「マルシロンとマーベロンは、何が違うの?」
「マルシロンはエストロゲンが少ないけれど、避妊効果も弱い?」
「ホルモン量が少ないなら、副作用も少ないの?」
2026年に日本で登場した「マルシロン配合錠」は、マーベロンと同じデソゲストレルを配合しながら、エチニルエストラジオールの量が異なる新しい選択肢です。
一見すると「マーベロンのホルモン量を少なくした薬」のようにも見えますが、実際には成分量だけでなく、日本で承認されている効能・効果にも違いがあります。
この記事では、マルシロンとマーベロンについて、成分・ホルモン量・避妊効果・副作用・血栓症のリスク・それぞれの特徴を比較しながら、どのような違いがあるのかをわかりやすく解説します。
「自分にはどちらが合っているの?」と気になっている方も、まずは2つの薬の違いを整理してみましょう。
マルシロンとマーベロン、まずは何が違う?
マルシロンとマーベロンは、どちらもデソゲストレルという黄体ホルモンを配合した、よく似たホルモン製剤です。
一方で、大きく異なるのがエチニルエストラジオール(EE)というエストロゲンの量です。
| マルシロン | マーベロン | |
|---|---|---|
| デソゲストレル | 0.15mg | 0.15mg |
| エチニルエストラジオール | 0.02mg(20μg) | 0.03mg(30μg) |
| ホルモン量 | EEが少ない | EEが多い |
| 日本での承認上の効能・効果 | 月経困難症 | 避妊 |
つまり、黄体ホルモンの種類と量は同じで、エストロゲンの量が違うというのが大きなポイントです。
マルシロンはエストロゲンが少ない
マルシロンに含まれるエチニルエストラジオールは20μg。一方、マーベロンは30μgです。
エストロゲン量を抑えた製剤では、エストロゲンに関連する症状を軽減できる可能性がありますが、「ホルモン量が少ない=副作用が必ず少ない」というわけではありません。
また、ここで注意したいのが日本での承認内容の違いです。
マーベロンは日本では避妊を目的とした経口避妊薬(OC)として承認されています。一方、2026年に承認されたマルシロンは、月経困難症を効能・効果とするLEP製剤として位置づけられています。
そのため、成分が似ているからといって「マルシロンとマーベロンは同じ目的で使える」と考えるのは適切ではありません。
患者さんマルシロンとマーベロンって、かなり似ているんですね?
Dr.石川そうですね。どちらもデソゲストレル0.15mgを配合しています。ただし、エストロゲンの量が違います。マルシロンは20μg、マーベロンは30μgです。
患者さんじゃあ、マルシロンのほうがホルモンが少ないから、体への負担も少ないんですか?
Dr.石川一概には言えません。エストロゲン量が少ないことによるメリットはありますが、副作用やリスクはホルモン量だけで決まるわけではありません。さらに、2つは日本で承認されている目的も違います。
患者さんなるほど。成分が似ているからといって、単純に同じ薬とは考えないほうがいいんですね。
Dr.石川その通りです。まずは『成分は似ているけれど、エストロゲン量と承認上の目的が違う』と覚えておくとわかりやすいですよ。
マルシロンとマーベロンの成分を徹底比較
マルシロンとマーベロンの違いを理解するには、まず**「黄体ホルモン」と「エストロゲン」**という2種類のホルモンに注目するとわかりやすくなります。
実は、マルシロンとマーベロンは、黄体ホルモンについては同じ成分・同じ量を使用しています。
違うのは、エストロゲンの量です。
2つの成分を比較してみましょう
| 成分 | マルシロン | マーベロン |
|---|---|---|
| デソゲストレル | 0.15mg | 0.15mg |
| エチニルエストラジオール | 0.02mg(20μg) | 0.03mg(30μg) |
マルシロンは、1錠中にデソゲストレル0.15mg+エチニルエストラジオール0.02mgを含有しています。マーベロンは、デソゲストレル0.15mg+エチニルエストラジオール0.03mgです。PMDA
つまり、
デソゲストレルは同じ。
エチニルエストラジオールはマルシロンのほうが少ない。
という関係です。
デソゲストレルはどんな働きをする?
デソゲストレルは、黄体ホルモン(プロゲスチン)の一種です。
配合剤では、主に排卵を抑えることなどによって妊娠を防ぐ作用に関わります。
また、子宮頸管粘液を変化させて精子が子宮内へ入りにくくする作用や、子宮内膜に作用することも、ホルモン避妊薬の重要な作用です。
マルシロンとマーベロンでは、このデソゲストレルがどちらも0.15mg含まれている点が共通しています。
エチニルエストラジオールは何のために入っている?
