医療ハイフとは?効果と機械の種類を徹底比較。施術間隔はどれくらい開けるのがいい?

鏡を見るたびに憂鬱になってしまうシワやたるみをなんとかしたい、二重顎やフェイスラインをスッキリさせたい、とお悩みの方も多いです。

これらの肌悩みを改善してくれる医療ハイフですが、美容外科・美容皮膚科クリニックと受けられるところがたくさんあり、どこを選べば良いか迷ってしまいますよね。

このページでは医療ハイフの効果機械の種類ダウンタイムやデメリット施術間隔についてもまとめていますので、ハイフを検討している方はぜひ参考にしてくださいね。

ハイフとほかの美容施術との違いは、アプローチする肌の深さです。マトリックスIR、サーマクール、スキンタイトニングなどの施術は深くても皮下組織まで。一方、ハイフは従来の施術で到達できないSMAS筋膜まで照射するので、シワやたるみへ効果が実感しやすい特徴があります。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

医療ハイフ(HIFU)を受けるクリニックの選び方

医療ハイフ(HIFU)を受けるクリニックの選び方のポイントは下記の4つです。

  • 肌悩みに合った機械・機種を扱っているか
  • ていねいなカウンセリングを行っているか
  • 通いやすさや予約の取りやすさ
  • 症例実績が豊富であるか

肌悩みに合った機械・機種を扱っているか

ハイフ 機械・機種

医療ハイフと一口にいっても機械の種類が豊富で、機種ごとに特徴や効果に違いがあります。

Dr.石川

肌の悩みに合った機械・機種を扱うクリニックであれば、ハイフの効果を実感しやすいです。

下記で、導入しているクリニックが多い4つの医療ハイフ機器を紹介していますので、参考にしてくださいね。

医療ハイフの主な機械 – 4種類

ソノクイーン

ソノクイーン
  • 次世代の医療ハイフ機器
  • 痛みを感じにくくダウンタイムが短い
  • 目元や眉下、口周りなどの細かい部位や皮膚が薄い場所への照射も可能
  • 3つのカートリッジで肌の浅い層~深い層まで超音波を届ける

痛みの少なさを重要視している、目周りや口周りなど細かなところに照射したい、ダウンタイムを極力減らしたい方におすすめです。

Dr.石川

当院では「ソノクイーン」を使用したハイフを行い、一人ひとりの肌状態に合わせて照射プランを決めて施術しています。

ソノクイーンについて詳細はこちら

ウルトラセルQプラス

ウルトラセルQプラス 
  • 連続照射に対応していて短時間での施術が可能
  • 4つの深さに対応したカートリッジがある(顔・首)
  • 出力を抑え痛みを軽減しながら照射できる
  • リニアカートリッジを使用すれば身体への施術も可能

短い時間で施術を済ませたい、痛みの少ないハイフを希望している、二の腕やお腹などにも照射したい方に。

ウルセラ

ウルセラ
  • FDA(米国食品医薬品局)でリフトアップ効果があると認められている
  • 数々の医療研究機関での臨床実験を重ねており、安全性も高い
  • 痛みを感じやすいが、照射出力が強く効果が長続きしやすい

効果の高さを重視している、実績のある機械であれば安心できる、痛みが気にならない方に。

ダブロゴールド

ダブロゴールド
  • 従来機よりも照射スピードが速くなった機種
  • 広範囲にムラなく照射でき、顔全体の引き締めに効果的
  • 照射温度が低いため痛みを抑えられる

照射にかかる時間を短く済ませたい、顔全体への照射を希望している、効果よりも痛みの少なさを重視している方におすすめです。

Dr.石川

「どの種類を選べば良いか分からない」方は、複数の機種を扱うクリニックのカウンセリングに足を運んでみるのも一つの手です。

ていねいなカウンセリングを行っているか

ハイフ カウンセリング

ハイフに限らず、美容外科・美容皮膚科クリニックを選ぶ際はカウンセリングの内容が重要です。

シワ・たるみといった肌の悩みは同じであっても、その原因には個人差があります。

肌悩みの原因が分からないと、効果のある施術法も分からないのは当然。ていねいなカウンセリングを受けられることは必須条件です。

カウンセリングのチェックポイント

  • ハイフの仕組みや効果の説明があるか
  • ダウンタイムや副作用・リスクも教えてくれるか
  • 悩みや予算などを話しやすい雰囲気であるか
  • 細かな疑問にもきちんと答えてくれるか

