「GLP-1ダイエットを始めたいけれど、低用量ピルを飲んでいても大丈夫?」
「避妊効果が落ちるって聞いたけど本当?」
「マンジャロだけ注意が必要ってどういうこと?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
GLP-1受容体作動薬は、食欲を抑えたり満腹感を持続させたりすることで体重減少をサポートする治療薬として注目されています。一方で、薬の種類によっては胃の動きを遅くする作用が強く、飲み薬の吸収に影響を与える可能性があることがわかっています。
特にマンジャロ(チルゼパチド)では、低用量ピルの有効成分の吸収が一時的に低下する可能性があるため、添付文書でも追加の避妊方法を併用するよう注意喚起されています。
一方で、ウゴービやオゼンピック、リベルサス、サクセンダなどのGLP-1製剤では、現時点で同様の影響は確認されていません。
つまり、「GLP-1ダイエット中は低用量ピルを飲んではいけない」というわけではなく、使用する薬剤ごとに適切な対応を知ることが大切です。
この記事では、GLP-1ダイエット中に低用量ピルを服用しても問題ないのか、薬剤ごとの違いや注意点、避妊効果への影響、服用時のポイントについて、添付文書や最新の医学的知見をもとにわかりやすく解説します。
この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
GLP-1ダイエット中でも低用量ピルは基本的に服用できる
GLP-1ダイエット中でも、低用量ピルは基本的に服用できます。そのため、「GLP-1治療を始めるからピルを中止しなければならない」というわけではありません。
ただし、すべてのGLP-1製剤が同じというわけではなく、使用する薬剤によって注意点が異なります。
現在使用されているGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬のうち、マンジャロ(チルゼパチド)では、胃内容排出を遅らせる作用によって低用量ピルの有効成分の吸収が一時的に低下する可能性が報告されています。
そのため、添付文書では投与開始後4週間と増量後4週間は、コンドームなどのバリア法を併用するか、経口避妊薬以外の避妊方法を検討することが推奨されています。
一方で、ウゴービ(セマグルチド)、オゼンピック(セマグルチド)、リベルサス(セマグルチド)、サクセンダ(リラグルチド)などでは、現時点で低用量ピルの避妊効果を低下させるような臨床的影響は確認されていません。
そのため、GLP-1ダイエット中に低用量ピルを服用している方が最も重要なのは、「GLP-1製剤だから危険」と考えるのではなく、自分が使用している薬がどの種類なのかを確認することです。
ポイント
- GLP-1ダイエット中でも低用量ピルは基本的に服用できる
- 注意が必要なのは主にマンジャロ(チルゼパチド)
- マンジャロでは開始後4週間・増量後4週間は追加の避妊が推奨される
- ウゴービ・オゼンピック・リベルサス・サクセンダでは、現時点で避妊効果低下は確認されていない
- 自己判断でピルを中止せず、不安があれば医師や薬剤師へ相談することが大切
患者さんGLP-1ダイエットを始めるなら、低用量ピルはやめた方がいいですか?
Dr.石川基本的には、やめる必要はありません。ほとんどのGLP-1製剤では低用量ピルと併用できます。
患者さんでも、避妊効果が落ちるって聞いたことがあります。
Dr.石川その話は主にマンジャロについてです。マンジャロはピルの吸収に影響する可能性があるため、治療開始後や増量後の一定期間はコンドームなどを併用することが勧められています。
患者さんウゴービやオゼンピックなら大丈夫なんですね?
Dr.石川現時点では、それらの薬で避妊効果が低下するという報告はありません。ただし、嘔吐や下痢が続いた場合はピルの吸収に影響することがあるため、その点には注意しましょう。
なぜGLP-1ダイエット薬と低用量ピルの併用が話題になっているの?
