VIO脱毛(医療脱毛)の痛みはどれくらいか|回数を重ねると痛さは軽減していく?

クリニックで受けられるVIO脱毛(医療脱毛)は全身のなかで最も痛いと言われる部位なので、どのくらい痛いのか、耐えられる痛みなのか不安に思われる方も多いですよね。

ここでは、VIO脱毛の実際の痛みについての経験者へのアンケートや、痛い原因回数ごとのVIO脱毛の痛みを解説。

さらにVIO脱毛の痛みに耐える方法・軽減方法を解説していますので、実践していただくと痛みを最小限に抑えられます。

この記事で分かること
  • 痛みを感じやすい毛質
  • 回数ごとのVIO脱毛の痛み
  • VIO脱毛の痛みに耐える方法
  • 自分でできるVIO脱毛の痛み軽減方法

「VIO脱毛は痛い」といったウワサを耳にすると、どうしても構えてしまいがち。初めての脱毛となれば、なおさらです。

「VIO脱毛はしたいけれど、痛みが怖くて踏み切れない」「できるだけ痛みを少なくしてVIO脱毛を受けたい」という方はぜひ参考にしてください。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

VIO脱毛の痛みは実際どうだった?経験者へのアンケート結果

実際にVIO脱毛をした経験のある方へ「感じた痛み」についてアンケートを行った結果、ほとんどの方が「痛みは感じたが、我慢できた」(92.3%)と回答しました。


医療脱毛を受けた時の痛みは?
我慢できないくらいの痛みを感じた
2.6%
痛みは感じたが、我慢できた
92.3%
痛みはそれほど気にならなかった
5.1%

アンケート概要

  • 調査期間:2022年3月29日~2022年3月31日
  • 調査対象:VIO脱毛の経験者39名(女性35名、男性4名)
  • 調査方法:インターネット調査(CrowdWorksタスク方式にてアンケート実施)

我慢できないくらいの痛みを感じた方は少数でしたが、それでも「実際どのような痛み」なのかは気になるところかと思います。

VIOの痛みは例えるなら「数本のゴムでパチンと弾かれるような痛み」

Dr.石川

医療レーザーをVIOに照射したとき、その瞬間は痛いですが、長引かずにすぐに消える痛みが特徴です。

同じ機械で脱毛したとしても感じ方や表し方は人それぞれ。どんな痛みか想像しやすいよう、以下にVIO脱毛を受けたときの痛みの例えをまとめました。

VIO脱毛を受けた方による痛みの感想

  • 数本のゴムでパチンと弾かれるような痛み
  • 電気が走るような痛み
  • 針を刺されているような痛み
  • 毛を数本まとめて抜かれたような痛み
Dr.石川

上記を見ても「ほかの部位にくらべると強い痛みを感じる傾向がある」と分かるかと思います。

VIO脱毛が痛い原因

Dr.石川

VIO部位は太い毛が密集して生えていて、皮膚が薄く骨や粘膜に近いため、脱毛時の痛みを感じやすくなります。

VIO脱毛が痛いと言われる原因
  • 痛みを感じる神経や血管がたくさんある
  • 皮膚が薄くデリケートな部位
  • 骨や粘膜に近い
  • 太い毛が生えている
  • 毛が密集している
Iライン・Vラインの下部は特に痛みが強い
Dr.石川

特に皮膚が薄く神経や血管が集中しているIラインやVラインの下部分は、痛みを感じやすいパーツです。

剛毛だと痛みを感じやすい?

Dr.石川

VIO脱毛は、剛毛または毛量が多いと痛みを感じやすい傾向があります。

医療脱毛では、メラニン色素にレーザーが反応して、発毛組織を破壊するための熱が加わります。

医療脱毛の仕組み

発毛に関わる身体の組織を破壊するので、効果的な照射には、どうしても痛みが付きものです。

剛毛だと反応するメラニン色素も多いため、それだけ熱を発しやすくなりますので痛みも強くなります。

Dr.石川

痛みの感じ方には個人差がありますが、毛が太い・毛量が多い方であれば強い痛みを感じる可能性が高いです。

男性(メンズ)は女性より痛いってホント?

