医療脱毛の効果的な通う間隔を解説 – どのくらい期間をかけて通うのが正解?

ムダ毛のお手入れがほとんど必要なくなり、自己処理の手間がなくなる医療脱毛。年々その人気は高まり、エステでの美容脱毛ではなく医療で脱毛する人が増えています。

ただ、医療脱毛であっても、正しい間隔で通わなければ適切な効果が得られないことをご存知ですか?

  • 「効果的な通院間隔が知りたい」
  • 「医療脱毛はどのくらい期間をかけて通うのが正解?」

こんな疑問を持つ方向けに、本記事では部位別の脱毛完了までの期間効率的な通院間隔二回目照射のベストな予約タイミングを分かりやすく解説しました。

さらに、毛が抜けるまでの期間間隔を空けすぎたときの効果への影響についてもまとめていますので、医療脱毛の通院計画を立てる際の参考にしていただければ幸いです。

この記事の執筆者

石川 聡司
(新さっぽろウィメンズ ヘルス&ビューティークリニック 院長)

北海道大学医学部卒業後、北海道大学病院、帯広厚生病院など地域の中核病院に勤務。品川美容外科にて美容外科医として3年間の研鑽を積み、2021年に婦人科・美容外科を併設した当院を開業。

婦人科全般の診療のほか、美容医療では美肌治療、美容整形をはじめ脱毛・アートメイクなど幅広く対応する。

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目次

医療脱毛が完了するまでの期間の平均値

Dr.石川

医療脱毛の標準的なプランは「5回コース」。ただし、間を詰めて5回分通えば早く脱毛が終わるわけではありません。

脱毛は、毛周期に合わせ間隔を空けて通う必要があるため、ある程度の期間をかけて完了させる必要があります。

早く終わらせようと全身脱毛を1カ月に1度通ってもムダ打ちになってしまいますので、照射後に毛が抜け落ちて、ふたたびしっかりと毛が生え揃ったタイミングを狙って通うようにしましょう。

脱毛が完了するまでの期間(平均値)は8カ月~1年半程度

部位別に、医療脱毛が完了するまでの期間の平均値を下記にまとめました。

脱毛が完了するまでの期間の平均値

スクロールできます
部位空ける間隔期間(5回コース)期間(8回コース)
1~2カ月4~8カ月8カ月~1年2カ月
ヒゲ1~2カ月4~8カ月8カ月~1年2カ月
3カ月1年1年9カ月
腕・脚2カ月8カ月1年2カ月
VIO脱毛2カ月8カ月1年2カ月
全身脱毛2~3カ月8カ月~1年1年2カ月~1年9カ月
※5回コースの場合の完了目安

全身を脱毛したい場合の完了までの期間は、5回コース:8カ月~1年8回コース:1年2カ月~1年9カ月程度が目安となります。

顔脱毛や男性のヒゲ脱毛のみを行う場合、毛の生え変わりが早いため、短いサイクルで通えるので完了までの期間は短くなります。

人気3部位(全身・ワキ・VIO)の完了期間の目安

人気の脇脱毛は効果を実感しやすい部位で、5回コースで満足する方も多く、1年ほど通えばお手入れはかなりラクになると考えて良いでしょう。

腕や脚の目立つ毛は5回コースでも満足できますが、ふとももや二の腕の産毛までキレイにしたいと考える場合は脱毛に時間がかかります。産毛までなくしたい方は8回コース:1年2カ月程度の期間を見ておくのがおすすめです。

年々行う方が増えているVIO脱毛の期間は、形を整えたり毛量を減らす程度であれば5回コース:8カ月~1年ほど。

ハイジニーナ(つるつるの状態)を目指すのであれば8回以上の照射が必要になるので、1年2カ月以上が平均値です。

Dr.石川

脱毛は「焦らずに」が一番のポイント。せっかく効果が実感しやすい医療脱毛を受けるので、毛が生え揃ったタイミングをしっかり狙いましょう。

完了までの期間には個人差がある点は理解しておく

「夏までに脱毛を完了するためには、いつから通えばいい?」のように、医療脱毛を始めるにあたり「この時期までに脱毛を完了したい」と希望のある方は多いのですが、確実にこの日まで終わる!と断言するのは難しいのが実際です。

