まぶたのたるみは眉毛から?目元は3ステップ治療で劇的に改善する

左右差 まぶた たるみ術前後 

東京で美容外科医をしている齋藤隆文(形成外科専門医)です。当サイトで、美容コラムを担当しています。この記事の一番最後に、現在の東京での診療案内を載せていますので、受診希望の方は私のホームページの問い合わせフォームからお問い合わせください。

年齢とともに変化していく私達のお顔ですが、できれば若々しい印象を保っていたいですよね。とりわけ目周りは、今のコロナ禍においてもマスクに隠れることなくバッチリと見えていますし、大事なパーツと考えている方が多いと思います。

私の外来には、お顔全体のエイジングについてトータルにケアしてほしいという患者さんが多くいらっしゃいます。そして、その中のほぼ全員が、目周りのエイジングケアを同時に希望されます。

そんな方々に、私はまず、どんな加齢性変化が起きているのかを丁寧に説明することからカウンセリングを始めることにしています。まずは、自分のお顔に起きている変化について、正しく理解していただきたいからです。

そして、その際に、患者様から、気づいていなかった!とか、それは盲点もうてんだったな〜、なんて言われることが多いのが、眉毛の問題です。

眉毛はまぶたとおでこを隔てている場所にあり、当然のことながら、まぶたの加齢性変化に影響を及ぼしているのですが、意外と盲点となっているようです。

今回は、そんな眉毛の位置の治療を、具体的な治療例を上げながら、解説してみたいと思います。

すばりポイントは、以下の2つです。

  1. まぶたのたるみのバランスを見る前に、まずは眉毛のバランスに着目する
  2. 眉毛のバランス、まぶたの皮膚のバランス、まぶたの開きのバランスの3ステップで整える
目次

目元の治療はまぶただけじゃないんです。眉毛の位置から治します

よく晴れた日の朝、気持ちよく目覚めたあなたは、洗面台に向かいます。

患者さん

えっ。なんか、目元が、えらい老けてきてへん?

まぶた 老け ショック

気持ちの良い朝日が差し込んではっきりと鏡に映るご自身のまぶたのそんな変化に気づき、こんなにいい天気なのになんだか急に気持ちが曇ってしまった。なんていう経験をされたことは、もう一度や二度では済まされない方も多いのではないでしょうか。

私達は、等しく歳を重ね、それに伴ってお顔にも変化が必ず起こってきます。そんな変化をまぶたに感じたあなたは、きっとこうお思いのことでしょう。

患者さん

あかん。これはもうまぶたのたるみが限界や!もう、手術や!オペや!

そんな決意を胸にしたあなたは、齋藤の外来へと向かいます。さあ、齋藤にこのまぶた、スッキリきれいで若々しく変えてもらい、曇った心を晴れやかにしてやりましょうではありませんか。

Dr.齋藤

〇〇さん、これは、眉毛の位置からお直しが必要ですね〜。でも、きっと、よくなりますよ。

患者さん

え〜〜〜、この老けた目元はまぶたの皮膚のたるみじゃないの?これ取ったら、スッキリまぶたの完成じゃないの?なによ眉毛って!!!

さて、ついつい楽しくなって吹き出しを多用しすぎたので、この辺で一旦話を整理したいと思います。上記のようなやり取りは、実は全然珍しくありません。多くの方は、目元の治療はまぶただけ!と思っているみたいですが、違うんです。

まぶたの印象を決めているのは、眉毛の位置、皮膚のたるみ、まぶたの開き

まぶたの老化を、多くの患者さんが一番に気にしている、まぶたの皮膚のたるみを中心にして考えてみたいと思います。

まぶたの開閉や眉毛の動き、表情の変化や重力、お化粧の負担など、様々な影響を受けながらまぶたの皮膚のたるみは進行していきます。まぶたの皮膚がたるんで、びよ〜〜〜〜んと多くなってくると、当然まぶたを開けるのに邪魔になってきます。