Dr.石川

「男性だから」といった理由で一概に痛いとはいえませんが、毛量が多い男性のVIO脱毛は、女性より痛い傾向があります。

男性(メンズ)脱毛が女性より痛いと言われる理由
  • 男性は女性よりも剛毛・毛量が多い傾向がある
  • 女性にくらべて保湿ケアをしていない方が多く肌が乾燥している

痛みへの耐性は個人差があり、実際に男性の痛みと女性の痛みを明確に比べるのは困難ですが、毛量が多い傾向のある男性は脱毛時の痛みを強く感じる方が多くいらっしゃいます。

男性の場合は、VIOのなかでもOラインが最も痛みを強く感じるパーツで、これには、黒ずみや毛の太さが関係しています。

メンズ脱毛のなかで最も痛い部位はヒゲ。VIOの毛は太くて密集しているものの、毛の生えている角度は小さいです。ヒゲは直角に近い角度で生えていて根深いため痛みを最も感じやすい部位となります。

回数ごとのVIO脱毛の痛み

VIO脱毛は、レーザーの照射回数によって痛みのレベルが変わっていきます。痛いと言われるのは、最初の2回くらいまで。あとは痛みが減り、だんだんラクに施術を受けられるようになります。

回数ごとのVIO脱毛の痛みを下記にまとめました。

1回目

初めての照射であるため、痛みを感じやすい傾向があります。

脱毛1回目は毛の量も多く、レーザーの熱に慣れていないこともあり、痛みを強く感じやすいです。VIO脱毛はほかの部位よりもレーザーの出力を落として照射をしますが、それでも痛みを強く感じます。

痛みの度合いを見るために、1・2発試しに照射して問題がなければ全体への照射に移るクリニックがほとんどなので、このとき痛みが強すぎる場合は申し出るようにしましょう

痛みが強すぎるまま照射を続けられるようなことはありません

とはいえ「痛すぎて我慢できない」「痛くて中断してしまう」といった方はごく少数。痛みが強すぎる場合には、照射出力を調整するなどの対策をとりながら脱毛を進めていきますので、それほど心配しすぎる必要はありません。

2回目

毛量は1回目とほぼ変わらないため、まだまだ痛みレベルは高い時期です。

1回目の施術後1~4週間たつと、いちど毛がポロポロと抜け落ちますが、2回目の照射を行うころには毛量もほぼ元に戻っています。

レーザーの刺激に慣れ少し痛みが弱くなったと感じる方もいますが、基本的に痛みは1回目と同じくらいで、まだまだ痛い時期です。

2回目の照射は1回目の照射よりも出力を上げるクリニックがほとんどですので、「1回目よりも2回目のほうが痛い」と感じる方もいます。

前回よりも脱毛機のパワーを上げて照射を重ねていくのが一般的です

1回目の痛みが強すぎた方の場合は出力を上げずに照射する・脱毛機を変更する・麻酔クリームを使用するなど対策をとってくれるので、照射する前にクリニックへ相談してみましょう。

3回目以降

3回目以降の照射では毛量が減り、痛みも軽減していきます。

3回目の脱毛を終えると、だんだんと脱毛効果を実感できるようになります。

太い毛が減ってきて細い毛が増えてくると同時に、全体的な毛量も少なくなりますので、照射時の痛みも少なくなっていきます

照射を重ねるごとに毛量が減っていくため脱毛時の痛みは軽減していきます

さらに照射を重ねるごとに痛みが軽減していくのが一般的ですが、痛みにとても弱い方は何回目の施術であっても「痛い」と感じてしまうかな、というのが正直なところです。

まったく無痛での脱毛は難しいため、VIO脱毛は何度目の照射であっても、多少の痛みは伴うものと考えておくと良いでしょう。

VIO脱毛の痛みを耐える方法は?