上記でご紹介した目安も、あくまで平均値の目安となります。

はっきり完了期間が言えない理由は、全身・顔・VIOといった脱毛する部位、希望する仕上がり、毛質や毛量によって期間が一人ひとり異なるため。一概に「〇年で終わりますよ」と断言するのは難しいです。

脱毛期間の個人差には、下記のような点が影響します。

脱毛が完了する期間に影響を与えるもの
  • 毛質・毛量
  • 肌質
  • 部位
  • 希望する仕上がり

毛量が多い方色黒肌の方色素沈着した肌への照射は、やけどリスクを軽減するために出力を落として照射する必要があります。

Dr.石川

脱毛の完了期間は個人差が大きく、毛が濃い場合や肌質によって完了期間が異なる点を理解しておきましょう。

医療脱毛の二回目はどれくらいで通うのがいい?

一回目の照射が終わったあと考えなければいけないのが、二回目の照射タイミングです。

Dr.石川

いつ二回目の脱毛予約をすればいいのか、ベストタイミングを見ていきましょう。

二回目の最適な間隔(部位別)

基本的には、1回目照射後に毛が抜け落ちたあと、毛が再びしっかりと生え揃ったときが二回目照射の最適なタイミングです。

とはいえ、初めて脱毛をする場合は、1回目照射後にいつ毛が抜けて、そのあといつ毛が生えそろうのか?分からない方がほとんどかと思います。

ただ、毛がしっかりと生え揃うまで待ってから予約をとろうとすると、予約日がかなり先になってしまいがち。

一番良いのは、1回目の施術後すぐに2回目の予約をとることです。人気院は特に予約が取りづらいため、できるだけ早めに予約をとっておかないとスムーズに通えません。

では、2回目の予約はいつ取るのが最適なのでしょうか。部位別に下記にまとめました。

【部位別】2回目の脱毛予約の目安

1カ月後
ヒゲ1カ月後
2~3カ月後
腕・脚2カ月後
VIO脱毛2カ月後
全身脱毛2~3カ月後

最初の2~3回目までは、まだ毛の生えそろうスピードが脱毛前とあまり変わらないので、少し短めの間隔で通うのがちょうど良いです。

全身脱毛を行っている方の場合、すべての部位の毛周期にぴったりと合わせるのは難しいため、2~3カ月後を目安に2回目の予約をとるようにしましょう。

2回目の照射時に毛がまだしっかり生え揃っていないなと感じたときは、3回目の予約時はもうすこし期間を空けてとるようにするとタイミング良く脱毛できます。

4~5回目以降は徐々に毛が生え揃うのが遅くなってくるので、それまでよりも少し長めの間隔で通うのがおすすめ。脱毛後の発毛状態をよく観察するようにすると、段々とご自身のベストな脱毛間隔が分かってくるはずです。

毛量が多すぎるとレーザーのエネルギーが分散しますので、VIOなど毛が密集して生えている部分は、一部の毛の効果が薄れる場合も。二回目の間隔の空けすぎには注意しましょう

Dr.石川

脱毛効果を最大限に引き出せるのは、毛がしっかりと生えそろったタイミング。施術後は、毛の状態を観察しながらクリニックに通いましょう。

期間の空けすぎは効果がなくなる?

ここまで最適な脱毛間隔についてお話してきましたが、ご自身の予定やクリニックで予約の空いている日などの事情もあり、ちょうどいいタイミングで次回の予約をとるのが難しいケースもあります。

Dr.石川

ここからは、期間を空けすぎても大丈夫なのか逆に短い期間で通うとどうなるのか?といった疑問について解説していきます。

2回目の照射は期間を空けすぎないようにする

毛量が多すぎると医療レーザーをあてたときエネルギーが分散してしまうため、2回目までは間隔の空けすぎに注意しましょう。

脱毛2回目までは、まだ脱毛を受ける前と同じくらいの毛量で毛がふたたび生えてきます。

期間を空けすぎてしまうと適切な効果が得られず、最終的な仕上がり状態にも影響してきますので、1回目⇒2回目の照射は間を空けすぎないよう予約を取るようにしましょう。

3回目以降は期間を空けすぎても効果は変わらない

3回目以降はクリニックに通う期間を空けすぎても、効果に大きく影響しません。

脱毛3回目以降は、期間を空けすぎたとしても効果に変わりはありません

レーザーに反応し破壊された発毛細胞は再生しませんので、再びレーザー照射する必要がありません(破壊された発毛細胞にレーザーを当てても、反応するメラニンがないので無意味な照射になります)。

