「脇脱毛をすると汗の量が増える」こんなウワサがありますが、脇脱毛と汗の量には関係性がありませんので、脱毛が原因で汗の量が変化するとは考えづらいです。
ただ、「本当に脇脱毛で汗の量は増えないの?」「もし脇脱毛のせいで汗や臭いを一度でも意識しまったら、その後きっとすごく気になってしまう…!」これが本音ではないでしょうか。
ここでは、脇脱毛をしたいけど汗の量が増えるのが心配な方、脇脱毛後に汗や臭いが増えたような気がしてお困りの方向けに、ワキ脱毛後に汗をかきやすいと感じる理由とその対処法を解説しています。
脇脱毛をしても汗の量は変わらない

脱毛と汗の量には因果関係がなく、脇脱毛をしても汗の量が減ったり増えたりすることはありません。
脱毛に使用されるレーザーや光はメラニン色素に反応して、毛乳頭・毛母細胞・バルジ領域といった発毛にかかわる組織にアプローチします。
汗を出す汗腺(エクリン腺・アポクリン腺)にはメラニン色素が存在せず、影響を与えないので、脱毛をしても汗の量は変わりません。


脱毛では上記2種類の汗腺に影響を与えませんが、逆に「脇脱毛をしたら汗の量が減った」と感じる方がまれにいます。
この場合は汗の量が減ったのではなく、毛穴に汚れが詰まりにくくなって臭いが減ったため、汗の量が減ったように感じられるようになったと考えられます。
脇脱毛後に汗をかきやすいと感じる理由
脇脱毛と汗の量には関係性がありませんが、なぜ「ワキ脱毛後に汗をかきやすくなった!」という声があがるのでしょうか。
理由として、以下の3つが考えられます。
- 汗が流れやすくなったから
- 今までよりも脇を意識するようになったから
- 「脱毛後多汗症」の場合も
汗が流れやすくなったから



脇のムダ毛は、汗を吸収したり蒸発させたりする役割をもちます。
脱毛後には汗が増えているわけではないのですが、脇の毛がなくなるため、汗が肌をつたって流れやすくなり、「汗をかきやすくなった」と感じる場合があります。
また、今まではムダ毛があることで直接肌に触れる汗が少なかったのが、脇脱毛後にはムダ毛がなくなりダイレクトに肌で汗を感じるようになったため、汗が増えたように錯覚してしまっているのが原因です。
また、ムダ毛がないと服に汗のシミができやすくなるので、汗が増えた、汗が出やすくなった、と感じてしまうこともあります。
今までよりも脇を意識するようになったから
脱毛期間中は、毛の状態をよく観察するようになります(当院でも、毛周期に合わせた照射間隔のために、脱毛中は毛の生えてくる状態をしっかりと観察することを推奨しています)。
今までよりも脇を意識する頻度が上がりますので、実際には量の変化がなくても、汗が気になり始めてしまうことがあります。
女性の場合、生理周期とアポクリン腺の働きに関係があるため、生理の時は汗や臭いが増える傾向があります。その結果、汗の量が増えたと感じる場合も。
脇脱毛後に生理期間に突入した際にアポクリン腺の働きが活発になり、「脇脱毛したら汗の量や臭いが増えた」と勘違いしてしまう可能性も考えられます。
「脱毛後多汗症」の場合も
脱毛後多汗症(脱毛後に汗の量が増える症状)は医学的に証明されている症状ではないため、正式な病名ではありません。


ごくまれに脱毛後に汗の量が増える場合があると言われていますが、症状は一時的なもので、ある程度の期間が経過すると自然に治癒します。
脇脱毛後に汗や臭いが気になったときの対策