「VIO脱毛の痛みを我慢しなくていい方法は?」「VIO脱毛の痛みに耐える方法を知りたい」といったお声をいただくことも多いです。

できることならば「次回の照射が嫌になるくらい痛い」といった事態は避けたいですよね。

つづいて、VIO脱毛の痛みに耐える方法をまとめました。

VIO脱毛の痛みを軽減する方法

麻酔クリームで痛みは軽減できる

多くのクリニックでは、VIO脱毛を行う際に麻酔クリームを利用できます。麻酔クリームの相場は3300円/1部位。

レーザーを照射する部分に事前(30分~1時間前)に塗布し、麻酔効果を得ます

麻酔クリームの使用は事前に申し込みが必要なクリニックも多いので、カウンセリング時や次回の予約をする際、麻酔クリームを使用したいと伝えておきましょう。

麻酔クリームが無料のクリニックもありますので、痛みが心配な方や麻酔クリームの使用を検討している方は、麻酔が無料のクリニックを選択するのもおすすめです。

冷却機能付きの脱毛機は痛みを感じにくい

冷却機能付きの脱毛機を使用するクリニックを選ぶと、脱毛時の痛みを感じにくくなります。

脱毛の痛みは、発毛組織を破壊するときの熱によるもの。レーザーの照射と同時に肌を冷却してくれる機能が付いている脱毛機であれば、痛みを最小限に抑えた施術が可能です。

冷却機能付きの脱毛機例

機種名特徴冷却システム
ジェントルレーズ熱破壊式太い毛もしっかり脱毛-26℃の冷却ガスを噴射:DCD(ダイレクトクーリングデバイス)
ジェントルマックス熱破壊式2波長切り替え式で幅広い毛質に対応-26℃の冷却ガスを噴射:DCD(ダイレクトクーリングデバイス)
ラシャ熱破壊式・蓄熱式切り替え可能。照射口が広いため施術スピードが速い-15℃まで冷却可能

導入しているクリニックの多い「ジェントルレーズシリーズ」では、レーザー照射と同時に、ハンドピースから-26℃の冷却ガスを噴射。「バシッ」といった感覚とともに、肌を素早く冷却するため痛みを感じにくいメリットがあります。

蓄熱式脱毛を選ぶ方法も

弱い熱をジワジワと与え温めてダメージを与えるタイプの「蓄熱式脱毛」なら、輪ゴムで弾かれるような刺激はありません。

一発で強いエネルギーを照射する「熱破壊式脱毛」に対して、「蓄熱式脱毛」では弱いエネルギーを複数回に分けて照射します。

熱破壊式と蓄熱式の違い

蓄熱式脱毛ではバシッと輪ゴムで弾かれるような痛みはなく、じんわりと温かい感覚で脱毛が受けられるため痛みは感じにくいです。

また、痛いからといって効果が悪いかといえばそういうわけではなく、痛みを感じにくい蓄熱式脱毛でも正しく照射すれば熱破壊式脱毛と同じ効果が得られます。

Dr.石川

「痛み=効果がある・痛くない=効果がない」といった認識は間違いです。脱毛機器は日々進化しているので、最近ではより痛みの少ない脱毛も可能になってきています。

痛みが心配な方や麻酔の使用に抵抗がある方は、蓄熱式脱毛機器を使用しているクリニックを選ぶと安心です。

どうしても痛い場合は施術者に相談

施術中にどうしても痛みを感じて我慢できない場合は、我慢せずに申し出るようにしましょう。そのまま続けるとやけどのリスクがあります。

同じ部位であっても、体調や肌のコンディションによって痛みが強く感じやすい場合も。我慢できないくらいの痛みを感じたときには無理に我慢せず、すぐに施術者へ伝えてください。

麻酔クリームを追加してくれたり、休みながら照射してくれたり、出力を下げてくれたりなど、痛みへの対策をとってもらえます。

強すぎる痛みはやけどの危険性も増しますので、過度な我慢は禁物です。無理をせず相談しながら脱毛を進めていきましょう。

自分でできるVIO脱毛の痛み軽減方法

VIO脱毛に備えて、自分でできる痛みの軽減方法もあります。

自分でできるVIO脱毛の痛み対策

乾燥を避け保湿する

乾燥は脱毛の大敵です。ていねいな保湿を心がけましょう。

保湿イメージ画像

肌が乾燥していると、レーザーを照射したときの痛みが強くなります。

一方、しっかりと保湿されている肌はコンディションが整っているため、レーザーの刺激に強く痛みも少なく済みます。

あまり保湿する習慣がない方も多いVIOですが、脱毛を検討し始めたら保湿をスタートしましょう

VIOに向いている保湿剤

  • デリケートゾーン専用
  • 敏感肌用
  • 油分の少ないローション

保湿が必要とはいえ、VIOは蒸れやすい部分。油分が多い乳液・クリームなどは、油分の酸化によって炎症の原因ともなりますので、保湿成分が入ったローションがおすすめです。