「GLP-1ダイエット中は低用量ピルが効かなくなる」といった情報をSNSやインターネットで見かけ、不安に感じている方もいるでしょう。
この話題が広まった背景には、GLP-1受容体作動薬の「胃内容排出遅延作用(胃の内容物が腸へ送られるスピードを遅くする作用)」があります。
低用量ピルは口から服用する薬です。服用した薬は胃から小腸へ運ばれ、小腸で有効成分が吸収されることで十分な効果を発揮します。そのため、胃の動きが大きく変化すると、薬の吸収速度や吸収量に影響を及ぼす可能性があります。
GLP-1受容体作動薬は食後の血糖値上昇を抑えるために胃の内容物がゆっくり排出されるよう働きます。この作用によって満腹感が長く続き、食欲が抑えられることがダイエット効果につながっています。
しかし、この作用はすべてのGLP-1製剤で同じ程度に現れるわけではありません。
特にマンジャロ(チルゼパチド)では、投与開始直後や用量を増やした直後に胃内容排出遅延作用が強く現れることが知られています。その結果、低用量ピルの有効成分(エチニルエストラジオールやレボノルゲストレルなど)の吸収が一時的に低下する可能性があることが臨床試験で確認され、添付文書にも注意喚起が記載されています。
一方で、ウゴービ・オゼンピック・リベルサス(いずれもセマグルチド)やサクセンダ(リラグルチド)では、現時点で経口避妊薬の効果を低下させるような臨床的影響は確認されていません。
つまり、「GLP-1ダイエット薬=低用量ピルが効かなくなる」というわけではなく、一部の薬剤に限って注意が必要というのが現在の医学的な考え方です。
ポイント
- GLP-1製剤は胃の動きをゆっくりにする作用がある
- 飲み薬である低用量ピルは、胃腸の状態によって吸収が影響を受けることがある
- 特にマンジャロではピルの吸収低下が確認されている
- ウゴービやオゼンピックなどでは、現時点で避妊効果低下は確認されていない
- 「GLP-1製剤すべてが危険」というわけではない
患者さんどうしてGLP-1ダイエット薬と低用量ピルの組み合わせが話題になっているんですか?
Dr.石川GLP-1製剤には胃の動きをゆっくりにする作用があります。そのため、飲み薬の吸収に影響する可能性があるからです。
患者さんじゃあ、どのGLP-1製剤でもピルが効きにくくなるんですか?
Dr.石川いいえ。現在、特に注意が必要とされているのはマンジャロ(チルゼパチド)です。ほかのGLP-1製剤では、経口避妊薬の効果が低下したという臨床的な報告はありません。
患者さんSNSで『GLP-1ダイエット中はピルが飲めない』と見たんですが……。
Dr.石川情報が一人歩きしているケースもあります。大切なのは『GLP-1製剤だから危険』ではなく、『どの薬を使っているか』を確認することです。
GLP-1ダイエット薬別|低用量ピルとの併用可否一覧
GLP-1ダイエット薬にはいくつかの種類がありますが、低用量ピルとの併用時に注意が必要かどうかは薬剤によって異なります。
まずは、それぞれの特徴を一覧表で確認してみましょう。
| GLP-1ダイエット薬 | 主成分 | 低用量ピルとの併用 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| マンジャロ | チルゼパチド | ⚠️ 注意が必要 | 開始後4週間・増量後4週間は追加避妊を推奨 |
| ゼップバウンド | チルゼパチド | ⚠️ 注意が必要 | マンジャロと同様の注意が必要 |
| ウゴービ | セマグルチド | ○ 基本的に併用可能 | 現時点で避妊効果低下の報告なし |
| オゼンピック | セマグルチド | ○ 基本的に併用可能 | 臨床的な影響は確認されていない |
| リベルサス | セマグルチド(経口) | ○ 基本的に併用可能 | ピルとの相互作用は報告されていない |
| サクセンダ | リラグルチド | ○ 基本的に併用可能 | 通常どおり服用できる |
| ビクトーザ | リラグルチド | ○ 基本的に併用可能 | 避妊効果への影響は確認されていない |
このように、特に注意が必要なのはチルゼパチドを有効成分とする「マンジャロ」と「ゼップバウンド」です。
一方で、セマグルチド(ウゴービ・オゼンピック・リベルサス)やリラグルチド(サクセンダ・ビクトーザ)では、現在の添付文書や臨床試験において、低用量ピルの避妊効果を低下させるような相互作用は確認されていません。
ただし、どのGLP-1製剤でも吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状が起こることがあります。服用後すぐに嘔吐した場合や、重い下痢が続く場合には、低用量ピルが十分に吸収されない可能性があるため注意が必要です。
また、新しい研究結果や添付文書の改訂によって推奨内容が変わることもあります。不安がある場合は、自己判断で服薬を中止せず、処方医や薬剤師に相談しましょう。
ポイント
- GLP-1ダイエット薬によって低用量ピルへの影響は異なる
- マンジャロ・ゼップバウンドでは追加避妊が推奨される
- ウゴービ・オゼンピック・リベルサス・サクセンダでは、現時点で避妊効果低下は確認されていない
- どのGLP-1製剤でも、嘔吐や下痢がある場合はピルの吸収に注意が必要
- 不安な場合は医師や薬剤師に相談することが大切
患者さんGLP-1ダイエット薬なら、全部同じように注意が必要なんですか?
