[aisatu morning=”おはようございます。” noon=”こんにちは。” evening=”こんばんは。”]新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック院長の石川です。
ニキビが治まったあとに、赤みや色素沈着として残るニキビ跡。セルフケアでは改善できず、お悩みではありませんか。
なかなか治らないニキビ跡には、皮膚科でのケミカルピーリングがおすすめです。
今回は、ケミカルピーリングのニキビ跡への効果について詳しくまとめました。
ニキビ跡の種類によって効果の現れ方が変わってくるため、本記事を参考に自分のタイプを把握して、確実に改善を目指しましょう。
ケミカルピーリングによるニキビ跡治療の効果
ケミカルピーリングは、古い角質を除去し、肌が生まれ変わるサイクルである「ターンオーバー」を促す治療法です。
繰り返し施術を受けることで、ニキビ跡を含むさまざまな肌トラブルを改善する効果が期待できます。
ただし、ニキビ跡は重症度によっていくつかの種類に分けられ、すべてのニキビ跡にケミカルピーリングが有効なわけではありません。
以下で、ニキビ跡の原因と種類について確認しましょう。
ニキビ跡の原因
ニキビ跡は、ニキビの炎症が繰り返し起こるために発生します。
軽度のニキビであれば、皮膚の表皮のみに炎症が起こるため、肌のターンオーバーにより徐々に薄れて、きれいに治る場合が多いです。
しかし、炎症が強く皮膚の奥にまでダメージが及んでいると、通常のターンオーバーだけでは改善できず、ニキビ跡として残ってしまいます。
時間が経ってもニキビ跡がなかなか消えない場合は、皮膚科でのケミカルピーリングを検討しましょう。
ニキビ跡の種類
ニキビ跡は、大きく以下の5タイプに分けられます。
- 赤み
- 色素沈着
- クレーター(萎縮性瘢痕)
- しこり
- ケロイド(肥厚性瘢痕)
それぞれの特徴とケミカルピーリングの効果を解説します。
赤み
ニキビの炎症が治まり、肌が平らになったあとも患部に赤みが残っている状態です。炎症によって毛細血管が増え、皮膚から血管が透けて見えるために起こります。
多くの場合赤みは一時的なもので、時間の経過とともに消失しますが、炎症が強いほど長く残りやすいです。
6ヶ月以上赤みが続く場合は、皮膚科での治療を検討するとよいでしょう。ケミカルピーリングによって肌のターンオーバーが促進されると、より早い改善が期待できます。
色素沈着
ニキビを発症した部分の皮膚が茶色く変化し、シミのように見えるニキビ跡です。ニキビの炎症によって過剰に生成されたメラニン色素が、排出されずに肌に残って色素沈着を起こします。
通常は数ヶ月かけて自然に消えていきますが、肌の奥まで色素沈着が及んでいると、元の肌の状態になるまでに2〜3年かかる場合があります。
また、過度に紫外線を浴びてしまうと消えにくくなるため、日焼けには十分注意しなければなりません。
ケミカルピーリングにはメラニンの排出を促す作用もあるため、スピーディーな改善を目指せます。
クレーター(萎縮性瘢痕)
ニキビの炎症が肌の奥深くまで及び、患部に陥没や凸凹が生じた状態です。
ニキビを潰したり触りすぎたりするとダメージが残り、炎症が治まったあとも凸凹としたニキビ跡が残りやすくなってしまいます。
