特徴を正しく理解することが大切です。

この記事では、マルシロンの特徴や承認の背景、マーベロンとの違い、期待されるメリット、副作用、どのような方に向いているのかを、医学的根拠をもとにわかりやすく解説します。新しいLEP製剤について知りたい方や、治療薬選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

マルシロンとは?2026年に承認された新しいLEP製剤

マルシロンは、月経困難症の治療を目的として承認された新しいLEP(Low dose Estrogen Progestin)製剤です。

LEP製剤とは、低用量のエストロゲンと黄体ホルモンを組み合わせた薬で、女性ホルモンの変動をコントロールすることで、月経困難症や子宮内膜症に伴う痛みなどを改善する治療薬として使用されています。

マルシロンには、

  • デソゲストレル:150μg
  • エチニルエストラジオール:20μg

の2種類のホルモンが配合されています。

マーベロンと同じ黄体ホルモンを採用

マルシロンの特徴は、黄体ホルモン(プロゲスチン)としてデソゲストレルを採用していることです。

デソゲストレルは、第3世代プロゲスチンに分類される成分で、男性ホルモン作用(アンドロゲン作用)が比較的少ないことが特徴です。

そのため、

  • ニキビが気になる方
  • 皮脂が多い方
  • アンドロゲン作用をできるだけ抑えたい方

にも選択肢の一つとなる可能性があります。

エストロゲン量を20μgへ減量

マルシロンが注目されている最大の理由は、エチニルエストラジオール(EE)が20μgであることです。

同じデソゲストレルを配合するマーベロンはEE30μgですが、マルシロンでは20μgへ減量されています。

エストロゲン量を減らすことで、

  • 吐き気
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 頭痛

など、エストロゲンに関連すると考えられる副作用の軽減が期待されています。

LEP製剤として保険適用

マルシロンは月経困難症の治療薬(LEP製剤)として承認されており、医師が適応と判断した場合には健康保険の対象となります。

一方で、マーベロンは避妊を目的としたOC(Oral Contraceptive)として承認されている薬であり、同じような成分を含んでいても、承認されている効能・効果や保険適用の扱いが異なります。

薬を選ぶ際は、「成分が似ているかどうか」だけでなく、「どの目的で承認されている薬なのか」を理解することも重要です。

患者さん

マルシロンって、新しい低用量ピルなんですか?

Dr.石川

成分は低用量ピルと似ていますが、日本では月経困難症を治療するLEP製剤として承認されています。

患者さん

マーベロンと同じ薬なんですか?

Dr.石川

黄体ホルモンの『デソゲストレル』は同じですが、マルシロンはエストロゲン量が20μgと少なくなっています。そのため、副作用の軽減が期待される新しい選択肢として注目されています。

患者さん

保険は使えますか?

Dr.石川

月経困難症などの適応があれば、保険診療で処方を受けられます。詳しくは診察で症状を確認したうえで判断します。

マルシロンとマーベロンの違い|成分は似ていても目的や特徴が異なります

「マルシロンとマーベロンは何が違うの?」という疑問を持つ方は少なくありません。

実は、どちらも黄体ホルモン(デソゲストレル)150μgを配合しているため、非常によく似た製剤です。しかし、エストロゲン量や承認されている目的には違いがあります。

マルシロンとマーベロンの比較

項目マルシロンマーベロン28・21
分類LEP製剤OC(低用量経口避妊薬)
承認された目的月経困難症の治療避妊
エチニルエストラジオール(EE)20μg30μg
デソゲストレル150μg150μg
黄体ホルモンデソゲストレルデソゲストレル
保険適用月経困難症などで適用あり自由診療