Dr.石川いいえ。薬によって違います。一番注意が必要なのは、チルゼパチドを含むマンジャロやゼップバウンドです。
患者さん私はウゴービを使っています。それなら安心ですか?
Dr.石川現時点では、ウゴービで低用量ピルの避妊効果が低下するという報告はありません。ただし、吐き気や嘔吐、下痢が続くとピルが十分に吸収されない可能性はあります。
患者さんじゃあ、自分が使っている薬の種類を知ることが大切なんですね。
Dr.石川そのとおりです。同じ『GLP-1ダイエット薬』でも特徴は異なります。まずは使用している薬を確認し、必要な注意点を理解しておくことが大切ですよ。
マンジャロだけ注意が必要な理由
GLP-1ダイエット薬の中でも、マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は低用量ピルとの併用時に特に注意が必要とされています。
その理由は、マンジャロが胃内容排出(胃の中の食べ物や薬が小腸へ送られる働き)を強く遅らせる作用を持っているためです。
低用量ピルは、小腸で有効成分が吸収されることで十分な避妊効果を発揮します。しかし、マンジャロを開始した直後や用量を増やした直後は、胃内容排出遅延作用が最も強く現れるため、ピルの吸収が一時的に低下する可能性があります。
実際に行われた薬物相互作用試験では、マンジャロと低用量ピルを同時に使用した場合、ピルの有効成分の最高血中濃度(Cmax)が低下し、吸収が遅れることが確認されました。
この結果を受け、日本の添付文書では次のように注意喚起されています。
- マンジャロを開始してから4週間
- 用量を増量してから4週間
この期間は、コンドームなどのバリア法を追加する、または経口避妊薬以外の避妊方法を選択することが推奨されています。
なぜ「4週間」なの?
マンジャロは週に1回注射する薬です。
治療開始時や増量直後は胃内容排出を遅らせる作用が強く現れますが、継続して使用することで体が薬に慣れ、この作用は徐々に弱まることが知られています。
そのため、安全性を考慮して「開始後4週間」「増量後4週間」という期間が設定されています。
ピルを中止する必要はある?
結論からいうと、自己判断で低用量ピルを中止する必要はありません。
大切なのは、マンジャロを使用している期間中に適切な避妊方法を選択することです。妊娠を希望していない場合は、医師の指示に従って追加避妊を行いながら、低用量ピルを継続して服用しましょう。
なお、低用量ピルは避妊だけでなく、生理痛や月経不順、子宮内膜症などの治療目的で服用している方も多くいます。そのため、自己判断で中止すると、症状が再び悪化する可能性もあります。
ポイント
- マンジャロは胃内容排出を強く遅らせる作用がある
- その影響で低用量ピルの吸収が一時的に低下する可能性がある
- 開始後4週間・増量後4週間は追加避妊が推奨される
- 継続使用で胃内容排出への影響は徐々に弱くなる
- 自己判断で低用量ピルを中止せず、医師の指示に従うことが大切
患者さんどうしてマンジャロだけ特別に注意が必要なんですか?
Dr.石川マンジャロは、ほかのGLP-1製剤よりも胃の動きを遅らせる作用が強く現れることがあり、飲み薬である低用量ピルの吸収に影響する可能性があるからです。
患者さんじゃあ、マンジャロを始めたらピルは飲まない方がいいですか?