クレーターは肌の真皮層まで傷ついてしまっているため、自然治癒はほぼ不可能です。
軽度であればケミカルピーリングで改善する可能性はありますが、きれいに治るまでには多くの回数が必要となるでしょう。
しこり
ニキビのあった患部が硬くなり、盛り上がりができた状態です。ニキビの炎症が深部まで進行し、肌が修復しようとして過剰にコラーゲンを生成するのが原因で起こります。
同じ場所に繰り返しニキビができると、しこり状のニキビ跡が残りやすいです。痛みやかゆみはほとんどなく、基本的に害はありませんが、触ると違和感を覚えるでしょう。
しこりはセルフケアで治ることはなく、ケミカルピーリングでも完全に元の状態に戻すのは困難です。
ケロイド(肥厚性瘢痕)
しこり状のニキビ跡が進行して、皮膚がミミズ腫れのように赤く盛り上がった状態です。
体質や遺伝も関係しており、はっきりとした原因は不明ですが、しこりを過度に触ったり潰したりすると、悪化して発症しやすくなると言われています。
しこりと同様に重度のニキビ跡であるため、ケミカルピーリング単体では治療は難しいでしょう。
ケミカルピーリングは軽度のニキビ跡治療に効果的
ケミカルピーリングには炎症を緩和してターンオーバーを整える作用があり、赤みや色素沈着のニキビ跡を改善へと導きます。
クレーターも軽度であれば、目立たなくする効果が期待できるでしょう。
しかし、皮膚の深い部分までニキビの炎症が広がり、大きな凸凹やしこり状の跡が残ってしまうと、ケミカルピーリングだけで完全に治すのは困難です。
医師とのカウンセリングで、レーザーや光治療など他の治療法との併用を勧められるケースもあります。
必要な回数は何回?効果実感までの期間
ケミカルピーリングは一度の施術でも肌質の変化を実感できます。しかし、ニキビ跡の治療が目的の場合は複数回の施術が必要です。
症状や肌質・ピーリングの種類によっても変わってきますが、一般的には5〜10回が理想と言われています。軽度なニキビ跡ほど早い改善が期待できるでしょう。
また、回数を重ねるにつれてニキビのできにくい肌質へと変化していく可能性があります。
ニキビ跡を防ぐには、ニキビ自体をつくらないことがもっとも効果的なため、定期的に施術を受けて肌質改善を目指しましょう。
効果的な治療頻度
ケミカルピーリングには古い角質を除去する作用があり、施術後は肌が乾燥しやすくデリケートな状態となります。
肌に負担をかけないためにも、前回の治療から2週間以上は空けなければなりません。
個人差はありますが、はじめは2週間に1回のペースで治療を受け、症状が改善してきたら4〜6週間に1回のペースに下げる方が多いです。
医師と改善の具合を確認しながら、適切な頻度を決めていきましょう。
かかる値段の相場
基本的には自由診療となり保険が適用されないため、各クリニックで値段が大きく異なり、また、使用するピーリング剤や濃度によっても値段は変わってきます。
十分な効果を得るためには5〜10回の施術が必要なことを考慮して、合計で25,000円〜100,000円程度はかかると考えておきましょう。
クリニックによっては、3回・5回・10回などの回数コースを設けており、通常よりお得な値段で治療を受けられます。
医師と肌の状態や予算を相談して、自分に合うコースを選択してください。
ダーマペンと併用すると良いって本当?