大きな違いはエストロゲン量

最も大きな違いは、エチニルエストラジオール(EE)の量です。

マーベロンは30μgですが、マルシロンは20μgに抑えられています。

エストロゲンは月経周期をコントロールするうえで重要なホルモンですが、一方で、

  • 吐き気
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 頭痛

などの副作用に関与することがあります。

そのため、EEを20μgに減量したマルシロンでは、これらの副作用が軽減される可能性が期待されています。

黄体ホルモンはどちらもデソゲストレル

一方で、黄体ホルモンはどちらもデソゲストレル150μgです。

デソゲストレルは、第3世代プロゲスチンに分類され、アンドロゲン作用(男性ホルモン作用)が比較的少ないことが知られています。

そのため、

  • ニキビが気になる方
  • 皮脂分泌が多い方
  • 肌への影響が気になる方

にも選択されることがある成分です。

「同じ成分だから同じ薬」というわけではない

「成分がほとんど同じなら、マーベロンとマルシロンは同じ薬なのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、実際には承認されている効能・効果が異なるため、医療現場では目的に応じて使い分けられます。

  • マルシロン:月経困難症などの治療を目的としたLEP製剤
  • マーベロン:避妊を目的としたOC

薬を選ぶ際は、「成分」だけではなく、「どの目的で承認されているか」「保険適用になるか」といった点も重要な判断材料になります。

患者さん

マルシロンとマーベロンって、ほとんど同じ薬なんですか?

Dr.石川

デソゲストレルはどちらも150μgですが、エストロゲン量が違います。マルシロンは20μg、マーベロンは30μgです。

患者さん

じゃあ、マルシロンのほうが副作用は少ないんですか?

Dr.石川

エストロゲンに関連する副作用が軽減される可能性は期待されています。ただし、効果や副作用の感じ方には個人差があるため、『必ず副作用が少ない』とは言えません。

患者さん

どちらを選べばいいですか?

Dr.石川

月経困難症の治療なのか、避妊が目的なのか、また体質やこれまでの服用歴も考慮して選びます。自己判断で切り替えるのではなく、医師と相談しながら決めることが大切です。

エストロゲンが20μgになったことで期待されるメリット

マルシロンが注目されている理由の一つが、エチニルエストラジオール(EE)が30μgから20μgへ減量されていることです。

エストロゲンは、月経周期を整えたり、子宮内膜を安定させたりする重要なホルモンですが、一方で服用開始初期の副作用に関係すると考えられています。

そのため、必要な効果を維持しながらエストロゲン量を減らすことで、副作用の軽減が期待されています。

吐き気や乳房の張りが軽減する可能性

低用量ピルやLEP製剤を飲み始めた頃に、

  • 吐き気
  • 胃のムカつき
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 頭痛

などを経験する方は少なくありません。

これらは服用を続けるうちに改善することも多いですが、症状が強いと服用を中断してしまう原因になることもあります。

マルシロンではEEが20μgに抑えられているため、このようなエストロゲンに関連する副作用が軽減されることが期待されています。

毎日続けやすくなる可能性

LEP製剤は、毎日継続して服用することで効果を発揮する薬です。

そのため、副作用が少なく飲み続けやすいことは、治療を継続するうえで大きなメリットになります。

特に、

  • 「以前ピルで吐き気がつらかった」
  • 「乳房の張りが気になってやめてしまった」
  • 「できるだけ身体への負担を減らしたい」

という方にとっては、新たな選択肢になる可能性があります。

ただし、エストロゲンが少なければ良いとは限らない

一方で、エストロゲン量が少ないことには注意点もあります。

一般的に、EE20μg製剤では30μg製剤と比べて不正出血(少量の出血)が起こりやすいことが知られています。

そのため、

  • 副作用をできるだけ減らしたい方
  • 不正出血をできるだけ避けたい方

では、どちらを優先するかを考えながら薬を選択することが大切です。

薬にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、「20μgだから誰にでも最適」というわけではありません。医師と相談しながら、自分に合った製剤を選びましょう。

患者さん

エストロゲンが20μgになると、どんな良いことがあるんですか?

Dr.石川

吐き気や乳房の張り、むくみなど、エストロゲンに関連すると考えられる副作用が軽減される可能性があります。

患者さん

じゃあ、20μgのほうが絶対にいいんですね?

Dr.石川

そうとも限りません。20μg製剤では、不正出血が起こりやすくなることがあります。どちらにもメリットとデメリットがあるため、症状やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

患者さん

私にはどちらが合うんでしょう?