もう一つの成分が、エストロゲンの一種である**エチニルエストラジオール(EE)**です。
マルシロンは20μg、マーベロンは30μgなので、マルシロンではマーベロンよりエチニルエストラジオールの配合量が少なくなっています。
ここから、
「じゃあ、マルシロンのほうが副作用も少ないの?」
という疑問が出てきますよね。
確かに、エストロゲン量を減らすことには一定の意味があります。しかし、薬の副作用はエストロゲンの量だけで決まるわけではありません。
そのため、「20μgだから必ず副作用が少ない」「30μgだから副作用が強い」と単純に考えることはできません。
「ホルモン量が少ない=効果が弱い」ではない
ここは非常に重要なポイントです。
マルシロンはマーベロンよりエチニルエストラジオールが10μg少ないため、「ホルモンが少ないなら、避妊効果も弱くなるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ホルモン配合剤の作用は、エストロゲンの量だけで決まるものではありません。
特にデソゲストレルによる排卵抑制など、複数の作用が関係しています。
したがって、
エストロゲン量が少ない=薬の効果が弱い
と単純に判断することはできません。
ただし、マルシロンとマーベロンでは日本で承認されている効能・効果が異なるため、「避妊効果が同じ」と表現するのも適切ではありません。
この点は、次の「避妊効果」のセクションで詳しく解説します。
患者さんマルシロンって、マーベロンよりエストロゲンが少ないんですよね?
Dr.石川はい。マルシロンは20μg、マーベロンは30μgです。一方、デソゲストレルはどちらも0.15mgです。
患者さんじゃあ、マルシロンは単純にマーベロンの弱いバージョンなんですか?
Dr.石川そういうわけではありません。ホルモン量が少ないことと、薬の効果が弱いことはイコールではありません。ただし、日本では2つの薬の承認されている目的が違うので、そこは分けて考える必要があります。
患者さんなるほど。成分の量だけで薬の強さを判断しないほうがいいんですね。
Dr.石川その通りです。マルシロンとマーベロンを比較するときは、成分量だけでなく、何を目的として承認されている薬なのかまで確認することが大切です。
マルシロンは「超低用量ピル」?マーベロンは「低用量ピル」?
マルシロンとマーベロンを比較するとき、もう一つ気になるのが**「低用量ピル」「超低用量ピル」という分類**です。
「マルシロンはエストロゲンが20μgだから超低用量ピルなの?」
「マーベロンは30μgだから低用量ピル?」
このように疑問に感じる方も多いでしょう。
エストロゲン量による一般的な分類
一般的には、配合されているエチニルエストラジオール(EE)の量によって、次のように説明されることがあります。
| 分類 | EEの量の目安 |
|---|---|
| 高用量 | 50μg以上 |
| 低用量 | 50μg未満 |
| 超低用量 | 30μg未満 |
この分類で見ると、20μgのマルシロンは「超低用量」に該当する製剤と考えられます。
一方、30μgのマーベロンは一般的には低用量ピルに分類されます。
ただし、「低用量」「超低用量」という呼び方は、医薬品の承認上の正式な分類とは必ずしも一致しません。
マルシロンはエストロゲン量が少ない
マルシロンのエチニルエストラジオールは20μgです。
これは、マーベロンの30μgと比較すると約3分の2の量になります。
そのため、
「できるだけエストロゲン量を抑えた製剤を選びたい」
という場合には、マルシロンのような20μg製剤が選択肢になることがあります。
ただし、エストロゲン量を減らせばすべての人にとってメリットになるわけではありません。
例えば、エストロゲン量が少ない製剤では、服用中の不正出血が問題になることもあります。
つまり、
エストロゲンは少なければ少ないほど良い
という単純な話ではありません。
「ホルモンが少ない=避妊効果が弱い」わけではない
ここは特に誤解されやすいところです。
マルシロンはエチニルエストラジオールが20μgしか入っていないため、
「マーベロンよりホルモンが少ないから、避妊効果も弱いのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、ホルモン配合剤の作用はエストロゲンだけで決まるわけではありません。
マルシロンとマーベロンには、どちらもデソゲストレル0.15mgが配合されています。
デソゲストレルによる排卵抑制などが作用するため、エストロゲン量だけを見て薬の効果の強弱を判断することはできません。
ただし、前のセクションでも説明したように、日本ではマルシロンとマーベロンの承認上の効能・効果が異なります。
したがって、「マルシロンはマーベロンと同じ避妊薬」と考えるのではなく、薬の承認内容を確認したうえで使用することが大切です。
患者さんマルシロンは20μgだから、超低用量ピルなんですよね?