上記をじっくりと行ってくれるところであれば、一人ひとりに寄り添った信頼できるクリニックといえるでしょう。

カウンセリングは無料で受けられるところも多いですし、複数のクリニックで話を聞いてから決めるのが理想です。

相談だけだと申し訳ないような気がするかもしれませんが、カウンセリングだけでもまったく問題ありません。

少しでもクリニックへの不信感があれば、遠慮なく他のところを探しましょう。

通いやすさや予約の取りやすさ

ハイフ 通いやすさ

ハイフは1回の施術でもじゅうぶんに効果を感じられますが、定期的に通ったほうが効果的ですので、通いやすさや予約の取りやすさも確認したい点です。

夜遅くまで診察しているクリニックは、仕事帰りに通いたい方に向いています。カウンセリング当日に施術が行えるところは、忙しい方やとにかく早くハイフを試したい方向きです。

近隣にどのくらいの院があるかも着目したいポイントで、近場に複数の院があるところは予約が取りやすい傾向があります。

実際に通うときをイメージして、駅からの距離などもチェックしておけると良いでしょう。

症例実績が豊富であるか

ハイフ 症例実績

実績や症例数の多さもクリニックを選ぶポイントの一つです。

一人ひとりの肌状態や肌悩みに合わせた照射をするためには、正しい判断と適切な施術がカギとなります。

「症例数が多く実績が豊富である」「十分な知識があり技術力が高い」クリニックであれば安心して施術を任せられます。

公式サイトで実績数を公開しているところもありますし、症例写真を載せているクリニックもありますので、検討材料にしましょう。

Dr.石川

症例写真はハイフを受けるとどのような顔の変化が得られるのかが分かりやすいので、いちど目を通しておくと良いかと思います。

ハイフの仕組みと効果

ハイフ 仕組みと効果

「切らないフェイスリフト」といわれるハイフは、超音波で肌内部に熱を与え①SMAS筋膜を熱で凝縮する自然治癒力を引き出しコラーゲンを生成する皮下脂肪を溶解する、方法でシワやたるみの改善・引き締めを行う美容施術です。

肌表面にはダメージを与えず肌内部に作用するため、肌への負担が少なくダウンタイムが短い特徴があります。

では、肌のどれくらいの深さのところに作用するのかというと、機種によって差がありますが、1.5㎜・2.0㎜・3.0㎜・4.5㎜が主です。

ハイフの照射深度と効果

照射深度肌の構造ハイフの効果
~0.2㎜肌の一番外側の部分である「表皮」。
水分を保持したり感染などから身体を守る役割。
この深さには照射しない。
1.5㎜肌のハリと弾力を保つ中心的な部分である「真皮」。
ヒアルロン酸やタンパク質、ビタミンなども存在するが、真皮の70%をコラーゲンが占めている。
熱によるアプローチでコラーゲン線維やエラスチン線維の再生を促進。
ハリや弾力をアップ。
加齢や紫外線の影響で起こる深いしわ(真皮性しわ)を改善。
2.0㎜
3.0㎜脂肪をつくり、蓄える働きがある「皮下組織」。
身体全体のクッションのような役割。
皮下組織内の脂肪を熱で減少させる。
脂肪が減るため小顔効果がある。
二重あご、フェイスラインなどの脂肪によるたるみを改善。
4.5㎜皮膚の構造を支える土台のような部分である「SMAS筋膜」。
ごく薄い繊維状の膜であり、コラーゲンで形成されている。
SMAS筋膜を熱による刺激で凝縮する。
加齢で衰えゆるんだ筋膜がギュっと縮み、たるみが改善。
4.6㎜~表現するときに動く筋肉である「表情筋」。
同じ表情を繰り返していると凝り固まり表情ジワの原因に。
この深さには照射しない。
※皮膚の厚さは個人差や部位による差がありますが、ここでは平均的な構造とハイフの効果を掲載しています。

