首のしわを改善するには?原因と対策・美容皮膚科の治療

首のケア

首はエイジングサインがあらわれやすい部位です。

しかし最近では、20代〜30代の比較的若いうちから首のしわに悩む人も増えています。

首のしわは何が原因で生じるのでしょうか?また、どうすれば改善できるのでしょうか?

今回は、首のしわができる原因を年代別に考察しながら、自分でできる対策と美容皮膚科での治療法について詳しく解説していきます。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

首のしわができる原因(年代別)

首のしわができる原因は加齢だけではなく、日常生活の思わぬところにも潜んでいます。主な原因について、「10代〜30代」「40代以降」に分けて見ていきましょう。

10代〜30代で首にしわができる原因

10代〜30代では、以下のような生活習慣やクセがしわの原因となっているケースが多いです。

  • 姿勢
  • 合わない枕の使用
  • 乾燥
  • 紫外線

姿勢

前かがみの姿勢が多いと、血行が悪くなり首の縦ジワにつながります。

とくにスマホやパソコンを長時間使用する方は、姿勢が悪くなりやすいため注意しましょう。「首を上下に動かす」「あごを引く」などの動作も、首のしわを定着させてしまう要因です。

合わない枕の使用

高すぎる枕

枕が合っておらず、首のしわを引き起こしているケースも考えられます。

とくに高すぎる枕はあごを引いた姿勢になるため、ずっと首に線がついた状態で寝ている可能性が高いです。また、硬すぎても柔らかすぎても、体に負担がかかってしまいます。

乾燥

首は顔よりもデリケートで刺激を受けやすいパーツです。

乾燥すると肌のキメが乱れ、細かいしわが生じます。また、スカーフやタートルネックなど衣服による摩擦も、乾燥を加速させる原因の一つです。

紫外線

紫外線によって肌のうるおいを保つのに欠かせないコラーゲンやエラスチンが破壊され、しわやたるみを引き起こします。

うっかり日焼け止めを塗り忘れてしまい、気づくとダメージが蓄積してしまっている場合も多いです。

40代以降で首にしわができる原因

  • 女性ホルモンの減少
  • 筋肉の衰え

女性ホルモンの減少

加齢にともない女性ホルモンが減少すると、肌のハリや弾力が失われてしわやたるみができやすくなります。

筋肉の衰え

筋肉の衰えによって皮膚が重力に耐えきれなくなり、しわやたるみを引き起こします。

とくにフェイスライン〜首全体の広頚筋(こうけいきん)が衰えると、首のしわに直結するおそれが。

筋肉の衰え

生まれつき首のしわがある人も

遺伝や赤ちゃんの頃の体型などが原因で、もともと首にしわがある方もいます。

首のしわは大きく縦じわと横じわに分かれますが、生まれつきの場合は横じわがほとんどです。首の皮膚を上下に広げたときに跡が残る場合は、生まれつきのしわである可能性が高いでしょう。

生まれつきのしわは改善が難しいと言われていますが、乾燥や加齢など他の要因が加わり深刻化するおそれがあるため、適切なケアで予防することが大切です。

首のしわ対策ケア・予防

一度できてしまった首のしわは、そのままにしておくとさらに深く刻まれてしまいます。

日常生活の中で意識的にケアを心がけましょう。ここでは、自宅でできる首のしわ対策と予防法をご紹介します。

肌を保湿する

首は皮膚が薄く乾燥しやすいため、入念な保湿ケアが欠かせません。

化粧水や乳液でのデイリーケアに加えて、シートパックや保湿力の高いクリームで集中ケアを行いましょう。

肌がうるおいに満たされた状態だと、紫外線や摩擦などの外部刺激の影響も受けにくくなります。

首の保湿

紫外線対策を徹底する

紫外線は季節に関わらず一年中降り注いでいます。

日焼け止めや日傘・ストールなどでしっかりとカバーしてください。顔に日焼け止めを塗る際には、首まで塗るように習慣化させるとよいでしょう。

リンパマッサージを行う

首まわりをほぐすとリンパの流れがよくなり、しわの改善・予防につながる可能性があります。

摩擦を与えないようにクリームやオイルを使って、下から上・横方向に滑らせる感覚でマッサージしましょう。

スキンケアのついでに取り入れて、短時間でも毎日行うのが効果的です。

姿勢を見直す

猫背になってないか、長時間下を向く姿勢を続けていないかなど、普段の姿勢を見直しましょう。パソコンでの作業が長い方は、適度に休憩をとったり、合間にマッサージしたりするのがおすすめです。