Dr.石川いいえ。ピルを中止する必要はありません。ただし、開始後4週間と増量後4週間は、コンドームなどの避妊法を併用することが勧められています。
患者さん4週間を過ぎたら安心ですか?
Dr.石川胃の動きへの影響は徐々に落ち着いてきます。ただし、薬の使い方や体調によっても異なるため、不安があれば診察時に相談してくださいね。
ウゴービ・オゼンピック・リベルサスではどうなの?
マンジャロでは低用量ピルとの併用時に注意が必要ですが、ウゴービ・オゼンピック・リベルサス・サクセンダなどでは、現時点で同様の注意喚起はされていません。
これらの薬もGLP-1受容体作動薬であり、胃の動きをゆっくりにする作用があります。しかし、臨床試験では経口避妊薬(低用量ピル)の有効成分の吸収に臨床的な問題となる影響は認められず、添付文書でもマンジャロのような追加避妊の推奨は記載されていません。
ウゴービ(セマグルチド)
ウゴービは肥満症の治療薬として使用されるGLP-1受容体作動薬です。
臨床試験では、低用量ピルとの併用によって避妊効果が低下することは確認されておらず、通常どおり服用を続けることができます。
オゼンピック(セマグルチド)
オゼンピックは主に2型糖尿病の治療薬ですが、体重減少作用もあるため使用されることがあります。
ウゴービと同じ有効成分であるセマグルチドを含むため、低用量ピルとの重大な薬物相互作用は報告されていません。
リベルサス(経口セマグルチド)
リベルサスはGLP-1受容体作動薬では珍しい飲み薬です。
「飲み薬同士だから影響が強いのでは?」と思われるかもしれませんが、現在のところ低用量ピルの避妊効果を低下させるという報告はありません。
ただし、リベルサスは起床時の空腹時に少量の水で服用し、その後30分間は飲食や他の薬を避けるという特殊な服用方法があります。低用量ピルとは服用タイミングを分けるよう、医師や薬剤師の指示に従いましょう。
嘔吐や下痢がある場合は注意
どのGLP-1製剤でも、治療開始直後や増量時には吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が現れることがあります。
低用量ピルを服用した直後に嘔吐した場合や、24時間以上続くような重い下痢がある場合は、有効成分が十分に吸収されず、避妊効果が低下する可能性があります。
このような場合は、低用量ピルの添付文書に従って追加避妊を行い、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
ポイント
- ウゴービ・オゼンピック・リベルサスでは、現時点で低用量ピルの避妊効果低下は確認されていない
- マンジャロのような追加避妊の推奨は添付文書に記載されていない
- リベルサスは服用タイミングに注意が必要
- 嘔吐や下痢がある場合は、どのGLP-1製剤でもピルの吸収に影響する可能性がある
- 体調不良が続く場合は医師や薬剤師へ相談する
患者さん私はウゴービを使っていますが、マンジャロと同じように心配しなくてもいいですか?
Dr.石川はい。現在のデータでは、ウゴービやオゼンピック、リベルサスで低用量ピルの避妊効果が低下するという報告はありません。
患者さんそれなら安心ですね。
Dr.石川基本的には大丈夫ですが、吐き気や嘔吐、下痢があるときは別です。ピルが十分に吸収されない可能性があります。
患者さんリベルサスは飲み薬ですよね。ピルと一緒に飲んでもいいですか?