「ハイフ=SMAS筋膜(4.5㎜)にアプローチしてシワやたるみを改善」が前面にアピールされていますが、機械のカートリッジを取り換えて浅いところに照射すると、毛穴の引き締め、肌弾力のアップ、肌質改善などの効果も得られます。

1.5㎜・2.0㎜への照射は、目周りなどの皮膚の薄いパーツにも最適。コラーゲンやエラスチンの生成を促すことでハリや弾力のアップ、シワの改善につながります。

対して、3.0㎜の皮下組織への照射は脂肪を熱で溶解しますので、二重あごやフェイスライン、頬のもたつき・たるみに効果的です。

真皮内のダメージによるシワ、皮下組織の脂肪が増えたことによるたるみ、SMAS筋膜の衰えによるたるみ、などシワやたるみの原因は人それぞれ。

「シワやたるみの原因」「人・部位ごとの皮膚の厚みの違い」を見極めながら正しく照射するとハイフの効果を最大限に発揮できます。

SMAS筋膜よりも深い場所にある表情筋が凝り固まって起こる「表情ジワ」には、ボトックス注射が有効です。

医療ハイフとエステハイフの違い

医療ハイフとエステハイフの最も大きな違いは「使用する機械」です。

それに伴って、照射する出力や得られる効果も異なります。

医療ハイフとエステハイフの違い

機械の出力強い弱い
照射の深さ深い浅い
回数1回で実感できる複数回で実感できる
ダウンタイムほぼないない
効果高い低い
持続期間半年~1年1~2カ月
施術者医師・看護師のみ誰でも可能
安全性高い低い
痛みややありほぼなし
料金高い安い

医療ハイフはエステハイフよりも痛みを感じやすいデメリットがありますが、機械の出力が強く、高い効果があります。

一方、エステハイフでは弱い出力でしか照射できないため、効果や持続期間が医療ハイフに劣ります。

また、とくに知っていてほしいのが「安全性」です。

下記でエステハイフの安全性について解説していますので、ぜひチェックしてくださいね。

エステハイフには注意が必要

消費者安全調査委員会によると、事故情報データバンクへのエステハイフによる事故報告が2015年11月~2022年5月までの間に76件あったとされています。¹⁾

事故の内容としては、やけど、皮膚障害、神経・感覚の障害などがあり、年々増加傾向にあるようです。

さらに、2023年4月19日に経済産業省がエステハイフについての危険性を注意喚起しました。²⁾

これを受けて、エステティック関連団体が、エステハイフの即時中止や使用禁止を呼びかけましたので、下記に内容を掲載します。³⁾⁴⁾

エステ団体によるエステハイフの即時中止・使用禁止

エステティックを利用する消費者の皆さまの安全を確保する観点から、すべてのエステティックサロン事業者の皆さまに対してHIFU施術の即時中止をお願い申し上げます。

引用:高密度焦点式超音波(HIFU)による施術の即時中止のお願い

当協議会では、当該事案の報告を受けまして、あらためて消費者保護の観点から、HIFU(ハイフ)機器の取り扱いについて、あらためて会員並びに関係者の皆様に「注意喚起」と「使用禁止」の周知の徹底をお願い申し上げます。

引用:「エステサロン等でのHIFU(ハイフによる事故)」調査報告書に伴う「注意喚起」と「使用禁止」の周知徹底のお願い

また、消費者庁でもエステサロンでのハイフ施術を検討中の方にむけて、注意喚起を行っています。

消費者庁によるエステハイフの注意喚起

超音波で皮下組織を高温に加熱するため、施術者が解剖学等の知識を持って、機器の出力や照射方法をあなたに合わせて調整して施術しない場合、皮下の神経や血管等を損傷する恐れがあります

引用:エステサロン等でのHIFU施術にはリスクがあります

このことからも分かるように、エステハイフの安全性は高いものとは言えません。

日本エステティック機構、日本エステティック協会、日本エステティック振興協議会などの関連団体がありますが、団体に加盟していないエステサロンではハイフの提供が続いていると考えられます。⁵⁾

大切なお顔に傷がついてしまったり、後遺症が残ってしまったりする危険性を考え、「安いから」「効きそうだから」「気軽に通えるから」などの理由で安易に施術を受けないようにしましょう。

効果はいつからいつまで続くの?

