東京で美容外科医をしている齋藤隆文(形成外科専門医)です。当サイトで、美容コラムを担当しています。この記事の一番最後に、現在の東京での診療案内を載せていますので、受診希望の方は私のホームページの問い合わせフォームからお問い合わせください。
いきなりですが、あなたのまつ毛はまっすぐ前を向いて生えていますか?
鏡を見て自分のまつ毛を確認してみると、上まつげが下を向いて生えている、あるいは下まつ毛が上を向いて生えているという方、実は多いんです。まつ毛が目の上にかかってくると、かゆみや痛みに繋がるだけでなく、美容的にも目が小さく見えてしまう効果が起きています。
いま鏡でまつ毛が前を向いていないことに気づいたみなさん!これらは、日帰り短時間の局所麻酔だけの手術で治すことができます!!!
こちらの記事では、俗にいう、逆まつげ、について、その原因から治療に加えて、治療によって得られる美容的メリットを、実際の写真をお見せしながら解説しています。
美容的なメリットはいくつかあるんですが、今日取り上げるポイントは、”目が大きく見えるようになります。”
逆まつげの原因はまぶたの構造的な問題が原因。だから、手術で改善できるんです。
下まつ毛の内反症(ないはんしょう)、いわゆる逆まつげは、皮膚よりも深い部分での睫毛を外に向かって支える部分がなかったり、弱かったりするのが原因と言われています。こういった構造を穿通枝(せんつうし)と呼びます。
でも!
実は、生後すぐは2人に1人、つまり約半数に逆まつげがあることが知られています。赤ちゃんの下まつげ、よく見るとまっすぐ上に生えている子が多いんです。
ただこれは、成長と共に改善して、小学校を卒業する頃にはほとんどの子が逆まつげではなくなります。学術的には、この時点でだいたい50人に1人くらいまで減るとされています。
なので、基本は中学生になるまで改善を待ちたいのですが、眼球の表面にトラブルが強く出ると小さいうちでも手術が必要になります。この辺りの、小さいお子さんの手術の必要性については、眼科専門医に相談していただくのが一番です!
こういった症状が強くて眼科にかか流ことになるくらいのいわゆる重症ケースについては子供の頃に改善されることがほとんどなのですが、逆まつげ手術というのは少々厄介なところがあります。
それは、術後の逆まつげ再発率が高いことです。医学的な報告の中には、その再発率を10%としているものもあります。ですので、大人になっても逆まつ毛が残って困っておられる方も少なくありません。
また、逆に軽症ケースの方は手術を受けずにそのまま過ごされることも多いです。たまに痒いけど、そんなに困っていないよ、というパターンです。
そんなに症状がない場合はもちろんそのままにしておいて大きな問題になることはありませんので大丈夫ですが、眼科の先生に診察を受けたことがない場合は一度きちんと受診されることをおすすめします。
眼球のサイズに個人差なし!目が大きい小さいはまぶたの被り方の違いです。
逆まつげについては、先に述べたように、まつ毛が眼球に当たって痒(かゆ)かったり痛かったりして困る場合は手術を積極的に考えることになります。
手術!!というと、少し身構えてしまいますよね。それに眼科さんに行ってまつ毛を抜いてもらうことで手術をせずに過ごしておられる方もたくさんいらっしゃると思います。そうなると、手術をしたらこんないいことがあるよ!というメリットは何があるのか、がポイントになってきます。
逆まつげを手術で治した場合に得られる一番のメリットは、
まつ毛がかぶって小さく見えていた目が大きく見えるようになる
ことにあると思います。逆まつげの方の目の美容的な特徴は、下のお写真のように、まつ毛が黒目や白目にかかってしまい、目が元々の大きさより小さく見えてしまっていることです。
手術的に、目にかかっているまつ毛をまっすぐ前に向け、かぶってくる皮膚を切除することで、目の印象が大きくなります。
人間の眼球の大きさというとは実はほとんど個人差がないことが解明されており、私たちが感じる、”目が大きい”あるいは”目が小さい”といった印象は、眼球にどのようにまぶたが覆いかぶさっているかで決まります。
いわゆるまぶたの開きが悪い場合には、まぶたの開きを改善させる眼瞼下垂(がんけんかすい)症手術という術式が採用されます。まぶたの開きが改善されて眼球の見えている範囲が広くなるので、目が大きく見えるようになります。
しかしながら、逆まつげだけが問題になっている場合は、まぶたの開きはもちろん正常です。あくまで、黒目の前に覆いかぶさってくるまつ毛を前に向けてあげる手術だけで改善します。
逆まつげ手術の場合はダウンタイムや傷跡の心配などで、実際に受けるのを迷っておられる方も多いと思いますが、きれいな手術をしてもらうことで、ご自身本来のぱっちりとした目の印象を手に入れることができるかもしれません。
日帰り手術でダウンタイムは5日間程度。最小限のキズで逆まつげを治療する。
さて、今回取り上げる患者さんは、二十歳になっても痛み、痒み(かゆみ)がなくならず眼科の先生から相談をいただいた患者さんです。
逆まつげ治療にはいくつかの手術術式があります。代表的な術式に、ホッズ法というものがあります。これは、まつ毛のすぐ下の皮膚を切開して、まつ毛側の皮膚をより深い位置に縫い込むことで、まつ毛が下を向くように矯正する術式です。
現在おそらく最もよく行われているのがこのホッズ法で、私も重度の逆まつげの患者さんのケースには利用することがあります。しかし、この術式には、キズが凹みやすいという大きなデメリットがあります。
なので、軽症例の思春期以降の方では、できるだけ傷が目立たず、まつ毛の傾きだけ変化させる術式を採用することが多いです。手術は日帰りで行うことができます。
局所麻酔薬を下まぶたに注射したあとは、特に痛みもなく、ただ手術用のベッドに横になって手術が終わるまで寝ているだけです。まつげの下に沿って切開し、皮膚の下にある筋肉を移動させてまつげの傾きを調整します。
お顔の成長が進んで筋肉もしっかりしている患者さんであればこの術式を選ぶことで、自然なまつげのラインがキレイに出て、眼球にも当たらなくなります。
切開した部分は糸で縫い合わせるので、術後4〜5日目を目安にして抜糸が必要になります。
術後の腫れはそんなに強くありませんが、内出血が起こると、落ち着くのに1週間弱ほどかかります。
上を向いていたまつ毛はまっすぐ前を向くようになり、痒みもなくなりました。まつ毛のすぐ下に沿って切開したおキズも、最初のうちはうっすら赤みが続きますが、3ヶ月もするとわからないくらいきれいになります。
まとめ
下まぶたの逆まつげには、目が小さく見えてしまうというデメリットがあります。これは、黒目にまつ毛がかかってくることが原因になっています。
思春期以降の重症でない逆まつげに対しては、キズの凹みにくい、美容的な術式で改善することができます。日帰り手術で5日目に抜糸をすれば治療は完了です。
逆まつげの程度が重度の場合には別の術式をご提案することもありますので、診察をした上でしっかりとご相談をしましょう。
- 患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。
- 治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。
〈施術内容〉 睫毛内反症手術
〈手術費用〉 美容目的の場合、下眼瞼形成 約35万円
約1.3~5万円(上下、および術式により費用は異なります。)
*保険適応の場合は定められた保険点数に従って費用が決まります。
*美容目的の場合はモニター制度があります
〈リスク〉 腫れ、内出血、感染、傷が開く、後戻り、左右差、疼痛や違和感などの残存
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