[aisatu morning=”おはようございます。” noon=”こんにちは。” evening=”こんばんは。”]院長の石川(産婦人科専門医)です。
乳液はスキンケアの基本アイテムの一つですが、効果や正しい使い方を理解しないままとりあえず使っているという方も多いのではないでしょうか。
化粧水や美容液に比べて、はっきりした使用目的や美容効果がわかりにくい乳液。実際は正しく使えていないと他のアイテムの効果も薄れてしまうといわれるほど、スキンケアにおいて重要な存在です。
そんな乳液の効果や使用するメリット、正しい使い方、種類、自分に合った乳液の選び方などを解説します。
この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
乳液の効果
一般的に乳液の役割は、「肌の油分と水分を補い、保つ」ことだといわれています。
化粧水の成分のほとんどは水でできていますが、乳液は油分と水分がバランスよく配合されているのが特徴です。
洗顔後、皮脂膜が洗い流されてしまった状態の肌に乳液の油分で膜をつくることで、直前に使用した化粧水や美容液の成分を閉じ込め、蒸発することを防ぐ効果があるといわれています。
乳液を使うメリット
乳液を使う主なメリットは、肌の保水力を高め、乾燥を防ぐことです。
角質層を柔らかくする働きもあるため、使い続けることによってガサつきやゴワつきなどの乾燥からくる肌トラブルを予防し、しっとりと吸いつくような肌に導いていく効果も期待されます。
また、乳液の中には保湿だけでなく、紫外線対策や化粧下地の役割を備えたものも。
続いて、乳液の種類とそれぞれの効果について詳しく解説していきます。
乳液の種類
乳液の種類は主に以下の3種類に分類することができます。
- 保湿乳液
一般的に乳液として知られているのが保湿乳液です。水分と油分を含んだ乳液に保湿成分を加えたもので、化粧水の後に使うことで肌に適度な油分を与え、潤いを保ちます。
- UV乳液
通常の保湿乳液に、UVカット成分を加えたものをいいます。紫外線を防ぐ効果があるため、朝のお手入れや、日中、外にいることが多い方におすすめです。
- ティント乳液
色がついていて、肌を明るく見せる効果のある乳液です。保湿ケアとともに軽い化粧効果を得られ、化粧下地として使用できるため、朝あまり時間を取れない方におすすめの乳液です。
それぞれの効果や違いを理解し、目的やライフスタイルに合わせて選びましょう。
乳液を付ける順番

乳液の効果を最大限に得るためにも、基礎化粧品は正しい順番で使用しましょう。
- 洗顔
しっかり泡立てた泡で汚れを絡め落とすイメージで、やさしくしっかり洗いましょう。
- 化粧水
洗顔後、間を置かずにつけましょう。
- 美容液
手のひらで少し温めてから、2~3回に分けてつけていきましょう。乾燥や小じわなどが気になる部分には重ね付けしましょう。
- 乳液
化粧水・美容液の後、手のひらで温めてから少しずつ顔全体につけていきます。テカリが気になる時はTゾーンを薄めにする、乾燥が気になる部分には重ね付けするなど調整するとよいでしょう。
- クリーム
適量を手に取り軽く温めてから、鼻の頭、おでこ、頬、あごというように、ちょんちょんと顔の数か所に配置してから、軽く伸ばしていきましょう。
乳液の適量