Dr.石川一般的なエストロゲン量による分類では、20μgのマルシロンは超低用量に分類されます。一方、30μgのマーベロンは低用量に分類されます。
患者さんじゃあ、マルシロンのほうが体への負担が少ないんですか?
Dr.石川エストロゲン量が少ないことにはメリットがありますが、必ずしも『体への負担が少ない』と一言で言えるわけではありません。不正出血など、別の問題が起こることもあります。
患者さんホルモンは少なければいい、というわけではないんですね。
Dr.石川そうですね。大切なのは、ホルモン量だけではなく、症状や目的、体質などを考えて自分に合った製剤を選ぶことです。
マルシロンとマーベロン、避妊効果はどちらが高い?
マルシロンとマーベロンを比較するとき、多くの方が気になるのが「避妊効果」ではないでしょうか。
「マルシロンはエストロゲンが20μgだから、30μgのマーベロンより避妊効果が弱いの?」
結論からいうと、エストロゲンの量だけを比較して、避妊効果の強弱を判断することはできません。
避妊作用はエストロゲンだけで決まらない
低用量ピル・LEPの避妊作用には、主に次のような働きが関係しています。
- 排卵を抑える
- 子宮頸管粘液を変化させ、精子が子宮内へ入りにくくする
- 子宮内膜に作用する
マルシロンとマーベロンは、どちらもデソゲストレル0.15mgを配合しています。
そのため、「マルシロンはエストロゲンが少ないから、その分だけ避妊効果も低い」と考えるのは適切ではありません。
では、マルシロンでも避妊できる?
ここは非常に重要なポイントです。
マルシロンとマーベロンは成分が非常によく似ていますが、日本で承認されている効能・効果が異なります。
マーベロンは、日本では**避妊を目的とする経口避妊薬(OC)**として承認されています。
一方、マルシロンは2026年に日本で承認された製剤で、月経困難症を効能・効果とするLEPとして位置づけられています。
そのため、
「マルシロンとマーベロンは成分がほぼ同じだから、避妊薬として同じように使える」
とは考えないことが大切です。
避妊を目的として薬を使用する場合は、避妊薬として承認された製剤について医師に相談しましょう。
「エストロゲン20μg」と「30μg」の違いだけで選ばない
マルシロンとマーベロンを比較すると、
マルシロン:EE 20μg
マーベロン:EE 30μg
という違いがあります。
しかし、ピルを選ぶ際にはエストロゲン量だけでなく、
- 何を目的に服用するのか
- 月経痛や月経量などの症状
- 不正出血の起こりやすさ
- これまでのピルの使用経験
- 年齢
- 喫煙の有無
- 血栓症のリスク
- ほかに服用している薬
なども考慮する必要があります。
「エストロゲンが少ないからマルシロン」
「避妊効果が高そうだからマーベロン」
という単純な選び方ではなく、自分の目的と体の状態に合った薬を医師と相談して選ぶことが大切です。
患者さんマルシロンはエストロゲンが20μgだから、マーベロンより避妊効果が弱いんですか?
Dr.石川エストロゲンの量だけで避妊効果の強さを判断することはできません。どちらもデソゲストレルを含んでいて、排卵を抑える作用などがあります。
患者さんじゃあ、マルシロンもマーベロンと同じように避妊目的で飲めばいいんですね?
Dr.石川そこは注意が必要です。日本では、マーベロンは避妊目的で承認されていますが、マルシロンは月経困難症を効能・効果とするLEPです。成分が似ていても、承認されている目的は同じではありません。
患者さんなるほど。『成分が似ている=同じ薬』ではないんですね。
Dr.石川その通りです。特に避妊目的の場合は、薬の承認内容まで確認することが大切ですよ。
マルシロンとマーベロン、副作用はどう違う?
マルシロンとマーベロンを比較するとき、「エストロゲンの量が少ないマルシロンのほうが、副作用も少ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
確かに、マルシロンはマーベロンよりエチニルエストラジオール(EE)の量が少ないため、エストロゲン量を抑えることによるメリットが期待されます。
しかし、「エストロゲンが少ない=副作用が少ない」と単純には言えません。
マルシロンとマーベロンに共通する副作用
ホルモン配合剤では、次のような症状がみられることがあります。
- 吐き気・悪心
- 頭痛
- 乳房の張り・痛み
- 不正出血
- 腹痛
- 気分の変化
特に服用を始めたばかりの時期には、ホルモン環境の変化によってこうした症状が現れることがあります。
多くの場合、服用を続けることで落ち着いていくこともありますが、症状が強い場合や長く続く場合には、自己判断で服用を中止せず医師に相談しましょう。
エストロゲンが少ないマルシロンなら副作用も少ない?
