低用量ピルを服用している方のなかには、ダイエット目的でマンジャロの使用を検討している方もいるのではないでしょうか。
しかし、低用量ピルとマンジャロを併用する際には、避妊効果への影響に注意が必要です。
マンジャロ(チルゼパチド)には、胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせる作用があります。そのため、経口避妊薬の吸収に影響し、避妊効果が低下する可能性が指摘されています。
普段から低用量ピルを正しく服用していても、マンジャロを始める際には、避妊方法を見直す必要があるかもしれません。
この記事では、低用量ピルとマンジャロの併用で注意したいことや、避妊効果への影響、マンジャロの開始・増量時に気をつけたいポイントについて、わかりやすく解説します。
この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
低用量ピルとマンジャロは併用できる?
低用量ピルを服用している方がマンジャロを使用する場合、特に注意したいのが避妊効果への影響です。
低用量ピルとマンジャロは、それぞれ異なる目的や作用を持つ薬ですが、併用する際には薬の相互作用を考慮する必要があります。
低用量ピルとマンジャロの併用で注意したいこと
低用量ピルは、女性ホルモンの働きを利用して排卵を抑制するなど、避妊効果を発揮する薬です。一方、マンジャロは、GIPとGLP-1という2つの受容体に作用し、血糖値の改善や食欲の調節などに関与する薬です。
両者は作用する仕組みが異なりますが、マンジャロには胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせる作用があります。この作用によって、飲み薬の吸収に影響が生じる可能性があります。
そのため、低用量ピルを服用している方がマンジャロを始める場合は、避妊効果を維持するための対策について、事前に医師へ相談することが大切です。
なお、マンジャロを併用すると、必ず低用量ピルの避妊効果が低下するというわけではありません。 ただし、影響する可能性がある以上、これまでどおりの避妊方法で問題ないと自己判断しないことが重要です。
ダイエット目的でマンジャロを使用する場合も注意が必要
マンジャロは2型糖尿病の治療薬ですが、体重減少を目的として使用を検討する方もいます。
ダイエット目的で使用する場合であっても、胃内容排出を遅らせる作用など、薬そのものの性質が変わるわけではありません。そのため、低用量ピルを服用している方は、使用目的にかかわらず避妊への影響を考慮する必要があります。
特に、妊娠を希望していない方は、マンジャロを始める前に、服用中のピルの種類や避妊方法について医師に伝えておきましょう。
マンジャロの使用を検討しているからといって、自己判断で低用量ピルを中止する必要はありません。ピルを中止すれば避妊効果も失われるため、併用の可否や適切な避妊方法について、医師と相談しながら判断することが大切です。
次のセクションでは、マンジャロによって低用量ピルの避妊効果が低下する可能性がある理由について、もう少し詳しく解説します。
患者さん先生、普段から低用量ピルを飲んでいるのですが、マンジャロを使っても大丈夫ですか?
Dr.石川併用を検討することはできますが、注意が必要です。マンジャロには胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせる作用があり、ピルの吸収に影響する可能性があります。
患者さんピルを毎日きちんと飲んでいても、注意したほうがいいのでしょうか?
Dr.石川はい。飲み忘れがなくても、薬の相互作用によって影響を受ける可能性があります。マンジャロを始める前に、服用中のピルの種類を伝えて、避妊方法について相談しましょう。
マンジャロで低用量ピルの避妊効果が低下する可能性がある理由
マンジャロと低用量ピルを併用する際に注意したいのは、マンジャロが胃の働きに影響を与えることです。
マンジャロは注射薬ですが、胃内容排出を遅らせる作用があるため、低用量ピルのような飲み薬の吸収にも影響する可能性があります。
ここでは、その仕組みについて詳しく解説します。
マンジャロには胃内容排出を遅らせる作用がある
マンジャロの有効成分であるチルゼパチドは、GIP受容体とGLP-1受容体に作用する薬です。
血糖値の調節などに関与するほか、胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせる作用があります。
通常、飲み薬は胃から腸へ移動し、主に小腸などで吸収されて全身に作用します。しかし、胃内容排出が遅くなると、薬が吸収されるまでの時間や、血液中に取り込まれる量に変化が生じることがあります。
マンジャロの添付文書でも、胃内容排出を遅らせる作用によって、併用する経口薬の吸収に影響する可能性が示されています。
この影響は、低用量ピルについても注意が必要です。
経口避妊薬の吸収が変化すると何が起こる?