乳液を付ける方法として、手で付ける方法とコットンで付ける2通りの方法が。一般的な目安となる適量を説明していきますが、1回に使用する適量はメーカーや商品によって異なります。メーカーが推奨する使用量が不明な場合の参考にしてください。
手で付ける場合
手で付ける場合の適量は、1円硬貨大~10円硬貨大くらいが目安です。容器を2~4回ほど振って出てくる程度の量と考えてください。
手で付ける場合に注意したいことは、手が清潔に保たれていることです。
汚れた手で付けてしまうと、手に付いている雑菌によって肌トラブルを起こしてしまう可能性があるので気をつけましょう。
コットンで付ける場合
コットンで付ける場合の適量は10円硬貨大が目安です。容器を5~6回ほど振って出てくる程度の量と考えてください。
コットンで付ける場合に気を付けたいのは、量が少なくないかという点。乳液の量が少ないと、コットンとの摩擦で肌に刺激が加わってしまいます。
乳液の正しい付け方
乳液の正しいつけ方について、手で付ける場合とコットンで付ける場合の2通りに分けて解説していきます。マッサージなどは動画を見ながら実践してみてください。
手で付ける場合
乳液を手で付ける場合の手順は以下のとおりです。
- 手のひらに少量の乳液を出します。一度に適量すべてを付けてしまうのではなく数回に分けてつけていきます。
- 手のひらから指先まで全体に広げ乳液をあたためます。
- 手のひらから指の先まで全体で、やさしく顔を包みながらつけていきます。この際皮膚をこすったりひっぱったりしないよう、気を付けて行いましょう。
- いったん手を離し、もう一度やさしく包みなおし、手で温めるようにゆっくりと肌になじませていきます。
- 1~4を適量が使用できるまで何度か繰り返して行います。
- すべての量を顔全体に広げ終わったら、最後は顔全体を手のひらでやさしく包み、肌に浸透させていきましょう。
乾燥している時などは、気になる部分に重ね付けするとよいでしょう。
コットンで付ける場合
乳液をコットンで付ける場合の正しい付け方は以下のとおりです。
- 適量をコットンの中央に取ります。適量は商品によって異なりますが、10円硬貨大を目安にしてください。この時、コットンを二つ折りにすると、たれ落ちを防ぐことができます。
- コットンを横長に持ち、中指と人差し指に挟むようにしてしっかりと持ちます。四本の指を揃え、軽く手を丸めて持つと、顔へのフィット感が高まります。
- 頬や額など顔の広い部分から、肌表面を滑らせながら軽く引き上げるようになじませていきます。顔の丸みにフィットさせるように中心から外側に向かってゆっくりと行いましょう。
- 広い部分につけ終わったら、目元や口元、鼻などの細かい部分につけていきます。
目元はこすらないようにやさしく滑らせましょう。乾燥しやすい部分は重ね付けすると効果的です。
乳液の効果をUPさせる7つのコツ
特別なケアをしなくても、毎日のスキンケアの効果を高めることで、今より美しい肌を目指すことができます。乳液の効果をより高める7つのコツをみていきましょう。
化粧水が浸透するのを待つ
肌が化粧水で濡れている状態で付けてしまうと、乳液の保湿効果が半減してしまいます。十分な効果を得るためにも1~2分程度、化粧品が浸透するのを待ってから乳液を塗りましょう。
美容液の場合も同様です。化粧水に含まれる美容成分が肌にしっかりなじんだことを確かめてから、美容液や乳液に含まれる油分で蓋をしましょう。
肌をこすりすぎない
乳液を付けるときに気を付けたいのは、肌をこすらないことです。肌をこすると摩擦によって傷がつき、色素沈着やシミの原因に。また強く皮膚をひっぱることは、たるみやしわの原因にもなります。
塗りすぎも禁物
保湿効果を得たいからといって乳液を塗りすぎてしまうと、美肌になるどころか、毛穴を詰まらせニキビができてしまうなど肌トラブルにつながりかねません。乳液は肌の調子をみながら、適量を守って使用することが大切です。
皮脂が多めの部分に塗りすぎない
Tゾーンや鼻など皮脂の多い部分に乳液を塗りすぎると、皮脂が毛穴に詰まってニキビや黒ずみの原因になることがあります。普段からテカリやすいという方は、Tゾーンや鼻などにはあまり塗らないようにしたほうがよいでしょう。
肌を温めてから使用する
乳液は油分を多く含んでいるため、温かくするとなじみやすい性質を持っています。肌を温めてから使用すると、より浸透して保湿効果の高まりが期待できます。夜なら入浴後、朝ならホットタオルなどで肌をしっかりと温めてから、乳液を使うのがおすすめです。
季節に合った使い分けをする
季節の移り変わりによる温度や湿度の変動は、肌の調子に大きな影響を与えます。夏から秋にかけての皮脂が多い季節はさっぱりタイプのものを使う、秋から冬にかけての乾燥している季節は保湿力の高いものを使うなど、乳液も季節によって使い分けると、より効果が。
肌質にあった塗り方をする
乳液の効果をより得るためには、肌質にあった塗り方をすることも大切です。
- オイリー肌
Tゾーンや鼻のまわりなど皮脂の多い部分は避けて、乾燥しやすいUゾーンを中心につけるようにする。
- 乾燥肌
適量を全体的になじませた後、乾燥しやすい目元や口元などに重ね付けをする。
- 敏感肌
アルコールフリーなど低刺激のものを選び、肌の調子を見ながら使用する。
ニキビがあるときの乳液の使い方

思春期ニキビの場合はアクネ菌を殺菌する効果のある乳液を使うと良いでしょう。
一方、大人ニキビの場合は、アクネ菌を殺菌する効果のあるものでは、常在菌まで殺してしまうことがあるためおすすめできません。保湿力があり、水分と皮脂のバランスを整えてくれる効果のあるオイルフリーの乳液を選ぶと良いでしょう。
油はニキビの栄養となってしまうため、乾燥が気になる部分だけオイルが配合されているクリームなどで保湿し、ニキビの部分にはなるべく油分を塗らないように気を付けましょう。
乳液を使ったスペシャルケア
乳液を使ったスペシャルケアを紹介します。スペシャルケアは毎日続けると肌への負担になることもありますので、2~3日おきに行うようにしてください。
乳液パック
- 化粧水で整えたあと、乳液を多めに手に取って、たっぷりと肌が隠れるほどに塗ります。
- そのまま20分ほど乳液が完全に透明になるまで待ちます。このときにラップで覆うとより保湿効果が高まるといわれています。
- 余分な脂をティッシュで軽く押さえてオフして終了です。
注意点として、乳液パックは毛穴を塞いでしまうおそれがあるため、ニキビがある時にはおすすめできません。
乳液コットンパック
- 化粧水~乳液など通常のスキンケアを行ったあと、2枚に割いたコットンに乳液を広げます。量は普段の適量よりやや多めから、お好みに合わせて調節してください。
- 頬など毛穴が気になっている部分にはりつけ、10分ほどおいてからはがします。
- 肌に残っている乳液は顔全体に、伸ばしてなじませて終了です。
つけたまま放置してしまうと、逆にコットンに水分を摂られてしまうため、コットンが乾燥しないうちに止めることがポイントです。
シートマスク+乳液で効果UP
- 化粧水で整えたあと、シートマスクをはります。
- マスクの上から乾燥が気になる部分に乳液を塗っていきます。
- そのまま5分待ちます。
- 5分後シートを裏返して肌にはり、もう5分ほどおきます。美容液成分と保湿成分がよりしっかりと浸透して肌をしっとりとなめらかに整える効果が期待できます。
シートマスクと乳液の両方とも香りが強い商品を使用すると、香りが不自然に混ざり合うことがあります。香りに敏感な方は注意してください。
まとめ
乳液の効果と、乳液を使うメリット、正しい使い方、より効果的な使用方法などを紹介してきました。
乳液は美容液やクリームに比べて注目される機会は多くありませんが、正しく使用すれば、確かなスキンケア効果が期待できます。
正しい乳液の使い方を実践して、潤いのある美しい肌を手に入れてください。