ここは少し複雑なところです。
マルシロンはエチニルエストラジオールが20μgで、マーベロンの30μgより少なくなっています。
そのため、エストロゲンに関連する症状を抑えられる可能性があります。
一方で、エストロゲン量を減らした製剤では、不正出血が起こりやすくなることがあります。
つまり、
「エストロゲンが少ないほど、すべての副作用が少なくなる」
というわけではありません。
薬によって副作用の出方には個人差があり、同じ薬でも「ほとんど気にならない」という人もいれば、「吐き気や不正出血が気になる」という人もいます。
特に注意したいのが「血栓症」
低用量ピル・LEPを使用する際に、必ず知っておきたい重大な副作用が静脈血栓塞栓症(VTE)などの血栓症です。
血栓症は頻度としては高くありませんが、発症すると重症化する可能性があります。
次のような症状が突然現れた場合は、血栓症の可能性も考え、服用を続けるかどうかを自己判断せず、速やかに医療機関へ相談することが重要です。
- 片脚の急な痛み・腫れ
- 突然の息苦しさ
- 胸の痛み
- 激しい頭痛
- 急な視力障害
- 手足の脱力・しびれ
特に、突然の息苦しさや胸の痛み、片脚の強い腫れなどがある場合は、緊急性が高いため注意が必要です。
また、喫煙、年齢、肥満、血栓症の既往歴などによって血栓症のリスクは変わります。
そのため、「マルシロンはエストロゲンが20μgだから血栓症の心配はない」と考えてはいけません。
マルシロンとマーベロン、どちらが副作用が少ない?
現時点で、
「マルシロンのほうがマーベロンより副作用が少ない」
と単純に結論づけることはできません。
エストロゲン量には違いがありますが、副作用はホルモン量だけでなく、体質や年齢、既往歴などさまざまな要因によって変わります。
そのため、ピルを選ぶときは「ホルモン量が少ないほう」を選ぶのではなく、自分の症状や目的、リスクを考慮して医師と相談することが大切です。
患者さんマルシロンはエストロゲンが少ないから、副作用も少ないんですよね?
Dr.石川エストロゲン量が少ないことによるメリットはありますが、すべての副作用が少なくなるわけではありません。
患者さん不正出血が増えることもあるんですか?
Dr.石川はい。エストロゲン量が少ない製剤では、不正出血が問題になることもあります。薬との相性には個人差があります。
患者さん血栓症についてはどうですか?
Dr.石川そこはとても重要です。マルシロンもマーベロンも、血栓症には注意が必要です。『エストロゲンが少ないから安心』と自己判断しないようにしましょう。
患者さん副作用の少なさだけで選ぶのではなく、自分の体質や目的も考える必要があるんですね。
Dr.石川その通りです。ピルは『どちらが強い・弱い』ではなく、自分に合った製剤を選ぶことが大切ですよ。
マルシロンのメリット・デメリット
ここまで、マルシロンとマーベロンの成分や副作用について比較してきました。
では、実際にマルシロンを選択する場合、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか。
マルシロンは、マーベロンと同じデソゲストレルを含みながら、エチニルエストラジオールを20μgに抑えた製剤です。
その特徴を整理してみましょう。
マルシロンのメリット
① エチニルエストラジオールの量が少ない
マルシロンの大きな特徴は、エチニルエストラジオールが20μgであることです。
マーベロンの30μgと比較すると、エストロゲン量を抑えた製剤となっています。
そのため、エストロゲン量をできるだけ抑えたい場合に、医師と相談しながら選択できる新しい選択肢の一つです。
② マーベロンと同じデソゲストレルを配合
マルシロンとマーベロンは、どちらもデソゲストレル0.15mgを配合しています。
そのため、黄体ホルモンの種類という点では共通しています。
「マーベロンと同じデソゲストレルを使った、より低エストロゲン量の製剤」という点は、マルシロンの大きな特徴です。
③ 月経困難症の治療選択肢になる
マルシロンは、日本では月経困難症を効能・効果として承認されています。
月経に伴う痛みなどに悩んでいる場合、治療の選択肢の一つとして医師から提案されることがあります。
④ 服用方法の選択肢がある
マルシロンでは、24~80日間連続して服用した後、4日間休薬するという用法が承認されています。
服用期間を調整することで、月経の回数を減らすことも可能です。
月経のたびに強い症状が出る方にとっては、月経回数を減らすことが治療上のメリットになる場合があります。
マルシロンのデメリット・注意点
一方で、マルシロンにも注意しておきたい点があります。
① 日本では避妊薬として承認されていない
これは非常に重要です。
マーベロンは日本では避妊目的で承認されていますが、マルシロンは月経困難症を効能・効果とするLEPです。