ほとんどの場合で心配はいりませんが、万が一ワキ脱毛をした後に汗の量が増えたと感じてしまった場合、以下のような対策をしながら経過観察を行ってください。
- ボディシートで汗をこまめに拭く
- 制汗剤やデオドラント製品を使用する
- 通気性の良い服や汗が目立たない服を選ぶ
- 食習慣などの生活スタイルを見直す
- 医療機関で治療する方法も
いちど気になってしまうと、汗や臭いにストレスを感じてしまいがち。もし対策をしてもどうしても気になる場合は、美容クリニックに相談するのも一つの方法です。
ボティシートで汗をこまめに拭く
脇の汗が気になったときは、ボディシート・汗拭きシートでこまめに拭くと効果的。外出する際に常に持ち歩いておくと安心です。
気になる汗をその都度ふき取れるだけではなく、清潔を保てるので臭いを抑える効果もあります。
ボディシートのメリット
- 水分が含まれているのでしっかりとワキ汗をふき取れる
- 好きな香りを選べる
- サラサラ・ひんやり、などの使用感を選べる
- 使い捨てできるので衛生的
- 殺菌成分や防臭成分が含まれているものも
もちろんタオルやハンカチでふき取る方法でも良いのですが、使い勝手や汗・臭い対策としてボディシートは非常に優秀です。
制汗剤やデオドラント製品を使用する
脱毛後の汗の量や臭い対策には、制汗剤やデオドラント製品が有効です。


それぞれに、スプレー、ロールオン、スティック、クリームなどのタイプがあります。
また、制汗成分とデオドラント成分の両方が含まれる製品も多々ありますので、用途に合わせて選ぶようにしましょう。



医療機関で処方できる医薬品の制汗剤もあります。
通気性の良い服や汗が目立たない服を選ぶ
汗の量や臭いが気になるときは、服を工夫するのも一つの方法です。
ボディラインが分かるようなタイトな服は汗が目立ちやすく、風通しが悪いので余計に汗や臭いが気になってしまう場合があります。
そのため、通気性の良い素材や大きめサイズの服を選ぶと良いでしょう。
さらに、白・黒・ネイビーといった汗で濡れた部分が強調されない色を選ぶのもポイントです。
汗が気になりにくい服の例
- レーヨンやポリエステルなどの速乾性・通気性が良い服
- ぴったりした服よりもゆったりしたシルエットの服
- グレーはNG。白や黒、ネイビーなどの服
汗で湿度が高い状態が続くと、雑菌が繁殖しやすいので臭いが気になってしまう場合も。汗をかいたらこまめに拭くのはもちろんですが、通気性が良く脇が蒸れにくい服を選ぶと良いでしょう。
食習慣などの生活スタイルを見直す
汗の臭いが気になる方は、いちど食習慣などの生活スタイルを見直してみましょう。
とくに脂質やたんぱく質のとり過ぎは汗の臭いの原因となります。
脂質やタンパク質の多い食事を続けていると、アポクリン腺・皮脂腺から脂質やたんぱく質が多く分泌されます。
分泌された脂質やたんぱく質は細菌に分解され、臭いを発する原因になります。
また、アポクリン腺はストレスでも活性化しますので、疲れやストレスを溜めないようにしましょう。
汗の量や臭いが気になる→ストレスを感じる→余計に汗の量や臭いが増える、と悪循環になる可能性も。気になってしまう汗や臭いを気にするなというのは難しいとは思いますが、気にしすぎるのも良くありません。
医療機関で治療する方法も
脇脱毛後にどうしても汗や臭いが気になる方は、医療機関での治療も検討してみましょう。


ボトックス注射
脇に直接注射して発汗量を減少させる治療法です。ワキガへの効果はありませんが、汗の量が減るので雑菌が繁殖しにくくなり臭いが軽減するケースも。
通常2~3日ほどで効果が表れて、個人差がありますが4~9カ月ほど持続します。
効果を維持するためには、4カ月以上の間隔で治療します。初期費用は安めですが、定期的に治療に通わなければならないのがデメリットです。
ミラドライ
マイクロ波を使用してアポクリン腺やエクリン腺といった汗腺を熱破壊。
アプローチ方法は脱毛とほぼ同じですが、そもそものターゲットが異なります(脱毛のターゲット:発毛組織、ミラドライのターゲット:汗腺)。
いちど破壊された汗腺は再生しませんので、効果は半永久的です。
1回、または2回ほどの治療で汗腺の破壊が完了します。費用は高めですが治療に通う必要がなく、結果的にボトックス注射よりも安く治療できるのがメリットです。
医療脱毛ができるクリニックで、ボトックス注射やミラドライなどの治療が受けられるところもあります。



心配しすぎる必要はありませんが、どうしても脇脱毛後に汗が気になる場合は、医療機関へ相談してみてくださいね。
医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。
レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。
- 赤み、腫れ
- やけど
- 毛嚢炎
- 硬毛化、増毛化
- 埋没毛(埋もれ毛)
- 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
- 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
- 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
- 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。