アフターピルの副作用はいつからいつまで続く?起きる確率と副作用がこない場合の効果

吐き気 吐く 女性

アフターピルの服用後は、人によって程度の差はありますが、吐き気や下腹部痛、頭痛などの副作用が起きる場合があります。

副作用でつらい症状が出てしまった場合、どのように対処したらいいのか、効果は本当にあるのか、不安に思う方もいると思います。

この記事では、婦人科医である石川(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック院長)が、下記についてご説明しています。

  • アフターピルはどのような副作用が考えられるのか
  • アフターピルの副作用はいつからいつまで続くか
  • 副作用が起きる確率・こない人もいるのか
  • 副作用がない場合の避妊効果

この記事の執筆者

石川 聡司 日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

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目次

アフターピルの主な副作用と起こる確率

薬 錠剤

以下はアフターピルを飲んだ場合に起こりうる副作用と、その推定有病率です1, 2, 3, 4, 5, 6, 7)

副作用起きる確率
吐き気約50%
下腹部痛約18%
倦怠感約17%
月経の変化約16%
頭痛約14%
めまい約11%
乳房痛約10%

そのほか、起きる可能性のある副作用は以下のとおりです。

  • 生理周期の乱れ
  • 不正出血
  • 眠気
  • 下痢

また、より深刻な副作用として強い腹痛、激しい頭痛、重い胸の痛み、突然の息切れ、目のかすみや視力低下が起こる可能性があります。発生は非常にまれですが、直ちに医師の診察が必要です8)

程度の違いや症状の大小はあるものの、多くのかたに副作用が出現する可能性がありますが、ほとんどの副作用はアフターピル服用から24時間程度で消失します9)

服用から2時間以内に吐き戻すと避妊に失敗する可能性が高い

吐き気

アフターピルで最も起こりやすい副作用は、吐き気・悪心、嘔吐です。

アフターピル服用後2時間以内に吐き戻してしまった場合は、避妊の効果が十分に得られない可能性があります。

再度受診し、できるだけ速やかにもう一度アフターピルを服用する必要があります10)

服用後2時間以上時間がたってから嘔吐してしまった場合は、十分に薬剤が吸収されているため、追加でアフターピルを服用する必要はありません。

嘔吐を繰り返す場合は、別の緊急避妊法として銅付加子宮内避妊具(Cu-IUD)による避妊を考慮します。

副作用がこない人もいて、効果の有無に影響はない

アフターピルを服用しても、副作用がまったく起こらない人もいます11)。副作用の強さや種類、続く長さには個人差があり、人それぞれです。

副作用が全く出ないからといって、避妊効果の有無に影響はありません。副作用がみられなくても、通常と同確率の避妊効果は得られます。

アフターピルの種類によって副作用の強さが違う

アフターピルには次の3つの種類があり、それぞれ服用方法や副作用の出現頻度が異なります。

  • レボノルゲストレル法
  • エラワン
  • ヤッペ法

日本では、レボノルゲストレル法が承認されており、推奨されていますが、新しい緊急避妊薬として「エラワン」も海外では注目されています。

日本未承認ではありますが、有効な服用までの時間が120時間と延長され、時間が経過しても避妊率が下がりにくいという報告があるため、欧米では主流のアフターピルとなってきています。

以下に3つの緊急避妊方法の比較表を掲載します。

レボノルゲステロル法エラワンヤッペ法
性行為から服用までのタイムリミット72時間以内120時間以内72時間以内
72時間以内の避妊率97.5%97.7%96.8%
120時間以内の避妊率95.2%98.7%
主要成分レボノルゲストレルウリプリスタール酢酸エステルノルゲストレル
エチニルエストラジオール
副作用の強さ弱い弱い強い
安全性
主な薬ノルレボ
レボノルゲストレル
エラワンプラバノール
服用回数1回1回2回
1回の服用錠数1錠1錠2錠
金額(当院)10000円10000円
主なアフターピルの違い

