鏡を見るたびに憂鬱になってしまうシワやたるみをなんとかしたい、二重顎やフェイスラインをスッキリさせたい、とお悩みの方も多いです。
これらの肌悩みを改善してくれる医療ハイフですが、美容外科・美容皮膚科クリニックと受けられるところがたくさんあり、どこを選べば良いか迷ってしまいますよね。
このページでは医療ハイフの効果、機械の種類、ダウンタイムやデメリット、施術間隔についてもまとめていますので、ハイフを検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)
北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。
婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。
医療ハイフ(HIFU)を受けるクリニックの選び方
医療ハイフ(HIFU)を受けるクリニックの選び方のポイントは下記の4つです。
- 肌悩みに合った機械・機種を扱っているか
- ていねいなカウンセリングを行っているか
- 通いやすさや予約の取りやすさ
- 症例実績が豊富であるか
肌悩みに合った機械・機種を扱っているか
医療ハイフと一口にいっても機械の種類が豊富で、機種ごとに特徴や効果に違いがあります。
肌の悩みに合った機械・機種を扱うクリニックであれば、ハイフの効果を実感しやすいです。
下記で、導入しているクリニックが多い4つの医療ハイフ機器を紹介していますので、参考にしてくださいね。
医療ハイフの主な機械 – 4種類
ソノクイーン
- 次世代の医療ハイフ機器
- 痛みを感じにくくダウンタイムが短い
- 目元や眉下、口周りなどの細かい部位や皮膚が薄い場所への照射も可能
- 3つのカートリッジで肌の浅い層~深い層まで超音波を届ける
痛みの少なさを重要視している、目周りや口周りなど細かなところに照射したい、ダウンタイムを極力減らしたい方におすすめです。
当院では「ソノクイーン」を使用したハイフを行い、一人ひとりの肌状態に合わせて照射プランを決めて施術しています。
ソノクイーンについて詳細はこちら
ウルトラセルQプラス
- 連続照射に対応していて短時間での施術が可能
- 4つの深さに対応したカートリッジがある(顔・首)
- 出力を抑え痛みを軽減しながら照射できる
- リニアカートリッジを使用すれば身体への施術も可能
短い時間で施術を済ませたい、痛みの少ないハイフを希望している、二の腕やお腹などにも照射したい方に。
ウルセラ
- FDA(米国食品医薬品局)でリフトアップ効果があると認められている
- 数々の医療研究機関での臨床実験を重ねており、安全性も高い
- 痛みを感じやすいが、照射出力が強く効果が長続きしやすい
効果の高さを重視している、実績のある機械であれば安心できる、痛みが気にならない方に。
ダブロゴールド
- 従来機よりも照射スピードが速くなった機種
- 広範囲にムラなく照射でき、顔全体の引き締めに効果的
- 照射温度が低いため痛みを抑えられる
照射にかかる時間を短く済ませたい、顔全体への照射を希望している、効果よりも痛みの少なさを重視している方におすすめです。
「どの種類を選べば良いか分からない」方は、複数の機種を扱うクリニックのカウンセリングに足を運んでみるのも一つの手です。
ていねいなカウンセリングを行っているか
ハイフに限らず、美容外科・美容皮膚科クリニックを選ぶ際はカウンセリングの内容が重要です。
シワ・たるみといった肌の悩みは同じであっても、その原因には個人差があります。
肌悩みの原因が分からないと、効果のある施術法も分からないのは当然。ていねいなカウンセリングを受けられることは必須条件です。
カウンセリングのチェックポイント
- ハイフの仕組みや効果の説明があるか
- ダウンタイムや副作用・リスクも教えてくれるか
- 悩みや予算などを話しやすい雰囲気であるか
- 細かな疑問にもきちんと答えてくれるか
上記をじっくりと行ってくれるところであれば、一人ひとりに寄り添った信頼できるクリニックといえるでしょう。
カウンセリングは無料で受けられるところも多いですし、複数のクリニックで話を聞いてから決めるのが理想です。