低用量ピルには、エストロゲンとプロゲスチンという女性ホルモンが含まれています。これらのホルモンが作用することで排卵が抑制され、適切に服用することで高い避妊効果が得られます。
しかし、マンジャロを使用すると、経口避妊薬の吸収に影響が生じる可能性があります。
実際に、米国のマンジャロの添付文書では、経口避妊薬との併用によって、避妊薬に含まれるホルモンの血中濃度や最高血中濃度などが低下することが示されています。
そのため、マンジャロを使用する際には、経口避妊薬の避妊効果が低下する可能性を考慮し、追加の避妊対策を検討する必要があります。
ただし、薬の血中濃度が低下することと、実際に避妊に失敗する確率が高くなることは、必ずしも同じではありません。 すべての人で避妊効果が低下するという意味ではないため、必要以上に不安になる必要はありません。
ピルを毎日正しく飲んでいても注意が必要
低用量ピルは、毎日決められた方法で服用することで避妊効果を発揮します。
そのため、普段から飲み忘れがなく、正しく服用している方は、避妊について安心しているかもしれません。
しかし、マンジャロとの併用では、ピルの飲み忘れとは別に、薬の吸収に影響が生じる可能性があります。
つまり、ピルを毎日きちんと飲んでいるからといって、マンジャロとの併用時にも避妊効果が必ず維持されるとは限りません。
マンジャロの使用を開始するときや投与量を増やすときには、追加の避妊対策が必要かどうか、医師に確認することが大切です。
次のセクションでは、マンジャロを始めるときや増量するときに、具体的にどのような避妊対策を取ればよいのかを解説します。
患者さんマンジャロは注射薬なのに、どうして飲み薬のピルに影響するのですか?
Dr.石川マンジャロには、胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせる作用があるためです。その影響で、飲み薬の吸収のされ方が変わる可能性があります。
患者さんということは、マンジャロを使うと必ずピルの避妊効果が落ちるのですか?
Dr.石川必ず低下するというわけではありません。ただし、米国の添付文書では、経口避妊薬に含まれるホルモンの血中濃度などが低下することが示されています。そのため、避妊効果への影響を考えて対策を取ることが大切です。
マンジャロを始めるとき、低用量ピルの避妊効果をどう守る?
低用量ピルを服用している方がマンジャロを始める場合、避妊効果を維持するために、追加の避妊対策を検討することが重要です。
米国のマンジャロの添付文書では、経口避妊薬を使用している方に対し、マンジャロの投与開始後4週間と、投与量を増やした後4週間は、経口避妊薬以外の避妊方法に切り替えるか、バリア法による避妊を追加することが推奨されています。
では、具体的にどのような点に注意すればよいのでしょうか。
マンジャロ開始後4週間は追加の避妊対策を検討する
マンジャロを使い始めると、胃内容排出を遅らせる作用によって、経口避妊薬の吸収に影響が生じる可能性があります。
そのため、米国の添付文書では、マンジャロの投与開始後4週間について、経口避妊薬以外の避妊方法に切り替えるか、追加の避妊対策を行うことが推奨されています。
追加の避妊対策として挙げられるのが、コンドームなどのバリア法です。
普段から低用量ピルを正しく服用している場合でも、マンジャロを始める際には、ピルだけに頼らない避妊方法を検討しましょう。
なお、これは米国の添付文書に基づく注意事項です。日本国内でマンジャロを使用する場合は、国内の最新の添付文書や医師の指示を確認してください。
マンジャロを増量した場合も注意が必要
マンジャロは、治療経過に応じて投与量を段階的に増やすことがあります。
このときも、経口避妊薬への影響に注意が必要です。
米国の添付文書では、マンジャロの投与量を増やした後も4週間、経口避妊薬以外の避妊方法への切り替え、またはバリア法による追加の避妊が推奨されています。
つまり、マンジャロを使い始めたときだけでなく、投与量を増やすたびに、追加の避妊対策が必要になる可能性があるということです。
例えば、マンジャロの投与を開始した後、医師の指示で増量する場合には、そのタイミングで避妊方法についても確認しておくとよいでしょう。
自己判断で投与量を変更したり、避妊対策を省略したりしないことが大切です。
ピル以外の避妊方法に切り替える選択肢もある
マンジャロの使用中に避妊効果を維持する方法としては、コンドームなどを追加で使用するほか、経口避妊薬以外の避妊方法に切り替える選択肢もあります。