Dr.石川

これまでの服用歴や副作用の出方、治療目的などを総合的に判断して、一緒に最適な薬を選んでいきましょう。

マルシロンはどんな人に向いている?おすすめできるケースを解説

マルシロンは、すべての方に最適なLEP製剤というわけではありません。

年齢や体質、月経困難症の程度、これまでの服用歴などによって、適した薬は異なります。

ここでは、マルシロンが選択肢となる可能性があるケースをご紹介します。

① 月経困難症で治療を始めたい方

マルシロンは、月経困難症の治療を目的として承認されたLEP製剤です。

  • 毎月、生理痛で学校や仕事を休んでしまう
  • 市販の鎮痛薬だけでは痛みを抑えられない
  • 月経量が多く、日常生活に支障がある

このような方では、ホルモンバランスを整えることで症状の改善が期待できます。

② マーベロンなどで副作用が気になった方

これまでマーベロンなどEE30μg製剤を服用して、

  • 吐き気
  • 乳房の張り
  • むくみ
  • 頭痛

などの副作用が気になった方では、EE20μgのマルシロンが選択肢になることがあります。

ただし、副作用の感じ方には個人差があり、必ず改善するとは限りません。

③ エストロゲン量をできるだけ抑えたい方

「ホルモン量は必要最小限にしたい」と考える方にとっても、マルシロンは検討しやすい製剤です。

エストロゲン量が少ないことで、副作用の軽減が期待される一方、治療効果は維持できるよう設計されています。

④ デソゲストレル製剤を希望する方

マルシロンは、黄体ホルモンとしてデソゲストレルを採用しています。

デソゲストレルは第3世代プロゲスチンに分類され、アンドロゲン作用が比較的少ないことが特徴です。

そのため、

  • ニキビが気になる
  • 肌荒れが気になる
  • 皮脂分泌が多い

といった方でも、選択肢の一つになることがあります。

一方で、慎重な判断が必要な方もいます

マルシロンは多くの方が服用できる薬ですが、次のような場合は服用できない、または慎重な判断が必要です。

  • 血栓症の既往がある方
  • 重度の高血圧の方
  • 前兆を伴う片頭痛がある方
  • 喫煙量が多く35歳以上の方
  • 乳がんなどホルモン依存性腫瘍がある方
  • 重い肝機能障害がある方

これらに該当する場合は、安全性を考慮して別の治療法が選択されることもあります。

自己判断で服用を始めたり、中止したりせず、必ず医師の診察を受けましょう。

患者さん

私はマルシロンが向いているタイプなんでしょうか?

Dr.石川

月経困難症でお困りの方や、これまでEE30μg製剤で吐き気や乳房の張りが気になった方には、選択肢の一つになる可能性があります。

患者さん

逆に飲めない人もいるんですか?

Dr.石川

はい。血栓症の既往がある方や、前兆を伴う片頭痛がある方などは服用できない場合があります。安全に使用するためにも、診察で体質や既往歴を確認することが大切です。

患者さん

自分に合う薬はどうやって決めるんですか?

Dr.石川

症状や年齢、生活習慣、これまでの服用経験などを総合的に判断して選びます。新しい薬だから良いというわけではなく、その方に合った製剤を選ぶことが何より重要です。

マルシロンにも副作用はある?注意しておきたい症状と血栓症リスク

マルシロンは、エチニルエストラジオール(EE)を20μgに減量することで、一部の副作用が軽減されることが期待されているLEP製剤です。

しかし、副作用がなくなるわけではありません。

どのLEP製剤・低用量ピルでも起こりうる副作用があり、服用前にはメリットだけでなくリスクについても理解しておくことが大切です。

服用初期によくみられる副作用

服用開始から1〜3か月頃までは、身体がホルモンバランスの変化に慣れていないため、一時的な副作用が現れることがあります。

主な症状には、

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 乳房の張り・痛み
  • むくみ
  • 不正出血
  • 軽い腹痛
  • 気分の変化