相談だけだと申し訳ないような気がするかもしれませんが、カウンセリングだけでもまったく問題ありません。
少しでもクリニックへの不信感があれば、遠慮なく他のところを探しましょう。
通いやすさや予約の取りやすさ
ハイフは1回の施術でもじゅうぶんに効果を感じられますが、定期的に通ったほうが効果的ですので、通いやすさや予約の取りやすさも確認したい点です。
夜遅くまで診察しているクリニックは、仕事帰りに通いたい方に向いています。カウンセリング当日に施術が行えるところは、忙しい方やとにかく早くハイフを試したい方向きです。
近隣にどのくらいの院があるかも着目したいポイントで、近場に複数の院があるところは予約が取りやすい傾向があります。
実際に通うときをイメージして、駅からの距離などもチェックしておけると良いでしょう。
症例実績が豊富であるか
実績や症例数の多さもクリニックを選ぶポイントの一つです。
一人ひとりの肌状態や肌悩みに合わせた照射をするためには、正しい判断と適切な施術がカギとなります。
「症例数が多く実績が豊富である」「十分な知識があり技術力が高い」クリニックであれば安心して施術を任せられます。
公式サイトで実績数を公開しているところもありますし、症例写真を載せているクリニックもありますので、検討材料にしましょう。
症例写真はハイフを受けるとどのような顔の変化が得られるのかが分かりやすいので、いちど目を通しておくと良いかと思います。
ハイフの仕組みと効果
「切らないフェイスリフト」といわれるハイフは、超音波で肌内部に熱を与え①SMAS筋膜を熱で凝縮する②自然治癒力を引き出しコラーゲンを生成する③皮下脂肪を溶解する、方法でシワやたるみの改善・引き締めを行う美容施術です。
肌表面にはダメージを与えず肌内部に作用するため、肌への負担が少なくダウンタイムが短い特徴があります。
では、肌のどれくらいの深さのところに作用するのかというと、機種によって差がありますが、1.5㎜・2.0㎜・3.0㎜・4.5㎜が主です。
ハイフの照射深度と効果
照射深度 | 肌の構造 | ハイフの効果 |
---|---|---|
~0.2㎜ | 肌の一番外側の部分である「表皮」。 水分を保持したり感染などから身体を守る役割。 | この深さには照射しない。 |
1.5㎜ | 肌のハリと弾力を保つ中心的な部分である「真皮」。 ヒアルロン酸やタンパク質、ビタミンなども存在するが、真皮の70%をコラーゲンが占めている。 | 熱によるアプローチでコラーゲン線維やエラスチン線維の再生を促進。 ハリや弾力をアップ。 加齢や紫外線の影響で起こる深いしわ(真皮性しわ)を改善。 |
2.0㎜ | ||
3.0㎜ | 脂肪をつくり、蓄える働きがある「皮下組織」。 身体全体のクッションのような役割。 | 皮下組織内の脂肪を熱で減少させる。 脂肪が減るため小顔効果がある。 二重あご、フェイスラインなどの脂肪によるたるみを改善。 |
4.5㎜ | 皮膚の構造を支える土台のような部分である「SMAS筋膜」。 ごく薄い繊維状の膜であり、コラーゲンで形成されている。 | SMAS筋膜を熱による刺激で凝縮する。 加齢で衰えゆるんだ筋膜がギュっと縮み、たるみが改善。 |
4.6㎜~ | 表現するときに動く筋肉である「表情筋」。 同じ表情を繰り返していると凝り固まり表情ジワの原因に。 | この深さには照射しない。 |
「ハイフ=SMAS筋膜(4.5㎜)にアプローチしてシワやたるみを改善」が前面にアピールされていますが、機械のカートリッジを取り換えて浅いところに照射すると、毛穴の引き締め、肌弾力のアップ、肌質改善などの効果も得られます。
1.5㎜・2.0㎜への照射は、目周りなどの皮膚の薄いパーツにも最適。コラーゲンやエラスチンの生成を促すことでハリや弾力のアップ、シワの改善につながります。
対して、3.0㎜の皮下組織への照射は脂肪を熱で溶解しますので、二重あごやフェイスライン、頬のもたつき・たるみに効果的です。
真皮内のダメージによるシワ、皮下組織の脂肪が増えたことによるたるみ、SMAS筋膜の衰えによるたるみ、などシワやたるみの原因は人それぞれ。
「シワやたるみの原因」「人・部位ごとの皮膚の厚みの違い」を見極めながら正しく照射するとハイフの効果を最大限に発揮できます。
