ダーマペンとヴェルベットスキンはどっちがいい?効果の違いとは

ヴェルヴェットスキン

肌本来の持つ自然治癒力を引き出して、美肌へと導く治療法に「ダーマペン」と「ヴェルベットスキン」の二つがあげられます。

肌にハリや弾力をもたらし、ニキビ跡やシミ・たるみ・毛穴の開きなど、さまざまな肌トラブルを改善する効果が期待できます。

ダーマペンもヴェルベットスキンも期待できる効果は似ていますが、どのような違いがあるのかをご存じでしょうか。

今回は、ダーマペンとヴェルベットスキンの違いについて詳しくまとめました

効果や痛み・ダウンタイムなどさまざまな観点から比較していますので、どちらを受けるべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

ヴェルベットスキンとは

ヴェルベットスキンとは、ダーマペンのあとにPRX-T33を使用したピーリング(マッサージピール、コラーゲンピール)を行うコンビネーション治療です。

ダーマペンで肌に無数の穴を形成したあと、美容成分を配合したマッサージピールを塗布していきます。

ダーマペンとマッサージピールは単体での施術も可能ですが、2つの施術を組み合わせることで相乗効果が生まれ、より効率的に肌トラブルの改善を目指せます。

ダーマペンとは

ダーマペンは、髪の毛よりも細い超極細針を用いて肌に無数の穴を形成し、自然治癒力を引き出す治療法です。

コラーゲンやエラスチンの生成を促して、ターンオーバーを整えることで、ハリとツヤのある肌へと導きます。

最新機種であるダーマペン4には、ペン先に16本の針がついており、1秒間に最大1920個もの微細な穴を形成。

また、肌トラブルに合わせて針の届く深さを0.2〜3mmに調節できる点も特徴です。

皮膚の表皮層・真皮層・皮下組織にアプローチが可能なため、ニキビやニキビ跡・しわ・たるみ・毛穴の開き・妊娠線など、さまざまな肌悩みを解消する効果が期待できます。

マッサージピールとは

マッサージピールは、医療機関専用のピーリング剤「PRX-T33」を、マッサージしながら肌に浸透させる治療法です。別名「コラーゲンピール」とも呼ばれています。

PRX-T

PRX-T33にはTCA(トリクロロ酢酸)、低濃度の過酸化水素、コウジ酸が配合されており、真皮層にアプローチしてコラーゲンの生成を促進させる作用があります。

肌質改善やハリ感の向上、色素沈着やニキビ改善などの効果が見込めるでしょう。

<マッサージピールに含まれる3つの成分>
・TCA(トリクロロ酢酸)真皮層にある線維芽細胞を刺激して、コラーゲンの生成を促進する働きを持つピーリング成分。
高い美肌効果が期待できる反面、強力な剥離作用と炎症作用があり、肌に強い刺激を与えるおそれが。
低濃度過酸化水素を混合することで、コラーゲンの産生を促す作用はそのままに、剥離や炎症を最小限に抑えられる。
・過酸化水素(H2O2)刺激が強いTCA(トリクロロ酢酸)から、皮膚表面を保護する役割を持つ成分。
低濃度の過酸化水素は、TCAよりも素早く肌へと浸透するため、ダメージを抑えてピーリングによる剥離作用を和らげる効果がある。
・コウジ酸メラニンを生成する酵素「チロシナーゼ」の活性を抑制する美白有効成分。シミやそばかす・色素沈着の改善・予防効果が期待できる。

