老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)の取り方・除去治療

疑問 女性

顔や頭に現れる、イボ状にもりあがったシミを老人性イボと言います。

悪性のものではないので治療しなくても問題はありませんが、目立つ部分にできて気になる場合は皮膚科での除去がおすすめです。

当記事では、老人性イボの特徴や原因・治療法・日常生活での注意点について解説しています。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)の症状・特徴

老人性イボは、手で触るとわずかに盛り上がりのあるシミです。医学用語では老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)または脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)と呼ばれます。

大きさは数mm〜3mm程度、色は褐色〜黒色で、表面がややザラザラとしているのが特徴です。

早いと20代・30代で発症する場合もありますが、多くは40歳以降に現れます。加齢とともに増える傾向にあり、60代では8割程度、80代ではほぼすべての人に存在しています※1

特に紫外線が当たりやすい顔面や頭部・前胸部・背部への発生が多いですが、手のひらと足の裏以外であれば全身どこにでもできるものです。

老人性イボは良性腫瘍であるため、放置していても悪性化する心配はありません。

しかし、まれに炎症を起こしてかゆみを伴ったり、大きくなったりするケースがあります。かゆみが強い場合や、美容面で気になる場合には、皮膚科での治療がおすすめです。

老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)の 原因

老人性イボの多くは、薄く平坦なシミである老人性色素班が時間の経過とともに変化してできるものです。

主な原因としては、「加齢」や「紫外線ダメージ」による皮膚の表皮基底細胞の遺伝子異常が挙げられます。表皮基底細胞が異常を起こすとメラニン色素が過剰に生成され、シミが濃く、もりあがるようになるのです。

普段日焼けをよくする人・昔よくしていた人は、より現れやすいと言えるでしょう。ただし、20代・30代の若い年齢で現れるものは、遺伝的要因が関係している場合もあります。

除去・治療法

老人性イボはセルフケアでの改善は難しく、皮膚科やクリニックで取り除く必要があります。主な治療方法は以下の4つです。

  1. 電気メス
  2. 炭酸ガス(CO2)レーザー
  3. 液体窒素
  4. 外科的切除

施術の副作用・リスク:かさぶた、水ぶくれ、再発、瘢痕、炎症後色素沈着

電気メス

電気メスを用いてイボを焼き取る治療法です。機器の先端に電流を流し、その熱によってイボの組織を破壊・除去します。

局所麻酔を行うため、施術中の痛みはほとんどなく出血もありませんが、麻酔が切れたあとは数時間ヒリヒリとした痛みが生じます。

また、切除後は稀に治療箇所に赤みや腫れ・内出血が現れます。ただし、時間の経過とともに治まり、2〜3ヶ月程度で徐々に傷跡が目立たなくなっていきます。10日〜2週間程度は保護テープでのカバーが必要です。

多くは1回で治療が終了しますが、大きなイボは除去しきれず数回施術が必要になる可能性があります。

炭酸ガス(CO2)レーザー

水分に反応し熱に変換されるレーザー光線を照射して、イボの体積を大幅に縮小させて除去します。局所麻酔をしてから施術を行い、治療後の痛みもほとんどありません。

炭酸ガスレーザー治療は真皮や患部周辺へのダメージを抑えられるため、跡が残りにくくダウンタイムが少ないのも特徴です。

通常、治療後2〜3日でカサブタができ、10日程度で自然と剥がれ落ちます。一時的に患部に凹みが生じるケースもありますが、3〜6ヶ月程度でもとの肌に戻っていきます。

大きいイボや数が多い場合は数回の通院が必要になりますが、1回の治療で取れるケースがほとんどです。

液体窒素

治療箇所を凍結させて細胞の機能を停止し、肌の新陳代謝を活発化させて皮膚の再生を促します。

液体窒素とは、マイナス196℃ほどの液体です。治療の際にはヒリヒリとした痛みを感じやすいですが、ほとんどの場合は2〜3日で治まるでしょう。

また、施術後は凍傷のような反応がおきるため、内出血や水ぶくれが生じるケースが稀にありますが、そのままカサブタとなり自然に剥がれ落ちます。

1度の治療でイボを取るのは難しく、通常は1〜2週間に1回のペースで複数回治療を続け、徐々に改善を目指します。

外科的切除

巨大なイボの場合には、手術で切除する方法を用いる場合があります。

局所麻酔を行ったあと、メスやハサミを使って取り除き、縫合します。治療の確実性は高いですが、線状の傷跡が残りやすいのがデメリットです。

老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)治療費の目安

老人性イボの治療費の目安は以下の通りです。

電気メス(自費診療)約2,000円〜5,000円/1個
炭酸ガスレーザー(自費診療)約5000円〜10,000円/1個
液体窒素(保険適用)約700円〜2,000円/1個
外科的切除(保険適用)約5000円〜15,000円/1個