SMAS筋膜よりも深い場所にある表情筋が凝り固まって起こる「表情ジワ」には、ボトックス注射が有効です。
医療ハイフとエステハイフの違い
医療ハイフとエステハイフの最も大きな違いは「使用する機械」です。
それに伴って、照射する出力や得られる効果も異なります。
医療ハイフとエステハイフの違い
機械の出力 | 強い | 弱い |
照射の深さ | 深い | 浅い |
回数 | 1回で実感できる | 複数回で実感できる |
ダウンタイム | ほぼない | ない |
効果 | 高い | 低い |
持続期間 | 半年~1年 | 1~2カ月 |
施術者 | 医師・看護師のみ | 誰でも可能 |
安全性 | 高い | 低い |
痛み | ややあり | ほぼなし |
料金 | 高い | 安い |
医療ハイフはエステハイフよりも痛みを感じやすいデメリットがありますが、機械の出力が強く、高い効果があります。
一方、エステハイフでは弱い出力でしか照射できないため、効果や持続期間が医療ハイフに劣ります。
また、とくに知っていてほしいのが「安全性」です。
下記でエステハイフの安全性について解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。
エステハイフには注意が必要
消費者安全調査委員会によると、事故情報データバンクへのエステハイフによる事故報告が2015年11月~2022年5月までの間に76件あったとされています。¹⁾
事故の内容としては、やけど、皮膚障害、神経・感覚の障害などがあり、年々増加傾向にあるようです。
さらに、2023年4月19日に経済産業省がエステハイフについての危険性を注意喚起しました。²⁾
これを受けて、エステティック関連団体が、エステハイフの即時中止や使用禁止を呼びかけましたので、下記に内容を掲載します。³⁾⁴⁾
エステ団体によるエステハイフの即時中止・使用禁止
エステティックを利用する消費者の皆さまの安全を確保する観点から、すべてのエステティックサロン事業者の皆さまに対してHIFU施術の即時中止をお願い申し上げます。
引用:高密度焦点式超音波(HIFU)による施術の即時中止のお願い
当協議会では、当該事案の報告を受けまして、あらためて消費者保護の観点から、HIFU(ハイフ)機器の取り扱いについて、あらためて会員並びに関係者の皆様に「注意喚起」と「使用禁止」の周知の徹底をお願い申し上げます。
引用:「エステサロン等でのHIFU(ハイフによる事故)」調査報告書に伴う「注意喚起」と「使用禁止」の周知徹底のお願い
また、消費者庁でもエステサロンでのハイフ施術を検討中の方にむけて、注意喚起を行っています。
消費者庁によるエステハイフの注意喚起
超音波で皮下組織を高温に加熱するため、施術者が解剖学等の知識を持って、機器の出力や照射方法をあなたに合わせて調整して施術しない場合、皮下の神経や血管等を損傷する恐れがあります
引用:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります
このことからも分かるように、エステハイフの安全性は高いものとは言えません。
日本エステティック機構、日本エステティック協会、日本エステティック振興協議会などの関連団体がありますが、団体に加盟していないエステサロンではハイフの提供が続いていると考えられます。⁵⁾
効果はいつからいつまで続くの?
照射直後 | SMAS筋膜がギュっと縮み、たるみやもたつきが少なくなったのを目に見えて実感できる。 |
1~3カ月後 | コラーゲンやエラスチンが生成されて、ハリや弾力のピークに達するので、シワやたるみが解消する。 |
半年~1年程度 | 個人差があるが、持続期間は半年~1年程度。 |
ハイフの効果は、照射直後から実感できる方がほとんどです。
その後1~3カ月くらいかけて効果がピークに達し、機械による差もありますが半年~1年ほど持続します。
脂肪溶解による小顔の場合、新たに脂肪がつかない限りは効果が持続します。
1回でも効果を実感できますが、引き締まった状態を維持したい方は定期的に通うのがおすすめです。
ハイフが受けられる部位
肌が引き締まる効果、シワやたるみが改善する効果があるハイフ。