次回の照射でターゲットになるのは、生き残っていて成長途中の毛だけ。

期間が空けばそれだけ反応する毛も生えそろってきますので、効果がなくなる心配はありません。

期間をかなり空けすぎた場合はデメリットも

ベストな通院間隔から大きくずれてしまうと、成長していた毛がお休み期間に入ってしまう可能性があります。そうなるとレーザーに反応する毛が減り、一度の施術で得られる効果も減ります。

照射の間隔が空けば空くほど脱毛完了までにかかる期間も長くなってしまうので、順調に脱毛を進めたい方は、間を空けすぎず毛が生え揃ったタイミングに合わせて通うようにしましょう。

逆に期間が短いと効果が減ってしまう

なるべく早く脱毛を終えたい気持ちは分かりますが、必要な期間を空けず短い間隔で通うとムダ打ちになってしまいます。

医療レーザーで脱毛効果が得られるのは、成長期にある毛だけです。

通う期間が短いと、成長している毛が少ない=反応する毛が少ない状態。効果を充分に得られずにそれだけ回数や期間、料金もかかり、とてももったいないです。

肌への負担を防ぐ意味でも、期間を空けての通院を心がけましょう。

ちなみに、「通常より短期間で医療脱毛が完了する」と謳うクリニックもありますが、これは契約したコースが完了するだけ。満足のいく仕上がりを保証したものではありませんので、焦って詰めて通うことのないよう気をつけましょう。

Dr.石川

脱毛効果を最大限に得る、肌ダメージを減らす、といった理由から、最適な間隔(毛周期に合わせた脱毛)を無視して通うのは推奨できません。

医療脱毛後、毛が抜けるまでの期間はどのくらい?

サロン脱毛よりも効果の高い医療脱毛ですが、照射後すぐに毛が抜け落ちるわけではありません。

毛が抜けるまでどのくらいの期間がかかるのか、下記にまとめました。

毛が抜けるまでの期間は脱毛機によって違う

医療脱毛で使用される脱毛機には、熱破壊式(ショット式)脱毛機と蓄熱式脱毛機がありますが、どちらを使用するかによって毛が抜けるまでの期間が異なります。

【脱毛機種別】毛が抜けるまでの期間

熱破壊式脱毛機1~2週間
蓄熱式脱毛機3~4週間

一発の強いエネルギーで毛乳頭や毛母細胞などを破壊する熱破壊式脱毛機は、照射した日から1~2週間ほどすると徐々に毛が抜けてきます。

一方、複数回の弱いエネルギーを当てていく蓄熱式脱毛機は、照射した日から3~4週間ほどで毛が抜け落ちます。

脱毛機別の毛が抜ける時期

VIO・脇・ヒゲなどの太い毛が生えている部分はとくに、服やタオルに抜けた毛がついていたりして、抜けてくる瞬間が分かりやすいかと思います。

一方、産毛は「気づいたら抜けていた」といったケースが多いです。

Dr.石川

施術後すぐに毛が抜けないと不安になるかもしれませんが、正しく照射されていれば1~4週間でポロポロと毛が抜けますので根気強く待ちましょう。

抜ける前に抜く・剃る、は問題ない?