ハイフの効果はいつからいつまで?
照射直後SMAS筋膜がギュっと縮み、たるみやもたつきが少なくなったのを目に見えて実感できる。
1~3カ月後コラーゲンやエラスチンが生成されて、ハリや弾力のピークに達するので、シワやたるみが解消する。
半年~1年程度個人差があるが、持続期間は半年~1年程度。
※施術する深さや肌状態によって持続期間が異なりますので、参考程度にお考えください。

ハイフの効果は、照射直後から実感できる方がほとんどです。

その後1~3カ月くらいかけて効果がピークに達し、機械による差もありますが半年~1年ほど持続します。

Dr.石川

脂肪溶解による小顔の場合、新たに脂肪がつかない限りは効果が持続します。

1回でも効果を実感できますが、引き締まった状態を維持したい方は定期的に通うのがおすすめです。

ハイフが受けられる部位

肌が引き締まる効果、シワやたるみが改善する効果があるハイフ。

「ハイフは顔しか受けられない?」「二重顎を解消したいけど照射できる?」「二の腕やお腹もスッキリ引き締められる?」

検討するときに、こんな疑問を持つこともありますよね。

ハイフが受けられる部位は多いのですが、打ってはいけない箇所もありますので、下記で見ていきましょう。

顔全体

ハイフは基本的に顔全体への照射が可能です。

目元だけ、フェイスラインだけ、などの部位ごとの照射でもハイフの効果はありますが、顔全体に照射したほうがよりシワやたるみ改善、肌質改善、小顔効果を実感できます。

皮膚やSMAS筋膜は顔全体でつながっていますので、一箇所だけにアプローチするよりも全体的に引き締めたほうが効果を実感しやすいです。

額(おでこ)

年齢とともに気になりだす額のシワも、額へのハイフでコラーゲン生成を促し軽減できます。

額がたるんでいるとまぶたも下がりがちに。額への照射はパッチリとした目に近づく効果があります。

目周り・こめかみ

目元の小ジワや目の下のたるみ、たるみが原因の黒くまを改善する効果があります。また、こめかみに照射すると目元の小ジワを改善できます。

目周りは視線が向きやすい部位ですので、ハリや弾力がでると印象が大きく変わります。

SMAS筋膜の引き締め、頬についた脂肪の溶解、コラーゲンの生成促進で気になるほうれい線の改善や肌質の改善、頬全体が引き締まりキュッと持ちあがる効果があります。

顔の中で面積が大きいパーツなので、コラーゲン生成によるハリや弾力のアップを実感しやすいです。

口周り

皮膚のたるみによって起こるマリオネットラインや口元のシワも、脂肪溶解やコラーゲン生成によって目立たなくなる効果があります。

口周りのたるみは化粧品などのセルフケアでは限界がありますので、早めのハイフがおすすめです。

二重顎(あご下)・フェイスライン

二重顎、あご下のたるみ、フェイスライン全体に照射することで、輪郭がスッキリして小顔効果があります。

二重顎やフェイスラインは悩みを抱える人も多いですが、最もハイフの効果を実感しやすい部位です。

年齢が出やすいと言われる首ですが、長時間スマホを使用する方もいるため若い方でも横ジワが気になるケースが増えています。

ハイフを照射すると首全体が引き締まり首のシワやたるみを改善できます。

二の腕や太ももなどのボディ

すぐに脂肪がつきやすい二の腕、ダイエットしてもなかなか脂肪が落ちにくいヒップライン、お腹周り、太ももなど、ハイフは顔だけでなくボディにも照射できます。

ハイフで溶解された脂肪は、老廃物として身体の外へと排出されて自然には復活しないので、リバウンドしにくいのがメリットです。

ただ、脂肪吸引やダイエット注射などの医療痩身メニューより効果は少なめ。劇的に脂肪を落とすというよりは、ダイエットしてもどうしても残ってしまうところを部分的に引き締めたい場合に検討すると良いでしょう。