Dr.石川リベルサスには決められた服用方法があります。同時に飲むのではなく、服用タイミングについて医師や薬剤師の指示を守ることが大切ですよ。
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GLP-1ダイエット中に低用量ピルを飲むときの注意点
GLP-1ダイエット中でも低用量ピルは基本的に服用できますが、普段以上に服用方法や体調の変化に注意することが大切です。
特に、GLP-1製剤で起こりやすい消化器症状は、低用量ピルの吸収に影響する可能性があります。ここでは、服用中に気を付けたいポイントを紹介します。
毎日決まった時間に服用する
低用量ピルは、毎日ほぼ同じ時間に服用することで安定した効果が期待できます。
服用時間が大きくずれると、避妊効果が低下する可能性があるため、スマートフォンのアラームや服薬管理アプリを活用すると飲み忘れの予防につながります。
ピルを飲んでからすぐに吐いてしまった場合
GLP-1製剤では、治療開始直後や増量後に吐き気や嘔吐が起こることがあります。
一般的に、低用量ピルを服用してから約2~3時間以内に嘔吐した場合は、有効成分が十分に吸収されていない可能性があります。
この場合は、低用量ピルの添付文書に従って追加で1錠服用する、または飲み忘れ時と同様の対応を行う必要があります。製品によって対処方法が異なるため、使用しているピルの説明書を確認しましょう。
下痢が続いている場合
一時的な軟便程度であれば大きな問題にならないことが多いですが、24時間以上続く重い下痢では、有効成分が十分に吸収されない可能性があります。
このような場合は、避妊効果が十分に得られない可能性を考え、コンドームなどの追加避妊を併用することが推奨されます。
マンジャロを使用している場合は追加避妊を忘れない
マンジャロを使用している方は、治療開始後4週間と増量後4週間は、低用量ピルを継続していてもコンドームなどのバリア法を併用しましょう。
これは飲み忘れや体調不良とは関係なく、マンジャロの薬理作用によるものです。
自己判断で服薬を中止しない
「吐き気があるから」「避妊効果が心配だから」といって、自己判断で低用量ピルやGLP-1製剤を中止することはおすすめできません。
低用量ピルは避妊だけでなく、生理痛や月経不順、PMS(生理前症候群)、子宮内膜症などの治療目的で服用している方も多くいます。
気になる症状がある場合は、処方を受けた医師や薬剤師に相談し、自分に合った対応方法を確認しましょう。
このセクションのポイント
- 低用量ピルは毎日決まった時間に服用する
- 服用後2~3時間以内に嘔吐した場合は吸収不足の可能性がある
- 重い下痢が続く場合は追加避妊を検討する
- マンジャロでは開始後・増量後4週間は追加避妊が必要
- 不安があっても自己判断で薬を中止せず、医師・薬剤師へ相談する
患者さんGLP-1ダイエット中は、普段と同じようにピルを飲めばいいですか?
Dr.石川基本的には毎日同じ時間に服用してください。それが避妊効果を維持するための基本です。
患者さんもし飲んだあとに吐いてしまったらどうなりますか?
Dr.石川服用してから2~3時間以内の嘔吐では、十分に吸収されていない可能性があります。飲み忘れ時と同じ対応が必要になることがあるので、添付文書を確認するか医療機関へ相談してください。
患者さん下痢が続いた場合も注意が必要ですか?
Dr.石川はい。重い下痢が続く場合も吸収に影響することがあります。特に妊娠を希望していない方は、コンドームなどを併用すると安心です。
患者さん少し不安でも、自分でピルをやめない方がいいんですね。
Dr.石川そのとおりです。自己判断で中止せず、気になることがあれば早めに相談してくださいね。
妊娠を希望している場合はどうする?
GLP-1ダイエット薬を使用している方の中には、「近いうちに妊娠を考えている」「妊活を始めたい」という方もいるでしょう。
その場合は、自己判断で薬を中止するのではなく、事前に医師と相談して治療計画を立てることが大切です。
GLP-1ダイエット薬は妊娠中の使用が推奨されていない
現在使用されているGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬は、妊娠中の安全性が十分に確立されていません。
そのため、添付文書では妊娠中の使用は原則として推奨されておらず、妊娠が判明した場合には速やかに処方医へ相談することが勧められています。
妊活を始める前には休薬期間が必要な場合がある
GLP-1ダイエット薬は体内に長く留まるものが多く、薬剤によっては妊娠を希望する前に一定期間の休薬が推奨されています。
例えば、マンジャロ(チルゼパチド)やウゴービ・オゼンピック(セマグルチド)では、一般的に妊娠を計画する約2か月前を目安に中止することが推奨されています。
これは、薬が体内から十分に排出されるまで時間がかかるためです。
低用量ピルは医師と相談しながら中止する
妊活を始める場合は、低用量ピルも適切なタイミングで中止します。
ピルをやめると排卵は比較的早く再開することが多いものの、月経周期が整うまでに時間がかかる場合もあります。
妊娠を希望する時期に合わせて、GLP-1ダイエット薬と低用量ピルの両方について医師と相談しながら計画的に調整すると安心です。
妊娠がわかったらどうする?