最も副作用が強いのは「ヤッペ法」

3つのアフターピルの種類の中で最も副作用が強いのがヤッペ法で、吐き気や悪心が約50%程度の方におこり、約15%程度が嘔吐してしまうと言われています。

その他に下腹部痛、頭痛、だるさ、下痢なども低い確率で認められます12)

1998年にWHO が行ったレボノルゲストレル法群と ヤッペ法群を比較した試験によると、有効性・安全性ともにレボノルゲストレル法群の優位性が確認されています2)

レボノルゲストレル法は国内で緊急避妊薬として承認されている

レボノルゲストレル法の主な副作用は消退出血・不正出血、頭痛、悪心、倦怠感、めまいなどです。

レボノルゲストレル製剤が国内では唯一緊急避妊薬として承認されているため、レボノルゲストレル法を第一選択とすることが推奨されます。

ヤッペ法は他の緊急避妊法が利用できない場合においてのみ使用することが推奨されています10)

エラワンは未承認だが効果時間が長い

エラワンの副作用はレボノルゲストレル法と同等です。

日本ではまだ未承認ですが、性交後120時間まで使用できることに加えて、他の方法にくらべて時間が経っても避妊率が落ちにくいという特徴があります。

このため、欧米ではエラワンが主流のアフターピルとなっています13, 14, 15)

アフターピルの効果時間や避妊率を詳しく見る

アフターピルの副作用はいつからいつまで続く?

女性 ベッド上安静

以下はアフターピルの主な副作用と発現時間、一般的な持続期間です。

副作用服用後の発現時間持続期間
吐き気2~4時間後24~48時間
下腹部痛2~4時間後24~48時間
倦怠感2~4時間後48~72時間
月経の変化次の月経周期内次の月経周期まで
頭痛2~4時間後24~48時間
めまい2~4時間後24時間~48時間

アフターピル服用後の副作用は、一般的に服用から数時間以内に起こりますが、個人差が大きいです。

多くの人はだいたい24時間~48時間以内(期間として1~2日間)に症状が収まるため、一日安静にしていれば心配はありません。

2回服用のヤッペ法の場合は、それぞれに24時間程度副作用が出現する可能性があるため、他の方法に比べて副作用の時間が延びる場合があります。

副作用がつらい場合の対処法

アフターピルを飲んで副作用が出た場合、多くは24時間程度で軽快するため、安静にしてゆっくりと過ごしましょう。

注意したい副作用は薬の嘔吐で、吐いてしまった場合は飲んでからの経過時間が2時間を越えているかどうかで対処を判断してください。

アフターピル服用後は安静に過ごす

安静にする

程度の差はありますが、副作用が出る方が多いので、アフターピル服用後は一日程度なるべく安静に過ごすのをおすすめします。

症状がつらい場合は市販の制吐薬・頭痛薬・解熱剤・胃腸薬などを併用しても構いません。

繰り返すような嘔吐や、明らかに異常な症状が出た場合は、アフターピルを処方したクリニックに相談してください。

また、肝障害や心疾患、腎疾患の既往歴などがある場合は、服用が可能かどうかも含めて担当医によく相談してください。

結核の薬、てんかんの薬、抗エイズウイルス薬などは併用ができないので、必ず確認しましょう。

また、セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含むサプリや健康食品は、併用してしまうとアフターピルの効果を下げる可能性があるため、摂取を控えてください10)

どうしても吐いてしまう場合はIUD(銅付加子宮内避妊具)も視野に入れる

IUD イラスト

嘔吐が続いてしまい、どうしてもアフターピルでの避妊が難しい場合は、Cu-IUD(銅付加子宮内避妊具)という方法もあります。

IUD(子宮内避妊具)とは、避妊目的で子宮内に挿入する器具で、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぎ、妊娠を阻害します。