例えば、子宮内避妊具(IUD)や、黄体ホルモンを子宮内に放出する子宮内システム(IUS)などがあります。
これらは経口避妊薬とは異なる方法で避妊効果を発揮するため、マンジャロによる胃内容排出の遅延の影響を受けません。
ただし、すべての人に同じ避妊方法が適しているわけではありません。費用や使用期間、体への負担、持病なども考慮して選ぶ必要があります。
また、低用量ピルを月経困難症などの治療目的で服用している方は、避妊方法を変更することで月経に関する症状にも影響する可能性があります。
そのため、自己判断で低用量ピルを中止するのではなく、マンジャロの処方医や婦人科医に相談し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
次のセクションでは、マンジャロの使用中に起こることがある吐き気や嘔吐、下痢などの副作用と、低用量ピルへの影響について解説します。
患者さんマンジャロを始める場合、ピル以外の避妊方法も必要ですか?
Dr.石川米国の添付文書では、マンジャロの開始後4週間は、経口避妊薬以外の避妊方法に切り替えるか、コンドームなどのバリア法を追加することが推奨されています。
患者さんマンジャロを増量したときも、同じように注意が必要ですか?
Dr.石川はい。米国の添付文書では、増量後も4週間、追加の避妊対策が推奨されています。日本国内で使用する場合は、国内の添付文書や医師の指示も確認し、自分に合った方法を選びましょう。
低用量ピルを飲んでいる人が注意したいマンジャロの副作用
マンジャロを使用すると、吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状が現れることがあります。
こうした副作用は、低用量ピルを服用している方にとっても注意が必要です。嘔吐や激しい下痢が起こると、服用したピルが十分に吸収されず、避妊効果に影響する可能性があるためです。
マンジャロと低用量ピルを併用する場合は、薬の相互作用だけでなく、消化器症状が起きたときの対応についても知っておきましょう。
吐き気や嘔吐が起こることがある
マンジャロの副作用として、吐き気や嘔吐などが報告されています。特に、使用開始時や増量時には、こうした消化器症状に注意が必要です。
低用量ピルを服用した後に嘔吐すると、ピルの成分が十分に吸収されていない可能性があります。
ただし、避妊効果への影響は、ピルを服用してから嘔吐するまでの時間や、使用しているピルの種類によって異なります。
嘔吐した場合は、自己判断でピルを追加服用するのではなく、服用中のピルの添付文書を確認し、必要に応じて医師や薬剤師に相談しましょう。
下痢が続く場合も避妊効果に影響する可能性がある
マンジャロでは、下痢などの消化器症状が起こることもあります。
軽い下痢が一度起きただけで、必ずしも低用量ピルの避妊効果が低下するわけではありません。しかし、激しい下痢が続く場合は、ピルの吸収が不十分になる可能性があります。
特に、経口避妊薬を服用している方は、下痢の程度や持続時間に注意することが大切です。
対応方法はピルの種類によって異なります。服用中のピルの添付文書を確認し、避妊効果への影響が心配な場合は、医師や薬剤師に相談してください。
ピルの飲み忘れや吸収不良が疑われる場合の対応
マンジャロの使用中にピルを飲み忘れたり、服用後に嘔吐や激しい下痢が起きたりした場合は、避妊効果が低下している可能性を考慮する必要があります。
その場合は、次の点を確認しましょう。
- ピルの種類を確認する: 飲み忘れや吸収不良が起きた場合の対応は、製剤によって異なります。
- 追加の避妊対策を行う: 状況に応じてコンドームなどを使用し、避妊効果が回復するまでの対応について医師や薬剤師に確認します。
- 妊娠の可能性がある場合は早めに相談する: 避妊に失敗した可能性がある場合は、緊急避妊についても速やかに医療機関へ相談しましょう。
なお、マンジャロによる経口避妊薬への影響と、嘔吐や下痢による吸収不良は、別々に考える必要があります。両方の影響が重なる可能性もあるため、心配な症状がある場合は早めに相談することが大切です。
低用量ピルを服用している方は、マンジャロの使用を始める前に、嘔吐や下痢が起きた場合の対応についても確認しておくと安心です。
次のセクションでは、マンジャロの使用中に妊娠した場合の対応や、妊娠を希望する場合に知っておきたい注意点について解説します。
患者さんマンジャロを使って吐いたり、下痢になったりした場合、ピルの避妊効果にも影響しますか?