「ハイフは顔しか受けられない?」「二重顎を解消したいけど照射できる?」「二の腕やお腹もスッキリ引き締められる?」
検討するときに、こんな疑問を持つこともありますよね。
ハイフが受けられる部位は多いのですが、打ってはいけない箇所もありますので、下記で見ていきましょう。
顔全体
ハイフは基本的に顔全体への照射が可能です。
目元だけ、フェイスラインだけ、などの部位ごとの照射でもハイフの効果はありますが、顔全体に照射したほうがよりシワやたるみ改善、肌質改善、小顔効果を実感できます。
額(おでこ)
年齢とともに気になりだす額のシワも、額へのハイフでコラーゲン生成を促し軽減できます。
額がたるんでいるとまぶたも下がりがちに。額への照射はパッチリとした目に近づく効果があります。
目周り・こめかみ
目元の小ジワや目の下のたるみ、たるみが原因の黒くまを改善する効果があります。また、こめかみに照射すると目元の小ジワを改善できます。
目周りは視線が向きやすい部位ですので、ハリや弾力がでると印象が大きく変わります。
頬
SMAS筋膜の引き締め、頬についた脂肪の溶解、コラーゲンの生成促進で気になるほうれい線の改善や肌質の改善、頬全体が引き締まりキュッと持ちあがる効果があります。
顔の中で面積が大きいパーツなので、コラーゲン生成によるハリや弾力のアップを実感しやすいです。
口周り
皮膚のたるみによって起こるマリオネットラインや口元のシワも、脂肪溶解やコラーゲン生成によって目立たなくなる効果があります。
口周りのたるみは化粧品などのセルフケアでは限界がありますので、早めのハイフがおすすめです。
二重顎(あご下)・フェイスライン
二重顎、あご下のたるみ、フェイスライン全体に照射することで、輪郭がスッキリして小顔効果があります。
二重顎やフェイスラインは悩みを抱える人も多いですが、最もハイフの効果を実感しやすい部位です。
首
年齢が出やすいと言われる首ですが、長時間スマホを使用する方もいるため若い方でも横ジワが気になるケースが増えています。
ハイフを照射すると首全体が引き締まり首のシワやたるみを改善できます。
二の腕や太ももなどのボディ
すぐに脂肪がつきやすい二の腕、ダイエットしてもなかなか脂肪が落ちにくいヒップライン、お腹周り、太ももなど、ハイフは顔だけでなくボディにも照射できます。
ハイフで溶解された脂肪は、老廃物として身体の外へと排出されて自然には復活しないので、リバウンドしにくいのがメリットです。
ただ、脂肪吸引やダイエット注射などの医療痩身メニューより効果は少なめ。劇的に脂肪を落とすというよりは、ダイエットしてもどうしても残ってしまうところを部分的に引き締めたい場合に検討すると良いでしょう。
打ってはいけない箇所
ハイフを打ってはいけない箇所は主に3つ。
ハイフを打ってはいけない箇所
- 甲状腺の上(喉仏のライン)
- 眼球の上(まぶた)
- 耳の下のリンパ節
甲状腺、眼球の上、耳下のリンパ節になぜハイフを打ってはいけないかというと、健康な身体を維持するために重要な組織を傷つけてしまう可能性があるからです。
最悪の場合、甲状腺ホルモンに異常をきたし自律神経が乱れる、眼球に超音波が届いてしまい失明する、リンパ節にダメージが加わり免疫異常になる、といった恐れもあります。
失明や免疫異常と聞くと「ハイフって怖い」と思ってしまうかもしれませんが、人の身体の構造を理解している医師による施術では、安全に照射してもらえますのでご安心ください。
医療ハイフの値段相場
全顔 | 10~16万円 |
全顔(ハイフシャワー) | 4~8万円 |
頬 | 2~4万円 |
あご下 | 2~3万円 |
使用する機器や照射の深さ、クリニックによって値段の幅がありますが、顔全体の値段相場は10~16万円です。
SMAS筋膜よりも浅い真皮へ照射する「ハイフシャワー」だともう少し安い傾向があり全顔で4~8万円。部位ごとの照射では、頬は2~4万円、あご下は2~3万円が値段相場となります。
安ければ安いだけ嬉しいのはもちろんですが、同じ「全顔」であってもショット数が少なかったり、対応範囲が狭かったりする場合があります。
そのため、単に値段だけを見るのではなく、ショット数や対応している範囲も一緒にチェックするのがおすすめです。
ダウンタイムはどのくらい?