などがあります。

これらの症状は、多くの場合、服用を続けるうちに軽減していきます。

ただし、症状が強い場合や日常生活に支障をきたす場合は、我慢せずに処方した医療機関へ相談しましょう。

20μg製剤では不正出血が起こることも

マルシロンはEE20μg製剤のため、30μg製剤と比較すると服用開始初期に不正出血がみられることがあります。

少量の出血が続くと不安になるかもしれませんが、飲み始めの数か月間は珍しいことではありません。

自己判断で服用を中止するとホルモンバランスが乱れ、かえって出血が長引くこともあるため、気になる症状があれば医師へ相談することをおすすめします。

最も注意したい副作用は「血栓症」

LEP製剤で最も注意すべき副作用が血栓症です。

血栓症とは、血液の塊(血栓)が血管を詰まらせることで起こる病気で、頻度は高くありませんが、重症化すると命に関わることがあります。

特に、

  • 35歳以上で喫煙している方
  • 肥満がある方
  • 長期間寝たきりになる予定がある方
  • 血栓症の既往や家族歴がある方

では、より慎重な判断が必要です。

血栓症を疑う症状を知っておきましょう

服用中に次のような症状が現れた場合は、血栓症の可能性があります。

  • 片足だけの強い痛みや腫れ
  • 胸の痛みや息苦しさ
  • 突然の激しい頭痛
  • ろれつが回らない
  • 手足のしびれや脱力
  • 急に見えにくくなる、視野が欠ける

これらの症状がある場合は、服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

定期的な受診も大切

マルシロンを安全に服用するためには、定期的な診察を受けることも重要です。

診察では、

  • 血圧
  • 体重の変化
  • 副作用の有無
  • 月経困難症の改善状況

などを確認し、治療を継続するか、別のLEP製剤へ変更するかを判断します。

患者さん

マルシロンは副作用が少ないって聞いたんですが、本当ですか?

Dr.石川

エストロゲン量が少ないことで、吐き気などが軽減される可能性はありますが、副作用がまったくなくなるわけではありません。

患者さん

飲み始めに少し出血しても大丈夫ですか?

Dr.石川

はい。20μg製剤では飲み始めに不正出血が起こることがあります。多くは体が慣れるにつれて落ち着いてきます。

患者さん

一番気を付けるべきことは何ですか?

Dr.石川

頻度は高くありませんが、血栓症には注意が必要です。片足の腫れや突然の胸の痛み、息苦しさなどがあれば、すぐに医療機関を受診してください。

患者さん

安心して飲み続けるためには?

Dr.石川

定期的に診察を受けて、体調や副作用を確認しながら続けることが大切です。不安なことがあれば、いつでも相談してください。

マルシロンで避妊はできる?LEP製剤とOC(低用量ピル)の違い

「マルシロンは避妊もできるのですか?」

これは、多くの方が疑問に思うポイントです。

マルシロンは、マーベロンと同じデソゲストレル150μgを配合し、エストロゲン量のみを20μgに調整した製剤です。そのため、「避妊効果もあるのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、日本ではマルシロンは月経困難症の治療を目的としたLEP製剤として承認されており、避妊を目的とした薬ではありません。

LEP製剤とOCは何が違う?

LEP製剤とOC(低用量経口避妊薬)は、どちらも女性ホルモンを含む薬ですが、承認されている目的が異なります。

項目LEP製剤OC(低用量ピル)
主な目的月経困難症・子宮内膜症などの治療避妊
保険適用適応があれば保険診療自由診療
処方時に重視すること症状の改善高い避妊効果

どちらも排卵を抑制する作用などを持っていますが、日本では効能・効果に基づいて処方されます。

マルシロンを避妊目的だけで使用することは推奨されない

マルシロンは、月経困難症の治療を目的として開発・承認された薬です。

そのため、避妊だけを目的として処方を受ける薬ではありません。

避妊を希望する場合は、医師と相談し、避妊薬として承認されているOCを選択することが基本です。

治療と避妊を両立したい場合は医師へ相談を

月経困難症の治療が必要で、同時に避妊も希望する方もいらっしゃいます。

そのような場合は、

  • 治療を優先するのか
  • 避妊を重視するのか
  • ライフスタイルや将来の妊娠希望はどうか

などを踏まえ、医師が最適な薬を提案します。

自己判断で薬を変更したり、インターネットの情報だけを参考に服用したりすることは避けましょう。

患者さん

マルシロンを飲んでいれば、避妊もできますか?