脱毛の施術が終わった後に毛をひっぱってみると、スルッと簡単に抜ける毛と抵抗があり抜けない毛があるのが分かると思います。

「脱毛後に毛が抜けるのが楽しい」と感じる方も多く、自然に抜ける前についつい自分で抜いてしまいがちです。

抵抗なく抜ける毛を抜くのはそこまで問題になりませんが、無理に抜くと肌を傷つけてしまったり、次回の照射でターゲットとなるはずの毛まで抜いてしまう危険性もあります。

肌を傷つけないためにも、次回の脱毛での効果を最大限に得るためにも、当クリニックでは「毛が自然に抜ける前に、自分で抜くのはやめましょう」とご案内しています。

抜ける前に剃るのは大丈夫

脱毛照射後、毛が抜ける前に自己シェービングするのは問題ありません。ただし、レーザー照射で敏感になった肌を休ませる意味でも、脱毛後に毛を剃るのは1週間ほど期間を空けて行うようにしましょう。

自己処理の際は、カミソリよりも肌ダメージの少ない電気シェーバーで行うのがおすすめです。毛穴を傷つけ肌トラブルのリスクを回避するためにも、毛の流れに沿ってシェービングして充分に保湿しましょう。

毛抜きをしてしまった場合、期間は空けたほうが良い?

脱毛期間中の毛抜きは絶対に避けてほしい行為ですが、うっかり毛抜きをしてしまった場合は、最低1カ月以上の期間を空けて脱毛をしましょう。

医療脱毛は、レーザーをメラニン色素に反応させて熱エネルギーが生まれ、その熱によって発毛細胞を破壊し脱毛効果を得る仕組みです。

毛抜きでムダ毛を引き抜いてしまった場合はメラニン色素がなくなるので、毛穴にレーザーを当てても何も起こりません。つまり「脱毛できない」ということです。

そのため、毛抜きをしてしまったときは、その毛が再び生えてくるのを待ってから脱毛しないと意味がありません。

毛の生え変わるサイクルは個人差や部位による差もありますが、最低でも1カ月ほどはかかります。

ただし、一度毛抜きをしてしまった毛穴は毛周期が乱れてしまうため、1カ月空けたとしても毛抜きをする前の状態に100%戻るとは考えにくいです。

Dr.石川

効果を最大限に得るために、脱毛中には毛抜きを使用しないのが一番です。

おすすめ通院ペース・期間まとめ

さいごにもう一度、医療脱毛のおすすめ通院ペース・期間をまとめます。

  • 最適な間隔には個人差があり、基本的に「毛がしっかり生え揃ってから」が目安
  • 早く通えばそれだけ脱毛が早く完了するわけではない。毛周期に合わせて通院する
  • 全身脱毛は2~3カ月に一度のペースで通い始め、4回目以降は3~4カ月に一度のペースが最適
  • 顔脱毛やヒゲ脱毛のみの場合は短い期間(1~2カ月間隔)で通える
  • 2回目の予約は期間が空きすぎないように注意する
  • 間隔が乱れるため、脱毛中は毛抜きの使用は厳禁
Dr.石川

サロン脱毛と比べ、医療脱毛は満足できる仕上がりになるまでの期間が早いです。短い期間で脱毛を完了させたい場合は、医療脱毛を検討してみてください。

医療レーザー脱毛のリスク・副作用

医療レーザー脱毛は、レーザーをメラニン(黒い色)に反応させることで発生する熱により、発毛組織を破壊し脱毛します。

レーザー照射後は、以下のような副作用があらわれる可能性があります。

  • 赤み、腫れ
  • やけど
  • 毛嚢炎
  • 硬毛化、増毛化
  • 埋没毛(埋もれ毛)
  • 皮膚や毛の状態によっては、赤いブツブツが出ることがありますが、数時間~数日で消失します。
  • 脱毛部分に赤みがある時は日焼けを避けてください。通常脱毛3週間は外出の際、脱毛部を露出する服装を控えていただくか、日焼け止めクリームなどをご使用ください。それでも稀に色素沈着が生じたり、逆に色素が抜けたりすることがあります。
  • 脱毛部位にあるホクロ・シミ・あざなどは、レーザー脱毛に伴い取れてしまったり薄くなったり、あるいは濃くなることがあります。
  • 毛穴に残った毛が黒く見えることがありますが、徐々に外に出て行きます。毛抜きで抵抗感なく抜けるものは抜いて構いませんが、無理に取ろうとして先の尖ったピンセットなどで掘ったりしないでください。
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