脂肪がもともと少ないと他の組織にダメージを与える可能性も考えられます。
脂肪の厚みがある程度ある方でしたら心配いりませんが、脂肪が少ない方は施術が受けられない場合もあります。

打ってはいけない箇所

ハイフを打ってはいけない箇所は主に3つ。

ハイフを打ってはいけない箇所

  1. 甲状腺の上(喉仏のライン)
  2. 眼球の上(まぶた)
  3. 耳の下のリンパ節

甲状腺、眼球の上、耳下のリンパ節になぜハイフを打ってはいけないかというと、健康な身体を維持するために重要な組織を傷つけてしまう可能性があるからです。

最悪の場合、甲状腺ホルモンに異常をきたし自律神経が乱れる、眼球に超音波が届いてしまい失明する、リンパ節にダメージが加わり免疫異常になる、といった恐れもあります。

Dr.石川

失明や免疫異常と聞くと「ハイフって怖い」と思ってしまうかもしれませんが、人の身体の構造を理解している医師による施術では、安全に照射してもらえますのでご安心ください。

医療ハイフの値段相場

全顔10~16万円
全顔(ハイフシャワー)4~8万円
2~4万円
あご下2~3万円

使用する機器や照射の深さ、クリニックによって値段の幅がありますが、顔全体の値段相場は10~16万円です。

SMAS筋膜よりも浅い真皮へ照射する「ハイフシャワー」だともう少し安い傾向があり全顔で4~8万円。部位ごとの照射では、頬は2~4万円、あご下は2~3万円が値段相場となります。

安ければ安いだけ嬉しいのはもちろんですが、同じ「全顔」であってもショット数が少なかったり、対応範囲が狭かったりする場合があります。

そのため、単に値段だけを見るのではなく、ショット数や対応している範囲も一緒にチェックするのがおすすめです。

ダウンタイムはどのくらい?

美容医療の施術は効果が高い分「ダウンタイムが付き物」といっても過言ではありません。

ハイフにもダウンタイムが多少ありますが、日常生活に支障をきたすことはほぼないと思っていただいて問題ないです。

赤み、腫れ、むくみなどのダウンタイムは、ほとんどの場合で2~3日、もともと肌が敏感な方でも1週間ほどで落ち着きます。

また、ダウンタイムはメイクで隠せるくらいの症状で、あまりにも不自然になることはありませんので、そこまで心配いらないでしょう。

逆にダウンタイムが全くない人もいます。赤みや腫れがなかったとしても肌はダメージを受けているので、施術後は保湿や紫外線ケアをしっかりと行いましょう。

ハイフのデメリットは?副作用・後遺症・危険性について

シワやたるみに効果のあるハイフでも、デメリットはないのか、副作用・後遺症などの危険性はないのか、といった点が気になるかと思います。

前提として、医療機関で正しく照射すれば重篤な副作用や後遺症が起こることは考えにくいです。

とはいえ、超音波を当てて肌内部に熱でアプローチする施術ですので、デメリットや副作用もゼロではありません。

肌の乾燥

ハイフで肌内部に熱エネルギーを与えると、一時的に肌が乾燥しやすい状態になります。

この副作用は、正しく施術をしていても避けられないもの。

ただ、もともとの肌タイプ(乾燥肌・普通肌・敏感肌など)によって、乾燥の度合いも異なります。

ハイフによる乾燥はいつまで?

ハイフによる肌の乾燥は、きちんとケアできていれば1~2週間ほどで落ち着きます。

肌の乾燥が悪化しないためにも、ハイフをしたあとは保湿ケアが必須です。

化粧水の理想は3度づけ。100円玉くらいの大きさ×3回、手の平で温めてからつけると肌に馴染みやすいです。さらに、肌の水分をキープする効果がある乳液やクリームも必ず使用します。

化粧水をつけたあとに乾くのを待ってから乳液をつける方もいますが、時間が経つとせっかく補った肌の水分が蒸発してしまいますので、化粧水が乾くのを待たずにすぐ乳液をつけましょう。