Dr.石川

マルシロンは月経困難症の治療薬として承認されているLEP製剤です。避妊を目的とした薬ではありません。

患者さん

マーベロンと成分が似ているなら、同じように考えてもいいんですか?

Dr.石川

成分は似ていますが、日本では承認されている目的が異なります。そのため、避妊を希望する場合は、避妊薬として承認されたOCを選択するのが基本です。

患者さん

月経困難症も治療したいし、避妊もしたい場合はどうすればいいですか?

Dr.石川

症状やライフスタイル、妊娠希望の有無などを確認したうえで、治療と避妊の両方を考慮した最適な方法をご提案します。気になることは遠慮なくご相談ください。

他のLEP製剤との違い|マルシロンはどんな位置づけの薬?

現在、日本では月経困難症や子宮内膜症に対して複数のLEP製剤が使用されています。

それぞれ配合されている黄体ホルモンやエストロゲン量が異なり、特徴や向いている方もさまざまです。

マルシロンも新たな選択肢として加わりましたが、「一番優れた薬」というわけではありません。それぞれにメリット・デメリットがあり、症状や体質に合わせて選択することが大切です。

主なLEP製剤の比較

製剤名配合成分特徴
マルシロンデソゲストレル+EE20μg新しいLEP製剤。EE20μgで副作用軽減が期待される。
ルナベルLDノルエチステロン+EE35μg月経困難症治療で長年使用されている実績がある。
フリウェルLDノルエチステロン+EE35μgルナベルLDのジェネリック医薬品。
ジェミーナレボノルゲストレル+EE20μg連続投与が可能で、月経回数を減らす治療にも用いられる。
ヤーズドロスピレノン+EE20μgPMSや月経困難症にも使用される。抗ミネラルコルチコイド作用を持つ。
ヤーズフレックスドロスピレノン+EE20μg最長120日間の連続投与が可能。月経回数を減らしたい方に選択されることがある。
ドロエチ配合錠ドロスピレノン+EE20μgヤーズのジェネリック医薬品。

マルシロンの強み

マルシロンの特徴は、

  • デソゲストレルを採用していること
  • EE20μg製剤であること
  • 月経困難症治療の新たな選択肢になったこと

です。

これまでデソゲストレルを配合した製剤では、マーベロン(OC・EE30μg)がよく知られていましたが、マルシロンは同じデソゲストレルを採用しながらEEを20μgに減量した初めての国内LEP製剤となります。

どのLEP製剤が最適かは人によって異なる

「どの薬が一番おすすめですか?」という質問を受けることがありますが、答えは一人ひとり異なります。

例えば、

  • 生理痛をしっかり改善したい
  • PMSの症状も気になる
  • ニキビや肌荒れも改善したい
  • 副作用をできるだけ抑えたい
  • 月経回数を減らしたい

など、治療で重視したいポイントは人それぞれです。

医師は症状や既往歴、年齢、血栓症のリスクなどを総合的に判断し、その方に適したLEP製剤を選択します。

「新しい薬だから良い」「昔からある薬だから安心」という単純なものではなく、自分に合った薬を見つけることが何より重要です。

患者さん

マルシロンは一番新しい薬だから、一番良い薬なんですか?

Dr.石川

新しい薬ではありますが、誰にとっても一番良いというわけではありません。それぞれのLEP製剤に特徴があります。

患者さん

薬によって向いている人が違うんですね。

Dr.石川

そうです。例えば、PMSを重視する方、月経回数を減らしたい方、副作用をできるだけ抑えたい方では、選ぶ薬が変わることがあります。

患者さん

マルシロンはどんな人に向いていますか?