GLP-1ダイエット薬を使用中に妊娠が判明した場合は、自己判断で服薬を続けず、できるだけ早く医療機関へ連絡しましょう。
慌てる必要はありませんが、妊娠週数や使用している薬剤を確認したうえで、今後の治療方針を医師と相談することが重要です。
ポイント
- GLP-1ダイエット薬は妊娠中の使用が推奨されていない
- 妊活を始める前には休薬期間が必要な薬剤がある
- マンジャロやウゴービでは一般的に約2か月前の中止が目安
- 低用量ピルも妊娠計画に合わせて中止時期を相談する
- 妊娠が判明したら速やかに医師へ相談する
患者さん来年くらいに妊娠を考えているんですが、GLP-1ダイエット薬はいつまで使えますか?
Dr.石川妊娠を希望する場合は、薬の種類によって休薬期間が必要です。マンジャロやウゴービなどは、一般的に妊娠を計画する約2か月前には中止することが勧められています。
患者さん低用量ピルも同じタイミングでやめればいいですか?
Dr.石川妊娠を希望する時期に合わせて中止します。ただし、自己判断ではなく、診察で相談しながら決めるのがおすすめです。
患者さんもし薬を使っている間に妊娠がわかったらどうしたらいいですか?
Dr.石川まずは落ち着いて、できるだけ早く処方医へ連絡してください。妊娠週数や服薬状況を確認しながら、今後の対応を一緒に考えていきます。
よくある質問(FAQ)
- GLP-1ダイエット中でも低用量ピルは飲めますか?
-
はい、基本的には服用できます。
現在使用されているGLP-1ダイエット薬の多くは、低用量ピルとの併用が可能です。ただし、**マンジャロ(チルゼパチド)**では低用量ピルの吸収に影響を与える可能性があるため、投与開始後4週間と増量後4週間はコンドームなどの追加避妊が推奨されています。
- マンジャロを使っているとピルの避妊効果はなくなりますか?
-
いいえ、避妊効果が完全になくなるわけではありません。
マンジャロは低用量ピルの吸収を一時的に低下させる可能性があるため、避妊効果が十分に発揮されないリスクを考慮し、一定期間は追加避妊が推奨されています。
- ウゴービやオゼンピックなら追加避妊は必要ですか?
-
現時点では、通常は必要ありません。
ウゴービやオゼンピック、リベルサス、サクセンダでは、低用量ピルの避妊効果を低下させるような臨床的影響は確認されていません。
ただし、嘔吐や重い下痢がある場合は、ピルが十分に吸収されない可能性があるため注意しましょう。
- GLP-1ダイエット薬を使っていて、ピルを飲んだあとに吐いてしまいました。どうすればいいですか?
-
低用量ピルを服用してから2~3時間以内に嘔吐した場合は、有効成分が十分に吸収されていない可能性があります。
その場合は、服用している低用量ピルの添付文書に従い、追加服用や飲み忘れ時と同様の対応を行ってください。不明な場合は、医師または薬剤師へ相談しましょう。
- 下痢が続いている場合も避妊効果は下がりますか?
-
重い下痢が24時間以上続く場合には、低用量ピルの吸収が十分でなくなる可能性があります。
避妊を確実にしたい場合は、コンドームなどの追加避妊を行い、症状が続く場合は医療機関へ相談してください。
- GLP-1ダイエット薬を使いながら妊娠できますか?
-
妊娠は可能ですが、妊娠を希望する場合は事前に医師へ相談することが大切です。
GLP-1ダイエット薬は妊娠中の使用が推奨されておらず、薬剤によっては妊活を始める前に一定期間の休薬が必要になります。
- 低用量ピルを飲んでいることを医師へ伝える必要はありますか?