さらに銅付加IUDは、精子の運動性を抑えたり、精子と卵子の受精を妨げる働きもあり、高い避妊効果を発揮します。

Cu-IUD(銅付加子宮内避妊具)は、避妊に失敗した性交後120時間以内に挿入します。Cu-IUD による 緊急避妊法 の失敗率は 1%未満です7, 8, 9, 10)

アフターピルの副作用を見越して病院でしてもらえること

アフターピルの一番の副作用である、吐き気・嘔吐を抑える方法として、以下の2点が考えられます。

  • 吐き気止めを処方してもらう
  • 1回分多くアフターピルを処方してもらう

吐き気止めをアフターピルと一緒に処方してもらう

薬を飲む 女性

吐き気が心配な場合、または以前アフターピルを服用したときに嘔吐してしまった場合などは、クリニックで吐き気止めを一緒に処方してもらうようご相談ください。

前述しましたが、アフターピルは服用後2時間以内に吐いてしまうと、避妊効果が十分に得られなくなってしまい、再度服用する必要がでてきます。

また、アフターピルの効果を充分に得るためには性交後72時間以内というタイムリミットも存在します。

心配な場合は、あらかじめ担当医に相談し、吐き気止めも一緒に処方してもらいましょう。ドラッグストアなどで市販されている吐き気止めを飲むのも対策の1つです。

吐いてもすぐ飲めるように1回分多く処方してもらう

クリニックによっては、嘔吐してしまった場合に備えて2回分のアフターピルの処方に応じてくれるところもあると思います。

2回分のアフターピルがあれば、嘔吐してしまったときにすぐ飲み直しができるというメリットがあります。

一方で副作用の判断を自分で行うのは難しく、嘔吐が続くようであれば、Cu-IUD(銅付加子宮内避妊具)という別の緊急避妊法に切り替える必要がある場合もあり、再度クリニックを受診しないデメリットもあります。

心配な場合は、アフターピルを処方したクリニックへの相談をおすすめします。

まとめ

アフターピルを服用した場合の副作用について詳しく解説しました。

  • アフターピルで起こる副作用は吐き気が最も多く、下腹部痛、倦怠感なども起こる
  • アフターピルの副作用は服用後2~4時間後に起こり、24~48時間程度続く
  • アフターピル服用後、吐き気が起きる方は約50%、下腹部痛は約18%
  • 副作用がない人もいて、避妊効果が無かったわけではない

多くの場合、副作用は服用後2~4時間ごに発現し、24時間程度で軽快するため心配はいりません。

不安な点、心配な点は担当医によく相談してから服用するようにご注意ください。

アフターピルの副作用Q&A

アフターピルを服用した後に出血がありますが、正常ですか?

アフターピルを服用した後の出血は「消退出血」と呼ばれ、一般的なものであり正常です。

通常、ピル服用後1週間以内に始まり、数日後には収まります。

出血量が非常に多い、または長引く場合は医療機関を受診してください。

また、出血とともに激しい痛みを伴う場合、不正出血や子宮外妊娠の可能性があり、すぐに医師の診察が必要です。

アフターピルの副作用が無い場合、効果が無いと考えてよいですか?

副作用の有無はアフターピルの効果とは無関係です。

副作用が続く場合、何をすればいいですか?

副作用が長期間続く場合や、重度の場合は医師に相談してください。

アフターピルの副作用はいつから始まりますか?

副作用は、一般的に服用後2~4時間程度で発現します。

アフターピルの副作用は何日間続きますか?

多くの場合は数日で消失します。個人差はありますが、長くとも24時間~48時間以内に症状が治まるのが一般的です。

副作用が出ると、妊娠していない証拠ですか?

副作用の有無は妊娠の有無を示すものではありません。

アフターピルの副作用はすべての女性に現れますか?