そのため、
「マルシロン=マーベロンよりエストロゲンが少ない避妊薬」
と単純に考えるのは適切ではありません。
避妊目的でピルを使用したい場合は、医師にその目的を伝え、適切な製剤について相談しましょう。
② 不正出血が起こることがある
マルシロンのような低エストロゲン量の製剤では、不正出血が問題になることがあります。
特に服用開始後は、少量の出血が続いたり、出血するタイミングが不規則になったりすることがあります。
気になる出血が続く場合は、自己判断で服用を中止せず、医師に相談しましょう。
③ 血栓症には注意が必要
マルシロンもホルモン配合剤であるため、血栓症のリスクに注意が必要です。
エストロゲン量が少ないからといって、血栓症のリスクがゼロになるわけではありません。
喫煙、年齢、肥満、血栓症の既往歴など、個人のリスクを確認したうえで使用することが大切です。
マルシロンは「誰にでもおすすめ」ではない
マルシロンは新しい選択肢ではありますが、
「エストロゲンが少ないから、すべての人にマルシロンがおすすめ」
というわけではありません。
月経困難症の症状、出血の状態、既往歴、年齢、喫煙状況などによって、適した薬は変わります。
また、服用中に気になる症状があれば、薬が合っていない可能性もあります。
大切なのは、薬の特徴を理解したうえで、自分の症状や目的に合った製剤を医師と一緒に選ぶことです。
患者さんマルシロンはエストロゲンが少ないのがメリットなんですね。
Dr.石川そうですね。マーベロンと同じデソゲストレルを含みながら、エチニルエストラジオールを20μgに抑えているのが特徴です。
患者さん月経痛にも使えるんですよね?
Dr.石川はい。日本では月経困難症の治療薬として承認されています。
患者さんじゃあ、避妊目的でマルシロンを飲むのは?
Dr.石川そこは注意してください。日本での承認上、マルシロンとマーベロンでは効能・効果が異なります。避妊を目的とする場合は、その目的に適した薬について医師に相談しましょう。
患者さんなるほど。メリットだけではなく、承認されている目的や副作用まで確認することが大切なんですね。
Dr.石川その通りです。『エストロゲンが少ない』という一点だけで判断しないことが大切ですよ。
マーベロンのメリット・デメリット
ここまでマルシロンの特徴を見てきましたが、ではマーベロンにはどのような特徴があるのでしょうか。
マーベロンは、デソゲストレル0.15mg+エチニルエストラジオール30μgを配合した一相性の経口避妊薬(OC)です。
マルシロンとはエチニルエストラジオールの量が異なりますが、デソゲストレルは共通しています。
マーベロンのメリット
① 日本で「避妊」を効能・効果として承認されている
マーベロンの大きな特徴は、避妊を目的とした経口避妊薬として承認されていることです。
「妊娠を避けたい」という目的でピルを検討している場合、医師と相談しながら選択できる製剤の一つです。
ただし、ピルは正しく服用することが重要です。飲み忘れや嘔吐・下痢、薬の相互作用などによって避妊効果に影響する場合があります。
② デソゲストレルを配合している
マーベロンには、マルシロンと同じデソゲストレル0.15mgが配合されています。
デソゲストレルは、排卵を抑制するなど、経口避妊薬の避妊作用に重要な役割を果たします。
そのため、マルシロンとの違いを考えるときは、「黄体ホルモンが違う」のではなく、主にエストロゲン量が違うと考えると理解しやすいでしょう。
③ 長く使用されてきた実績がある
マーベロンは日本でも長く使用されてきた経口避妊薬の一つです。
すでに服用経験のある方も多く、医療現場での使用実績が蓄積されています。
マーベロンのデメリット・注意点
① エストロゲン量はマルシロンより多い
マーベロンのエチニルエストラジオールは30μg。
マルシロンの20μgと比べると10μg多く含まれています。
そのため、「できるだけエストロゲン量を抑えた製剤を選びたい」という場合には、マーベロン以外の選択肢も含めて医師に相談することがあります。
ただし、エストロゲン量が多いことだけを理由に「マーベロンのほうが副作用が強い」と判断することもできません。
② 吐き気や頭痛などが起こることがある
マーベロンでは、悪心、頭痛、乳房の張り・痛み、不正出血などがみられることがあります。
特に服用開始直後は、ホルモン環境の変化によって体調の変化を感じる方もいます。
症状が強い場合や長期間続く場合には、医師に相談しましょう。
③ 血栓症に注意が必要
マーベロンを服用する際に特に注意したい重大な副作用の一つが血栓症です。
血栓症は頻度としては高くありませんが、発症すると重症化する可能性があります。
そのため、服用前には血栓症のリスクを高める要因がないかを確認することが重要です。
マーベロンが向いているのはどんな人?