液体窒素で治療する場合は、すべて保険が適用されます。また外科的切除も、イボの大きさによっては保険が適用できる場合があります。

そのほかの治療法においては、老人性イボは基本的に美容目的での治療となるため保険が適用されません。

イボの大きさやできる場所によっても治療費は異なりますので、まずは無料カウンセリングや診察でご相談ください。

よくあるご質問

老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)に関して、よくあるご質問をまとめました。

放置しても問題ありませんか

老人性イボは良性腫瘍のため、放置しても悪性化する心配はありません。ただし自然には消えませんので、見栄えを気にするのであれば、皮膚科での治療をおすすめします。

放置すると大きくなりますか。

時間の経過とともに大きくなるケースもあります。特に加齢や紫外線ダメージが主な要因と言われています。

ドラッグストア等の市販薬・塗り薬で自分で取れますか。

市販薬や塗り薬で老人性イボが取れる証明はありません。

イボの市販薬で漢方「ヨクニイン」を配合したクリームなどがありますが、これはウイルス性のイボにのみ有効な薬で、老人性イボへの効果は期待できないでしょう。

オロナインが効果的と聞いたのですが本当ですか。

オロナインは、殺菌作用のある皮膚疾患・外傷治療薬です。

傷口やにきび・水虫などの化膿を防ぐために使用するもので、良性腫瘍である老人性イボに塗っても効果はありません。

症状のある部分が痒いです。

イボが大きくなるときに、多少のかゆみが出るケースがあります。また、衣類の摩擦や紫外線などの刺激を受けると、炎症を起こしてかゆみを感じる場合もあるでしょう。

一般的に老人性イボは悪化しないものですが、かゆみが強く気になる場合は早めに皮膚科を受診してください。

首やお腹にできるものも脂漏性角化症ですか。

非ウイルス性のイボであれば、首やお腹にできるものも脂漏性角化症と呼ばれます。

漢方の効果はありますか。

漢方はウイルス性のイボの治療に用いられる場合がありますが、老人性イボへの効果は期待できないでしょう。基本的に市販薬での治療はできないと理解しておいてください。

老人性イボはうつりますか。

老人性イボはうつりません。ただし、イボのなかには他の部位や人にうつってしまうウイルス性のものもあるため、見分けが難しい場合は早めに診断を受けましょう。

正しい予防法・日常生活での注意点

加齢が大きな原因とされている老人性イボ。これ以上増やさないための正しい予防法と、日常生活においての注意点をまとめました。

紫外線ケアを徹底する

紫外線は老人性イボを発生させる原因となるだけでなく、シワやたるみなど肌の老化にもつながります。日常的に日焼け止めや日傘・帽子などを使用して、紫外線ケアを行ってください。

顔はもちろんですが、首やデコルテなどの日光が当たりやすい部位もしっかりとカバーしましょう。

乾燥や衣服による摩擦に気を付ける

肌が乾燥しないように、日々の保湿ケアを心がけましょう。また、圧迫しない服を選んだり、ネックレスを極力控えるなど、大切なのは「肌に刺激を与えない」心がけです。

洗顔やシャンプーの際には、力強く洗いすぎないように気をつけてください。

むやみに触ったり自分で取ったりしない

できてしまった老人性イボは、表面がザラザラとしていて気になるものですが、むやみに触らないように気をつけましょう。

触った結果老人性イボが悪性化するわけではありませんが、刺激によってかゆみが出たり、イボが大きくなったりする場合があります。

また、手やハサミを使って自分で取ろうとすると、皮膚を傷つけてしまうおそれがあるため危険です。除去する際は、皮膚科で適切な治療を受けましょう。

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