アフターピルを服用した全員が副作用を経験するわけではなく、副作用がない人もいます。

ただし、少なくとも一つ以上の副作用が起きるのが一般的です。

アフターピルを服用してからの性行為は副作用に影響を与えますか?

アフターピル服用後の性行為により副作用を引き起こすことはありませんが、アフターピルは服用後の性行為への避妊効果はないため、適切な避妊が必要です。

副作用が現れない場合、再度アフターピルを服用する必要がありますか?

副作用がないからといって、再度アフターピルを飲む必要はありません。

副作用の有無は、アフターピルの効果とは無関係です。

参考文献

1) Creinin, M. D., Schlaff, W., Archer, D. F., et al. (2006). Progesterone receptor modulator for emergency contraception: a randomized controlled trial.

2) Task Force on Postovulatory Methods of Fertility Regulation. Randomised controlled trial of levonorgestrel versus the Yuzpe regimen of combined oral contraceptives for emergency contraception. Lancet 1998; 352: 428-433 doi:10.1016/S0140-6736(98)05145-9

3) Fine, P., Mathe, H., Ginde, S., Cullins, V., Morfesis, J., & Gainer, E. (2010). Ulipristal acetate taken 48–120 hours after intercourse for emergency contraception.

4) Piaggio, G., von Hertzen, H., Grimes, D. A., & Van Look, P. F. (1999). Timing of emergency contraception with levonorgestrel or the Yuzpe regimen.

5) Glasier, A., Cameron, S.T., Blithe, D., et al. (2011). Can we identify women at risk of pregnancy despite using emergency contraception? Data from randomized trials of ulipristal acetate and levonorgestrel.

6) Arowojolu, A. O., Okewole, I. A., & Adekunle, A. O. (2002). Comparative evaluation of the effectiveness and safety of two regimens of levonorgestrel for emergency contraception in Nigerians.

7) Cheng, L., Che, Y., Gülmezoglu, A. M. (2008). Interventions for emergency contraception.

8) World Health Organization (WHO). (2012). Emergency contraception.

9) Trussell, J., Rodriguez, G., & Ellertson, C. (1999). Updated estimates of the effectiveness of the Yuzpe regimen of emergency contraception.

10) 日本産婦人科学会. 緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成28年度改訂版)

11) Grimes, D.A., Raymond, E.G., & Scott Jones, B. (2008). Emergency contraception over-the-counter: the medical and legal imperatives.

12) 北村邦夫. プロゲスチンと臨床応用(5) 緊急避妊法とプロゲスチン. HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY . 2010;17(2):44-53

13) An Update on Emergency Contraception. Am Fam Physician. 2014 Apr 1;89(7):545-550.

14) Cheng L, Che Y, Gülmezoglu AM. Interventions for emergency contraception. Cochrane Database Syst Rev. 2012;(8):CD001324. doi: 10.1002/14651858.cd001324.pub4 

15) Glasier AF, Cameron ST, Fine PM, et al. Ulipristal acetate versus levonorgestrel for emergency contraception: a randomised non-inferiority trial and meta-analysis. Lancet. 2010;375(9714):555–562. doi: 10.1016/s0140-6736(10)60101-8 

16) Trussell J, Koenig J, Ellertson C, Stewart F. Preventing unintended pregnancy: the cost-effectiveness of three methods of emergency contraception. Am J Public Health 1997; 87: 932-937. doi: 10.2105/ajph.87.6.932 

17) Wellbery C. Emergency contraception. Arch Fam Med 2000; 9:642-646. doi: 10.1001/archfami.9.7.642 

18) Liying Z, Bilian X. Emergency contraception with Multiload Cu-375SL IUD: a multicentre clinical trial. Contraception 2001; 64: 107-112. doi: 10.1016/s0010-7824(01)00231-1 

19) Ho PC, Tang OS, Ng EHY. Emergency contraception. Rev Gynaecol Pract 2003; 3: 98-102. doi: 10.1016/s1471-7697(03)00044-3 

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