マーベロンは、例えば、
- 避妊を目的としてピルを使用したい
- デソゲストレルを含むピルを希望している
- 医師からマーベロンを提案されている
- これまでマーベロンを使用していて問題なく服用できている
といった場合に選択肢となります。
もちろん、実際にどの薬が適しているかは、年齢や喫煙状況、既往歴、血栓症リスクなどによって変わります。
患者さんマーベロンは、マルシロンよりエストロゲンが多いんですよね?
Dr.石川はい。マーベロンは30μg、マルシロンは20μgです。デソゲストレルはどちらも0.15mgです。
患者さんじゃあ、マーベロンは避妊目的で使えるのが大きな違いですか?
Dr.石川そうですね。日本ではマーベロンは避妊を効能・効果とするOCとして承認されています。一方、マルシロンは月経困難症を効能・効果とするLEPです。
患者さんじゃあ、避妊したい人はマーベロンを選べばいいんですね?
Dr.石川マーベロンは選択肢の一つですが、必ずしも全員に適しているわけではありません。血栓症のリスクなども確認して、医師と相談しながら選ぶことが大切です。
患者さん薬の成分だけじゃなくて、自分の体の状態も考えて選ぶんですね。
Dr.石川その通りです。
マルシロンとマーベロン、どちらが向いている?
ここまでマルシロンとマーベロンの成分や副作用について比較してきました。
では、実際に「自分にはどちらが合っているの?」という疑問について考えてみましょう。
結論として、マルシロンとマーベロンのどちらが優れているというわけではありません。
大切なのは、服用する目的や症状、体質などに合わせて選ぶことです。
月経困難症の治療を目的としている場合
月経痛などの症状がつらく、月経困難症の治療を目的としている場合は、マルシロンが治療の選択肢の一つになります。
マルシロンは日本で月経困難症を効能・効果として承認されたLEP製剤です。
月経痛だけでなく、月経に伴う日常生活への支障などについても医師に相談してみましょう。
避妊を目的としている場合
「妊娠を避けたい」ということが主な目的であれば、日本で避妊を効能・効果として承認されているマーベロンなどのOCが選択肢になります。
ここは、マルシロンとマーベロンを比較するうえで特に重要なポイントです。
成分が似ているからといって、承認上の目的まで同じとは限りません。
避妊目的で使用したい場合は、必ず医師にその目的を伝えて相談しましょう。
エストロゲン量が気になる場合
「できるだけエストロゲン量を抑えたい」という方では、マルシロンのようなEE 20μg製剤が選択肢になる場合があります。
ただし、エストロゲン量が少なければ必ず自分に合うとは限りません。
不正出血などの副作用が気になることもあるため、実際の症状を確認しながら製剤を選択することが大切です。
ピルを選ぶときに確認したいポイント
実際には、エストロゲン量だけでなく、次のような点を総合的に考えます。
- 服用する目的
- 月経痛や月経量などの症状
- 不正出血の有無
- 年齢
- 喫煙の有無
- 血栓症の既往歴
- 家族歴
- BMIや体重
- 片頭痛などの症状
- 服用している薬
- これまでピルを使用したときの体調
そのため、インターネット上の情報だけで「自分にはこのピルが合っている」と決めるのではなく、医師に相談することをおすすめします。
患者さん結局、マルシロンとマーベロンはどちらを選べばいいんですか?
Dr.石川何を目的に服用するのかによって変わります。月経困難症の治療が目的なのか、避妊が目的なのか、まずそこを確認します。
患者さんエストロゲンが少ないマルシロンを選べばいい、というわけではないんですね。
Dr.石川はい。エストロゲン量だけでなく、症状や体質、血栓症のリスクなども考慮します。
患者さん避妊が目的なら?