そうすると、邪魔なまぶたの皮膚を少しでもどかしてやろうと、眉毛が助けてくれるようになります。そうです、眉毛を上げることで、まぶたの皮膚を上に引き上げて補助するようになるんです。

しかしながら、眉毛自体も当然重力の影響を受けて下に下がってくるわけなので、状況はやや複雑になってくるわけです。さらには、まぶたの開きについても考えていかなければなりません。

年齢による変化を受けて、まぶたの開きはだんだんと悪くなってきます。眼瞼下垂がんけんかすいといいます。

眼瞼下垂 例
まぶたが下がり、眉毛が上がり、おでこにシワができる

具体的な眼瞼下垂の変化をあげてみますと、こんな感じです。こうなってくると、状況はいよいよ複雑を極めてきますね。

そうです、目元はすごく簡単に説明したとしても、少なくとも、こういった3つの問題が様々なバリエーションで影響しあっているのです。治療は当然、オーダーメイド治療になってきます。

まず、眉毛の位置ですが、基本的には上に説明したとおり、年齢とともに眉毛は高い位置に上がって、おでこのシワを作るようになります。この位置があまりにも上がりすぎている場合は、正しい位置に戻すことを考えます。

また、眉毛の位置はまぶたの開きや皮膚のたるみによっても変化するので、そのアプローチは、ボトックス治療から手術治療まで多岐たきに渡ります。

特に、筋肉の動きを一時的にブロックするボトックス治療については、逆にまぶたの開きを悪くする可能性があるので注意が必要です。おでこのシワをなくすためにボトックス治療したらまぶたが重くなった、という相談も少なくありません。

次に、まぶたの皮膚のたるみについては、やはり手術的に皮膚を減らす治療となります。この際に、まぶたの開きを改善する手術を同時に行うことがあります。

まぶたを開く手術というのは、眼瞼下垂症がんけんかすいしょう手術というもので、まぶたの開きの動力となっている筋肉に直接アプローチして、その力を強めてあげるものです。

このように、目元の治療をきれいに仕上げるためには、実に様々なことを複雑に組み合わせながら治療計画を立てていく必要があります。

  1. お顔全体のエイジングに対する理解、特にお顔全体のバランスをみながらのエイジングケア
  2. 眉毛と皮膚のたるみとまぶたの開きの相互作用への理解
  3. ボトックス、ヒアルロン酸から切開治療までの幅広い治療の引き出し
  4. 眼瞼下垂に対する眼科的な注意点も含めた治療

こういったところをトータルに考えてもらうことが、お顔の治療では重要になってきます。

実際の治療を通して、まぶたのたるみの診断について理解しましょう

ここからは実際の治療の例を取り上げて、具体的な説明をしてみたいと思います。

まぶた たるみ 左右差

左右差のある、やや複雑な、まぶた周りの複合手術です。眉毛とまぶたの皮膚、開きを同時に治療している非常に良い例かと思います。

さて、お師匠さんの影響を多分に受けて、私のところには修正手術の相談の方が多くいらっしゃいます。

修正手術に求められるのは、正確な手術手技だけでなく、今起こっているトラブルの原因を、正しく診断し、治療プランを立てることにあると思っています。

健康なまぶたや鼻をきれいな形に整えることと、不自然な形や、左右差のある状態に壊されてしまったまぶたや鼻を正しく整えていくことは、難易度が格段かくだんに違ってきます。

この患者さんは、顔面神経麻痺がんめんしんけいまひ、という顔の半側が動きにくくなる病気により、主に顔の上半分の左右差が出てしまい、こちらの改善を希望してご相談にいらっしゃいました。

修正手術の原則と同じで、疾患による形態のトラブルが出ている場合にも、正しい診断なくして良い結果は期待できません。

ただ左右差を改善させるだけでなく、自然に、美しく、バランスよく整えてあげられるような治療プランをご提案したい。

このように考えると、麻痺による表情筋ひょうじょうきんの複雑な変化だけでなく、エイジングによる変化、併存へいぞんする眼瞼下垂がんけんかすいの影響、などを総合的に診断し、手術計画を立てる必要があります。

