「このところ肌の透明感がなくなっている気がする」
「顔色の悪さからついついお化粧を厚ぬりしがち」
そんな肌の悩みの原因は、くすみにあるのかもしれません。
くすみのタイプや原因などを解説するとともに、くすみ対策・解消法を紹介します。
くすみ解消に役立つ食べ物や化粧品、マッサージ法などを取り入れ、明るく輝く肌を取り戻しましょう。
くすんだ肌の色の違い
くすみにはさまざまなタイプがあり、その原因もさまざまです。まずはくすみのタイプとその対策について解説していきます。
- 茶くすみ
角質やメラニンの色素沈着などで、肌全体が暗く沈み込んで見える状態です。茶くすみ解消のためには、十分な角質ケア・紫外線対策などが重要です。
- 黄くすみ
黄色っぽいくすみは、肌の糖化によるものと考えられます。肌にある糖とタンパク質が結合し、酸化して起こった現象です。黄くすみ対策として、抗酸化作用の強い食材を積極的に摂るようにしましょう。
- 青くすみ
肌が青っぽくどんよりして見えるのは、血行不良が原因です。ホットタオルやマッサージなどで血流を改善しましょう。
- 赤くすみ
肌が炎症を起こし、赤味がかって見えるものを指します。炎症が強い場合は、スキンケアアイテムなどで血管拡張を抑えましょう。
肌のくすみの原因

一般に、肌のくすみの原因として挙げられるのはどのようなものでしょうか?
生活習慣や加齢による変化、日ごろの環境、体質などに注目し、くすみの原因を六つ紹介します。
<肌のくすみの原因>
- アイシャドウやファンデーションなどのメイク汚れ
- 乾燥によるくすみ
- 角質層が厚くなっているため
- メラニンによるくすみ
- 血行不良によるくすみ
- 糖化による黄くすみ
アイシャドウやファンデーションなどのメイク汚れ
アイシャドウやファンデーションといったメイクのクレンジングがしっかりできていないと、肌に残ったメイクの油脂が酸化して角質がどんどんたまってしまいます。これを角質肥厚といいます。
角質が層になってたまっていけば、肌はどんより暗くくすんでしまうことに。
メイクを落とす際は、特に洗浄力の高いオイルクレンジングなどを使って時間をかけて丁寧にケアしましょう。
アイシャドウなどのメイク汚れをしっかり落とすことは、しつこい目の周りのくすみ対策になります。
乾燥によるくすみ
肌の乾燥もくすみの原因になりがちです。これは、肌の水分量が減るとキメが乱れ、色ツヤが悪くなるからです。
肌の色が沈み込み、透明感も下がってどんよりくすんで見えてしまいます。
乾燥を改善し、光の反射率を上げ、ハリのある美肌を取り戻すためには、水分量を増やす必要が。パックなどを利用して、水分をしっかり取り込みましょう。
角質層が厚くなっているため
年齢を重ねるとともに、肌のターンオーバーの速度は落ちていきます。
それまで何の問題もなく、はがれ落ちていた古い角質がどんどん肌の表面にたまるようになってしまうのです。
角質はもともと黒っぽい色をしています。この角質が厚くつもってしまうことで、肌のくすみの原因になってしまいます。
厚くなった角質層に対応するためには、1週間に1~2回のピーリングケアがおすすめです。ターンオーバーを活発化させることで肌の弾力が増し、色ツヤがよくなります。
微細メラニンムラによるくすみ
はっきりシミが見えるわけでなくても、肌に小さなメラニンの塊が点在していると、肌がくすんで見えるものです。
こうした状態を「微細メラニンムラ」と呼びます。微細メラニンムラがある肌の内部では、メラニンを生み出す酵素が活性化しておりメラニンが大量に生成。
この状態になると、メラニンは体外へ排出されず、色素が肌に沈着してしまうことになります。
微細メラニンムラを防ぐためには、紫外線や肌への物理的な刺激を避けることが大切。摩擦などの外部要因に対して、肌はメラニンを作って自らを守ろうとするからです。
血行不良によるくすみ
日ごろの運動不足や過度なストレス、蓄積した疲れなどから血行が悪くなると、肌に必要な栄養が十分に届かなくなります。
これが原因で、毛細血管が青く目立つようになり、青暗くどんよりしたくすみになるのです。
「顔や足がむくみやすい」「目の下のクマが目立つ」「普段から疲れやすい」「冷え性」などの人には、こうした血行不良によるくすみが見られます。
血液循環を促し、くすみを解消するためにも、定期的な運動やマッサージ、十分な睡眠などを心がけましょう。
糖化による黄くすみ
加齢に伴って出てくるくすみが、糖化による黄くすみです。
これは、肌の中にあるたんぱく質が体内の糖質と結びつき、黄色っぽく変色する現象。
この変色によって、肌が黄色くくすみ、透明感が失われてしまうのです。
30代、40代によくこの黄くすみが見られるのは、摂取した糖質が代謝されずに蓄積されてしまうことが原因と考えられます。
「日ごろから甘いものや炭水化物をよく食べる」「食事時間が不規則」「顔色が黄色っぽい」という人は、糖化による黄くすみかもしれません。
黄くすみを解消するためには、毎日の食生活を見直すことが大切です。
糖質を必要以上に摂らないようにしたり、野菜から食べたりするようにしましょう。
各部位の「くすみ」の理由