Dr.石川

デソゲストレル製剤を希望する方や、EE20μg製剤を選択したい方にとって、新たな治療の選択肢になると考えられます。診察で症状や体質を確認しながら、一緒に最適な薬を選びましょう。

低用量ピルはオンライン診療でも処方できます

「婦人科を受診する時間がない」「近くにピルを処方してくれるクリニックがない」「待ち時間なく相談したい」

そんな方は、オンライン診療という選択肢があります。

スマートフォンやパソコンから医師の診察を受けることができ、診察後はご自宅までお薬を配送してもらえるため、忙しい方でも無理なく治療を始められます。

低用量ピルやLEP製剤は継続して服用することが大切なお薬です。定期的な診察もオンラインで受けられるクリニックなら、通院の負担を減らしながら治療を続けることができます。

「自分にはどのピルが合っているのかわからない」「マルシロンや他のLEP製剤について相談したい」という方も、まずは医師に相談してみましょう。

通院が難しい方や、お近くに婦人科がない方は、ぜひオンライン診療をご活用ください。

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よくある質問(FAQ)

マルシロンは避妊薬(低用量ピル)ですか?

いいえ。

マルシロンは、月経困難症の治療を目的として承認されたLEP製剤です。

低用量ピル(OC)と同じようなホルモンを配合していますが、日本では避妊を目的とした薬として承認されていません。避妊を希望する場合は、医師と相談のうえ、避妊薬として承認されているOCを選択しましょう。

マーベロンからマルシロンへ変更できますか?

変更できる可能性はあります。

ただし、治療目的や症状、副作用の有無、保険適用などを考慮して医師が判断します。

自己判断で切り替えるのではなく、必ず処方医へ相談してください。


マルシロンは保険適用になりますか?

月経困難症などの適応があり、医師が必要と判断した場合は健康保険の対象になります。

一方、避妊のみを目的とした処方は保険適用の対象外です。

副作用は少ないのでしょうか?

マルシロンはエチニルエストラジオール(EE)が20μgに減量されているため、吐き気や乳房の張りなど、エストロゲンに関連する副作用の軽減が期待されています。

ただし、副作用の出方には個人差があり、不正出血などがみられることもあります。

血栓症のリスクはありますか?

はい。

マルシロンも他のLEP製剤と同様に、頻度は高くありませんが血栓症のリスクがあります。

服用中に、

  • 片足の腫れや痛み
  • 突然の胸の痛み
  • 息苦しさ
  • 激しい頭痛
  • 手足のしびれ
  • 視野の異常

などが現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

マルシロンはどのような人に向いていますか?

月経困難症の治療が必要な方や、これまでEE30μg製剤で吐き気や乳房の張りなどの副作用が気になった方では、選択肢の一つとなる可能性があります。

一方で、血栓症の既往がある方や、前兆を伴う片頭痛がある方などは服用できない場合もあるため、医師による診察が必要です。

まとめ

マルシロンは、デソゲストレル150μgとエチニルエストラジオール20μgを配合した、新しいLEP製剤です。

マーベロンと同じ黄体ホルモンを採用しながら、エストロゲン量を20μgへ減量したことで、エストロゲンに関連する副作用の軽減が期待されています。

一方で、不正出血や血栓症などの副作用には引き続き注意が必要であり、「新しい薬だから誰にでも最適」というわけではありません。

現在は複数のLEP製剤が使用できる時代となり、症状やライフスタイル、体質に合わせて治療薬を選択できるようになっています。

月経困難症でお悩みの方や、これまで服用中の副作用が気になっていた方は、マルシロンも選択肢の一つとして、婦人科で相談してみてはいかがでしょうか。

参考文献

  1. 医薬品医療機器総合機構(PMDA) マルシロン配合錠 電子添文
  2. オルガノン マルシロン®製品情報
  3. オルガノン マルシロン配合錠 インタビューフォーム
  4. オルガノン マーベロン®製品情報
  5. オルガノン マーベロン®の特徴
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