今回の治療では、最初に述べた3ステップを使って仕上げています。細やかな診断によって可能となる、オーダーメイド治療です。

  1. 眉毛を左右対称な位置に戻し
  2. まぶたの皮膚のバランスを整え
  3. まぶたの開きを改善

下に術前後のお写真をあげています。この一例を通して知ってほしいことは、どんな加齢性変化や病的な変化を起こしているお顔も、的確な診断をもとに治療を計画すれば、左右差なく仕上げることができるんだということです。

ぜひ、よい計画を立ててくれるドクターを見つけ出してください。

左右差 まぶた たるみ術前後 
左右差 まぶた たるみ術前後 閉瞼

原因が美容手術であれ、病気であれ、エイジング変化であれ、術後の自然な美しさを取り戻したお顔で、嬉しそうに話してくれる患者さんの姿は、なにものにも変えがたいやりがいを感じ、日々の努力が報われる思いになります。

手術は難しく、もちろんいいことばかりではありませんが、私の周りにいる外科医の先生方もまた、皆同じような気持ちで日々の治療に取り組んでいると思います。

まとめ

目元の治療のポイントは先にもあげた通り、

  1. まぶたのたるみのバランスを見る前に、まずは眉毛のバランスに着目する
  2. 眉毛のバランス、まぶたの皮膚のバランス、まぶたの開きのバランスの3ステップで整える

となります。

目元の年齢の変化に対してよくある失敗は、自分で診断をつけて、これでよくなるだろうと思って美容外科へ突撃するパターンです。まぶたはトータルケアが必要です。

この記事を最初から最後までくまなく読んでいただいた方は十分ご理解いただけたかと思いますが、

目元を”自然に”美しく仕上げるためには、たくさんのポイントを診察し、それらがお互いにどんな影響を与えているかを診断し、的確な計画を建てることが求められます。

一般向けに書いているのでかなり省略が多いですが、ぜひ、ドクターがどのようなことを考えて治療を決めているのかを感じていただけたらと思います。

ご注意いただきたいこと
  • 患者さんの個人情報の保護のため、ご本人とのお話の内容は一部変えています。あくまで、一般的な治療の流れを理解していただくための、イメージだと考えてください。
  • 治療の効果には個人差があります。主治医から十分な説明を受け、リスクや副作用についても納得してから手術を受けましょう。

治療についてのご相談や受診のお問い合わせについては、当HPトップページの予約フォームからご連絡ください。

治療についてのご相談や受診のお問い合わせについては、当HPトップページの予約フォームからご連絡ください。

今回の治療について

施術内容: 皮膚切除による眉毛挙上術、眉毛下皮膚切除術、眼瞼下垂症手術(挙筋前転)

手術費用: 上眼瞼形成手術 約45万円(自費手術の場合)

      *保険適応の場合は定められた保険点数に従って費用が決まります。

リスク:一時的な腫れ、内出血、感染、傷が開く、後戻り、ドライアイ、左右差、違和感の残存、など

齋藤隆文医師には下記の医療機関で受診できます。HPトップページからご予約ください。
  • 聖路加国際病院 形成外科 不定期の金曜日 初診外来 予約制
  • 加藤クリニック麻布 不定期の土曜日 初診外来 予約制
  • タウンクリニック 不定期の金曜日土曜日日曜日 初診外来 予約制
    *HPトップページに予約可能なお日にちとクリニックのカレンダーを掲載しています

この記事を書いた人

齋藤 隆文(さいとう たかふみ)
日本形成外科学会認定専門医
神戸大学医学部医学科卒
現在は加藤クリニック麻布、聖路加国際病院に所属。専門はお顔の美容外科、特に鼻の治療。

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