マッサージピールは、低濃度過酸化水素の作用により、従来のピーリング治療のように皮膚剥離を起こすことがほとんどありません

肌への負担を最小限に抑えながら高い美肌効果を得られるため、気軽なエイジングケアとして注目を集めています。

ヴェルベットスキンで期待できる効果

ヴェルベットスキンは、ダーマペンとマッサージピール両方の効果を得られる点が特徴です。

マッサージピールに含まれる有効成分が肌の深部まで浸透しやすくなるため、単体で受けるよりも高い美肌効果が期待できます。

とくに、以下のような肌トラブルの改善に有効です。

  • ニキビ跡
  • ケアの開き、黒ずみ
  • しわ、たるみ
  • シミ、くすみ

 ニキビ跡

ニキビ跡は、ニキビの炎症によって周囲の組織がダメージを受け、色素沈着やクレーターなどが残ってしまう状態です。

とくに、凸凹としたクレーター状のニキビ跡は、肌の深部までダメージがおよんでいるため、自然治癒はほとんど期待できません。

ヴェルベットスキンで真皮層に働きかけ、肌のターンオーバーを促すことで、徐々にニキビ跡が目立たなくなるでしょう。

ただし、ヴェルベットスキンでは、ダーマペンの深さを比較的浅い0.2〜0.5mmに設定するのが一般的です。

そのため、深い部分にあるクレーターは、改善までに時間がかかるケースもあります。

 毛穴の開き、黒ずみ

ヴェルベットスキンは、毛穴の開きや黒ずみ・たるみ毛穴といった毛穴トラブルの改善にも効果的です。

コラーゲンの増生が促されると、肌のハリや弾力が向上して毛穴が目立ちにくくなります。

また、皮脂の過剰分泌が抑えられ、余分な皮脂や角栓を排出する効果も期待できるため、毛穴詰まりのないなめらかな肌をキープできるでしょう。

 しわ、たるみ

加齢とともにしわやたるみが目立ってきた方にも、ヴェルベットスキンはおすすめです。

減少したコラーゲンやエラスチンの生成を促し、ほうれい線や目元のしわ・顔全体のたるみを改善へと導きます。

 シミ、くすみ

ヴェルベットスキンにより肌のターンオーバーが整うことで、肌に蓄積したメラニン色素の排出が促され、シミやくすみの改善につながります。透明感のある肌へと近づけるでしょう。

さらに、マッサージピールに含まれるコウジ酸にはメラニンの生成を抑制する作用があるため、新たなシミ・そばかすの発生を予防する効果も期待できます。

ヴェルヴェットスキン

ダーマンとヴェルベットスキンの違いを比較

ダーマペンとヴェルベットスキンの大きな違いは、マッサージピールを塗布するかどうかです。

「効果」「値段」「痛み」「ダウンタイム」「回数や頻度」の5つの観点で比較していきましょう。

 効果の違い

ダーマペンのみでも、肌の再生力を高めてコラーゲンの生成を促す作用により、さまざまな肌トラブルの改善が目指せます。

しかし、ヴェルベットスキンでは相乗効果が生まれるため、さらなる美肌・美白・肌再生効果が期待できるでしょう。

マッサージピールのピーリング作用によって、角質除去や毛穴の引き締め、ニキビ跡の改善に高い効果を発揮します。

ヴェルベットスキンは、ダーマペンの効果にプラスして、肌のトーンアップや肌ざわりの良さも実感したい方におすすめです。

 値段の違い

多くの場合、ダーマペンにマッサージピールを加えるヴェルベットスキンのほうが値段は高くなります。

参考までに、当クリニックの料金を以下にまとめました。

ダーマペン¥16,800(税込)
ヴェルベットスキン¥26,800(税込)
※表面麻酔代として別途¥2,000(税込)いただいております。

マッサージピールの料金は1回¥11,000(税込)のため、それぞれ単体で受けるよりもヴェルベットスキンのほうがお得になります。

 痛みの違い

ダーマペンの施術では極細の針を使用するため、チクチクとした痛みを感じる方が多いです。

痛みの強さは針の深さによって異なり、針を深く刺すほど痛みが増します。しかし、施術中は麻酔が効いているため、我慢できないほどではないでしょう。

ヴェルベットスキンでは、ダーマペンの痛みに加えて、薬剤を塗布する際にヒリヒリと染みるような痛みや灼熱感が生じるといわれています。

こちらも麻酔によってある程度は軽減できますが、ダーマペン単体よりは痛みを感じやすくなることを覚えておきましょう。

 ダウンタイムの違い

ダーマペン単体では赤みが数日間続くのに対して、ヴェルベットスキンでは翌日に治まるケースが多い。

ダーマペンもヴェルベットスキンも、施術から3日〜1週間ほどは赤みや腫れ・かゆみ・内出血・皮剥けなどの副作用が生じます。

針の深さや肌質によっても変わりますが、ダウンタイムの期間はヴェルベットスキンのほうが短い傾向があります。これは、コラーゲンピールによって肌の再生力がより高まるためもありますが、ヴェルベットスキンを行う場合、針の深さを浅くしているためです。

