アートメイクをしたらMRIを受けられなくなる?

アートメイクを検討中の方々の中には、MRI検査を受けることに対する不安がある方もいるでしょう。
当院でもカウンセリング時に、患者様からこのような質問を多くいただきます。
「噂で聞いたことがある」「ネットで情報を見た」といった理由で、さまざまな情報が溢れている中での不安も理解できます。

結論としては、「現在のアートメイクはほとんどがMRI検査を受ける際に問題ありませんが、注意すべき事項も存在します。」
ここでは、アートメイク施術後にMRI検査を受ける際の留意点について詳しく説明していきます。

目次

MRI検査の注意事項に書かれていること

MRI検査に関する注意事項は以下の通りです。

  • アートメイクや刺青(入れ墨・タトゥー)をされている場合は、必ず医師に申告してください。
  • アートメイクをしている場合、MRI検査を受けられない可能性があります。

これらの措置は、アートメイクによって皮膚に色素が入っている場合、検査中にやけどを引き起こす可能性があるためです。
また、色素がMRI機器の磁場に影響を及ぼし、検査結果に誤差が生じる可能性も考慮されています。
ただし、現在のアートメイク技術ではこれらの問題がほとんど起こらないことが一般的です。

なぜMRI検査にこれらの注意事項があるのかを詳しく見ていきましょう。

MRI検査とは

MRI(磁気共鳴画像法)検査は、医療用の画像診断技術の一つで、強力な磁場と無線周波を使用して体内の詳細な断層画像を作成する方法です。
主に以下の点で特徴があります。

  1. 磁場と無線周波による画像生成
    MRIは、強力な磁場を利用して体内の水素原子の振動を観察し、それに応じて信号を生成します。
    この信号を基にコンピューターが詳細な断層画像を作成します。
  2. 非侵襲的な診断手法
    MRIはX線を使用しないため、放射線の被曝リスクが少ないです。
    また、切開や穿刺を伴わずに内部の構造や病変を見ることができます。
  3. 高解像度で詳細な情報を提供
    MRIは脳、脊髄、関節、内臓などの構造を非常に細かく見ることができ、医師が病変や疾患の診断や治療計画を立てるのに役立ちます。
  4. 異常な組織の検出
    MRIは特に脳や脊髄の腫瘍、神経系の病変、関節のソフトティッシュの損傷など、他の画像診断法では見逃されがちな異常を検出するのに優れています。

MRI検査は、診断や治療計画において重要な情報を提供するため、幅広い臨床状況で使用されています。

アートメイクをするとMRI検査を受けられないと言われる理由

アートメイクを施した部位には、通常、微量の金属成分を含む色素が使用されます。
これらの金属成分が、MRI(磁気共鳴画像診断)検査時に使用される強力な磁場や電磁波と相互作用することが問題とされています。

MRI検査では、患者が身につけている金属(例:時計、アクセサリー)が磁場に反応して身体に損傷を与えるリスクがあります。
アートメイクの色素に含まれる微量の金属成分も同様に反応し、検査画像の乱れや患者へのやけどのリスクが発生する可能性があるため、MRI検査の際には金属を全て外すよう指示されます。

そのため、アートメイクを施した部位がMRI検査を受ける際には、事前に担当医師や技術スタッフにその旨を申告し、適切な対応を行うことが必要です。

現在のアートメイクはほとんど問題なくMRI検査を受けられます

アートメイクのインクに含まれる金属成分が多量である場合、MRI検査を受けられない可能性があります。
ただし、現在日本国内のクリニックで使用されているインクには通常、微量の金属成分しか含まれていません。

MRI検査では、電磁波が金属成分に反応して診断画像の乱れを引き起こす可能性がありますが、微量であれば大きな影響はないと考えられています。
したがって、通常のアートメイクのインクであれば、MRI検査を受ける際に特別な問題が発生することはほとんどありません。
当院で使用しているアートメイクのインクも微量の金属成分しか含まれておらず、安心してMRI検査を受けることができるでしょう。

やけどのリスクが高いのはアイラインアートメイク

アートメイクには眉毛アートメイク(アイブロウアートメイク)や唇アートメイク(リップアートメイク)などさまざまな種類がありますが、特にやけどのリスクが高いのはアイラインアートメイクです。

アイラインアートメイクでは色素が円形に配置されているため、MRI検査時に電磁波がこの部分に照射されると、誘導電流が生じて熱が発生する可能性があります。
特に目を開けた状態でMRI検査を受けると、アートメイクがリング状になり、熱の発生リスクが高まることが考えられます。逆に目を閉じていれば、アートメイクは直線状に配置されるため、このリスクは低減されるとされています。

ただし、眉毛アートメイクや唇アートメイクでもやけどのリスクは完全にゼロではないため、MRI検査を受ける際には必ず医師にアートメイクの事前申告を行うようにしてください。

今回はアートメイクとMRI検査の関係についてお話ししました。
結論として、アートメイクをしていてもMRI検査は可能ですが、事前に医師に申告することや、施術直後はMRI検査を控えるなど、いくつかの注意点があります。

また、使用するインクの品質も重要で、MRI検査の影響を受けないようなインクを選ぶことが大切です。
安価なインクやFDA・CEの認可を受けていないインクは使用しないようにしましょう。
アートメイクを検討している方は、事前にクリニックで確認することをお勧めします。

当院では、MRI検査に影響のないインクを使用していますので、安心してアートメイクを受けていただけます。アートメイクについてのご相談や詳細については、お気軽に当院までご連絡ください。

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