Dr.石川はい。服用後に嘔吐した場合や、激しい下痢が続いた場合は、ピルが十分に吸収されていない可能性があります。
患者さんその場合は、ピルをもう一度飲めばよいのでしょうか?
Dr.石川対応はピルの種類や嘔吐したタイミングなどによって異なります。自己判断で追加服用せず、添付文書を確認して医師や薬剤師に相談してください。必要に応じて、追加の避妊対策も検討しましょう。
マンジャロの使用中に妊娠した場合はどうする?
低用量ピルを服用しながらマンジャロを使用する場合は、避妊効果への影響だけでなく、妊娠した場合の対応についても知っておくことが大切です。
マンジャロは、妊娠中の安全性が十分に確立されている薬ではありません。そのため、妊娠を希望していない方は適切な避妊対策を行い、妊娠を希望する方は使用前に医師へ相談する必要があります。
ここでは、マンジャロの使用中に妊娠した場合や、妊娠の可能性がある場合の注意点について解説します。
マンジャロの使用中は妊娠を避ける必要がある
マンジャロの有効成分であるチルゼパチドについては、妊娠中の安全性に関する情報が十分ではありません。
動物を用いた試験では、胎児への影響が認められており、妊娠中の使用には注意が必要です。
そのため、妊娠中の方や妊娠している可能性がある方は、マンジャロの使用について医師に相談する必要があります。
また、妊娠を希望していない方は、低用量ピルを服用している場合でも、マンジャロとの併用による影響を考慮して避妊方法を確認しておきましょう。
特に、マンジャロの使用開始時や増量時には、追加の避妊対策が必要になる場合があります。
妊娠が判明した場合は速やかに医師へ相談する
マンジャロの使用中に妊娠が判明した場合は、速やかに処方医へ連絡しましょう。
妊娠中の使用については慎重な判断が必要になるため、今後の治療方針について医師の指示を受けることが大切です。
妊娠が判明したからといって、自己判断で対応を決めるのではなく、使用中の薬や投与量、妊娠が判明した時期などを医師に伝えて相談してください。
また、妊娠に気づく前にマンジャロを使用していた場合も、必要以上に不安にならず、まずは医療機関に相談しましょう。
生理が遅れている場合は妊娠の可能性も確認する
低用量ピルを服用している方は、休薬期間中に起こる消退出血が普段より少なくなったり、起こらなかったりすることがあります。
そのため、出血がないからといって、必ずしも妊娠しているとは限りません。
一方で、マンジャロとの併用中に避妊効果が低下していた可能性がある場合は、妊娠の可能性も考慮する必要があります。
妊娠が疑われる場合は、妊娠検査薬の使用時期を確認し、適切なタイミングで検査しましょう。妊娠検査薬で陰性でも、検査時期が早すぎると正確に判定できないことがあります。
妊娠の可能性がある場合や、判断に迷う場合は、医療機関へ相談することをおすすめします。
低用量ピルを服用しているからといって、マンジャロとの併用中も妊娠の可能性が完全になくなるわけではありません。 妊娠を希望していない方は、使用開始前から避妊方法を確認し、妊娠の可能性がある場合は早めに医師へ相談しましょう。
次のセクションでは、低用量ピルとマンジャロの併用について、よくある疑問にQ&A形式でお答えします。
患者さん低用量ピルを飲んでいれば、マンジャロを使っていても妊娠の心配はありませんか?