Dr.石川日本ではマーベロンは避妊目的で承認されています。一方、マルシロンは月経困難症が効能・効果です。ですから、避妊を目的とする場合は、その目的に合った薬について相談しましょう。
患者さんなるほど。『どちらが良いか』ではなく、『自分の目的にはどちらが合うか』で考えるんですね。
Dr.石川その考え方が一番大切です。
マルシロンとマーベロンのよくある質問
- マルシロンとマーベロンは同じ薬ですか?
-
いいえ、まったく同じ薬ではありません。
どちらもデソゲストレル0.15mgを配合していますが、エチニルエストラジオールの量が異なります。
- マルシロン:20μg
- マーベロン:30μg
また、日本で承認されている効能・効果も異なります。
- マルシロンはマーベロンより副作用が少ないですか?
-
一概にはいえません。
マルシロンはマーベロンよりエチニルエストラジオールの量が少ないため、エストロゲンに関連する症状を抑えられる可能性があります。
一方で、エストロゲン量が少ない製剤では不正出血が起こることもあります。
「ホルモン量が少ない=すべての副作用が少ない」わけではありません。
- マルシロンでも避妊できますか?
-
ここは注意が必要です。
マルシロンとマーベロンは成分がよく似ていますが、日本で承認されている効能・効果が異なります。
マーベロンは避妊を効能・効果とするOCですが、マルシロンは月経困難症を効能・効果とするLEPです。
避妊を目的としてピルを使用したい場合は、自己判断で薬を選ばず、医師に相談しましょう。
- マルシロンは「超低用量ピル」ですか?
-
エチニルエストラジオールの含有量による一般的な分類では、20μgのマルシロンは超低用量に分類されます。
ただし、「低用量」「超低用量」という呼び方は、医薬品の承認上の効能・効果を示すものではありません。
そのため、分類だけで薬の効果や安全性を判断しないことが大切です。
- マーベロンからマルシロンに変更できますか?
-
変更できる場合もありますが、自己判断で変更するのは避けましょう。
現在の服用目的や月経の状態、副作用、既往歴などによって適した薬は異なります。
特にマーベロンを避妊目的で服用している場合、マルシロンへ変更することで日本での承認上の目的が変わるため、変更前に医師へ相談することが重要です。
- マルシロンを飲むと太りますか?
-
「ピルを飲むと太るのでは?」と心配する方もいますが、マルシロンを服用したから必ず体重が増えるというわけではありません。
服用中に体重やむくみなどの変化が気になる場合は、食事や生活習慣だけでなく、薬との関係についても医師に相談してみましょう。
- マルシロンにも血栓症のリスクはありますか?
-
はい、注意が必要です。
マルシロンはエストロゲンを含む製剤であり、血栓症のリスクがゼロになるわけではありません。
突然の片脚の腫れ・痛み、息苦しさ、胸の痛み、激しい頭痛、急な視力障害などが現れた場合は、血栓症の可能性があるため、速やかに医療機関へ相談してください。
- マルシロンとマーベロン、結局どちらがおすすめですか?
-
「どちらがおすすめ」と一律に決めることはできません。
マルシロンは月経困難症の治療、マーベロンは避妊というように、日本での承認上の目的が異なります。
さらに、年齢、喫煙、血栓症のリスク、月経症状、副作用などによっても適した薬は変わります。
「エストロゲンが少ないからマルシロン」「避妊ならマーベロン」と単純に決めるのではなく、自分の目的や体の状態について医師に相談することが大切です。
マルシロンとマーベロンは、どちらもデソゲストレルを配合したよく似た製剤ですが、エチニルエストラジオールの量と、日本で承認されている効能・効果が異なります。
その違いを理解したうえで、自分に合った治療・避妊方法を選びましょう。
低用量ピル・LEPについて医師に相談したい方へ
マルシロンとマーベロンは、成分がよく似ている一方で、エストロゲンの量や日本で承認されている効能・効果が異なります。
そのため、「エストロゲンが少ないからマルシロン」「避妊ならマーベロン」と自己判断するのではなく、自分の目的や体質に合った製剤を医師と相談して選ぶことが大切です。
特に、次のような方は一度医師に相談してみましょう。
- 月経痛が強く、日常生活に支障がある
- 月経に伴う症状を軽くしたい
- ピルによる治療を検討している
- 避妊について相談したい
- 現在のピルで吐き気や頭痛などが気になる
- 不正出血が続いている
- エストロゲン量の少ない製剤について知りたい
- 今のピルから別の製剤への変更を検討している
忙しい方にはオンライン診療という選択肢も