ハイフ後は紫外線の影響を受けやすくなるので、UVケアも入念に行いましょう。

アメリカ皮膚科学会では、肌老化の80%は紫外線によるものと考えられています。

Dr.石川

紫外線は、シミはもちろんシワやたるみの原因になりますので、ハイフ直後だけでなく日常的な紫外線対策が望ましいです。

赤み・腫れ・むくみ

体質によって、ハイフの施術直後から赤みや腫れ、むくみなどの症状がでる方もいます。

とくに脂肪が多い箇所への施術は腫れやむくみが長引きやすい傾向がありますが、ほとんどの場合2~3日で、長くても1週間以内に症状がなくなりますので、過度な心配はいりません。

軽度の赤みであれば、ファンデーションの前にグリーンのコントロールカラーを使用するとカバーできますが、あまりに強い赤みや腫れは肌のことを考えメイクをしないほうが無難。

また、1週間以上続くようであれば、クリニックに症状を相談して指示を仰ぐと良いでしょう。

やけど

ごくまれに、やけどや水ぶくれの症状がでるケースがあります。

やけどが治る過程で色素沈着が起こる場合も。やけど、水ぶくれは、ハイフの照射出力が高すぎるのが原因です。

出力は医師が経験や知識に基づいて決定していきますので、経験豊富な信頼できるクリニック選びが重要です。

やけどの跡が残らないようにするためにも、万が一やけど・水ぶくれの症状が出てしまったら、すぐにクリニックに連絡して受診するようにしましょう。

筋肉痛のような痛み

ハイフの翌日くらいから、筋肉痛のような痛みを感じることがあります。

ハイフは筋肉に照射しないのになぜ?と思うかもしれませんが、皮下組織と筋肉の間にあるSMAS筋膜が刺激された影響で筋肉痛のような痛みを引き起こす場合があります。

筋肉痛のような痛みは、時間を追うごとに自然に良くなっていきますので問題ありません。

Dr.石川

日常生活に差し障りがあるほどの痛みではないですし、長くても1カ月ほどで改善します。

神経損傷

発生率は極めて低いですが、ハイフの副作用として最も避けたいのが「神経損傷」です。

顔には神経が張り巡らされていて、とくにSMAS筋膜の下には多くの神経があります。

「神経損傷」はその名の通り神経が傷つくことを指し、通常は時間とともに改善していきますが、1年ほどかかるケースがあります。

「どんな症状が出たら神経損傷?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃると思うので、下記に症状をまとめています。

神経損傷の症状

  • 顔の左右差
  • 表情がこわばる
  • 顔の感覚がない、または鈍い
  • 施術部位が痺れる

ハイフを安全に行うためには、神経・血管の位置などの解剖学の知識が必要です。

医療機関では正しい知識を持った有資格者が施術するので、神経を傷つけてしまうようなリスクは少ないですが、ハイフ後もしも「おかしい」と感じたらすぐにクリニックに連絡しましょう。

Q&A

さいごに、ハイフのよくある質問に答えています。

ハイフの施術を受けるときは痛みがありますか。

最近では、痛みが大幅に少ないハイフ機器もあります。

ただ、照射するパーツや体質(痛みに弱いなど)によっては痛みを感じる人も。

ピリピリしたり、骨に響く感覚を覚えたり、感じ方には個人差があります。

とはいえ、①痛みの少ない機種を選ぶ麻酔クリームを使用する出力を下げてもらう、などの方法で痛みを軽減でき、痛みに弱い方でも安心して施術を受けられます。

Dr.石川

痛みに配慮してくれるクリニックもありますので、心配な場合は相談してみるのがおすすめです。

効果的な通院の頻度・間隔を教えてください。

ハイフの効果的な通院頻度:半年くらいに一度

ハイフの効果持続期間は機種による差や個人差がありますが半年~1年程度ですので、半年くらいに一度の間隔で通院するのがおすすめです。

「短い間隔でたくさん施術を受ければそれだけ効果がアップするのでは?」といった質問も受けますが、短い間隔で頻繁に照射するのはNGです。

ハイフの間隔が短いとどうなる?