高価な保湿剤でなくても、ご自身の肌に合うもので毎日ていねいに保湿をすると、肌の状態が良くなり脱毛時の痛みも軽減できます。

黒ずみケアをする

VIOは黒ずみ(色素沈着)が発生しやすい部位。メラニン色素に反応するレーザーでは、黒ずみがあると痛みを感じやすい傾向があります。

黒ずみケア化粧品イメージ画像

VIOの黒ずみは下着や生理用品の摩擦などが原因として挙げられるため、ある程度は避けられないものですが、きつい下着を使用しない・お風呂のときに強くこすって洗わないなど日常のちょっとした気遣いが黒ずみ対策になります

脱毛クリニックでは、ハイドロキノンクリームを購入できるところもありますので、カウンセリング時に相談して購入するのもおすすめです。

保湿と同様に、今すぐに始めてもデメリットは何もありませんので、日頃から黒ずみケアをして脱毛の痛みを軽減しましょう。

生理前後の脱毛予約は避ける

生理前後はお肌が敏感になっているため、痛みを感じやすいです。生理前後のVIO脱毛は避けるようにしましょう。

生理前後の3日間は脱毛を避けると痛み対策になる

特に生理前はホルモンバランスが変化する影響で、ニキビができたり肌荒れが起こったりと、肌の調子が悪くなる方も多いです。

VIOも同じように、乾燥しやすくなったり肌トラブルが起きやすくなったり、痛みに対して敏感に。

「いつもは痛みを感じないのに、生理前の脱毛は痛かった」「生理前に脱毛をしたら、毛嚢炎がたくさんできてしまった」といった方も。

痛みはもちろん、肌トラブルの可能性も高まりますので、生理前後3日間の予約を避けるようにすると良いでしょう。

正しい自己処理をする

VIO脱毛に行く前の自己処理では、肌への負担を最低限に抑えましょう。

シェービングイメージ画像

VIO脱毛前には、自宅でシェービングをしてから来院する必要があります。

このとき、逆反りをしない・強く押し付けないといったポイントを守ってシェービングをし、保湿も丁寧にするよう心がけると脱毛時の痛み軽減へつながります。

正しい自己処理のポイント
  • 毛の流れに剃った「順剃り」をする
  • 電気シェーバーやカミソリは肌に強く押しつけない
  • シェービングは焦らずていねいに。何度も同じ場所を剃らない。
  • 自己処理後の保湿を忘れない

自己処理で毛を剃るだけでなく、肌の表面を削ってしまうと乾燥しやすくなる・肌荒れする・肌が敏感になる、といった事態が起こり痛みを感じやすくなります

VIOはシェービングが難しい部位なので、無理に深追いせずに「剃り残しはクリニックに任せよう」と割り切るのも大事です。

剃り残しやOラインのシェービングが無料のクリニックもありますので、クリニック選びの条件に加えておくのもおすすめです。

寝不足や体調不良を避ける

寝不足や体調不良のときは、いつも以上に痛みを感じてしまうケースがあります。

寝不足や体調不良時は脱毛を避けるようにしましょう

寝不足や体調不良のときは身体の免疫力が下がっている状態です。痛みに敏感になるだけでなく肌トラブルも起こりやすいので、脱毛をおすすめできません。

脱毛前は保湿や黒ずみケアと合わせて、体調管理にも気をつけましょう。

Dr.石川

寝不足や体調不良は、感覚が過敏になりがちです。体調管理をしっかりとしながら施術日を迎えましょう。

医療レーザー脱毛のリスク・副作用

医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。

レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。

  • 赤み、腫れ
  • やけど
  • 毛嚢炎
  • 硬毛化、増毛化
  • 埋没毛(埋もれ毛)
  • 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
  • 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
  • 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
  • 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。
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