「婦人科を受診したいけれど、仕事や家事で時間が取れない」
「近くに婦人科がない」
「まずはピルについて相談してみたい」
という方は、オンライン診療を利用できる場合があります。
オンライン診療では、医師に現在の症状や服用中の薬などを相談し、自分に合った治療について検討することができます。
ただし、オンライン診療で対応できる内容や、薬の処方方法は医療機関によって異なります。また、対面での診察や検査が必要になる場合もあります。
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自分に合ったピルを選ぶために
マルシロンとマーベロンは「どちらが優れているか」で比較するものではありません。
月経困難症の治療なのか、避妊なのか。
エストロゲン量をどう考えるのか。
副作用や血栓症のリスクはどうなのか。
こうした点を総合的に考えて、自分に合った選択肢を見つけることが大切です。
「どのピルを選べばいいかわからない」という方も、まずは医師に相談してみましょう。
まとめ|マルシロンとマーベロンの違いを比較
マルシロンとマーベロンは、どちらもデソゲストレル0.15mgを配合している点では共通しています。
一方で、大きな違いはエチニルエストラジオールの量と、日本で承認されている効能・効果です。
マルシロンとマーベロンの違い
| マルシロン | マーベロン | |
|---|---|---|
| デソゲストレル | 0.15mg | 0.15mg |
| EE(エチニルエストラジオール) | 20μg | 30μg |
| 一般的な分類 | 超低用量 | 低用量 |
| 日本での効能・効果 | 月経困難症 | 避妊 |
| 製剤 | LEP | OC |
マルシロンは、マーベロンと同じデソゲストレルを使用しながら、エチニルエストラジオールを20μgに抑えた製剤です。
ただし、「エストロゲンが少ない=副作用が少ない」「エストロゲンが少ない=避妊効果が弱い」などと単純に考えることはできません。
また、マルシロンとマーベロンでは日本で承認されている目的が異なるため、薬を選ぶ際には「成分が似ている」という点だけで判断しないことが重要です。
どちらを選べばいい?
最も大切なのは、自分の目的と体の状態に合った製剤を選ぶことです。
月経困難症の治療を目的とするのか、避妊を目的とするのかによっても選択肢は変わります。
さらに、年齢、喫煙状況、血栓症のリスク、これまでのピルの使用経験、副作用なども考慮する必要があります。
「マルシロンとマーベロン、どちらが自分に合っているの?」と迷っている場合は、自己判断で決めず、医師に相談しましょう。
薬の特徴を正しく理解して、自分に合った治療・避妊方法を選ぶことが大切です。
患者さんマルシロンとマーベロンの違いがよくわかりました!
Dr.石川よかったです。大きな違いは、エストロゲンの量と日本での承認されている目的です。
患者さんマルシロンは20μg、マーベロンは30μgでしたね。
Dr.石川はい。どちらもデソゲストレルは0.15mgですが、目的や体質によって適した薬は変わります。
患者さん自分で決めずに、先生に相談するのが大切なんですね。
Dr.石川その通りです。気になる症状や希望を伝えて、自分に合った薬を一緒に選びましょう。
産後までお読みいただき、ありがとうございました!
参考文献
PMDA|マルシロン配合錠 医療用医薬品情報
マルシロンの電子添文、患者向医薬品ガイドなどを確認できます。
PMDA「マルシロン配合錠」
オルガノン|マルシロン® 製品情報
マルシロンの製品基本情報や添付文書、インタビューフォームなどを確認できます。
マルシロン® 製品情報|オルガノン
オルガノン|マルシロン配合錠 医薬品インタビューフォーム
成分、薬理作用、臨床試験、安全性などの詳細を確認できます。
マルシロン配合錠 インタビューフォーム(PDF)
PMDA|マーベロン21/マーベロン28 医療用医薬品情報
マーベロンの電子添文、患者向医薬品ガイド、インタビューフォームなどを確認できます。
PMDA「マーベロン21/マーベロン28」
PMDA|マーベロン21/マーベロン28 電子添文
効能・効果、用法・用量、禁忌、副作用、血栓症などの重要な情報を確認できます。
マーベロン21/28 電子添文(PDF)
オルガノン|マーベロン® 製品情報
マーベロンの製品情報、臨床成績、副作用などが掲載されています。
マーベロン® 製品情報|オルガノン
オルガノン|マーベロン®の特徴
デソゲストレル、エチニルエストラジオール30μg、避妊効果、安全性などについて確認できます。
マーベロン®の特徴|オルガノン