ハイフは熱による刺激を与えて、肌の自然治癒を促しハリや弾力を与える施術。肌が修復するのを待たずに照射してしまうと皮膚内部のダメージが大きくなる⇒副作用がでやすくなる

Dr.石川

このような理由から最低でも3カ月は空けて、半年に一度くらいの頻度で通うのを推奨します。

自宅用のハイフ機器でも小顔効果がでますか。

自宅用のハイフ機器(セルフハイフ)は、出力が弱いので医療ハイフのような小顔効果はありません。

家庭用美顔器の一つとして販売されている自宅用ハイフ機器。

インターネットでも「コスパが良い」「芸能人も愛用している」と魅力的な言葉が並ぶので、惹かれるのも分かります。

Dr.石川

自宅用のハイフ機器は効果がゼロとはいいませんが、しっかりとシワやたるみを改善したい方はクリニックでの施術がおすすめです。

ハイフをやめたほうがいい人はいますか。

シワ・たるみの改善効果や小顔効果があるハイフですので、肌悩みがある人にはとくにおすすめしたい施術ですが、ハイフが向いていない人もいます。

向いていない人

  • やせ型の人、もともと脂肪が少ない人
  • 皮膚のシワやたるみがあまりない人
  • たるみが進行しすぎている人

同じハイフであっても、1.5㎜や2.0㎜の深さへの照射であればもともと脂肪が少ない人やシワ・たるみがあまりない人でも「肌のハリや弾力アップ「肌質の改善」といった面で効果を実感できます。

しかし、3.0㎜の皮下組織や4.5㎜のSMAS筋膜へのアプローチは、頬がこけて見えてしまったり、目の下の小ジワや黒くまが増える可能性も否定できません。

また、60代・70代などのたるみが進行しすぎている方は、ハイフでは役不足かと思いますので、ほかの美容施術を検討したほうが良いかもしれません。

ハイフが受けられない人

  • アトピー性皮膚炎、ケロイド体質、ヘルペスがある人
  • ひどい日焼けをしている人
  • 顔に金属を入れている人
  • 妊娠・授乳中の人
  • 肝臓・腎臓に疾患のある人
  • ペースメーカーを利用している人

そもそもハイフを受けられない人もいて、上記に当てはまる人はリスクやデメリットが大きいので、どのクリニックでもお断りしています。

Dr.石川

ハイフが受けられないけどシワやたるみが気になる方は、シワ・たるみに効果的なほかの美容メニューを検討するためにも、いちどクリニックに相談してみると良いでしょう。

逆にシワが増えた人がいるって本当ですか?

一時的にシワやたるみがなくなり、その後半年~1年程度で新たにシワがでてくると、シワのない顔に見慣れていたので「シワが増えた」と感じるケースがあります。

また、ハイフは半永久的にシワやたるみがなくなる・増えない施術ではありませんので、加齢、乾燥、紫外線の影響でシワが増えてしまうことが考えられます。

先ほどの「ハイフをやめたほうがいい人はいますか。」でも触れましたが、もともと脂肪が少ない方はさらに脂肪がなくなり老けて見えるリスクも。

脂肪が少ない人は、ハイフを受けて問題ないか、逆に老けて見える可能性があるか、などをしっかりと相談するためにも、事前のカウンセリングとクリニック選びが重要です。

Dr.石川

シワ・たるみの治療は進行してからよりも、気になり出したら早めに行うのがおすすめ。自分に合ったところで「やって良かった」といえるハイフを受けましょう。

参考
¹⁾エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故に係る事故等原因調査について/消費者安全調査委員会
²⁾HIFU(高密度焦点式超音波)施術による健康被害にご注意ください/経済産業省
³⁾高密度焦点式超音波(HIFU)による施術の即時中止のお願い/日本エステティック協会
⁴⁾「エステサロン等でのHIFU(ハイフによる事故)」調査報告書に伴う「注意喚起」と「使用禁止」の周知徹底のお願い/日本エステティック振興協議会
⁵⁾エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故/消費者安全調査委員会

施術の主な副作用・リスク:施術中に軽い痛みを感じる場合があります。脂肪が薄い部分など部位によって痛みが出やすいこともあります。施術後に、照射した部分が少し赤くなることがあります。日焼けをしている方は、施術が受けられない場合があります。施術後に照射した部分が日焼けすると、色素沈着が起こる場合があります。

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