Dr.石川低用量ピルには高い避妊効果がありますが、妊娠の可能性を完全になくせるわけではありません。マンジャロとの併用中は、避妊効果への影響にも注意が必要です。
患者さんもしマンジャロを使っている間に妊娠がわかったら、どうすればよいですか?
Dr.石川速やかに処方医に連絡してください。マンジャロは妊娠中の使用が推奨されないため、今後の対応について医師の指示を受けましょう。妊娠に気づく前に使用していた場合も、まずは落ち着いて相談してください。
マンジャロとの併用を検討している方や、避妊効果への影響が気になる方は、低用量ピルの種類や特徴を確認し、ご自身の体質や目的に合った選択肢を見つけることが大切です。
使用中の薬との相互作用については、医師に相談したうえで検討しましょう!
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低用量ピルとマンジャロの併用についてよくある質問
低用量ピルを服用しながらマンジャロを使用する場合、避妊効果への影響や、ピルの飲み方について疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、低用量ピルとマンジャロの併用について、よくある質問にお答えします。
- 低用量ピルを飲んでいれば、マンジャロを使用しても避妊できますか?
-
低用量ピルは、正しく服用することで高い避妊効果が期待できる薬です。
しかし、マンジャロには胃内容排出を遅らせる作用があり、経口避妊薬の吸収に影響する可能性があります。
そのため、低用量ピルを服用している場合でも、マンジャロの使用開始時や増量時には、追加の避妊対策を検討することが重要です。
具体的な対応については、服用中のピルの種類を医師に伝え、相談しましょう。
- マンジャロを打つ日とピルを飲む時間をずらせば大丈夫ですか?
-
マンジャロと低用量ピルの使用時間をずらしても、相互作用を確実に回避できるわけではありません。
マンジャロは週1回投与する薬であり、胃内容排出を遅らせる作用は、注射した直後だけに限られるものではないためです。
そのため、ピルを飲む時間を変更するだけでなく、必要に応じて追加の避妊対策を行うことが大切です。
- マンジャロの開始から4週間が経過すれば、コンドームは不要ですか?
-
米国のマンジャロの添付文書では、経口避妊薬を使用している方に対し、マンジャロの開始後4週間と、増量後4週間は、経口避妊薬以外の避妊方法への切り替え、またはバリア法による追加の避妊が推奨されています。
そのため、開始後4週間が経過した場合でも、増量したときには再び注意が必要です。
ただし、これは米国の添付文書に基づく情報です。日本国内で使用する場合は、国内の最新の添付文書や医師の指示を確認しましょう。
- 低用量ピルを中止してからマンジャロを始めたほうがよいですか?
-
必ずしも、低用量ピルを中止する必要があるわけではありません。
低用量ピルを中止すると避妊効果が失われるほか、月経困難症などの治療目的で服用している場合は、症状に影響する可能性もあります。
マンジャロとの併用を希望する場合は、ピルを中止するかどうかを自己判断せず、医師に相談して適切な避妊方法を検討しましょう。
- マンジャロの使用中にピルを飲み忘れたらどうすればよいですか?
-
ピルを飲み忘れた場合の対応は、服用しているピルの種類や、飲み忘れた錠数、服用周期のどの時期に忘れたかによって異なります。
まずは、服用中のピルの添付文書に記載された対応方法を確認しましょう。
また、マンジャロとの併用中に飲み忘れが起きた場合は、避妊効果への影響も考慮し、医師や薬剤師に相談することが大切です。
妊娠を避けたい方で、避妊に失敗した可能性がある場合は、緊急避妊についても速やかに医療機関へ相談してください。
患者さんマンジャロを注射する日と、ピルを飲む時間をずらせば、避妊効果への影響を防げますか?