-
はい、必ず伝えましょう。
GLP-1ダイエット薬を処方してもらう際は、低用量ピルを服用していることを医師や薬剤師に伝えることが大切です。
特にマンジャロを使用する場合は、追加避妊が必要な期間や注意点について詳しい説明を受けることができます。
まとめ|GLP-1ダイエット中でも低用量ピルは基本的に服用できる
GLP-1ダイエット中でも、低用量ピルは基本的に服用できます。そのため、「GLP-1ダイエットを始めるからピルをやめなければならない」というわけではありません。
一方で、マンジャロ(チルゼパチド)は例外です。胃内容排出を遅らせる作用により、低用量ピルの吸収が一時的に低下する可能性があるため、投与開始後4週間と増量後4週間は、コンドームなどの追加避妊が推奨されています。
ウゴービやオゼンピック、リベルサス、サクセンダなどでは、現時点で低用量ピルの避妊効果を低下させるような臨床的影響は確認されていません。ただし、どのGLP-1製剤でも吐き気や嘔吐、重い下痢が起こった場合には、低用量ピルが十分に吸収されない可能性があるため注意が必要です。
また、妊娠を希望している場合は、GLP-1ダイエット薬を自己判断で継続したり中止したりするのではなく、医師と相談しながら休薬時期や妊活のスケジュールを決めることが大切です。
最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。
本記事のポイント
- GLP-1ダイエット中でも低用量ピルは基本的に服用できる
- マンジャロ(チルゼパチド)は低用量ピルの吸収に影響する可能性がある
- マンジャロでは投与開始後4週間・増量後4週間は追加避妊が推奨される
- ウゴービ・オゼンピック・リベルサス・サクセンダでは、現時点で避妊効果低下は確認されていない
- 嘔吐や重い下痢がある場合は、薬剤の種類にかかわらずピルの吸収に注意する
- 妊娠を希望する場合や服薬に不安がある場合は、自己判断せず医師や薬剤師へ相談する
GLP-1ダイエット薬と低用量ピルは、正しい知識を持って使用すれば併用できるケースがほとんどです。不確かな情報に惑わされず、自分が使用している薬の特徴を理解し、必要な注意点を守りながら安心して治療を続けましょう。
患者さん今日のお話を聞いて安心しました。GLP-1ダイエット中でも、基本的にはピルを続けられるんですね。
Dr.石川そのとおりです。ただし、マンジャロを使用している場合は、開始後や増量後の一定期間は追加避妊が必要になります。
患者さん薬によって違いがあることを知らなかったです。
Dr.石川『GLP-1ダイエット薬』という名前だけで判断せず、どの薬を使っているかを確認することが大切です。
患者さんもし体調が悪くなったり、妊娠を考え始めたりしたらどうすればいいですか?
Dr.石川そのような場合は、自己判断で薬を中止せず、医師や薬剤師へ相談してください。一人ひとりに合った方法を一緒に考えていきましょう。
参考文献
- Eli Lilly Japan K.K. マンジャロ®皮下注アテオス 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499410G1025_1_15/ - Eli Lilly and Company. Mounjaro (tirzepatide) Prescribing Information
https://pi.lilly.com/us/mounjaro-uspi.pdf - 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)マンジャロ® インタビューフォーム
https://www.info.pmda.go.jp/ - Novo Nordisk. ウゴービ®皮下注 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/ - Novo Nordisk. オゼンピック®皮下注 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/ - Novo Nordisk. リベルサス®錠 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/ - Novo Nordisk. サクセンダ®皮下注 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/ - Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare (FSRH). GLP-1 agonists and oral contraception Patient Information Leaflet
https://fsrh.org/ - Specialist Pharmacy Service (NHS). Considerations and management of interactions with GLP-1 receptor agonists and oral contraception
https://www.sps.nhs.uk/articles/considerations-and-interactions-with-glp-1-receptor-agonists/ - Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare (FSRH). Clinical Guideline: Combined Hormonal Contraception
https://fsrh.org/ - 日本産科婦人科学会(JSOG)
産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編
https://www.jsog.or.jp/ - 日本女性医学学会
女性ホルモン療法・避妊に関する診療情報
https://www.jmwh.jp/