美容医療の施術は効果が高い分「ダウンタイムが付き物」といっても過言ではありません。
ハイフにもダウンタイムが多少ありますが、日常生活に支障をきたすことはほぼないと思っていただいて問題ないです。
赤み、腫れ、むくみなどのダウンタイムは、ほとんどの場合で2~3日、もともと肌が敏感な方でも1週間ほどで落ち着きます。
また、ダウンタイムはメイクで隠せるくらいの症状で、あまりにも不自然になることはありませんので、そこまで心配いらないでしょう。
ハイフのデメリットは?副作用・後遺症・危険性について
シワやたるみに効果のあるハイフでも、デメリットはないのか、副作用・後遺症などの危険性はないのか、といった点が気になるかと思います。
前提として、医療機関で正しく照射すれば重篤な副作用や後遺症が起こることは考えにくいです。
とはいえ、超音波を当てて肌内部に熱でアプローチする施術ですので、デメリットや副作用もゼロではありません。
肌の乾燥
この副作用は、正しく施術をしていても避けられないもの。
ただ、もともとの肌タイプ(乾燥肌・普通肌・敏感肌など)によって、乾燥の度合いも異なります。
ハイフによる肌の乾燥は、きちんとケアできていれば1~2週間ほどで落ち着きます。
肌の乾燥が悪化しないためにも、ハイフをしたあとは保湿ケアが必須です。
化粧水の理想は3度づけ。100円玉くらいの大きさ×3回、手の平で温めてからつけると肌に馴染みやすいです。さらに、肌の水分をキープする効果がある乳液やクリームも必ず使用します。
ハイフ後は紫外線の影響を受けやすくなるので、UVケアも入念に行いましょう。
アメリカ皮膚科学会では、肌老化の80%は紫外線によるものと考えられています。
紫外線は、シミはもちろんシワやたるみの原因になりますので、ハイフ直後だけでなく日常的な紫外線対策が望ましいです。
赤み・腫れ・むくみ
とくに脂肪が多い箇所への施術は腫れやむくみが長引きやすい傾向がありますが、ほとんどの場合2~3日で、長くても1週間以内に症状がなくなりますので、過度な心配はいりません。
軽度の赤みであれば、ファンデーションの前にグリーンのコントロールカラーを使用するとカバーできますが、あまりに強い赤みや腫れは肌のことを考えメイクをしないほうが無難。
また、1週間以上続くようであれば、クリニックに症状を相談して指示を仰ぐと良いでしょう。
やけど
やけどが治る過程で色素沈着が起こる場合も。やけど、水ぶくれは、ハイフの照射出力が高すぎるのが原因です。
出力は医師が経験や知識に基づいて決定していきますので、経験豊富な信頼できるクリニック選びが重要です。
やけどの跡が残らないようにするためにも、万が一やけど・水ぶくれの症状が出てしまったら、すぐにクリニックに連絡して受診するようにしましょう。
筋肉痛のような痛み
ハイフは筋肉に照射しないのになぜ?と思うかもしれませんが、皮下組織と筋肉の間にあるSMAS筋膜が刺激された影響で筋肉痛のような痛みを引き起こす場合があります。
筋肉痛のような痛みは、時間を追うごとに自然に良くなっていきますので問題ありません。
日常生活に差し障りがあるほどの痛みではないですし、長くても1カ月ほどで改善します。
神経損傷
顔には神経が張り巡らされていて、とくにSMAS筋膜の下には多くの神経があります。
「神経損傷」はその名の通り神経が傷つくことを指し、通常は時間とともに改善していきますが、1年ほどかかるケースがあります。
「どんな症状が出たら神経損傷?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思うので、下記に症状をまとめています。
神経損傷の症状
- 顔の左右差
- 表情がこわばる
- 顔の感覚がない、または鈍い
- 施術部位が痺れる
ハイフを安全に行うためには、神経・血管の位置などの解剖学の知識が必要です。
医療機関では正しい知識を持った有資格者が施術するので、神経を傷つけてしまうようなリスクは少ないですが、ハイフ後もしも「おかしい」と感じたらすぐにクリニックに連絡しましょう。
Q&A
さいごに、ハイフのよくある質問に答えています。
シワ・たるみの治療は進行してからよりも、気になり出したら早めに行うのがおすすめ。自分に合ったところで「やって良かった」といえるハイフを受けましょう。
参考
¹⁾エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故に係る事故等原因調査について/消費者安全調査委員会
²⁾HIFU(高密度焦点式超音波)施術による健康被害にご注意ください/経済産業省
³⁾高密度焦点式超音波(HIFU)による施術の即時中止のお願い/日本エステティック協会
⁴⁾「エステサロン等でのHIFU(ハイフによる事故)」調査報告書に伴う「注意喚起」と「使用禁止」の周知徹底のお願い/日本エステティック振興協議会
⁵⁾エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故/消費者安全調査委員会
施術の主な副作用・リスク:施術中に軽い痛みを感じる場合があります。脂肪が薄い部分など部位によって痛みが出やすいこともあります。施術後に、照射した部分が少し赤くなることがあります。日焼けをしている方は、施術が受けられない場合があります。施術後に照射した部分が日焼けすると、色素沈着が起こる場合があります。