たとえば、ダーマペン単体では赤みが数日間続くのに対して、ヴェルベットスキンでは翌日に治まるケースも見られます。ただし、ヴェルベットスキンのほうが皮剥けは起こりやすいです。

ダウンタイム中は肌が刺激を受けやすい状態のため、適切なアフターケアを心がけましょう。どちらも施術後のケア方法は同じです。

しっかりと保湿ケアを行って乾燥を防ぐとともに、紫外線対策を徹底してください。

また、施術直後は洗顔やメイク・入浴など禁止事項も多くあるため、必ず医師に確認しておきましょう。

 回数や頻度の違い

ダーマペンとヴェルベットスキンとも、3〜4週間に一度のペースで、5~8回程度治療を続けることを推奨。

必要な治療回数や頻度は、ダーマペンとヴェルベットスキンでそれほど差はありません。

肌トラブルの状態によって個人的はありますが、3〜4週間に一度のペースで、5~8回程度治療を続けることが推奨されています。

より高い美容効果が期待できるヴェルベットスキンのほうが、短い期間で大きな変化を得られる可能性があるでしょう。

基本的にはダーマペンもヴェルベットスキンも、複数回の治療を受けることが前提となります。

ハリ・弾力の向上や肌触りの変化は、1回で感じられるケースも多いですが、肌トラブルを改善するためには継続的な治療が欠かせません。

目に見える効果を実感できるまで、根気よく通院を続けましょう。

適切な頻度を守らずに短い間隔で何度も治療を重ねると、肌への負担が大きくなり、色素沈着や肌荒れを招く危険性があるため注意してください。

ダーマペンとヴェルベットスキンどっちがいい?

ヴェルベットスキンは、ダーマペンの肌再生効果をさらに高めたワンランク上の美容治療です。

より効率的に肌トラブルの改善を目指すのであれば、ダーマペン単体よりもヴェルベットスキンを検討しましょう。

とくに、ヴェルベットスキンはピーリング作用で古い角質を取り除くがあるため、毛穴トラブルに悩んでいる方にはおすすめです。

また、メラニンの排出を促すコウジ酸の働きにより、シミや色素沈着の改善にも高い効果が望めます。

ただし、クレーター状のニキビ跡など、ダーマペン単体のほうが効果的なケースもあります。

ヴェルベットスキンでは、マッサージピールの刺激が強くなりすぎないよう、ダーマペンで針を刺す深さに制限があるためです。

深い部分までダメージがおよんでいるアイスピック型のクレーターなどには、深い層までのアプローチが難しいヴェルベットスキンは向いていません。

それぞれの治療が向いている人の特徴を以下にまとめました。

<ダーマペンが向いている人>・重度のクレーターを改善したい・傷跡や妊娠線を治療したい・痛みに弱い・コストを抑えたい・コウジ酸アレルギーがある
<ヴェルベットスキンが向いている人>・高い美肌・美白効果を得たい・痛みに強い・毛穴の開きや黒ずみが気になる・色素沈着を改善したい・ダウンタイムを抑えたい

肌トラブルの症状が比較的軽く、総合的な美肌効果を得たい場合は、ヴェルベットスキンのほうが適しています

肌の悩みや予算・痛みなどを考慮して、最適な方法を選択しましょう。不安や疑問があれば、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。

施術の主な副作用・リスク

痛み:施術中、お肌の状態によってピリピリ感やヒリヒリ感などの刺激を感じることがあります。術後にピリピリと熱いような感じがすることがあります。通常1日程度で改善します。

ダウンタイム:施術後12時間は洗顔やメイクは避けて下さい。術後、かさぶたや皮むけができることがあります。無理にはがすと痕になることもありますので、自然にはがれるまでさわらないようにしてください。どうしても気になる場合や、ひどくなる場合はご相談ください。

腫れや赤み:術後はほてりを感じたり赤みを生じたりすることがあります。通常2~3日でおさまります。施術の影響で数日はお肌が乾燥した状態が続きます。しっかり保湿してください。

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