Dr.石川時間をずらすだけでは、相互作用を確実に回避できるとはいえません。マンジャロの作用は注射した直後だけに限られないため、追加の避妊対策について医師に相談しましょう。
患者さんマンジャロを使うなら、低用量ピルをやめたほうがよいのでしょうか?
Dr.石川必ずしも中止する必要があるわけではありません。ピルを中止すると避妊効果も失われるため、自己判断でやめず、ピルの種類や使用目的に応じて医師と相談することが大切です。
まとめ|低用量ピルを服用中なら、マンジャロ開始前に避妊方法を確認しよう
低用量ピルを服用している方がマンジャロを使用する場合は、避妊効果への影響に注意が必要です。
マンジャロには胃内容排出を遅らせる作用があり、経口避妊薬の吸収に影響する可能性があります。そのため、ピルを毎日正しく服用していても、マンジャロの使用開始時や増量時には、追加の避妊対策を検討することが大切です。
また、マンジャロの副作用として吐き気や嘔吐、下痢などが起こることがあり、症状によってはピルの吸収に影響する可能性もあります。
マンジャロを始める前には、服用中のピルの種類を医師に伝え、自分に合った避妊方法について相談しましょう。
低用量ピルを自己判断で中止するのではなく、マンジャロとの併用について医師と相談しながら、安全に使用することが大切です。
患者さん低用量ピルを飲んでいる場合、マンジャロを始める前に一番気をつけたいことは何ですか?
Dr.石川大切なのは、マンジャロがピルの吸収に影響する可能性を知り、避妊方法を事前に確認しておくことです。特に、使用開始時や増量時には注意しましょう。
患者さんピルを自己判断でやめる必要はないのですね。
Dr.石川はい。ピルを中止するかどうかも含めて、医師と相談しながら判断しましょう。正しい知識を持ち、自分に合った避妊方法を選ぶことが大切です。
参考文献
記事の医学的根拠として、マンジャロの添付文書、経口避妊薬の適正使用に関する情報、妊娠中の薬剤使用に関する公的資料を掲載するのがおすすめです。
今回の記事では、特にマンジャロと経口避妊薬の相互作用、開始・増量時の避妊対策、嘔吐や下痢が起きた場合の対応に関する資料が重要です。
1. マンジャロの電子化された添付文書|日本イーライリリー
マンジャロの作用、副作用、薬物相互作用について確認できる国内の公式資料です。経口避妊薬との相互作用については、特に「薬物相互作用」の項目が参考になります。
マンジャロの電子化された添付文書(日本イーライリリー) Lilly Medical
2. マンジャロの相互作用に関する解説|日本イーライリリー
マンジャロと経口避妊薬の相互作用について、医療関係者向けに解説した資料です。胃内容排出の遅延や、経口避妊薬の血中濃度などへの影響を確認できます。
マンジャロ(チルゼパチド)の相互作用は? Lilly Medical
3. マンジャロの医療用医薬品情報|医薬品医療機器総合機構(PMDA)
PMDAが公開するマンジャロの医療用医薬品情報です。添付文書や患者向医薬品ガイドなどを確認する際に利用できます。
マンジャロの医療用医薬品情報(PMDA) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
4. 米国のマンジャロ添付文書|DailyMed
米国のマンジャロ添付文書では、経口避妊薬への影響について、投与開始後4週間および増量後4週間の追加避妊対策が推奨されています。
今回の記事で紹介した「開始後4週間・増量後4週間」という注意事項を確認するための資料です。
米国のマンジャロ添付文書(DailyMed・英語) DailyMed
5. 医療用医薬品の添付文書情報検索|PMDA
低用量ピルの飲み忘れや、嘔吐・下痢が起きた場合の対応については、実際に服用している製剤の添付文書を確認することが重要です。
PMDAの検索ページから、各製剤の添付文書を調べられます。