くすみは、どんな部位にも均一に出るわけではありません。
くすみが出やすい部位、出にくい部位があり、その理由もさまざまです。
くすみの影響をダイレクトに受けやすい部位について解説していきます。
<肌にくすみが出やすい部位>
- 唇のくすみ
- 口元のくすみ
- 目元のくすみ
唇のくすみの理由
唇は、皮膚がとても薄い部位です。その薄さゆえにとてもデリケートで、ちょっとした刺激にも反応しがち。
そのため、くすみが出やすくなるのです。冷えや喫煙習慣による血行不良も影響しますし、紫外線によるダメージも大きなものになります。
さらに、角質層がないため非常に乾燥しやすいというのも唇の特徴です。
また、口紅の色素を落とし切れず、色素沈着のもとになるというのも、唇ならではの理由として挙げられます。
色素沈着しやすいタール色素を使った口紅には、特に気をつけましょう。
口元のくすみの理由
口元も、もともと皮膚が薄い部位です。皮膚が薄い部位は「水分をしっかりためられない」「汗腺が少なく汗の分泌が少ない」といった理由で乾燥しやすく刺激に弱い特徴があります。
これに加えて、口元は、顔の中でも摩擦による刺激が多い部位です。日中のマスクや就寝中の枕・布団の口の周りへの刺激などで、さらに乾燥を促している可能性も。
これだけ乾燥しやすいにもかかわらず、保湿ケアがしにくいというのも口元にくすみが多い理由の一つです。凸凹しているところにも化粧水やクリームをきちんとぬるようにしましょう。
目元のくすみの理由
目元も、皮膚が薄い部位の一つです。目元の皮膚は、頬の皮膚と比べて約10分の1の厚さしかありません。乾燥しやすく刺激に弱いため、さまざまなタイプのくすみが見られます。
さらに、目元はついつい手でこすってしまったり、アイメイクなどで余計な力が入ってしまったりしやすい部位のため、色素沈着を起こしがち。
目元のくすみ解消に向けては、アイクリームや美容液などを使ったこまめな保湿を心がけましょう。
肌のくすみの対策・解消方法

肌のくすみの対策・解消方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
「肌の透明感がなくなってきた」「肌がくすんで顔色が悪く見える」と悩んでいる方は、ここで紹介する対策・解消方法を試してみてください。
<肌のくすみ対策>
- 肌のくすみに効果的な食べ物の摂取
- 肌のくすみに効果的な化粧品の使用
- セルフマッサージで対策
- メイクでくすみをカバーする
肌のくすみに効果的な食べ物
<保湿力を上げる栄養素・食品>
- タンパク質(魚や肉、大豆など)
タンパク質は、新陳代謝を促し皮膚を形成する栄養素です。コラーゲンのもとでもあります。鶏のササミなど脂肪分の少ないものを選べば、美容上の問題もクリアできます。
<抗酸化作用のある栄養素>
- βカロチン(にんじんや小松菜など)
ストレスや紫外線でダメージを受けた肌をサポートしてくれる栄養素です。野菜ジュースなどにすれば、手軽にβカロチンを摂取できます。
<肌のターンオーバーを整える栄養素>
- ビタミンC(いちごやキウイなど)
コラーゲンの生成に必要な栄養素で、こまめに摂取する必要があります。肉料理の後にフルーツを食べたり、焼き魚にレモンをかけたりしてみましょう。
肌のくすみに効果的な化粧品の使用
肌の水分が不足すると、くすみが目立つようになります。
まずは、肌の角質をほぐすように保湿して、ハリを取り戻しましょう。
ローションパックなどを使ってしっかりと角層を潤すのがおすすめです。ホワイトクレイパックのメラニン抑制効果、保湿力の高さにも定評があります。
目元のくすみ対策には、アイクリームを使いましょう。しわやキメが目立つ部位を中心に、指先を使ってしっかりと浸透させるのがポイントです。
また、肌のターンオーバーを促進するために、メラニン排出促進効果があるスキンケア化粧品を試してみましょう。
メラニンがスムーズに排出されるだけでなく、肌の土台作りにもつながります。
セルフマッサージで対策
くすみ解消には、マッサージでの血行改善も効果的です。
血行の改善により、身体中の細胞に十分な酸素・栄養素が届き、肌のターンオーバーが活性化するからです。
<マッサージのやり方>
- 首回りも含め、顔全体の肌に化粧水をしっかりつけ、乳液で保湿しましょう。この際、化粧水や乳液を惜しみなく使うことも忘れずに。
- マッサージの際は、すべりをよくするためのクリームが必須です。老廃物がたまりやすい頬骨と顎骨の間のくぼみに重点的に圧を入れましょう。この際、手の根本を使って、ゆっくり深く圧を加えるのがポイントです。
- 頬骨周辺をマッサージする場合も、手の根本を使用しましょう。老廃物がたまりやすい小鼻周辺は、指の側面全体でマッサージしましょう。
メイクでくすみをカバーする
即効性のあるくすみ対策として、メイクでのカバーも有効です。くすんだ肌色を調整するコントロールカラーベースは、くすみのタイプ別に選ぶべきカラーが異なります。
<くすみのタイプ別コントロールカラー>
- 茶くすみ 血色よく見えるオレンジやアプリコット
- 黄くすみ 肌の透明感を増す、パープル、ラベンダー、バイオレット
- 青くすみ 肌が明るくなるピンク
- 赤くすみ 肌の赤味を抑えるイエローもしくはグリーン
<ベースメイクのやり方>
- 洗顔後しっかり保湿し、余分な油分を取り除く
- 下地を適量ぬり、くすみが気になる部位にコントロールカラーベースをのせる
- この際、指の腹で内側から外側へムラなく伸ばすこと、細かな部位に指先を使うことがポイント
- スポンジを使ってやさしくなじませ、最後に余分な油分を取る
まとめ
お顔がくすむと、元気がない印象になったり、若々しさが失われたりします。
何とかしようとメイクが厚くなり、余計に肌のコンディションが低下するという人も少なくありません。
くすみには、必ず原因があります。原因に応じた対策を行い、ハリのある肌、透明感のある明るい肌を取り戻しましょう。