ケミカルピーリングのようにニキビ跡の改善が期待できる治療法に「ダーマペン」があります。
ダーマペンの特徴やケミカルピーリングとの相乗効果について解説します。
ダーマペンとは
髪の毛よりも細い超極細針を用いて、目には見えないほどの小さな穴を皮膚に形成する治療法です。肌に傷をつくって自然治癒力を引き出し、さまざまな肌トラブルにアプローチします。
ケミカルピーリングでは改善が難しいとされる、重度のクレーターにも効果を発揮するのが特徴です。
コラーゲンやエラスチンの増生を促し、肌を再生させる過程でニキビ跡を目立たなくしていきます。
必要な治療回数は、ニキビ跡の重症度によって異なります。凸凹が深いニキビ跡の場合、5回以上は治療が必要となるでしょう。
ケミカルピーリングとの併用で相乗効果が期待できる
ダーマペンで開けた皮膚に、ケミカルピーリングの薬剤が浸透するため、より高い効果が期待できます。
とくに肌の真皮層までダメージが及んでいる重度のニキビ跡は、ケミカルピーリング単体では十分な改善効果は得られません。
ダーマペンとの併用であれば、肌の深部まで有効成分が届きやすくなるため、高い効果を実感できる可能性があるでしょう。
ニキビ跡の種類によっては悪化するおそれも
ダーマペンは色素沈着やクレーター・ケロイドのニキビ跡には有効とされていますが、以下のタイプのニキビ跡の場合、悪化するおそれがあるため注意が必要です。
- 赤み
- しこり
赤みのあるニキビ跡は、毛細血管が皮膚から透けて見えている状態です。ダーマペンで刺激を与えると、炎症を起こして色素沈着につながってしまうおそれがあります。
また、しこり状のニキビ跡も、程度によっては悪化する危険性があるため、施術は控えたほうがよいでしょう。
炎症や膿のあるニキビが混在している場合にも、ダーマペンによって細菌が広がり、さらなるニキビを招きやすくなります。
市販の自宅ピーリングでニキビ跡に効果はあるの?
自宅で手軽に行えるピーリングは多くの種類があり、以下のような成分が含まれています。
ピーリング成分 | 特徴 |
AHA(アルファヒドロキシ酸) | ・グリコール酸・乳酸・クエン酸など・古い角質を除去して表皮の新陳代謝を促す・肌への負担が比較的少ない |
BHA(β-ヒドロキシ酸) | ・サリチル酸・高い殺菌力を持ち、ニキビ予防効果が期待できる |
PHA(ポリヒドロキシ酸) | ・グルコノラクトン・ラクトビオン酸など・AHA由来の派生化合物・分子が大きく肌への浸透が緩やかなため、刺激が少ない |
また、ピーリングのタイプも「ゴマージュ」や「ジェル」「石鹸」などさまざまです。
これらの自宅ピーリングには、古い角質や汚れを取り除いて、健やかな肌へと導く効果が期待できます。ケアを続ければ、ニキビ跡が目立たなくなる可能性はあるでしょう。
しかし、市販のピーリングは安全性を考慮して、皮膚科でのケミカルピーリングよりも低濃度でつくられています。
たとえば、皮膚科では濃度が20〜30%のグリコール酸を使用するのに対して、自宅ピーリングのグリコール酸の濃度は2.5〜7.5%が一般的です。
肌への負担は少ない一方で、効果を実感するまでに長い期間を要したり、重度のニキビ跡には効果が現れなかったりするおそれがあります。
自宅ピーリングは「医薬部外品」や「化粧品」に分類されるため、あくまでも肌のお手入れを目的としており、医療用のケミカルピーリングのように「治療」が目的ではありません。
確実にニキビ跡を改善したいのではれば、皮膚科でのケミカルピーリングを検討しましょう。
ケミカルピーリングでニキビ跡が悪化することはある?
ケミカルピーリングを行うと、ニキビ跡の赤みや色素沈着が一時的に悪化する場合が。これは「好転反応」と呼ばれる症状で、肌の細胞が活性化されたために起こります。
多くの場合、好転反応は時間の経過とともに落ち着き、施術を重ねていけば改善していくため心配はいりません。
そのほか、施術後は肌が乾燥しやすくデリケートな状態となるため、赤みや皮むけ・肌荒れなどの副作用が出て、ニキビ跡が悪化したように見えることも。
これらの症状も2日〜10日ほどで改善するケースがほとんどですが、普段より念入りな保湿ケアと紫外線対策を心がけ、刺激を与えないように気をつけましょう。
施術の主な副作用・リスク
・施術中、お肌の状態によってピリピリ感やヒリヒリ感などの刺激を感じることがあります。
・ダウンタイムはほとんどありませんが、赤みがでる方もいらっしゃいます。
・赤みは数時間で消失する場合が多いですが、肌が敏感な方は数日間残る場合もあります。