また、スマホを見るときは、目の高さに合わせるように心がけると正しい姿勢が保てます。

適切な枕を選ぶ

枕は、正しく立っているときの姿勢をそのまま保てる高さが理想と言われています。

また、頭部にフィットし、寝返りがしやすい硬さ・形であることも重要です。いろいろな枕を試してみて、自分に合うものを選びましょう。

枕を買い替えるのが難しい場合は、バスタオルで高さを調節するのも一つの手です。

美容皮膚科での首のしわ治療

より早く確実に首のしわを改善したいのであれば、美容皮膚科での治療もおすすめです。

しわの治療には、主に医療機器を用いる方法と、ボトックスやヒアルロン酸などの成分を注入する方法があります。しわの状態や好みに合わせて、最適な治療法を選択しましょう。

フラクショナルレーザー

一定の間隔で4〜6回程度施術を。

炭酸ガスレーザーで皮膚に微細な点状の穴をあけ、肌の生まれ変わりを促すレーザー治療です。

コラーゲンやエラスチンの生成が促進されるため、肌のハリ・弾力がアップし、しわやたるみの改善が期待できます。とくに細かい小じわやちりめんじわに有効です。

そのほか、毛穴の開きやニキビ跡・傷跡の治療にもよく用いられます。

輪ゴムで弾かれたようなパチパチとした痛みがあります。

施術後は赤みや細かいかさぶたが生じ、皮膚の再生にともなって1週間程度で元の状態に戻ります。しわの状態にもよりますが、一定の間隔で4〜6回程度施術を受けると効果的です。

施術の主な副作用・リスク:赤み、かゆみ、腫れ、ひりつき、発疹などの肌の炎症

ハイフ(HIFU)

3ヶ月〜半年に一度の間隔で施術を繰り返す。

高密度の超音波エネルギーによって、しわやたるみの改善・リフトアップを促します。皮下脂肪と筋肉の間にある筋膜層(SMAS層)までアプローチできるのが特徴です。

施術後1ヶ月〜2ヶ月で効果が出る方が多く、その後約3ヶ月間コラーゲンが増生し続けます。

3ヶ月〜半年に一度の間隔で施術を繰り返すと、良好な状態が保てるでしょう。若干の赤みや腫れが生じるケースも見られますが、安全性が高く、ダウンタイムはほぼありません。

施術の主な副作用・リスク:施術中に軽い痛みを感じる場合があります。脂肪が薄い部分など部位によって痛みが出やすいこともあります。施術後に、照射した部分が少し赤くなることがあります。日焼けをしている方は、施術が受けられない場合があります。施術後に照射した部分が日焼けすると、色素沈着が起こる場合があります。

ボトックス注射

3ヶ月〜半年持続します。

ボトックス首

筋肉や神経の働きを弱める作用を持つ「ボツリヌストキシン」を注入して、しわやたるみを改善する治療法です。筋肉の収縮によって発生する“表情じわ”を目立たなくする効果が期待できます。

とくに首の縦じわに悩んでいる方に適しているでしょう。縦じわは首の広頚筋(こうけいきん)の萎縮が原因で生じるため、ボトックス注射によってしわの形成を抑制できる可能性があります。

注射による痛みはあるものの、ほとんどの場合我慢できる程度です。ダウンタイムも少なく、日常生活に支障がでることはないでしょう。

個人差はありますが、注入後2〜5日かけて効果が徐々に出てきて、3ヶ月〜半年持続します。

施術の主な副作用・リスク:施術中、チクっとした痛みを感じることがあります。術後、多少の赤み・腫れ・硬結・かゆみ・疼痛がでることがあります。

ヒアルロン酸注射

約6ヶ月〜2年かけて少しずつ体内に吸収。

しわやくぼみにヒアルロン酸を注入して、ハリ・ボリュームを与える治療法です。深く刻まれた横じわも目立たなくできる可能性があります。

ヒアルロン酸は、肌のうるおいを保つために欠かせません。しわの改善と同時に、乾燥から肌を守り、新たなしわをできにくくする効果も期待できます。

また、もともと人の体に存在する成分のため、アレルギー反応や副作用が起きにくい点もメリットです。

効果は施術直後からあらわれ、約6ヶ月〜2年かけて少しずつ体内に吸収されていきます。

施術の主な副作用・リスク:施術中、チクっとした痛みを感じることがあります。術後、注射部分にわずかに赤みを生じることがあります。注入部位の血行が良くなると、腫れや赤み・かゆみが出ることがあります。その他におこる可能性のある症状には、内出血、違和感、血管塞栓、血流障害、感染などがあります。

首のしわを改善するためには、原因をしっかりと把握して正しい対策を行う必要があります。

しかし、できてしまった首のしわを改善することは簡単な事ではありません、自宅でできるセルフケア方法などもためしていただき首のしわの予防も考えていただければと思います。。

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